2001年10月11日予算委員会質疑<都市整備委員会所管>


○小畑 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 まず都市整備部長にお聞きしておきますけれども、小田急線の今回の判決についてどういう感想をお持ちですか。

◎原 都市整備部長 判決が出ました。自治体職員として、技術職員として、区民として、時には鉄道利用者として思うところは多々ありますが、ただ、一審でもあり、また、現在、裁判の直接の当事者ではないということで、発言は差し控えたいと思います。

◆木下 委員 世田谷区は当事者なんですよね。まさに環境側道は都市計画もやっているんですね。ですから、当事者でないということ自体が非常に― それは参加はしていませんよ。東京都だって当事者じゃないけれども、参加人として参加しているんですよ。だから、そういった意味では当事者だと思いますよ。
 ところで、七割完成という報道がひとり歩きしまして、もうできているんだからしようがないだろうというようなことを言っていますけれども、七割というのはどういうことで七割ですか。

◎堀川 交通企画課長 七割という数字でございますが、こちらにつきましては、高架橋の出来高と認識しております。ほかにも駅舎の工事とか線路の敷設、また側道整備等についていろいろ工事はございますが、この七割という数字には、それは入っていないということで考えております。ただし、既に特別委員会などでもご報告させていただいておりますように、昨年度に経堂駅付近、それから、祖師ケ谷大蔵駅付近で在来線の高架化が完成しておりますし、また、この十月には(「結構ですよ、それで」と呼ぶ者あり)はい。そういうふうに進んでおります。

◆木下 委員 東京都から得た情報なんですけれども、高架工事でスラブが二百五十八基必要で、そのうちの百八十四基ができていて七一%だというんですよ。しかし、これは線増線部分ですか、全体ですか、どっちですか。

◎堀川 交通企画課長 線増と連立と両方合わせて全体の分だと認識しております。

◆木下 委員 今までこういう七割という言い方というのはしてこなかったんですよね。昨年度末に五三%という言い方をしてきた。事業費が千九百億円で、そのうちの執行率が五三%だということなんですけれども、これについて、ここでも何回もお聞きしましたが、用地費と工事費の内訳について一切明らかにされていないんですね。今回もこの質問に当たりまして東京都に聞いてくれというふうに言いましたが、それはわかりましたか、どうですか。

◎堀川 交通企画課長 事業費につきましては、現在、総事業費は千九百億円という計画でございますが、十二年度末でそのうちの約五三%、一千億円の執行済額ということで説明を受けております。それで、私どもとしては、その内訳としての工事費が幾ら、用地費が幾らという内容までは把握しておりません。

◆木下 委員 世田谷区は環境側道をつくる当事者にもなっているし、都市計画を決めた当事者でもあるわけです。そして、今まで五三%という言い方、毎年年度末に何%できた、何%できたと言っているわけです。そのごとに聞いてきましたけれども、用地費と工事費の内訳が明らかでない。全体の工事費、用地費が、これは九百五十億円、九百五十億円というふうにわかっているわけですから、当然五三%ではどの割合だというのはわかるはずなんですね。それさえ教えていないわけです。
 そして、問題は、そういう形で今まで言ってきたにもかかわらず、今度はスラブという形での七一%というような言い方をして、世の中を欺こうとしているとしか言いようがないわけです。世田谷区はお金も出しているわけですけれども、これについても、その使い道について全然わからないわけですね。例えば線増線部分と在来線部分、それのお金の仕分けがどうなのかということについてわかりますか、どうですか、イエスノーで答えてください。

◎堀川 交通企画課長 こちらの内容については把握しておりません。区といたしましては、負担金の額がどうなるかということで言えば、その負担金は東京都が全体で計算するわけですから。

◆木下 委員 時間がありませんので、端的に答えてください。
 結局、地方財政法に基づいてお金は出しているわけですけれども、二十七条の三に、異議があるときには、これについて自治大臣に対して争うことができるわけですね。今回違法と出たわけですよ。流用されているかもしれないし、今の段階では支出自体が違法なんですよ。この点についてどう思いますか。

◎堀川 交通企画課長 まず違法とされていると申しますか、事業認可が違法でございまして、事業が違法ということとは若干違うのかなというふうに一つ思います。

◆木下 委員 結構です、時間がありませんので。
 要するに、今回の判決で非常に特徴的なのは、こう言っているんですね。既になされた工事について原状回復の義務などの法的効果が発生するものではなく、その他本件各認可の取り消しにより公の利益に著しい障害を生じるものとは認められないからというふうに言っているんですが、その前に、その手続自体、またはそれに必要な公金の支出に関与した公務員が、何らかの意味で責任を追及されるなどの可能性はないではないがというふうになっているんですよ。
 つまり、今回の公金の支出について、これは明らかに事業手続が違法であって、その出され方も違法であれば、世田谷区長の責任も追及されることになるわけですよ。それで、今回の判決で上下についての調査をきちっとやっていなかった。それから、騒音についてのことも考慮していなかった、その二点を挙げていますけれども、その余のことはたくさんあるわけですよ。
 その余のことの中に、線増線と在来線について、これは一体の工事だという認識を裁判所の方は今回判決で出したわけですけれども、これが分かれているといって、その出し方について、どうも隠している形跡がある。つまり、線増線部分が幾ら、在来線の部分が幾ら、工事費が幾ら、用地費が幾ら、そういうことがわかってしまうと、非常に違法性がさらにばれてしまう。そういう中で東京都は一切明らかにしていないということもあると思います。
 判決が出て、この工事についてどうするか、今、小泉内閣の方にもいろいろ申し入れ等をしております。昨日は森山法務大臣と福田官房長官にもこの原告団等は会っています。そう言ったにもかかわらず、七割という根拠さえ示すことがきちっとはできない。それから、実際にどれだけできたのかもわからない。しかも、代々木上原から梅ケ丘までの工事、これは何年までかかりますか。完成が平成二十五年以降なんじゃないですか。いかがでしょうか、イエスノーで答えてください。

◎堀川 交通企画課長 はい、イエスでございます。

◆木下 委員 二十五年というのは、これはミニマムでして、もっと二十六年、二十七年というふうになっていくかもしれない。つまり、そうなりますと、私は完成時にもう還暦を過ぎているんですね。若いと思ってやっていましたけれども、私がもう還暦になるまで完成しないんですよ。そういうことでいいのかという問題があるんです。今回の七割の報道で一番欠けているのは、つまり、代々木上原まであかなければ、現在、七百七十本の本数が八百本にしかふえないんですよ。それで、代々木上原まであいて、初めて千本になるんですね。ですから、まさにその妨害をしてきたのは行政なんですよ、遅くしているのも行政。だから、シールド方式でやり直せば早くできるというのは、これは事実なんですね。そういったことでの今折衝をしている最中なんです。
 そういった中で、世田谷区の部長さんもさっき答えを控えさせていただくというふうに言ったけれども、官僚の責任が、まさに役人の責任が問われている裁判だし、もしこれが控訴ということになれば、恐らく官僚の責任を徹底的に追及するということを弁護団はやるでしょうし、そういうことですので、ぜひ東京都と建設省にも世田谷区なりの、それなりの意見をきちんと言って、早期解決のために努力していただきたい、そのことを申し上げておきます。

○小畑 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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