2000年3月24日予算委員会質疑<補充質疑>


○荒木 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。


◆木下 委員 水間助役にお聞きしたいんですけれども、第三セクターの解散について株主総会はどうなりましたか。


◎水間 助役 株主総会は、たしか三月二十八日に予定されているわけでございまして、まだ実施はされておりません。


◆木下 委員 実施されてから聞きましょう。
 区長にお聞きしたいんですけれども、この前は石原都知事の排ガス公害に対するいろいろな感想を聞きましたけれども、小田急線の地下化についての発言が議事録等も上がってきていますので、区長は石原さんの地下の方が安上がりだというような発言、あるいは地下の方式を考えたらどうか、そういった発言についてどういうふうにお考えになりますか。


◎大場 区長 それは、石原さんはどういう話だかはわからないんですけれども、しかし、地下の方が一般的な道路をつくるよりも、より住民にも親しみやすいし、物の考え方としてはその方がいいんではないか、こういうような形だと思います。


◆木下 委員 もともと区長は、六十年代には小田急線の地下化の運動の会合等にも顔を出されて、激励もされていますよね。ですから、地下の方が望ましいというお考えはそのとおりですか。


◎大場 区長 その当時の話では地下化の問題はありました。だけれども、それはそれで私どもは大変結構だと思っていたんですが、なかなかそういうわけにはいかなくなって、地上になったということと理解いたしております。


◆木下 委員 担当者に聞きますけれども、京都の市営地下鉄の御陵駅のあたりです、シールド工法等で土木技術賞等もとっているんですけれども、これについて知識はございますか。


◎原 都市整備部長 若干新聞で読んでいる程度で、詳しくシールドあるいは工法については把握をしておりません。


◆木下 委員 下北沢はこれから地下化せざるを得ないわけですよね。そういうふうになっているわけです。今回の石原さんの話で決定づけられたわけです。ところが、ちょうど昭和六十一年に川上委員会が発足して、事務局長は林泰義さんですけれども、その当時に出した結論は、地下と高架を比べると、地下の方が三倍かかると。そういうようなことで、つまり高架の方が安上がりだと、そういう結論を出したわけです。それに引っ張られる形で高架化が推進されていったわけですけれども、実は京都の市営地下鉄は、一九八九年、平成元年十一月八日に東西線の起工式をやっているんです。そして、一九九七年には完成しているわけです。小田急の素案の説明会は一九九一年で、九二年に案の説明会。そういった時系列をたどるわけです。

 つまり、当時もう既に地下化の新しい技術というのは確立していたわけです。そういった中で、そういう新しい技術については全然触れずに、開削工法であるとか、シールド工法にする場合にはシールドと同じ距離をあけなければいけない。そういうようなことでミスリードしてきた、そういう事実があると思うんです。担当者の方は、そういうことについてはどういうふうに認識されていますか。


◎原 都市整備部長 高架、地下の議論をするときに、ただ上、下という問題だけではなくて、周辺の踏切の問題、それから踏切を解消するための土地の取得の問題、もろもろを判断してやってきたことだと思っております。ですから、決してミスリードということではなくて、当時は技術サイドあるいは経済サイドで一生懸命考えた末、そういうことになったと理解しております。


◆木下 委員 川上秀光さんといいますと、日本の土木界の大御所ですよ。全国の連続立交の調査の委員長等をずっとやられているわけです。ですから、知らなかったわけないわけです。そういったものを隠してきた。そういった中で今があるわけですが、問題は、石原都知事が地下の方が安いというふうに認識されているということなんです。これは当然ですよね。最近、エイトライナーだって地下で計画を考えて働きかけておられる。それから、外郭環状だって地下化の方がいいということで、地下にした上のまちづくりというようなことを言っている。そうなりますと、当然、鉄道についても地下でやるべきだと。また、東京都に技術があるのだからというのは、そういった意味だと思うんです。

 そういった中で、下北沢について、区長、地下でやるべきだというふうに、そういうご意見は持っていないんですか。


◎大場 区長 地元ではいろいろな意見がございまして、地下も反対、あるいはまた地上も反対と、いろいろなことがございますので、私はどっちにしたらいいかということは考えてはおりますけれども、なかなかどうもこれは簡単に私の口からはこっちの方がいいよという話にはいかないというふうに思っております。


◆木下 委員 少なくとも世田谷区議会は地下化の決議を二回も上げているんですよ。それに乗った形で区長は地下化運動を激励してきたということがあるわけです。今この期に及んでも地下にすべきだと、そういうふうに言わないんですか。地下にして、上をやっぱり緑道にでもすべきだと、そういう考えもお持ちにならないんですか。


◎大場 区長 これは施工者側がどういうふうに今後考えていくかわかりませんけれども、地下にしたって、上の方はそのままでいいのかということが非常に問題になると思いますので、その点については、私からはどちらという話にはいかないというふうに思っております。


◆木下 委員 結局は何も決められないということですね。もう地下であるということについては、これはむしろ昭和六十二年と六十三年、一九八七年と八八年の連続立交調査が終わった後に、下北沢を切り離したときから、もうあそこは地下にせざるを得ないということは一つの方向性として決まっているはずですよ。それをずっと隠してきた。そして、今世田谷の、やっぱり小田急線というと一つの背骨に当たりますよね。それが皮膚を破って、梅ケ丘から成城のところまで露骨に醜態をさらしているわけですよ。そういった形でこれからまちづくりがされようとしている。これは世田谷の環境破壊をしていくような、そういった構図になっているわけですよ。ですから、今からだって地下にすることは不可能じゃない。そういう認識はお持ちになりませんか。


◎原 都市整備部長 地下についても、やはりさまざまな検討がなされるべきだろうと思います。例えば、中小河川がちょうど小田急と直交するような形で入っている世田谷区においては、地下というのもやはりよほど真剣に考えませんと、地下水脈を切ってしまうというようなことも起こるかもしれない。そういうことを慎重に考えて、ただ上、下という問題だけではなくて考慮していきたいと思います。

 下北沢につきましては、現在東京都も含めまして、小田急線東北沢〜梅ケ丘間整備方針検討会というのもやっておりますので、その中で十分な検討をしていきたい、区もそれにかかわっていきたいと考えております。


◆木下 委員 一方で外郭環状とかエイトライナーについては地下で進めようとしている。今言ったようなことは一切言っていませんよ。そういった中で、小田急の問題、単に値段が高いからということが中心課題だったわけですよ。それもひっくり返ってきている。それから、実際問題として、もう下北沢は地下でしかやらざるを得ない、それでしかできないのにもかかわらず、いまだに区長は何もはっきり言わない。これは区民に対する背信行為ですよ。そのことを申し上げて、終わります。


○荒木 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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