2000年3月21日予算委員会質疑<都市整備委員会所管>


○荒木 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 都議会で小田急線の問題及び連続立体事業について、都知事が回答したことでいろいろ話題になっているんですけれども、都議会議員の三宅議員に、こういうふうに答えているんですね。
 下北沢について三宅議員は質問したんですけれども、都知事は、私は現場をよく知りませんが、大体、世田谷区も大田区も、どこもみんな同じような問題を抱えているわけですがと言って、下北沢に限ったことでなくて答えて、立体化というと、高架化、高架化ということになっているけれどもと言った上で、だから、思い切って、経費も安く済むだろから、何かその部分だけちょっと違った方式で地下化できないか。その方が早いし、お金もかからずに済むような気がするんですけれどもと言いました。高架のかわりに地下化すると、そういったことも、せっかく東京に多分技術があるんだろうから、あるなら、それを駆使して新しい立体化の方式というのをプロパーで考えたらどうかということで宿題を出しました、そういうふうに答えているわけですね。
 これについてどういうふうに思いますか。

◎板垣 交通企画課長 今、石原都知事の答弁についてのお話がございました。これにつきましては、三月二日に開催されました平成十二年度の都議会第一回定例会におきまして、下北沢駅付近の連立事業とまちづくり計画等に関する都の対応についてという質問があったとのことでございます。
 その中で、今お話がありましたような、最初は下北沢付近の立体化について、地元の区のまちづくりの検討状況などを踏まえつつ取り組んでいくという答弁があった後に、一般論として立体化には大変お金もかかる、従来と異なった方式でできないかというようなことを内部検討するよう指示したというような趣旨の発言、今ご指摘のような発言があったというふうに聞いております。
 都の所管の方にも、この内容について私どもも聞いておりますが、その高架か地下かということにつきましては、その部分だけ道路の立体化みたいなものも含めて検討できないかというような趣旨での発言があったということで、その旨の指示が既に所管の方にも来ているというふうに聞いてございます。

◆木下 委員 石原知事は三宅議員に対してだけでなくて、島なおき議員──自民党の方ですけれども──の質問にも答えて、先ほど申しました、必ずしも高架化だけではなくて、何か新しいノウハウを駆使して、とにかく地下化することも一つの立体化だと思いますから、こういうことについて、都の専門家たちに何か妙案がないかということを改めて宿題として出しましたというふうに言っているんですね。つまり、知事の意識の中では地下の方が安いというのがまずあります。それから、今もう技術を駆使して地下化はできるじゃないか。だから、高架、高架と言っているけれども、地下化ができるじゃないかというふうに言っているわけですね。
 それで、実際に地下化が進められているところもあるわけです。例えば京王線の調布付近ですね。これについて複々線も伴う連続立体交差ですが、これは二線二層地下化という住民側が主張していたとおりの工法がとられているわけですね。これは、小田急の連続立体化事業の説明会の際には二つ並べるようなことはできないと。つまり、上下でつくるようなことはできないというようなことまで言っていたわけですよ。こういったふうに、この調布市の事業についてどういうふうにお考えになりますか。

◎板垣 交通企画課長 今、京王線の調布駅付近についての地下化が決まったというお話がございました。二月ぐらいでしたか、地元で素案の説明が始まっております。その説明の中で、東京都の方としましては、地形的な条件、あるいは経済的な条件、いろいろなそういう制約条件等を含めて検討した結果、地下化を決定したというような旨の説明をしてございます。

◆木下 委員 それから、今回の調布の説明会は非常に世田谷と違ったところがあるんですね。それはまちづくりと一緒に説明しているんですよ。その事実はいかがですか。

◎板垣 交通企画課長 私どもも連続立体交差事業につきましては、単に鉄道と道路の立体化をすることだけではなくて、駅周辺のまちづくりも含めて同時にやっていくことが必要であるということは、これまでも私どもも言ってきておりますし、今、それを念頭に置きまして各六駅のまちづくりを進めております。
 残念ながら、今の六駅事業化しているところにつきましては、まちづくりも含めて一緒に説明をするというところまでは至っておりませんでしたが、今、まさにそういうまちづくりを一緒に進めているわけでございます。
 今後、以東の話になりますと、まさに駅周辺のまちづくりもどうしていくか。今、私どもも検討しながら都の方にも提案していきたいと思っております。

◆木下 委員 小田急線の連続立体事業調査の報告書がありますけれども、これは一部黒塗りで伏せられているんですね。しかし、これの冒頭に、この調査でも都市計画道路の整備、一二八号線、二一七号線、祖師谷大蔵市街地再開発計画、駅前広場及び駅周辺再開発計画、成城学園前駅と経堂駅など、環状七号線の沿道整備、経堂駅車庫跡地利用計画、こういったことが関連事業の概要としてこれに示されているはずなんですよね。それは隠されていますけれども、少なくともここでもう既に素案をつくっているわけです。これはもう法定化されていまして、要するに、連続立体事業調査の中に計画案はつくるようにという指示があるわけですね。ですから、小田急の説明会でも一緒にやらなかったことの方が違法なんですよ。そういう認識はありますか。

◎板垣 交通企画課長 昭和六十二年、六十三年に行われました連続立体交差事業の内容につきましては、都が調査をしたものでございまして、私どもも内容については詳しくは把握してございません。黒塗りでしか、部分的にしか見ておりませんので、内容について定かではございません。
 したがいまして、今、事業化中のところにつきましては、まさに私ども区としましてどんなまちづくりができるか、今、おいおい地元の協議会と相談をしているところです。

◆木下 委員 いまだにこれの情報を得ていないとか、そういうことは通ると思いますか。要するに、世田谷区も説明会の主体になったわけですよ。そのときに知らされていないとか、今でも知らされていないとか、そういうこと自体がおかしいし、それから、世論自体、石原知事も地下化が当たり前のことのように受けとめていますよ。下北沢も二線二層の地下になるでしょう。ですから、今の高架のところ、五キロぐらいですけれども、ラクダのこぶのようになるわけですよ。
 これについては沿線の住民も非常な批判を持っています。ここを見直せという要求がふつふつと上がってきているわけですよ。そういったことについて、今後も追及していくつもりですけれども、きょうは時間がありませんので、補充でまた質問させていただきます。

○荒木 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

   ──────────────────