平成8年第1回臨時会(自514日 至517日)

世田谷区議会会議録

1996年5月14日 「平成七年度財政援助団体等監査の結果について」に対する質疑


○(鈴木昌二議長) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。

   〔関次長朗読〕

 報告第十二号 議会の委任による専決処分の報告(自動車事故に係る損害賠償額の決定)外報告九件

○(鈴木昌二議長) ただいまの報告中、第十二号から第二十号に至る九件についてご質疑はございませんか。

 三十七番木下泰之議員。

◆三十七番(木下泰之議員) 報告第十九号は、「平成七年度財政援助団体等監査の結果について」となっておりますが、この件について質疑いたします。

 昨日の朝日新聞朝刊の都内版に「地方議会再生を 議員・市民百人で会結成」とあり、開かれた議会をめざす会が十二日に結成されたとあります。議員みずからが厚遇や特権を甘受していては行政を正すことはできないと危機感を抱いた文京区議が呼びかけて結成され、めざす会は今後、第二の報酬とも指摘される議員の調査研究費や政務調査費の実態調査に取り組むとしております。

 行政特権や議員特権を正すという運動が全国的に広がり、世田谷区議会でも食糧費が問題にされ、「区議会だより」編集委員会におけるてんぷらそばの提供の是非が議論されるところまで来ておりますが、我々議員に関する最も根本的な問題として政務調査研究補助費の問題があるわけで、昨日の朝日の報道は、地方議員みずからがこの問題に取り組むことを意思表明したことで、画期的なことであるというふうに考えておるところであります。

 さて、報告第十九号を見ますと、補助金など交付団体の中に、本議会の会派に対する監査が一切触れられておりません。本文にも、別表一にも二にも出てこないのであります。平成三年四月一日の監査委員決定による世田谷区財政援助団体等監査実施基準によりますと、一、監査の実施として、財政援助団体など監査は、法第百九十九条七項の規定に基づき、区が財政援助等を行っている団体について実施する。また、法第百九十九条第五項の規定に基づき、当該団体に出資金及び補助金などを支出している所管部に対しても同時に行うとなっております。

 同実施基準二には監査対象が特定してあり、冒頭1)として、財政援助として補助金などを交付している団体とし、三では監査対象団体の選定として、監査対象団体の選定は重要性、緊急性のあるもののほかは、別記監査実施基準に基づき選定するとなっております。その上で、別記監査実施基準は、補助金など交付団体について、補助金交付額が百万円以上の団体について実施基準が定められております。すなわち、補助金を百万円以上交付する団体に関しては、監査を行うことが定められているのであります。

 政務調査研究費は、まごうことなき補助金であり、個人個人ではなしに、会派に対して、議員一人当たり二十二万円の計算で毎月支払われますが、年度ごとの補助事業計画書を提出し、年間予算を定めて交付申請を行い、また、年度ごとに政務調査研究補助金事業実績報告書を提出することが義務づけられております。

 すなわち、世田谷区補助金交付規則によって律せられる補助金であります。二十二万掛ける十二カ月ですから、議員一人当たり年間二百六十四万円、五十五人議員がおりますので、年間一億四千五百二十万円が世田谷区議会会派に補助金として支払われることになっております。一人会派でも年間二百六十四万円、最大多数会派の自民党は、現在二十一名ですから、年間五千余万円が補助金として支出されているのであります。

当然、監査実施基準に該当するわけですが、なぜ監査報告がないのか。例外規定の存在はないと認識しておりますが、もし例外規定があるとしたら示していただきたい。例外規定がないとしたら、なぜおやりにならないのですか。これが質問の第一点であります。

 第二点目は、平成七年度に起こった具体的な事例を申し上げ、この事案について、既に調査に入られたかどうかについてお聞きいたします。

 平成八年三月九日土曜日、すなわち平成七年度内に補助金を受けている団体であり、四名会派であった社会民主党世田谷区議団は、幹事長名で会派解消届を提出し、その直後に、私を除く三名で、解散した会派と同名の会派結成届を提出しました。この会派解消は、構成員の一人である私の同意を得ることなく……。

○(鈴木昌二議長) 木下議員に申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。

 議題外の質問につきましては、一般質問などのほかの場で発言を願いたいと思います。報告に関しましては、質疑ということなものですから、意見などは別の機会にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

◆三十七番(木下泰之議員) 私は、この七年度の監査報告でございますが、監査委員は、いろんな事案について監査ができることになっているというふうに定められております。そういったことで、平成七年度に起こった事案に対して、重要な問題について監査がされていないということについても、これは質問ができるというふうに認識しております。ですから、質問を続けさせていただきたいと思います。

○(鈴木昌二議長) 質問の部分は結構です。どうぞ。議題の質疑ですから、よろしくお願いいたします。

◆三十七番(木下泰之議員) 平成八年三月九日の土曜日、すなわち平成七年度に補助金を受けている団体であり、四名会派であった社会民主党世田谷区議団は、幹事長名で会派解消届を提出し、その直後に、私を除く三名で、解散した会派と同名の会派結成届を提出しました。この会派解消は、構成員の一人である私の同意を得ることもなく、また、正式な団会議での結成手続もなく行われたものであり、無効であると私は指摘しておきます。とりわけ私は、政務調査費を交付して……。

○(鈴木昌二議長) 木下議員に申し上げます。ただいまの発言は議題外の問題と思われますが、いかがでしょうか。

◆三十七番(木下泰之議員) 研究費の交付を受け、その経理を行うため……。

○(鈴木昌二議長) 木下議員、議題内に限ってお願いいたします。議題内に限ってお願いいたします。質問の中でお願いしたいと思います。

◆三十七番(木下泰之議員) はい。もう少しで質問になりますので。

○(鈴木昌二議長) どうぞ。

◆三十七番(木下泰之議員) つまり、四月三十日付で、経理責任者であった私のあずかり知らぬところで、政務調査研究補助金事業実績報告書なるものが、高橋幹事長から議長を経由して世田谷区長に提出され、それが受理されていることがわかったわけでありますが、実は、私は三月九日の会派解消について認めないという立場に立っておりますので、この会計報告が不能になっていたわけでございます。ところが、その不能になっていたところで、四月三十日に私の同意も得ることなく、一方的に政務調査研究補助金事業実績報告書なるものが議長を介して区長に出されている。これはまさに虚偽の報告であるわけです。この虚偽の報告ということは、具体的にわかるような状況があるわけですけれども、こういった事態に対して……。

○(鈴木昌二議長) 木下議員、早く質疑に移ってください。質疑は簡潔にお願いいたします。

◆三十七番(木下泰之議員) 監査委員は調べられたのでしょうか。また、三月九日の事態というのは、これは議会にも極めて関係のあることであります。また、監査委員は議会から二名出しております。そういったことで、極めて関心の高いことがあると思いますので、平成七年度のうちに行われた事案でありますので、これについてはどういうふうに対応されたか、そのことについてお聞きしたいと思います。

 以上、二点お聞きします。

◎(清水代表監査委員) ただいまの報告第十九号平成七年度財政援助団体等監査報告に関しましてのご質問がございました。

 第一点の、補助事業者である各会派について、なぜ報告書に記載されていないのか、監査がどのようになされているのかということでございますけれども、この報告書は、地方自治法の──先ほどもお話がございましたけれども、百九十九条の第七項の規定に基づきまして監査を実施いたしました。その財政援助団体のみを記載しているわけでございます。したがいまして、毎年すべての財政援助団体等を監査することが実際問題としては不可能でございますので、監査基準を作成いたしまして、それに基づいて計画的に監査対象を選んでいるというのが実態でございます。ちなみに、平成七年度で申し上げるならば、報告書に記載されております十五団体四施設を選んで監査を実施いたしました。

 お話のございました政務調査研究費につきましては、補助金に該当いたしますので、当然地方自治法の百九十九条の七項の規定に基づいて監査の対象になっております。この補助金につきましては、各会派から所管に提出されております実施報告書を定期監査の対象として監査を実施しているものでございます。

 なお、二番につきましては、議運等で答弁をしないでよろしいと、こういうことでございますので、それによってご了承いただきたい。

 以上です。