2001年3月26日予算委員会質疑<補充質疑>


○新田 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 千葉で堂本さんが当選したわけなんですけれども、私は秘書のころに大変世話になっていまして、小田急線の問題でもいろいろ力をかしていただいたということがありまして、社会党を脱藩して、無党派になって当選したという意味では、ある意味で同じ同士というつもりでございますので、やっとそういう世の中になりつつある、そのことを冒頭に申し上げておきたいと思います。
 それで、下北沢の問題についてお聞きしたいんですが、下北沢駅周辺に百億円かかるということが、この前の委員会でそういう答弁があったわけなんですけれども、この百億円というのは何にどういうふうにかかるのか、それについて説明してください。

◎原 都市整備部長 これは関連まちづくりということで、駅前広場あるいは道路整備、そういう物的な整備にそれぐらいかかるであろうということを、現在考えられる大まかな想定をしましてはじいたものでございます。

◆木下 委員 何に基づいて試算したんですか。

◎原 都市整備部長 これまでの用地買収の単価ですとか、そういうものをもとにして、概略を計算したものでございます。

◆木下 委員 ところで、今回の下北沢地域の線増連続立体交差化事業なんですが、これについては一体幾らの経費がかかるということでしょうか。

◎原 都市整備部長 これは全体についてはまだ、これからいろいろ試算をしないといけませんので、構造形式が決まりましたので、これから詳細を詰めていきたいと思っております。

◆木下 委員 そんなことはないでしょう。だって、少なくとも連続立体事業調査というのがあって、その中では幾つかの構造形式を比較して試算まで出すんじゃないんですか。そういうことは聞いていないんですか。

◎原 都市整備部長 大まかな想定についてこれぐらいかかるだろうというのは、ここ数年のものは委員会にも二回出させていただきましたが、いよいよ構造形式が決まりましたので、それに向けて、これから東京都とも調整しながら詰めていきたいということであります。

◆木下 委員 建運協定という政令に匹敵するものですけれども、これは国土交通省に変わりましたから、名前は何と変わったかわかりませんが、少なくともその中では、国から補助金をもらって調査をやった報告書には、幾つかの試算をして、きちっと出すことになっているんですよ。しかし、そういった金額についても知らないで、四月十日に説明会をやるということなんですね。こういったことで、世田谷区の責任は果たせるというふうにお思いですか。これから予算だってかかるし、区民の負担だってかかるわけですよ。それで、何だか知らないけれども、上の百億円だけは試算したと言うけれども、なぜそういうことになっているんですか。

◎原 都市整備部長 四月十日の説明会においても、今わかる範囲で最大限のご説明をしたいと思っております。これについては額をお示しする。それは余りラフな、あるいは与条件が十分じゃない段階でご説明するというのは、かえっていろんな混乱も起こしかねないということでありますので、今わかる範囲でその与件を整理し、わかる範囲で包み隠さずお話ししていきたいと思っております。

◆木下 委員 いや、答弁の仕方が変わりましたね。つまり、知っているけれども、今は明かすことができないということですか。

◎原 都市整備部長 このことについて大変ご不信があるようですが、そうではなくて、我々がわかる範囲のものはすべてご説明をしていきたいということであります。隠していることはございません。

◆木下 委員 世田谷区は、一九八七年の六月に「小田急沿線街づくり研究会報告書」を発表して、下北沢区間の事業費は、高架で南北側道つきの場合は一千百七十億円、側道最小限で一千百億円としているわけです。その際、地下式Bの開削工法との比較をしておりまして、南北側道つきで一・四五倍、側道を最小限とした場合で一・五一倍だとしております。ちなみに東北沢〜野川間八キロでは、高架式で三千二百四十億円、地下式Bのシールド式で五千九百六十億円、開削工法五千四百九十億円、高架との比較で、シールドは一・八四倍、開削で一・六九倍とはじいているわけですよ。
 八七年のこの数字、これは行政で出した最初の数字で、公式な数字としては唯一なんですよ。これが一つの高架化を進める便法になってきたわけですよ。そうすると、今度地下にするということになるわけですから、世田谷区としては区民にだって説明しなければいけないわけですよ。この八七年六月の研究会の報告書は、六月に出る前に半年前に中間報告までやって、区民に広く説明して歩いた、そういう報告ですよ。そういうのがあって、なおかつ地下にする、もう四月十日に説明会をするという今になって、世田谷区がその事実を詳細には知らない。それで、今は予算委員会をやっているわけですよ。アカウンタビリティーという言葉をよく使いますよ、説明責任という言葉を今度の情報公開でも取り入れるようにしている。新しい言葉は好きだけれども、全然アカウンタビリティーを果たしていないじゃないですか。区長、どう思いますか。

◎大場 区長 いろいろな考え方もあると思いますが、役所の方の考え方とすれば、そういうお話を申し上げているような状態であります。

◆木下 委員 今のは何を言っているかわかりません。あなた、総括のときに地下しかできなかったというようなことを言いましたよね。世田谷区は一九八七年に高架と地下と比較して、地下の方がほぼ一・五倍かかると言っているんですよ。そのことによって全線にわたっても高架化を推進してきたわけだし、それから、下北沢についてだってペンディングにするという形で、それで高架を推進してきたわけじゃないですか。それが地下発表の段になって、幾らかかるかもわからない。これから世田谷区が幾ら負担することになるかもわからない。また、その数字が世田谷区にとって正しいかどうかという検算をする必要だってあるわけですよ。そういうこともしないで十日の説明会に臨むわけですか。もし十日の説明会で世田谷区の責任が問われたらどうするんですか。

◎原 都市整備部長 十五年前の報告書、これはさまざまな条件が今と大きく違っておると思います。特に用地の買収、補償の関係その他、やはりそれをきちんと修正しながら今まで事業をやってきたということでありまして、今ようやく構造形式が決まったということで、過去の経過はいろいろございましょうけれども、今こういうことになったことを踏まえて前向きに、今やれる範囲のことを最大限努力していきたいと思います。その説明会においても、現在どのような内容でできるだけお知らせできるかということを図っておりますけれども、今到達したこと、これからやるべきこと、区がやるべきこと、そういうことをお話しし、ご理解を求めながら、都市の骨格である鉄道、それは大変時間がかかっておりますけれども、それを進めていくことを自治体としてやっていきたいと思っております。

◆木下 委員 つまり、幾らかかるかというのはまず基本ですよ。べらぼうに高かったら、それは地下だってできないということだってあるでしょう。だけれども、一つの方向が出ているわけですよ。それにはきちっと金もはじいて、だからこそ駅前の整備に百億円という数字だって出ているんでしょう。少なくともそういう数字を明らかにした上で説明会に臨まなかったらおかしいですよ、いかがですか。

◎原 都市整備部長 そういうことも踏まえて、最大限の準備、ご説明のための用意をしたいと思っております。

◆木下 委員 三月九日に打ち合わせをしてきた。その後に私も質問した。そして、自民党の畠山さんも先週の木曜日に、具体的な説明会はどうなるんですかというふうに聞いた。答えていない。翌日、ファクスで、やっと説明会が四月十日、十一日、十二日というふうにわかったわけですよ。こんなばかな話はないですよ。アカウンタビリティーなんて全く果たしていないじゃないですか。こういうことをやっている限り、市民から見放されますよ。そのことを申し上げておきます。

○新田 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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