平成15年第1回定例会(自33日 至328日)

世田谷区議会会議録(非公式版;作成責任木下)

2003年3月28日 「イラクにおける平和の実現を願う決議」への反対討論


○新田勝己議長

 これで提案理由の説明に対する質疑を終わります。  ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。採決は起立によって行います。

 本件は、会議規則第三十八条第二項の規定により、委員会付託を省略することに賛成の方の起立を求めます。

[賛成者起立]

 多数と認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。  これより意見に入ります。  なお、意見についての発言時間は、議事の都合により一人十分以内といたします。  発言通告に基づき、順次発言を許します。

 五番木下泰之議員。

    〔五番木下泰之議員登壇〕

〇五番 木下泰之議員  「イラクにおける平和の実現を願う決議」 というのが上程されました。しかし、これは先ほどの 「イラクヘの軍事行動の即時中止を求める決議」案と対をなすものでありました。そして、イラクにおける平和の実現を願う決議とはなっておりますけれども、今の質疑で明らかになったことは、結局、今回の戦争がやむを得なかった、そういう見解に立っているということであります。

 この文言によってどうにでも解釈できるというふうにおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんけれども、しかし、まさに今大事なことは、アメリカとイギリスが行った行為、このことについてきちっと意見を政治家として表明することだというふうに思います。

そうでなければ、やはり戦後における――どういう形で終わるかわかりませんけれども、戦後における正当性とか国際秩序の問題、そういったことについても、私たちはきちっと議論ができなくなってしまう、そういうふうに思います。

 そして、私は今回の戦争は明らかに不正義だと思います。というのは、国連があれだけ査察継続をしていて、そういった中では、フセインが、例えば化学兵器を使ったり、あるいは生物兵器を使ったりするということは封じ込められていたはずであります。ですから、それを継続しながら、封じ込めながら、戦争は聞かせない。そして、中東和平を探りながら、まさに戦争というのは政治の延長でもあるわけですから、きちっと中東和平を探りながら、また、アメリカがそれまで生物兵器や化学兵器の技術供与をフセインにまでしてきた、そういったことまで洗いざらい明らかにして、そして、またアメリカも劣化ウランなどを湾岸戦争のときに使った事実も明らかにする。そういった中で、アメリカこそ持っている大量破壊兵器についての廃絶の詰も含めて、そういった中で問題を解決していく、そういうことでなければいけないと思います。

 それが、どうも戦争をやりたくて、やりたくてしようがない。あそこで戦端を開くということが、ある意味では自己目的化していたようにしか、私には見えません。そういった中で、今日本に求められているのは、日本がその戦争に支持をしてしまったわけですから、今さら平和的解決ということをこの区議会で幾ら言ったところで、それでは意味がありません。( 「そんなことはない」 と呼ぶ者あり)

 むしろ、首相の米国追随のやり方についてきちっと意見を言う、そのことが必要なのであります。そうでなければ、この戦争を終わらせることはできないし、もし終わったとしても、これは非常に禍根を残す、そういったことだと思います。日本国憲法を踏みにじる首相の行為に対しては、平和都市宣言をしているこの世田谷区はきちっと意見を言う、そういったことが正しい道だというふうに考えます。

 ですから、フセインについて、フセインが今まで悪道の限りを尽くしてきた、それはそのとおりでしょう。しかし、だからといって、湾岸戦争を引き起こしたその原因、アメリカがとってきた中東におけるプレゼンス、そして中東和平に対する政治、そういったことを含めて、まさにアメリカが政治の延長としてあそこで戦争の戦端を切った、そのことについてきちっと批判をしなければ、この問題は解決することはできない、そのように私は確信しますので、このイラクにおける平和の実現を願う決議、極めてやむを得ないとか、これを認めるような問題がそこに含まれている。この決議については反対をいたします。(拍手)

○新田勝己議長 以上で木下泰之議員の意見は終わりました。

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