平成15年第1回定例会(自33日 至328日)

世田谷区議会会議録(非公式版;作成責任木下)

2003年3月28日 「イラクにおける平和の実現を願う決議案」への質疑


○新田勝己議長 以上で提案理由の説明は終わりました。

 これより提案理由の説明に対する質疑に入ります。  なお、質疑についての発言時間は、議事の都合により、答弁も含めて一人十分以内といたします。  発言通告に基づき、発言を許します。

 五番木下泰之議員。

〇五番 木下泰之議員  「極めて遺憾な事態」という文言が決議案の中に書かれておりますけれども、この 「極めて遺憾な事態」 ということは戦争が起こったことでしょうけれども、これは武力行使を支持した上で、そういうふうに言っているものかどうか、それがはっきりしておりませんので、きちっとそのことについて、武力行使を支持するのか、支持しないのか、そのことについて、まずお聞きしたいと思います。

 それから、武力行使の早期終了というふうに言いますけれども、武力行使を始めてしまったわけですので、これは終了というものは一体何を意味するのか。つまり、どうやってその戦争を終わらせることができるのか、そういったことについて何を意味しているの か、そのことについてお聞きしたいと思います。

 それから、三番目、戦争の早期終了というふうに言っておりますけれども、日本政府はどういう態度をとるべきなのか、何をなすべきなのか、そういったことについてどういうお考えを持っているのか、お聞きしたいと思います。

    〔四十」ハ番山口裕久議員登壇〕

〇四十六番 山口裕久議員 ただいまの木下議員の質問にお答えしたいと思いますけれども、まず最初に、この決議というのはこの文面がすべてだと思いますね。これ以上、これ以下というものはないと思います。その中で、多分提案者の中にもさまざまな意見がありますので、そういった個々の意見の最大公約数という形で、今回出されたこの文面が皆さんに一番賛同される文だと思いますので、その点をご理解いただきまして、一人でも多くの方に賛同いただきたいと思います。

それと、極めて遺憾な事態ということでございますけれども、私どもは、皆さんそうだと思いますけれども、こういう事態に発展することは望んでいなかったわけであります。そういう中で、こういう事態にさまざまな状況の中で至ってしまったということは、まことに残念だということでございます。

 武力行使を支持するのか、支持しないのかということでございますけれども、支持する、支持しないということではなくて、私たちは、もうこういう事態に至ってしまった以上、平和的な解決を早期に実現したいということで、こちらの方を出させていただきましたので、ご理解いただきたいと思います。
 それともう一個、武力行使の早期終了とは何を意味するのかということですけれども、これは平和的解決に向けて、書いてあるとおり、早く終了してもらいたいということですね。

 日本政府はどのような態度をとるべきかということは、文案の中にも書いてありますけれども、下から四行目ですか、「イラク及び有志国双方に対し、直ちに平和的解決に向けあらゆる手段をとり、一刻も早く戦争状態を終結し、イラクに平和が回復されることを願うとともに、国にあっては、復興支援に万全を期すよう」ということでごぎいます。
 以上です。

〇五番 木下泰之議員 このような決議を上げる意味がわかりませんね。つまり、要するに日本政府は武力行使に賛成しているわけですよ。そして、賛成しているところが平和解決に向けてあらゆる手段をとりというふうに、これは多分、願う決議というのは、これは国に対して、国政は、つまり外交等は安全保障等は国の専権事項になるわけですから、そちらに求めていくことになるでしょうけれども、平和解決に向けてといっても、皆さんの態度がどういうふうに考えているのか、それが確定しなければ、決議を上げる意味がないと思うんです。だから、遺憾であると言ったって、戦争を起こしたのはアメリカであるし、それに賛成したのは日本政府であるわけですよ。そういった状態の中で平和的解決というには、それなりの知恵が必要だろうし、それなりのことをやらなければ解決するわけがない。

 このままでいけば、要するにイラクが破壊されて、どうなっても、それはずっと見ているということと変わらないというふうに思うんですよね。ですから、そういったことについて、あえてこの文言だけですからということでお逃げになるんですか。そういうことですか。

〔四十」ハ番山口裕久議員登壇〕

〇四十六番 山口裕久議員 意味がないというご発言ですけれども、私、冒頭に申し上げさせていただきましたが、この中でもさまざまな意見があるんですよ。そのさまざまな意見を個々に取り上げていったら、この決議というのは、世田谷区としての決議というのは上がらないと思うんですね。それの最大公約数としてこういう表現の仕方をさせていただいているので、ご理解をいただきたいと思います。  以上です。

〇五番 木下泰之議員 私は、最初の即時中止を求める決議に対しても、これは討論――討論といいますか、委員会にきちっと付託して、十分議論すべきだという立場をとりました。まさにこの問題は、簡単に文言だけを出して、決議だけを出して、それぞれどういう意味かもよくわからない、あいまいなことを決議するのではなくて、やっばり各会派がどういうふうに思っているのか、個々人どう思っているのか、そういったことについてきちっとやるべきだと思います。ですから、そういったことについて、きちっと提案者はそういう立場をおとりになるのかどうか、そのことについてお聞きしたいと思います。

    〔四十」ハ番山口裕久議員登壇〕

〇四十」ハ番 山口裕久議員 お答えさせていただきます。  即刻中止だけでは何の解決にもならないと私は思います。そういった意味で、私どもはこういった文をつくらせていただきまして、皆様のご理解を得たいということでございますので、よろしくお願いします。

〇五番 木下泰之議員 即刻中止ということは、とにかく戦端を切られたのはアメリカとイギリスなわけですよ。ですから、そのことについて国連憲章にも違反している。そういった中で、とにかくやめることを先行しなければ、これは話にもならない、そういうふうに私は思いましたので賛成しましたが、今それについてご批判をされたのでね。まさに始めたところについての何らの反省もなく、しかも、遺憾の内容も示すことなく、このような決議を上げても、私は意味がない。

 それから、復興と言うけれども、まさに今破壊が続いているわけですよ。その破壊することを今やめさせないで、復興といったって、要するに殺りくをすることを認めるということになるじゃないですか。こういう決議は本当に、ある意味で何も意味しないというふうに思います。どうですか。

    〔三十二番諸星義一議員登壇〕

〇三十l一番 諸星義一議員 提案者の一人としてお答えをしたいと思いますけれども、今まさに木下議員が言うように、即時中止にしても、終了にしても、この決議というものの重みというのは、やはり一人一人が、この議員ですね、この議場にいる一人一人が感じなきゃいけない問題で、私はそう思っています。

 そのどちらがいいか云々ではなくて、今やはり議会として決議をすること。それに対して、確かに何が発端かということはあります。現実に戦争状態である、これをどう終結させるか。それを私たちは、「早期に終了」という中に、その意味合いに込めさせていただいております。その上で、この次にありますように……。

○新田聯己議長 以上で木下泰之議員の質疑は

終わりました。

<諸星議員の答弁は途中で終わっていますが、これは答弁も含めて10分という時間制限で行っていることによります。重要な質疑が尻切れでよいとする議長や議運のセンスがわかりません。木下記>

○新田勝己議長 以上で木下泰之議員の意見は終わりました。

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