2005年9月29日決算特別委員会質疑<総括質疑>


平成17年  9月 決算特別委員会
平成十七年決算特別委員会
決算特別委員会会議録第二号
日 時  平成十七年九月二十九日(木曜日)
場 所  大会議室



○平山 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 本会議で、九月十五日付の朝日新聞の夕刊に、十月二十六日に小田急線の認可取り消し訴訟について、最高裁の大法廷で口頭弁論が開かれると。そのことについて区長に聞いたところ、その日、新聞は読んでいないと。ただ、読んでおきましょうということでしたので読まれたと思いますので、どういうご感想をお持ちになったか。

◎熊本 区長 読みました。
 そして、ここに書いてございますけれども、これで決まったというわけではございませんで、もちろん係争中でございますから、この新聞記事は事実だけが書かれていることだと思います。係争中のものを、こうなるだろうという推測は私はいたしておりません。

◆木下 委員 この前も本会議で申し上げたんですけれども、これは法学部出身の方だったり、弁護士だったりしないとなかなかわからないことなんですけれども、区長さんは法学部出身でいらっしゃいますので。大法廷が開かれて口頭弁論が開かれるというのは、判例変更をするために開かれるということが非常に多いというか、逆に言うと開かれない口頭弁論では判例変更等がないんです。
 ですから、そういった意味では、極めて異例に開かれたということは、この朝日新聞も、大法廷が原告適格を判断するのは初めてで、住民側の原告適格を認めなかった二審東京高裁判決が見直される可能性があると、そういう記事なんです。これは世田谷区にとってはある意味では衝撃的な記事だったと思うんですよ。
 ですから、こういうものが危機管理としても、きちっとトップは当日読んでなきゃいけないんじゃないかと思います。感想を申し上げておきます。
 そういうことで、土俵を与えずに、二審でうっちゃったものを、今度は土俵が用意されるかもしれないというところまで来ているわけです。ご承知のように一審で違法と出ました。これはもともとは東北沢から喜多見までの事業ですので、これを梅ケ丘で分断してやったことによって、高架と地下の比較を高架有利に導いたと、一審の中ではそういうことも指摘して、高架が違法であるということを出したわけです。
 そうしますと、もちろんこれから裁判の中でいろいろ検討されていくと思います。それで、実際に下北沢の方でも、あそこは地下になったわけですけれども、しかし、違法な高架と接続するような形で、一体でやっていたやつを分断してやったということで、極めて商店街も望むような形での地下化にはならなかったわけです。非常に制約がいろいろある地下化になっている。
 そういった中で、今後も下北沢の事業の見直し等もせざるを得ないようなこともあると思うんですよ。そういったことを前提にして、実は、おとといなんですが、国際建築家協会の会長であるレルネルさんという、この方は、ブラジルのクリチバ市というところの市長さんを三期務められて、その後、そこの州の知事を二期務められてという方なんです。極めて有名な方なんですが、その方が下北沢を視察されたんですよ。それで、夕刻にはその方が明治学院大学で講演をなさった。区の方々も大分いらしていたみたいですけれども、聞くところによりますと、クリチバ市に世田谷区は研修に送るということですが、そういうことは事実ですか。

◎四元 研修調査室長 先ほど答弁いたしました研修の派遣の二グループのうちの一グループが、クリチバ市のまちづくりを見てきたいということで選定されております。

◆木下 委員 クリチバ市のまちづくりというのは、車を排して、商店街に、車をどけて、それで人間が歩くための歩道をつくって、極めて成功したと。商店街も、当初は反対していたんですけれども、町がよく栄えるようになったと。そういうことで、ブラジルでも非常に評価されていまして、ブラジリアの車を中心とした町と比較して極めて人間的な町がそこにできていると。
 そういった事業をやられた方ですが、当日、私は議会だったものですから行けなかったんですけれども、そこに参加した友人から聞きましたら、横浜銀行のところに来たときに、ここに道路をつくるって、だれが一体そんなことを考えたんだみたいなことをおっしゃったり、それから、小田急線の工事を見て、これは全部地下に潜るということがわかった際に、上の利用を一体どうするんだ、ここはやっぱり人が歩けるような形で都市計画としては有効に利用したらいいじゃないかと、そういう感想を持たれたということなんですよ。
 私は、所見でそういうふうにおっしゃるのは非常によくわかるんですね。だれが見ても、下北沢は、広大な土地が、地下に潜ることによって三十三メートルから二十二メートルぐらいの広さの空き地ができるわけです。広大な空き地ができるんです。それを下北沢のまちづくりにとっては一番優先して考えなければいけないと思うんです。ところが、それを全然考えずに後回しにして今までやってきている。そのことについてはどうお考えになりますか。

◎真野 北沢総合支所長 下北沢駅周辺のまちづくりにつきましては、街づくり懇談会を初めさまざまな皆さんの意見を聞きながらやってきてございます。駅周辺にはロータリー、または車での出入り、駅広が必要だということで、それなりに駅周辺の整備についても考えてきているというようなことだと思います。

◆木下 委員 これは本会議でも申しましたけれども、七月四日に蓑原敬さんという、もと建設省の住宅課長さんだった方、今、評論活動をされていますけれども、その方が事務局になって、二十名の専門家の方々が区長に要望書を出しています。陣内さんとか、この方はイタリアで勲章をもらっているような方ですし、何人か著名な方はこの前名前を申し上げましたのでいろいろご存じだと思いますけれども、そういう方も注目しているわけです。
 世田谷のまちづくりはブランドみたいなことをおっしゃることが多いですけれども、私は余りブランドという言葉は好きじゃないですけれども、そのことを考えるときには、やっぱり下北沢は世界からも注目されている町だと思うんです。だから、一たん決めたことだからといって、三百十億円も道路に投入して、それで町を壊すということはいかがなものかと。そういった形で、今世界からも注目されて、区の職員も研修に行かれる。そのクリチバ市の元市長さんも注目している。そういった中で下北沢の問題はこれから動いていくわけです。
 ですから、私は、これは十分そういった意見を聞きながら進めていかなければいけないと思いますけれども、最後に、区長、いかがですか。

◎熊本 区長 お言葉にありましたけれども、町を壊していくという意思はさらさらないわけですから、世界……。

○平山 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。