2005年10月 5日決算特別委員会質疑<区民生活>


平成16年  9月 決算特別委員会
平成十六年決算特別委員会
決算特別委員会会議録第四号
日 時  平成十六年十月五日(火曜日)
場 所  大会議室




○山内 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 随意契約で高く契約しているようなお話が今ありましたけれども、逆に公有財産を安く貸し出すことにも非常に問題があると思うんですね。
 池尻中学校の跡地の問題ですが、月に八十万円で貸すという契約をイデーアールと結んだという形なんですが、八十万円でダンピングしたけれども、年間大体一千万円で貸すという契約、下話はいつぐらいからできていたんでしょうか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 今年度の歳入予算を検討しているときに十二月から一月ぐらいの段階で歳入予算のつかみということで一千万円を計上しております。

◆木下 委員 ホームページなどを探っていきますと、それよりも以前に一千万円で契約するという話がもう出回っているんですよね。もう大分前からこれは一千万円ほどで貸し出しするという話が進んでいたのではないですか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 今の賃料につきましてはあくまでも歳入予算の検討の中で出てきたものでございます。

◆木下 委員 ある種の役人答弁ですからそういうことになるでしょうけれども、二月二十三日に区長とイデーアールの黒崎氏が会談をして、マスコミ発表もしていますよね。区の条例の改正が三月十日、予算については三月一日から議会が始まりましたので、二月二十三日の段階ではもう既に決まっていますよね。そういった中で一社に絞って決めて、それで条例を改正するというやり方というのは不公正だと思いませんか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 一社に限ったとおっゃいましたけれども、区役所の庁内、あるいは民間の団体、NPO等からさまざまな意見が寄せられておりまして、それを昨年の夏から秋にかけまして庁内のさまざまな検討体で検討してまいりました。その後、十一月あるいは十二月と議会でもご報告をさせていただいておりまして、それらの結果として二月二十三日の区長及び黒崎社長との共同記者会見になったと認識しております。それらの中で条例改正あるいは十六年度当初の予算編成ということで議会に上程をさせていただいて、そして議会の総意として決定していただいたと認識してございます。

◆木下 委員 三月十日に議決された世田谷区財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例は、わざわざ「事業者が、区民にものづくりについて学び、又は体験することができる機会を提供し、創業を支援し、及び区民の地域交流活動を促進するための事業をものづくりに関する事業として、調整し、及び運営する(他の者に一部を転貸する場合等を含む。)ために使用するとき」となっているんですね。これはもう完全にイデーアールを想定した条例づくりになっているわけですよ。これはもうある意味でターゲットはここに絞って条例を決められているわけですけれども、少なくとも年間一千万円という話があって、今は月八十万円という話になっているわけだけれども、そういう条件で公募をする方が公正なのではないでしょうか。そういうことをしないでやったということは一社に限ってやったということではないでしょうか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 少なくともNPOさんとか、区役所の庁内とか、区民の方とか民間企業、あるいは学校法人等からの提案に見るべきものがなかったり、あるいは区民ニーズから大きく乖離したものがあれば改めて公募なりプロポーザルをして、さらによりよいものを求めていくというのは行政としては当然であると思いますが、合計すると百余りの提案の中から多くの区民。この場合は地域の近隣住民も、学校のPTA等も含みますけれども、それらの方々の意見を最大公約数として取り入れられるものを考えた結果、こういうふうになったものでございます。

◆木下 委員 いや、私はそんなことは言っていないんですよ。つまり条例ができて、しかも、一千万円近くで貸すという話はもうほぼ二月ぐらいにイデーアールには言っているわけでしょう。つまりそういう条件で貸し出しますので、皆さんいかがですか、いい知恵を出してくださいという公募をしたら、もっと広くいろいろなアイデアが集まるのではないですか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 委員ご指摘の趣旨でございますけれども、結果として昨年度百件近く寄せられた提案の中に(「委員長、そんなことは言っていません」と呼ぶ者あり)

○山内 委員長 お待ちください。山ア課長、答えて。(「二月以降の話だよ」と呼ぶ者あり)

◎山ア 工業・雇用促進課長 ですから、昨年の提案の中に経済的な効果及び賃料等を入れた提案はございませんので、八十万円でどうかということを言うこと自体が検討の外であると認識しております。

◆木下 委員 極めて破格な値段だし、条例改正が通らなければそんな安い値段で貸すということはできなかったはずですよ。つまり安く貸すということが前提になって事業展開をいろいろな公募をすればいろいろなアイデアが出たと思います。それは水かけ論になりますから、そういう問題として指摘しておきます。
 イデーアールについては、当初イデーアールはいろいろなことを言っているんだよね。去年の七月二十八日に提案書を出してきたときには、そもそも本来教育とは、公立中学校までは各学校間での偏差値による格付がない、今こそ中学校に戻ろう。中学校のころに感じた疑問、矛盾を思い出し、原点に返ろう。競争でもなく、順位でもなく、自分の価値は自分で決めるといったさまざまな意味を込めてR−スクールプロジェクトということになっていて、初めは池尻デザイン中学校という形で発想して出している。
 ところが、その後の提案書を見ると、そういった教育的な観点はほぼ消えてきていまして、むしろ企業創業的なものが残ってきたという形にもなってきているわけですね。私は当初は地域の方々といろいろ相談しながらやっていくという形で提案があったにもかかわらず、地域の方に相談というか、説明会があったのは二月に記者会見をした後でしょう。だから、つくり方が、地域のコミュニティーを大事にしてつくると言ってきた割にはそうしてこなくて、最終的に残ったのは、コミュニティーを大事にして運営委員会もきちんとやって、先生なども選んでいって、そういう提案がどんどんそがれていって非常に官僚的な形のシステムになってきたということだと思うんですね。そのことについてどういうふうに思いますか。

◎山ア 工業・雇用促進課長 ものづくり学校につきましてはものづくり交流会という機関を設ける予定になっております。それには、学校の先生、あるいは保育園の園長、児童館の館長、PTAの代表、父母会の代表等を入れて、そこでものづくり学校が提供する企画内容だとか、教育内容だとか、講座内容についての議論をするというふうになってございます。

◆木下 委員 黒崎さんという人はいろいろカリスマ性のある方だと言われていますけれども、どうも全共闘世代で、一九六八年、そこには時代の興奮があった。音楽は時を疾走し、デザインは時代に反応していた。エネルギーが満ちあふれていた。そして、パリ五月革命や新宿騒乱事件を初めとする政治的運動は確かに大きな衝撃であった。みずからの手で世界を変えられるのではないか、そんな希望があったと言っていますけれども、五月革命は別として、新宿騒乱事件にこれで何か変えられるのではないかと思った方というのは僕は非常に信じられないですね。どうも権力に対する嗅覚が非常に強い。そういった形でやられたわけだけれども、当初の言い方とは違ってきて……。

○山内 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
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