2003年10月7日決算特別委員会質疑<福祉保健委員会所管分>


平成15年  9月 決算特別委員会
平成十五年決算特別委員会<福祉保健委員会所管分>
決算特別委員会会議録第五号
日 時  平成十五年十月七日(火曜日)
場 所  大会議室



○菅沼 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆ 木下 委員 基本健康診査については、下条さんと一緒に追及してきたということもありまして、一言言っておきますけれども、これは決算の議会ですよね。決算でまさに十三円四十銭、公定価格は十円ですよね。異常に高い数字で前々から指摘してきて、それから下条さんも先ほど質問するというふうに言っているのに、区長からいろいろ聞いてこないというのは非常に不見識ですね。これはやはり決算に対しての一つの評価を――熊本区長が大場区長のころの予算に対しての決算、それに対して提出をしているわけですから、責任はあるわけですよね。ですから、この問題についてはきちんと区長の意見を聞いてきて、これは補充のときにでも答えていただけるようにしていただきたい。いかがですか。

◎八頭司 助役 担当課長・部長じゃなくて、補充の際には区長も出ておりますので、何らかのお答えがあれば、その時点でされると思います。

◆ 木下 委員 今の担当の部署の方々がこういう問題について区長にきちんと懇切丁寧に説明しておかないと、それは答えられないでしょうから、そういう対応はきちんとしておいてください。

 それから、幼保一元化も含めて多元的保育サービス検討委員会を立ち上げたということを聞いているんですけれども、これは昨年八月に立ち上げたということを聞いているんですが、どのような経緯で、どういうふうに仕切ってきたのか、また、報告書がどうなっているのか、そういったことについてちょっと教えていただけますか。

◎佐藤 保育課長 今お尋ねのPTの件でございますけれども、昨年の八月に関係所管で、内容的にはワーキンググループに近い実務的な検討会として設置してございます。この経過につきましては、平成十三年度に「保育サービスのあり方について」という世田谷区の地域保健福祉審議会答申が出ております。その中で、重点取り組みとして、一つは、多元的な保育サービス提供体制の整備というご提言をいただいております。もう一つが、今後の検討課題としまして、これは国……。

◆ 木下 委員 今聞いているのは、昨年八月に立ち上げた検討委員会がその後どうなって、報告がどうなっているのかということを聞いているんですよ。そんな古いことを聞いているんじゃないですよ。

◎佐藤 保育課長 背景についてご説明したんですけれども、失礼いたしました。

 二つ、多元的な提供体制の検討につきましては、実務的な検討を踏まえまして、今回、十六年度経営方針に区立保育園の民営化ということで示しまして、現在そのたたき台を作成中ということです。

 もう一つの幼保一元化を含む区立幼稚園のあり方については、教育委員会を中心に、現在引き続き検討中と聞いております。

◆ 木下 委員 報告書は三月にもう既に一応のものはでき上がったというふうには聞いているんですけれども、それについてはごらんになっていますか。

◎佐藤 保育課長 報告書というか、実務的なレベルでのまとめ書というんですか、それは形として組織的な決定を受けた報告書というところまでは至っていないというのが現状でございます。

◆ 木下 委員 共同でそういう研究をしてきながら、共同という以上は、保育の立場からもそれは責任を持つ話だと思うんですよね。ですから、経緯ということについては一応そういう検討をしてきて、まとまらないに至ったことは何が問題だったんですか。

◎佐藤 保育課長 多元の方につきましては、区立保育園の民営化というところで経営方針の方にまとまっているわけですけれども、幼稚園問題につきましては、今、国の方の動きが非常に流動的でございまして、少子化社会対策基本法もできたということで、ちょっとその組み直しが必要というふうに教育委員会サイドからは聞いてございます。

◆ 木下 委員 私は、とにかく今回のこの研究の検討報告書というものを示した上で、きちんと議論すべきだというふうに思うんですね。少なくとも、そういう議論をしてきて一定のまとめをしたわけですから、その上で問題点がいろいろあるところはあるところで検討していけばいいと思うんですよ。それを隠してしまうということは非常によろしくない。

 余り時間がありませんので、基本的な問題点について申し上げておきますけれども、私は今の少子化対策も含めて、今までの幼稚園のあり方、保育園のあり方をやっぱり抜本的に見直す時期に来ていると思うんです。その際に、区立の幼稚園であるとか保育園の役割というのは非常に重要だと思うんですよ。幼保園というような考え方もあって、習志野あたりではそういうことをもう既に進めているらしいですけれども、少なくともいろんな実験をしていかなければいけない。試行錯誤していかなければならない。そのときには、区立である保育園、また区立である幼稚園、それ相互に一緒に検討作業をしてやるというようなことが必要だと思うんですけれども、その辺についてはいかがですか。

◎佐藤 保育課長 今、世田谷区で幼稚園と保育園の連携ということでは、既に私立幼稚園六園で預かり保育というのを実施しています。そのうち二園については預かり保育プラス保育室、これは実態的には幼保の一元化に近い形でございますけれども、そういう取り組みをしております。

 今、委員ご指摘のとおり、それぞれの幼稚園化、保育園化がございますので、教育委員会と連携しながら今後検討を進めていきたいと思っております。

◆ 木下 委員 その際に、なぜ区立でやらないんですか。つまり、区立でこそ、幼稚園と預かり保育も含めてそういう実験もできるでしょうし、また、預かり保育というような仕分けの仕方では非常にまずいということもあると思うんですよね。そういったことも含めてやるとしたら、やっぱり区立でこそやってみる価値があるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

◎佐藤 保育課長 今、幼保については一元化、共同化、一体化、いろいろ定義がございます。一元化ということになりますと、保育制度と幼稚園制度の合体、一本化ということですから、これは全国で一つも例がない状況がございます。ただ、そういう状況がございますけれども、幼稚園と保育園の共同化というところでの利用者のニーズがあることは確かでございますので、当然、区立幼稚園も含めた形で今後のあり方、保育サイドとしては、その一つのメニューとして幼保の一元化というのも当然あり得る、共同化というのもあり得るというスタンスで今後検討していきたいと思っております。

◆ 木下 委員 私が聞いているのは、なぜ区立でそういう実験をしないのかということを聞いているんです。私は、区立でこそやって、いろんな実りの多いデータも出てくるんだと思うんですね。

 今までの保育のシステムについても、幼稚園の考え方についても、世の中、貧困な時代というのがありましたので、それに引っ張られてずっとそういう文化がはぐくまれてきた。ところが、今、それを超えたやり方をしなければいけないという時代になってきています。教育についても、幼児教育のあり方も抜本的に考えていかなければいけない。それから、ジェンダーの問題も含めて、今までの母性にすべて任せてしまうような考え方も変えていく。そういう中でやるとしたら、やっぱり区立が責任を持ってやらなければいけないと思います。民営化論が盛んに言われていますけれども、そういう責任を果たしてこそ、まさに区立の意味もあるし、公的な保育の意味もあると思うんですね。ですから、そういった観点からきちんとやるべきである、そのことを申し上げておきます。

○菅沼 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

 ここでしばらく休憩いたします。

    午後零時八分休憩

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