2003年10月6日決算特別委員会質疑<区民生活委員会所管分>


平成15年  9月 決算特別委員会
平成十五年決算特別委員会<区民生活委員会所管分>
決算特別委員会会議録第四号
日 時  平成十五年十月六日(月曜日)
場 所  大会議室



○菅沼 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆ 木下 委員 清掃工場の問題について今も下条委員からお話があったんですけれども、私は清掃工場の建てかえについて本会議で反対いたしました。これはやはり当時ダイオキシンの問題が急に、本来は今から三十年近く前からダイオキシンの問題は問題にしなければいけなかったわけですが、これについてはなぜか数年前に急遽政府の肝いりで非常に問題だ、問題だということになってまいりまして、確かに問題なんですよ。問題なんですけれども、清掃工場については高温で燃やさなければいけないというような話になって、それで建てかえという話が出てきて建てかえという形になってきたんですね。

 ところが、時代の流れの中でごみの量も減っているということがあります。それから、ダイオキシンにつての対応もただ単にごみの問題だけではなくて、もっと総合的な検討をしなければいけないということはわかり切っている。そして、ガス化溶融炉についてはいろいろと問題が出てきてしまったわけです。ガス化溶融炉につきましては、やっぱり造船不況とか、製鉄産業の不況とか、そういうの等ひっくるめて、どうもそちらの需要を満たすという産業界の暗躍がいろいろあったというふうにも言われており、談合の裁判等も頻発して、つい最近それに絡む最高裁の判決があったといったような事態になってきております。

 そういった中で世田谷区でこれから清掃工場を建てかえるというわけですけれども、これは事故があったことでもあり、建てかえるということになりますと、やはり非常に大きな問題になると思うんですね。とりわけアセスもやらなければいけないわけですけれども、アセスをやるのであれば、本来代替案も示すことはできるわけですね。アセスのときにもそういうことはやれるし、何も建てかえるということを前提で進まなくてもいいわけです。ですから、そういった総合的な状況を判断して、先ほど下条委員からのお話にもあったようにいかがなんですか。見直しについてきちんと対応するというおつもりは全然ないんですか。

◎藤野 ごみ減量課長 世田谷清掃工場の建てかえにつきましては、区内の千歳清掃工場のみでは、現時点でその中間処理をするに当たって規模的に不足するということ。それから、当然一般家庭ごみだけではなく、一般廃棄物のうち事業系のごみも、民民で持ち込みされるものも含めまして清掃工場では対応しておりますので、そういったものを含め考えていくということ。それから、年に定期的に行われますメンテナンス等を考えますと、世田谷清掃工場を建てかえる必要性はまだ十分にあると認識しております。

◆ 木下 委員 今まだ十分あるというお話でしたけれども、つまりもう非常に消極的な面も出てきているわけですね。やはり時代が時代ですから、とにかく環境の世紀というふうに言われており、またごみリサイクルによって本当にごみが減ってきたという状況があるわけですね。そういった中であえてガス化溶融炉にこだわる必要はない、そのことを申し上げておきます。区は積極的にその辺の知見も集めながら、やはり今からきちんと対応しておきませんと十分区民からの要求に対応できない、そのことは申し上げておきます。

 それから、用賀一丁目の総合設計制度によるマンション建設問題は環境審議会が一種住専に総合設計制度を、とりわけ用賀一丁目のあの良好な住宅地域に適用することはふさわしくないという結論を出して、それでそういう答申を出しているようですね。小田急不動産が建設主なわけですけれども、そこがしばらく東京都への申請を出さないでいたんだが、最近多少の手直しをして、二十メートルの高さを変えずに東京都に持ち出すことになりました。その後、環境審議会としてはこれにどう対応されているか、お聞かせください。

◎山本 環境総合対策室副参事 環境審議会におきまして審議された際、先ほど委員のご指摘のありましたような意見書が出されております。東京都に小田急不動産が申請を出しまして、間もなく公聴会が開かれる予定でございます。その公聴会前後に東京都から意見照会が参ると考えてございます。この意見照会に環境審議会の意見を踏まえて、区としてどのように回答していくかについて関係の玉川総合支所とも協議しつつ、これから検討していくことになるかと存じます。

◆ 木下 委員 では、既に用賀一丁目でもある種の設計変更が提示されたわけですけれども、ほとんど前のと変わらないわけですね。それに対して環境審議会としては、建築主である小田急不動産に対してもう一度物を言っていく、あるいは変更のあった部分についてきちんともう一度審査してみるといったことはないんですか。

◎山本 環境総合対策室副参事 環境審議会における審議内容は、開発事業が環境に与える負荷について、公害などさまざまな部門について審議をしております。ですので、この変更の範囲がどのようなものであるか、把握をして、変更の内容について提出されることはあり得ると思いますが、その変更がかえって大きな負荷を与えるようであれば、またそういった再度審査ということもあり得ると思いますが、そうでない限りは、また再審査ということは行わないという方針であると考えております。

◆ 木下 委員 再審査というよりも、ほとんど変更していないわけですね。ですから、環境審議会の結論が出たわけですから、それは担当といいますか、世田谷区としては強く小田急不動産に対して指導すべきだと思います。いかがですか。

◎平谷 助役 用賀一丁目におきます総合設計問題、それに関するまた環境からのご指摘。この間、各会派それぞれのお立場でのご意見を承っております。

 いずれにしましても、私どもとしては、ただいま副参事が申し上げておりますように、この間の経緯を踏まえ、区としての意見を申し述べる機会があろうかと思います。そういう意味におきましては、この部分は他の領域に関しますので、本日は割愛をさせていただきます。

◆ 木下 委員 熊本区長は災害に強いまちづくりとか言って、道路をたくさんつくるというふうにおっしゃっていたりしています。それから、超高層の問題なんかがあります。環境問題についてはどういう指示が来ているのか、そのことだけお伝えください。

◎平谷 助役 若干他の領域に関しますが、これは情報としてご理解賜りたいんですが、例えば外環道と環境アセスの関係に関しましても、常に国分寺崖線等の自然環境と配慮してとかいうことで従来申し上げてきております。

◆ 木下 委員 他の領域ではないんですよ。ここは環境についてのセクションがあるわけでしょう。ですから、その立場から審議をすべきであって、環境審議会がそういう結論を出しているわけだから、それに沿った形でやるというのが当たり前ではないですか。そういう答弁がないということ自体がおかしいと思います。それは十分気をつけてやっていただきたいと思いますが、いかがですか。

◎平谷 助役 この件に関しましては第二回定例会のときにご答弁させていただいていると思うんですが、環境審議会も一つの重要な附属機関ということで、最終判断は区長が意見を申し上げるということでございます。

○菅沼 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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