2003年10月1日決算特別委員会質疑<総括質疑>


平成15年  9月 決算特別委員会
平成十五年決算特別委員会<総括質疑>
決算特別委員会会議録第二号
日 時  平成十五年十月一日(水曜日)
場 所  大会議室



○菅沼 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆ 木下 委員 今の下条委員のを引き継ぎます。バトンを受けました。

 区長は、二定で廃園を検討するというふうにおっしゃったわけだけれども、また、広報にも書かれたわけだけれども、この言葉を撤回するつもりはございませんか。

◎熊本 区長 ありません。

◆ 木下 委員 そうしますと、区立幼稚園の役割は終わったというような説明を、担当者からそういう言葉がちょろっと出てきたんですよね。そういうことについて区長はそういうふうに思っていらっしゃるんですか、どうですか。

◎熊本 区長 私も選挙に立候補する当時から、区立幼稚園というのは私立幼稚園の当時の補完措置であるというお話は聞いていました。そして、その役割は今日においての少子化の時代に来て終わったということも伺っておりました。したがって、私は廃止を検討するということを申し上げているところでございます。

◆ 木下 委員 本当にそうでしょうかね。例えば私立幼稚園ですが、これは宗教法人が経営しているのは何割ぐらいありますか。

◎永山 総務部長 手元に資料がございませんので、お答えできません。お許しください。

◆ 木下 委員 幼稚園の一覧表を見ますと、かなりの数の宗教法人があります。それから、学校法人になったものでも、宗教法人から学校法人を取得してやられている方がある。だから、教育は、宗教を選ぶ方もいいけれども、無宗教も選択しなければいけない。補完的措置だと言ったのは、ある時期、非常に幼稚園の需要がふえて、それで区立の方が設立していったということはあるけれども、しかし、やはり公教育としての幼稚園ということを考えれば、当然、区立というのは必要だとは思いませんか。区長、いかがですか。

◎小野 教育長 お答えします。

◆ 木下 委員 これは峻別してください。つまり、区長に聞いているんです。僕は教育長に聞いているんじゃないんです。これは大事な問題ですから、区長、いかがですか。

◎小野 教育長 内容は私の方のあれですから、お答えします。

 今の件ですけれども、区立幼稚園と私立幼稚園との関連は、今、委員のおっしゃったとおりです。四十年代に幼児が非常にふえまして、私立幼稚園に入れない状況がありました。そのときに補完してできたのが区立幼稚園でございます。その後、いわゆる少子化の中で、私立幼稚園も区立幼稚園もいずれも定員割れが出てくるような状況の中にありまして、この状況の変化の中で区立幼稚園の問題がここで浮上してきた、そういうことでございます。

◆ 木下 委員 私立幼稚園については区長部局が担当している。そして、監督権限はむしろ都道府県になっているわけです。大学の附属幼稚園なんかは文部科学省になっているわけですね。区立幼稚園を直接管轄しているのは教育委員会ですけれども。つまり、幼児教育のことを公的に考えて、いろいろなことを、幼保一元化の問題でも何でもいいですよ。それをやろうとしたら、どうしても区立幼稚園の位置というのは非常に大事だと思うんです。それについては教育長はどう考えますか。

◎小野 教育長 区立幼稚園が不要であるということは思いません。また、区立幼稚園の役割はそれなりに十分果たして、現在ある以上、それは十二分に力を発揮していかなければいけないと思います。ただ、これは単に区立幼稚園だけの問題でなくて、世田谷区の中における全体の幼児教育のバランスをとっての考え方でございまして、区立幼稚園の役割とそれとは違うものだと思います。

◆ 木下 委員 廃止について、教育委員会で十分な議論をしたんですか。いかがですか。していないでしょう。

◎中村 教育次長 これは先ほども申し上げましたけれども、区立幼稚園の存在意義というのは変わってきたのではないかということを教育委員会の中で議論してもう数年になりますので、私自身を含めまして全面的に検討はしてきております。

◆ 木下 委員 区長にお聞きしますけれども、教育長の任命権はどこにありますか。――区長に聞いているんですよ。区長、答えてください。

◎八頭司 助役 制度のお尋ねですので私の方からお答えしますが、区長は教育委員の任命権がございます。教育委員の中で教育長を後からお選びになる、こういう仕組みでございます。

◆ 木下 委員 教育長は、十六条の二項ですけれども、当該教育委員会の委員である者のうちから教育委員会が任命するということになっていて、権限はやっぱり教育委員会にあると思うんですよね。だから、先ほど委員長にあえて、区長と教育長が答えることを峻別して私は聞いているんだから、それについてきちっとやってくださいと言ったのは、そのことなんですよ。教育長の監督権限等は教育委員会にあるんでしょう。そうでしょう。

◎小野 教育長 教育委員の中から互選されてなっておりますが、私は教育委員であると同時に一般職の職員でございます。教育委員会の事務局のいわゆる教育長という形でございます。

◆ 木下 委員 昔は教育委員会というのは選挙制で、教育委員の公選制があったわけですよ。つまり、独立機関としての役割というのは、先ほど下条委員が言ったように、まさに政治的に独立していなければいけないということがあって、それは峻別されてきたわけですよ。それから、小野教育長は、前の大場区長が任命して、議会がそれを承認する形で選ばれていますよね。そういうことは、つまり選挙ではないけれども、しかし、独立した権限を持つ者として存在しているわけです。ですから、そういったことで、委員長にもぜひ注意しておきますけれども、教育問題に関しては、教育長と区長に対して聞いたときは必ず峻別してくださいよ。そうしませんと、区長に聞いたことを代弁して答えるということはやっぱりよくないと思うんです。

 それから、教育委員会が何か調査をやったそうですけれども、これはもう調査報告書はできているんじゃないですか、三月に。

◎中村 教育次長 まだできておりません。

◆ 木下 委員 一応のまとまりはできたんでしょう。それをお蔵入りさせちゃったんじゃないですか。

◎中村 教育次長 これは行政内部でつくっている検討会なんですけれども、本来的には実務的な観点からいろいろ検討しようということで、実務的な観点からの検討の整理をしているということでございます。

◆ 木下 委員 区民にも十分関心のあることだから、これは公開してきちっと議論すべきだと思います。これは何も秘密にすることではないと思います。制度上の問題もあるから、そういうものはきちっと公開して検討すべきだと、そのことを申し上げておきます。

○菅沼 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

   ──────────────────