1999年10月15日決算特別委員会質疑<補充質疑>


○石塚 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。


◆木下 委員 前回の都市整備委員会所管の質問が終わった後に、ようやくせたがやの家システム選定会議の設置要領なるものが私の手元に届いたわけですけれども、これを読みまして非常に驚きました。出せなかった理由もわかりました。

 これはこう書いてあるんですけれども、第一条には「この要領は、せたがやの家システムに応募し、区長が別に定める応募要件(別表1)に合致したものの中から、選定基準(別表2)に基づき、区が借り上げる物件の選定を適正に執り行うため、世田谷区せたがやの家システム選定会議を設置する」となっておりまして、これの応募要件の中に立地として「周辺環境が良好で、適度な日照及び空地が確保できること」というようなことが載っておりまして、あわせて別表2に「せたがやの家システム」選定基準というのがあります。

  一番が地区の特性に応じた良質な住宅の誘導が図れることとなっておりまして、条件が四つ列挙されております。「1)『世田谷区住宅整備方針』が掲げる『住宅・住環境整備重点地区』内にあること 2)『世田谷区住宅整備方針』が掲げる『住宅・住環境整備地区』内にあること 3)世田谷区が推進するまちづくり事業地区内[地区計画(環八内側)、建築協定等]にあること 4)基盤整備と一体となった又は誘導できる事業地区内にあること」となっているんですね。

   ところが、このどれにも該当していないんですよ、星谷知久平さんのね。奥さんが申請を出したわけですけれども、そのせたがやの家に認定されたものがこの基準に一切合致していない。なぜ合致していないものについて選定したんですか。


◎岡沢 建設・住宅部長 お尋ねの選定基準のお話でございますけれども、この選定基準には、それだけではなくて、ノーマライゼーションの視点に立って、政策的な見地から高齢者や障害者等の住宅施策の推進に貢献できるですとか、それから居住水準を満たし、多様な家族形態に対応できる住戸タイプが供給できるとか、その他、特に区長が必要と認めるというようなことで、幅広く選定基準を書いておりまして、その中で総合的に判断をしたんだろうと思います。


◆木下 委員 こういう何でもありの選定基準じゃないんですよ。選定基準というのは必要条件です。その証拠に、五番の「その他、区長が特に必要と認める事項」と書いてあるんですよ。つまり、必要と認める事項なんですよ。これはどれかに合致すればいいということではなくて、一番から五番まで掲げて、一番のうち、しかも細目が四つも掲げられてあるわけですよ。これに合致しなければ選定基準から漏れるわけですよ。

 この選定基準は二年後に廃止されているというか、委員会自身が消えちゃいましたね、これはどうしてですか。


◎岡沢 建設・住宅部長 これは、この事業が軌道に乗ってまいりまして、この選定基準を厳密にやらなくても一応の方針が転がり始めた、そういうふうに理解をして、これは廃止しているということでございます。


◆木下 委員 これは条例にもちゃんと書いてあるんですよ。しかも、条例の施行規則の第四条に「区長は、前項の規定による募集を行った場合は、区長が定める基準に基づき審査及び調査を行い、世田谷区せたがやの家システム選定会議の議を経て、せたがやの家を供給する民間土地所有者等を選定するものとする」となっているんです。つまり、この選定基準はすごく大事なものであって、これを満たしていない限り、それを選定したら違法なんですよ。まさにそういうことがあるからこそ、私は総括質問のときから要求しているにもかかわらず、一切出してこなかった。

 しかも、これはこの決算委員会の運営委員会ですら、いいですか、この要綱ですよ、この要綱ですら出すことを要求しなかった、そういった問題なんですよ。だから、これは裁判を今やっていますけれども、決定的なものですよ。もうそろそろ手を挙げて……。つまり、この証拠によりどういうことになったかといいますと、つまり、星谷さんの所有物であろうとなかろうと、これは所有物でありますから関係ありますけれども、あろうとなかろうと、これを選定して補助金を出していること自体が違法なんですよ。そういった大事な問題だということをここで申し上げておきます。
 それから、東急の協定書が見つかってから、私は砧の西公園も協定書があるんじゃないかということをお聞きしました。そうしたら出てきた。経堂にもあるんじゃないか、ないと言っていた。出てきましたよ、けさいただきました。経堂駅周辺のまちづくりに係わる確認書、これが出てきました。

  この中に、これは平成六年四月十三日に結んでいるんですが、駅前広場について、駅前広場の必要面積六千五百平米のうち、北口に約四千平米程度の駅前広場を設置すると書いてあるんです。なお、不足面積は高架下にタクシー乗り場等の機能を設けることにより確保すると書いてあるんです。この必要面積というのは何ですか。


◎原 都市整備部長 これは駅前広場を設けるときに乗降客その他の数を勘案して、これこれの規模をつくるべきだという基準がございます。その基準に基づいた数字であります。


◆木下 委員 大体、面積については区民にアンケートまでやっているんですよ。まちづくり協議会が、どのくらいの広さにしたらいいですかというようなアンケートを、今ごろというか、去年あたりやっている。つまり、もう初めから六千五百平米つくる必要があるということになっているじゃないですか。乗降客だけじゃないですよ。これは駅ビルをつくるんじゃないですか、超高層ビルに見合った広さがこれだけなかったらできないんじゃないですか、そういうことじゃないんですか、どうですか。


◎原 都市整備部長 これは連続立体化に伴って、当然、駅の利用というのが盛んになってきますので、交通結節点として、交通上の処理のために必要だということで算出した数字であります。


◆木下 委員 いずれにしても、東急とのある種の秘密協定ですよね、二百億円からの。当時だったら三百億円ぐらいしたでしょうけれども、それの無償譲渡とかやって、それで都市計画に先行していろいろなことを決めていく。
 また、小田急問題でも、まちづくり協議会をつくって一歩一歩いろいろ相談していくんだと言いながら、初めから六千五百平米が必要面積となり、しかも、ユリの木公園のところの都市計画道路だって、これには書いてあるじゃないですか。これをつくるためにも努力すると書いてあるわけですよ。そういったことを企業との間でやっておきながら、何が住民参加ですか。

 そして、議員にも一切こういった情報は出してこない。やっと出してきましたよ。そういうことについて、区長はどう思いますか。これが開かれた区政ですか、住民参加ですか。


◎大場 区長 住民参加の問題につきましてはいろいろ問題がありますけれども、しかし、そのもとになる企画がありませんと、これは話になりませんので、あらかじめの企画を出すということが普通であります。


◆木下 委員 とりわけ星谷事件の場合は、これは全く隠していた。それで、区議会ですら、それについて気がつかなかった。まさにこれは犯罪ですよ。いいですか、選定会議で決めた設置要項に基づかないことを決めている、そのことについて、区長はどう責任をとりますか、七億二千万円も去年の予算で出ているんですよ。


◎水間 助役 この要綱につきましては、私どもは隠しているということではなくて、裁判上の問題がありますということでございますので、ご理解願いたいと思います。


◆木下 委員 そもそも要綱などというものは隠せるものではない。施行規則の中にもちゃんと載っているんですよ。それを隠したこと自体が問題で、隠さなければならなかったことは先ほど述べたとおりです。


○石塚 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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