1999年(平成11年)3月 予算特別委員会(自3月10日 至3月24日)

平成11年度予算特別委員会

予算特別委員会会議録


●平成十一年三月十日(水)第二号

 (総括説明、総括質疑)


  ○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) 小田急線の下北沢地域が、昨年の十二月八日に地下化で整備されるという公表が東京都の都市計画局長からあったわけですけれども、区長も以前は、小田急線の地下化の運動の集会にも参加されたこともあります。そういった意味では、地下推進ということをかつては言っておられたわけです。そして、下北沢については、高架と地下を世田谷区自身が調査をしたときには、地下の方が高架よりも一・五倍かかるという、そういう結論だったんですね。ところが、今回、十二月四日に世田谷区の担当者が東京都に行ったときには地下化という話は出ていなかったというふうに聞いています。ところが、十二月八日に寝耳に水で、地下化ということを都市計画局長が言ったと。
 そういった事態を受けて、区長は今、この問題についてどのようにお考えですか。


◎(大場区長) これは私鉄の話でありまして、小田急あるいは運輸省とどういう話になったかわかりませんけれども、関係はやっぱり私鉄の関係でありますので、東京都と私鉄がどういうふうな話になったのか、そこいらのところが注目されるところであります。

◆( 木下委員) 世田谷区議会で地下化決議が二回も上がったにもかかわらず、それがある意味で変化が起こったというのは、川上委員会の報告書からだったわけですね。一・五倍かかるということが重要なポイントだったわけですよ。
 それで、ほかの地域についても、地下でやれということよりも高架の方がいいという話も出てきて、そういうふうに進んできてしまった。しかし、今回、地下にできるということであれば、経済的な問題で、じゃ、地下と高架と比較してどういうことでできるんだと。そういう情報をつかんでいないまま、世田谷区は東京都の話を聞いたということだと思うんですね。完全にないがしろにされていると思いませんか、区長。

◎(大塚助役) これはないがしろにされているかどうかということは別にして、私どもの方としても、早いところで情報を欲しいということを申し入れたことに対して、東京都の方で私どもの方に、それまでに情報をいただけなかったという意味では残念だと思っております。

◆( 木下委員) いや、世田谷区は下北沢地域については調査もやっているわけですから、そういったものでは一家言持っていなければいけないし、そのことについては十分打ち合わせもしていなければいけないし、情報もとっていなければいけない。それが全くなされない形でやったというふうに公式にはおっしゃっている。それはにわかには信じがたいことですけれども、この問題は、また都市整備の領域でやることにいたします。
 世田谷区の職員なんですが、職員数が五千八百十一人いるんですけれども、世田谷区に在住している方は何人いらっしゃるわけですか。

◎(山中総務部長) 現段階で、世田谷区の在住は二千五百三十四人ほどおります。約四三・六%ぐらいです。

◆( 木下委員) 管理職数が百六十二人ということなんですけれども、こちらのパーセンテージはどのぐらいですか。

◎(山中総務部長) 管理職の区内在住という意味では三十七人ほどおります。二二・八四%ぐらいです。

◆( 木下委員) 助役さんお二人は世田谷じゃないですよね。それから収入役さんも世田谷じゃない。教育長さんが世田谷にお住まいで、五つの支所の方のうち、玉川支所の方だけが世田谷で、あとは世田谷じゃないという状況です。こういった状況に対して、区長はどういうふうに思いますか。

◎(大場区長) これは住居の関係でございまして、世田谷に住みたくともなかなか住めないというような状況もあります。そんなことから、目下、世田谷区の中にいられないということが一番大きな問題だと思います。

◆( 木下委員) つまり、世田谷区政を考えていく上で一番大きな問題点があるわけです。これは自治法上といいますか、公務員法の関係でいけば、それは許されているわけですけれども、しかし、現実に存在が意識を規定するということもありますので、要するに、世田谷にいるということが、つまり、世田谷の区民の感覚と、やはり八王子あたりから通っておられる、あるいは北区から来ておられる方の感覚とはまた食い違うということがあると思うんですね。そういったことに対して、とりわけ都市計画の問題などで、この世田谷で住み続けていくという立場と、それから離れている方の立場とは微妙に違うと思うんですよ。その辺については、区長はどのようにお考えになりますか。

◎(大場区長) これは住居が離れていても、勤めているところがもちろん世田谷区の中でございますから、そういう意味では、ほとんど関係がないというふうに思っております。

◆( 木下委員) 先ほど、区長が住みたくても住めないということをおっしゃった。ただ、そのことと、やっぱり世田谷区内に在住している方の都市計画や、そういったまちづくりについての考え方というのは微妙にずれているということだけを指摘しておきます。これは、また後でやりたいと思います。
 そして、二子玉川の再開発の問題で一点だけ。二子玉川の問題では代替案の検討というのはやっていますね、何回やりましたか。

◎(佐藤都市開発室長) 準備組合が計画案の見直しをやったということは聞いておりますが、トータルで何回というのは、今把握しておりません。

◆( 木下委員) 何か三回というふうに、都市整備委員会ではお聞きしたんですけれども、そうではないんですか。

◎(佐藤都市開発室長) 私が担当し始めてからは、担当し始める前に一回、直近にやったのは内容を存じていますが、それ以前については、ちょっと把握しておりません。

◆( 木下委員) そうしますと、環境影響評価条例の九条の一項に評価書案の作成についての定めがあって、環境影響評価の手続については施行規則で決めることになっているんですけれども、五条に次のように書いてあるんですね。条例第九条第一項の規定による環境影響評価書案及びその概要の作成は、別表第三に掲げる評価書案等の構成基準に基づき行わなければならない。そして別表三は、二の三項に代替案を検討した場合にあっては、代替案の概要及びその経過を書くことになっているんですよ。ところが、この環境影響評価書案には一切出てこない。これはどうしてですか。

◎(佐藤都市開発室長) 条例の正確な条文を今、手元には持っておりませんが、二子で行ったのは見直しであって、代替案ではないというふうに認識しております。

◆( 木下委員) 都市整備委員会の中では、代替案についてやったかと言ったら、やりましたということを言っているわけですよ。少なくとも幾つかの案を検討したということであれば、その経過については書かれなければいけないですね。それについて今、条文を持っていないというふうにおっしゃった。きちっとした認識がないんじゃないですか。その辺はどうなんでしょう。

◎(佐藤都市開発室長) さまざまな資料を持ってきたつもりでございますが、条例の条文が今、手元にない。申しわけありません。
 代替案というのは、並行してA案、B案と持っていた場合が代替案であろうと私は認識しております。見直しは、社会情勢が変わったことから、それに伴って過去に見直しを行ったというふうに認識しております。

◆( 木下委員) 二万五千四百台も自動車がふえるという状況があるわけです。それで、バブルが終わった後に……。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。




●平成十一年三月十二日(金)第三号

 (企画総務委員会所管分に対する質疑)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) 総括質問の際に、世田谷区の職員の、特に幹部職員のうち課長以上で二三%しか世田谷に住んでいる人がいないということの感想を区長に求めたんです。そうしましたら、高くて住めないからというような回答が返ってまいりました。しかし、考えてみますと、私は四年間ずうっと小田急線の問題を初め再開発の問題、そして緑の問題等についていろいろ議論をしてまいりましたけれども、要所要所で区の担当者からの回答で、要するに高くて住めないから、それが問題なんだというようなことを聞いてきたわけです。

 ただ、そういうふうに考えることが本当に妥当なのかどうかということがございます。特に、緑の減少の問題とか再開発の問題。現在世田谷に住んでいる方で、そしてずうっと住み続けていたいという方々と、高いから住めないというふうに外の方がおっしゃる言い方と随分違うんです。そのことがやはり根本的な問題だというふうに思うんです。つまり、高くて住めないからということでいきますと、不動産開発をどんどんしてほしい、庭が狭隘でもいいから安い住宅、そういうふうに再開発をして安い住宅を供給してもらいたい、そういうニーズになってあらわれるわけです。どうもこの世田谷の施策をずうっと見ていますと、おととい区長がお答えになった、高くて住めないからというそのことが端的にあらわれているのではないか、そういうふうに思えるわけです。
 そして、担当者の方々、都市整備部の方々も世田谷に住んでいる方はやはり二〇数%とか、その程度のパーセンテージ。このことがいいか悪いかというような問題ではなくて、現にそういう構成の役人の方々が政策立案をしている。そういう中でいろいろな弊害が出てくる。実は、おととい、区長ときちっとそのことを論争したかったわけです。ところが、ああいうふうに言われてしまいますと、もう二の句が継げないわけです。
 そこで、世田谷の職員が、特に課長職以上が二三%ぐらいしか住んでいないといったことと、世田谷の区政との絡みでどういうふうにお考えになっているか、ちょっと川瀬さんにお聞きしたいと思います。

◎(川瀬助役) 私も世田谷で育ったんですが、次男坊で結婚したら、行くところがなくて町田へ行っちゃったというようなことでございます。そういうことは間々起きることだろうというふうに思います。
 管理職が二十数%だから世田谷の行政を考えられないかというと、そうではないだろうというふうに思います。それぞれの職員が世田谷のことをどう理解していくかという努力をすれば、端的に言って、べたっと世田谷の中で住んでいたから世田谷のことが全部わかる、こういうことではないだろうと思います。したがって、世田谷の職員として自分は職を持っている、そのときに世田谷の実態というものをよく理解しなければならないという意識があって努力さえすれば、それは補い得るというふうに思います。
 高くて住めないという論争ですが、これは、理想的には私なんかも世田谷に住んでいたいわけですが、そういうことができないという事情は、ただ単に区政の問題ではなくて、大きな土地利用その他の問題も絡んだ非常に複雑な問題だろうというふうに思います。

◆( 木下委員) しかし、実はこの問題が極めて大きな問題だと思うんです。考え方として、流動化を起こしていくのかどうか。つまり、土地の有効利用を求めてどんどん更新していくのがいいのか、あるいは庭の緑を守るとか、緑被率を三〇%目標で守っていくということになれば、一定程度世田谷では流入人口を凍結しなければならない。そういう選択肢があるわけです。そういう選択肢として二つの選択肢があるということを考えながら行政運営を考えていきませんと、恐らく開発志向のことばかり、それはしようがないんだという形になってきてしまうと思うんです。
 できれば安くなって皆さんが住める、そういう状況はつくらなければならない。しかし、今のような東京に対する一極集中、そして、どんどん緑が少なくなってくるような今の世田谷の状況では、一時流入人口をストップさせることさえ必要であって、高くて住めないということが、そこはある程度モラトリアムしながらどうやって地価を下げ、将来は皆さんが住めるようになるのか、それは首都圏の移転まで含めて考えなければいけないというようなところもあると思うんです。ですから、常識論で高くて住めないからということで、区の職員が世田谷に住んでいる人が二十数%ということを合理化することもおかしなことだと思うんです。
 自治の本旨からいったら、西部開拓史ではないですけれども、やはりそこに住んでいる人間が議員になり、そこの首長になり、そしてその執行官になり、そういった形の中の共同体でいろいろ進めていくというのが自然的な自治体なわけです。それがかなりいびつな形で、今世田谷に住めない方々が、助役さんも、それから収入役さんも、世田谷の人間ではない方々が行政に携わらざるを得ない、そのことについて感想を聞いたときに、高くて住めないからというだけではやはりいけないのだというふうに思うんです。その辺について、そういった分析というのをしたことがございますか。

◎(川瀬助役) よく標語なんかでありますけれども、だれもが住み続けたい世田谷というのもありますが、これは理想としてはそういうことだろうと思います。都市の社会というのは、委員ご案内のとおり流動化しているということも、都市が形成された一つの要素ではあるわけです。そこにべたっと人口が張りついて全然動かない都市というのはあり得ないわけでございまして、都市化してくるということはそういう要素を持っている。地球全体として都市化がどんどん進んできているという状態がありますと、両面がやっぱり起きてくるんだろうと思います。
 今おっしゃっているように、委員の理想的な理念からすれば、人口の流入も抑制すべきだというご意見のようでございますが、では果たしてそれはどういう方法でできるのかということになると、これは一地方自治体の政策とかによってできる性格のものでない、そういうことだろうと思います。

◆( 木下委員) 武士は食わねど高ようじという言葉があると思うんです。これはなかなかいい言葉でして、ところが、いろんな方々との質疑を聞いていますと、何でもくれるものはもらってしまおうというのが世田谷区政のやり方だと思うんです。例えば、三十億円の前倒しの資金であるとか、いろんなところに補助金でくれるとか、それをもらわないと次に困るからもらっちゃうんだという話になると思うんです。ただ、国がどうのこうのと今おっしゃいましたけれども、やっぱり世田谷が主体性を持って一つの施策をやっていくためには、まさに武士は食わねど高ようじということで、もらわなくても頑張るということも必要だと思うんです。
 特に、今の人口の流入を一時的にもストップしなければいけないというのは、ある意味で緊急避難の政策です。私だって、それでいいとは思っていない。しかし、そういうことも含めて考えていかないと、この世田谷区政は緑被率三〇%を目標にしていたのが二〇%になろうとしているわけです。いろいろ問題はあります。特に、今回の組織改正の問題は、完全な欠点を持っていると思うんです。特に緑を守っていく観点からしますと、そういう観点を持っている。どうもゼネコンや不動産開発業者の開発論、そして政府の投資的経費を公共事業に充てるということに全部乗っかってしまっているというふうにしか思えないんです。そういった意味で抜本的に物事の考え方を変えていかないと本当に世田谷はつぶれてしまうのではないか、そういう危惧を持っているということを申し上げまして、私の質問とします。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
 ここでしばらく休憩いたします。
    午後二時五十一分休憩




●平成十一年三月十五日(月)第四号

 (区民生活委員会所管分に対する質疑)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) まず、二子玉川のアセスについてお聞きしたいんですけれども、共産党の桜井さんが具体的な数字を挙げておやりになりましたので、私は時間が少ないものですから、もう少し本質的なところをずばり聞きますが、バックグラウンド値が下がるという前提に立って、NOxについてはクリアされようとしているんですけれども、本当に下がると思っているんですか。

◎(溝口環境課長) 評価書案で評価をされておりますのが私どもの今知り得るところでありまして、そのように期待をしております。

◆( 木下委員) 今まで東京都が下げる下げると言ってきて、それが下がらなかったことについてどういうふうなお考えをお持ちですか。

◎(溝口環境課長) これまで窒素酸化物の環境基準の達成につきましては幾つかの目標年次を定めながら進めてきたところでございますが、残念ながら、自動車の増加ですとか、あるいは先ほどございましたようにディーゼル車の問題、もろもろございまして、現時点で環境基準を達成できておりません。この辺につきましては、私ども環境所管としては非常に残念でございますが、引き続き今後の国を挙げての対策に期待をしたい、区としても努力をしたいというふうに考えております。

◆( 木下委員) 車は今後ふえないというふうにでも考えているんですか。

◎(溝口環境課長) なかなか難しいご質問だろうと思いますが、基本的には、これまでの経過からしますと、総体ではふえているようでございますが、都内におきましては、その伸びは極めて少なくなっている、このように考えております。

◆( 木下委員) 今回の計画自体が二万五千四百台もふやすという、そういう事業なんですよ。これについてどういうふうに評価されるんですか。

◎(溝口環境課長) 今回の評価書案の中では、自動車動線計画という中で、計画地の自動車交通量は二万五千四百台というふうに位置づけをされております。これは往復ということで聞いておりますが、いずれも現状が歩車道分離がないとか、あるいはスクランブル交差点での青信号の時間が短いとかもろもろ、今、交通渋滞が著しい要因が多くなってございます。これが今後の多摩堤通りの拡幅ですとか、周辺の都道、区道の整備によりまして、現状よりもスムーズな交通量が確保される、そのように聞いておりますので、私どもの方もそうしたものと相まちまして、今後の総量規制が着実に推進されるように期待をしております。

◆( 木下委員) 総量規制というのは絶対数を下げていくことなんですけれども、少なくとも二万五千四百台、この地域だけでふえるわけですよ。まさに矛盾しているということをまず申し上げておきます。
 それから、動植物の調査はやっていないわけですけれども、これは都市における自然ということを考えれば、顕著な守るべき、一般的に守るべき動植物が少ないにしても、これはきちっとやるべきだと思うんですけれども、その辺についてはどうお考えですか。

◎(溝口環境課長) 基本的には環境影響評価書案の中で、これは都条例で作成をすることになっておりますが、幾つかの評価項目の中で、予測評価を行うことが可能なものから選択をするという形になっておりまして、今回、たまたま除外をされていたという経過がございます。
 私ども、この場所が多摩川、国分寺崖線といった身近な自然が享受できる場所ということもございますので、動植物等につきましては予測評価も含めて、区として東京都に対する意見を検討しまして取りまとめてまいりたい、このように考えております。

◆( 木下委員) 少なくともこの事業は区がかんでいる事業なんですよ。ですから、本当にそうお思いになるんだったら、区が独自にやるべきだし、それから、CO2の削減の問題にしても、CO2は今回含まれていませんけれども、要するに二万五千四百台も車がふえるということも含めてCO2の負荷量はふえるわけですよ。それは環境ホルモン等についても、新しい問題としては排ガスの問題が出てきているわけですよ。そういったことについて何ら考慮しようとしないんですか。

◎(溝口環境課長) 環境問題につきましては、今回の評価書案の中にありますような既存の大気汚染、騒音、振動その他に加えまして、新たに有害物質の問題等も出ております。私どもでは、今後こういった問題につきましては、ことし、環境基本計画の改定等をしていく年次になっております。そういった中で、やはり現在置かれたさまざまな課題を受けとめながら、それを計画し実施をしてまいりたい、こんなふうに考えております。その中で対応していきたいと考えております。

◆( 木下委員) それから、環境影響評価書条例では、代替案が検討されたときには、これについて経過を書かなければならないというふうに別表三に書いてあるんですけれども、これについてどういうふうにお考えですか。

◎(溝口環境課長) お話のありましたとおりに、評価書案の作成前に代替案を検討した場合にあっては、その経過を書くということとされております。一般的にこの代替案と申しますのは、計画の前提となるものが変わらないという大前提があった中での代替案というふうに東京都の方からお伺いしております。今回は、その辺は特に都から指摘されていないというふうに私どもは聞いております。

◆( 木下委員) 都から指摘されたとか、そういう話じゃないと思うんですね。少なくとも何回か計画が変更になっているわけです。少なくとも今までの変更がどういうものであったか、そして、それが前の計画と今回の計画でどのように違っているのか、そういう把握はされているんですか。

◎(溝口環境課長) 私どもは東京都の環境アセスメント手続に協力をするという立場から申し上げるわけでございますが、基本的には都の関係手続に沿って進められたものというふうに理解をしております。

◆( 木下委員) 今の話をずうっと聞いていますと、十二億円も予算をとって一体何をやっているんですか。環境部なんて要らないじゃないですか。そんなことをやっているから、みずとみどりの課は都市整備部の方に移るというのがすんなり決まっちゃうんですよ。つまり、あなた方は一体何をしようとしているんですか。環境を守るつもりはあるんですか。

◎(溝口環境課長) ただいま申し上げましたのは、あくまで都の環境アセスメント条例に基づきます手続が現在、区内で進められている、そういうものに対する私どもの所管としての考え方であります。私どもは、区は区独自の環境基本計画、環境行動指針に基づきまして環境行政を進めているところでございます。

◆( 木下委員) 今言ったとおりだとしますと、先ほど尋ねたような質問に全部答えなければいけないじゃないですか。一切答えていないじゃないですか。独自調査でもやるつもりがあるんですか。

◎(溝口環境課長) 区の責務となります中で、私どもは進めさせていただきたいというふうに考えております。

◆( 木下委員) これ以上聞いてもろくな回答が返ってこないというのがよくわかりましたよ。つまり、今回、みずとみどりの課が組織改正で都市整備部に移るわけです。そうしますと、これは泥棒と警官が同居するということになるわけですよ。少なくとも開発と環境を守るということは相反することですよ。それを一緒くたにして、今後、アセスの手続というのは非常に困ることになると思いますよ。同じ部でやった開発計画に対して、同じ部のある課がそれに対してクレームをつける立場にならざるを得ない。ところが、クレームなんてつけられないですよ。そういった問題をはらんでいるということを申し上げて終わります。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。  ここでしばらく休憩いたします。     午後一時二十五分休憩




●平成十一年三月十六日(火)第五号

 (福祉保健委員会所管分に対する質疑)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) 予算書の二二一ページに看護婦等養成施設研究研修事業補助二百八十万円と出ているんですけれども、これは何をする補助金ですか。

◎(金丸保健福祉部参事) これは、看護婦等を養成する養成施設が行っております研究または研修事業を補助して、地域における保健医療の確保充実に寄与することを目的といたしまして、行政施設における専任教員、非常勤講師の研究または研修活動等に対する補助でございます。

◆( 木下委員) 何か非常に一般的な話で、皆さんの方からどういう質問ですかというふうに言われたものですから、一応こういう質問をしたいということを通告しておいた割には、何か非常に一般論を言われているにすぎないと思うんですね。
 これは准看護婦を養成する学校ですね。

◎(金丸保健福祉部参事) 准看護婦を養成する学校でございます。

◆( 木下委員) 結局、これは医師会立ですね。つまり、医師会がつくっている准看護学校の補助金なわけですけれども、私は、この質問をするということを通告して、基本的な資料をくださいというふうに申し上げたんですよ。そうしたら、ペーパー二枚と、それから二十三区中十五校ありますというのは来ましたけれども、基本的な資料を求めたときに、これだけでいいんでしょうか。
 この中には、七番として、国の動向として准看護婦については見直す方向性で資質の向上、移行教育などの検討をしていると一言書いてありますけれども、これは大きな問題なんじゃないですか。准看護学校のことについてどういうふうに認識していますか。

◎(金丸保健福祉部参事) 国におきましては、平成十年三月から准看護婦の養成制度の見直しをするための検討会を発足させまして、その資質の向上と移行教育等の検討をしているというふうに伺っております。これにつきましてはまだ検討の段階だというふうに伺っております。

◆( 木下委員) いや、私、これは一夜漬けの質問なんですけれども、インターネットという今、非常に便利なツールがあるわけですよ。そこで准看護婦と入れて検索しました。それで、たくさんの資料を深夜とりまして読みました。そうしましたら、一九九六年の十二月二十日に厚生省の准看護婦問題調査検討委員会報告書というのが出ています。これは、二十一世紀初頭の早い段階を目途に看護婦養成制度の統合に努めることを提言するとして、事実上准看護婦養成停止を明言しているんですね。
 これを受けた形でいろんなことがありました。といいますのは、一九九七年の十二月一日に、一年たってもまだまだこの看護制度について、さっき言われた見直しの検討会が始まらないので、業を煮やして日本看護協会が二〇〇一年までに准看護婦養成停止を求める集いというのを開きました。これは九七年の十二月一日。ところが、日医──日本医師会が、全国の医師会に指導文書を配って、この日本看護協会の集いには、自分のところで働いている看護婦さんたちには、参加しないように、そういう指導をしていたわけですね。

 しかも、一九九八年、昨年の八月三十一日に全国准看護婦学校教育協議会会長の清川さんという会長さんが要望書を出したわけですね。ところが、この要望書について、日本医師会が圧力をかけて、これを取り下げさせたということがあります。これは昨年の十月二十一日の朝日新聞ですけれども、「医師会の方針に反する准看学校協の要望許せぬ」ということで、一たん出した要望書を、つまり、統合を進めるのに早くしてくれという要望書を取り下げて、しかも取り下げなければ、清川会長が務めている医師会系の准看護学校の副校長の立場も含め、すべての社会的職務を失うことになる可能性があるというふうに口頭で伝えて、それで取り下げさせたんですね。こういった重大な事件が起きている。
 つまり、准看護婦さんというのは、中卒で今、二年間の養成という課程なわけですね。現在もそういった形での──医療水準も上がっていますから、准看護婦さんが要るのかどうかという問題、また准看護婦さん自身も高度な医療の技術を求めて、統合化に同意をしているわけですよ。そして、早く准看護婦をなくしてほしい、全国的なそういう運動もある。そういった中で、部長はどういうふうに考えますか。

◎(櫻田保健福祉部長) この看護婦の問題につきましては、委員ご案内のとおり、平成四年に看護婦等の人材確保に関する法律及び同法に基づく基本指針というのが示されております。これは当時、バブルの最中でして、いわゆる三K職場ということで、看護婦のなり手がないということで、国がその対策を根本的に始めた第一歩でございます。
 その後、今、委員お話がありましたように、いろいろな過程がありまして、特に准看の養成のあり方については、お話のとおりで、きょうまで進んできております。
 ただ、私どもは、そういう政治あるいは法律界の動きは動きとして、地域医療という視点で考えますと、今、約九十三万の看護婦さんが就業しておりますが、そのうち約七五%が大病院、残りのうちの一八%がこの地域の診療所等に勤務している。そして、地域の診療所から見ると、准看の占める割合が、全国では約四〇%ぐらい、恐らく世田谷もそのぐらい占めているのではないか。地域医療を守るという視点からいいますと、極めて貴重な存在でもあるわけです。
 そういう意味で、私どももこの動きが今後どうなっていくのか、今、注視をしているわけでございますが、実態としては、この地域医療という視点で見た限りでは、こういう大きなウエートを占めているということをご理解いただきたいと思います。

◆( 木下委員) ここは僻地ではありません。しかも日本全体、そういった意味で、准看護婦さんの必要性というのはなくなっていると思うんですね。逆に、お礼奉公であるとか、あるいは准看護婦の資格ではできない注射とか、そういったものも現場のお医者さんはどんどんさせていたという実態が、一九九六年のこの報告書で明るみに出まして、規則の改正等がありまして、そういうことが抑制されてきているということがあります。それから、日医自身もそういう事実については認めているわけです。
 しかも、世田谷の場合、本当に要らないと思うんですね。これは、お医者さんの都合で非常に安く使えるということがあって、そういったことをやっていると思うんですね。それに対して二百八十万円もの補助金を出すということは、これは非常にまずいと思うんですね。しかもこの内容を見てみますと、統合に向けたためのお金でなくて、これは今のを存続させるためのお金ですよ。こんな二百八十万円もどぶに捨てるようなお金は使わないでほしい。
 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
 ここでしばらく休憩いたします。
    午前十一時五十七分休憩




●平成十一年三月十八日(木)第六号

 (都市整備委員会所管分に対する質疑)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) 小田急線の連続立体事業の進捗率というのをよく区は広報などでも発表しているんですけれども、これはどのくらいですか。

◎(板垣交通企画課長) ご質問の進捗状況につきましては、線増部分を含めました全体の事業でいきますと、昨年度、平成九年度末で二七%だったのが、今年度末には約三九%の事業進捗が見込まれるというふうに聞いております。

◆( 木下委員) ただ、進捗率といった場合に、事業全体の進捗率ということになりますと、これは用地費を含むわけですね。そういうふうに理解してよろしいわけですね。

◎(板垣交通企画課長) 今言いました進捗率につきましては線増部分を含んだ進捗率でございますので、線増部分の用地買収も含んだものでございます。

◆( 木下委員) そうしますと、この前聞いたんですが、複々線についての用地買収は九八%が済んでいると。環境側道については、つまり、連続立体事業で必要な用地については七四%が済んでいると、そのとおりでよろしいんですか。

◎(板垣交通企画課長) 前回、交通対策特別委員会でご質問があったとき、そのようにお答えをしておりましたが、その後、再度都の方に確認しましたところ、用地の取得状況につきましては、これは面積の割合でございますが、線増用地につきましては今年度末で約九九%が確保される。それから、側道用地につきましては約八一%が確保される予定だというふうに聞いております。

◆( 木下委員) そうしますと、最初に言った進捗率というのは、用地費についてはほとんどが買収済みということで、ほとんどというか、もちろん残っていますけれども。そうしますと、進捗率が二七%から三九%というふうに言っているけれども、工事の進捗率にしたら大したことないんじゃないですか。

◎(板垣交通企画課長) 線増部分につきましては先ほど申したとおりでございますが、一方、連続立体交差事業部分の東京都が事業主体となっております事業の進捗率でいきますと、平成九年度末で約二四%だったものが、平成十年度末で三四%の事業進捗が見込まれるというふうに聞いております。

◆( 木下委員) 今言いましたのは、つまり、事業費というのは全体で一千九百億なわけですね、喜多見から梅ケ丘までの間。そのうちの用地費が九百五十億、そして工事費が九百五十億というふうに言われています。このとおりでいいんですね。

◎(板垣交通企画課長) 総事業費一千九百億ということは聞いておりますが、それぞれの内訳については私ども東京都の方から聞いておりません。

◆( 木下委員) 裁判等にもなっていて、九百五十、九百五十というのについては東京都の方から示された数字として出ていて、これについては異論がないわけですよ。世田谷区もそういった事情については知っているはずです。そういった中で、つまり、土地の買収がかなりの程度進んでいる。全体の用地費も含めた進捗率でいって二七%で、今度三九%である。そういうことになりますと、実際の工事の進捗率というのは二〇%もいっていないんじゃないですか。
 つまり、区民にわかりやすく説明するためには、工事がどのくらいできているかとみんな見ますよ。そういった意味では何%かというのは出したことはないですか。

◎(板垣交通企画課長) 工事と申しますか、当然工事をやるためには、線増部分の用地確保も必要でしょうし、側道部分の関連側道の用地確保も必要なわけですので、それはトータル的に進捗率が幾らいったということについて発表していっているわけですので、それは当然のことだと思っております。

◆( 木下委員) 結局、母数がどういうふうになっているかと聞いたら、あやふやでわからないということをおっしゃって、その実、今詰めていったら、つまり、あそこは半分全部完成したとしても五〇%なんですよ、工事の進捗ということでいえば。ですから、その意味では二七%、三九%と言っているけれども、区民にとっては、その数字だけ聞くとたくさん進んでいるというふうに聞こえるけれども、実際にはそんなに進んでいない。そのことを今申し上げておきます。
 そして、十二月四日の東京都と世田谷区と小田急と渋谷区の協議、そのときには地下化の話は出ていなかったけれども、八日には地下化の話が都議会で出てきたわけですね。この辺の経過について、つまり、世田谷区としては事前に知らされなかったということで、そのとおりでよろしいんですか。

◎(板垣交通企画課長) 昨年十二月四日に東京都で第一回目の小田急線東北沢−梅ケ丘間の整備方針の検討会が立ち上がっております。その際、私ども参加した際には、これまでお話ししているとおり、四線並列高架、四線並列地下、二線二層地下、二線地下二線高架の四案が抽出中であるということで示されております。今後絞り込みを進めるための検討を行うということの説明を受けております。
 その後、十二月八日の都議会においては、東京都の方で線増部分は地下方式で整備する、それから、在来線については線増計画を勘案しながら立体化の計画を進めるという方針を表明しております。四日の段階には、個々のその方針の段階まではお話はありませんでしたが、四案は四日の段階で少なくとも私どもには示されているわけですので、そういう状況の中から都としての考え方を都議会において表明したものというふうに受けとめております。

◆( 木下委員) そうしますと、四日の時点で事業費についての説明等はありましたか。

◎(板垣交通企画課長) 第一回目でございますので、そういう詳しいことは何らありませんでした。

◆( 木下委員) そもそも小田急線の連続立交について高架か地下の比較をして公式に数字が上がってきたのは、世田谷区の六十二年度の小田急沿線街づくり研究会報告書しかないんですよね、公式に上がってきているのはね。これの数字を見て大体区議会の先生方が、いや、地下はすごく金がかかる、だから高架しかできないんだというふうに誘導されて、そういうふうな決定の方に傾いていったわけですよ。そういうところから考えてみますと、今回の話というのは、事業費の説明もなくて、いきなり八日に、地下でやりますということを言ったときに、そのことについて、きちっと世田谷区としては事業費等については説明を聞かないんですか。いまだに聞いていないんですか。

◎(板垣交通企画課長) 第一回目の検討会が開催された後、その後の検討会はまだ行われておりません。そういう中で、今後は、そういう話も含めまして、残った案の選択をしていくということになろうかと思います。

◆( 木下委員) さんざん事業費の問題で不可能だ、不可能だということを言いながら、それで高架に誘導していった。そして、今度の下北沢のところについて地下が可能だということになれば、今まで決めた高架のところについて、これは間違いであったということも非常にはっきりしてくるわけです。そういったことについてまじめにきちっとやらずに、ご都合主義で、行政の都合のいいように、聞かないところは聞かないことにしているというようなことは、これは非常に市民を愚弄するものだと思いますよ。高架と地下の問題については今後どうするつもりですか。きちっと事業費について東京都に問い求めるつもりはありますか、どうですか。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。




●平成十一年三月十九日(金)第七号

 (文教委員会所管分に対する質疑)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 今回の事件ですけれども、極めておかしなことがあります。三月九日に世田谷区立総合運動場条例の一部を改正する条例、世田谷区立千歳温水プール条例の一部を改正する条例が通りました。この条例は、体育協会から衣がえしたスポーツ振興財団に対して、区の総合運動場と千歳温水プールの運営管理を任せるための条例改正だったんですね。今回の予算書にも五億八千万円ほどがそこに委託費として預けられるようになっています。
 先ほど行革一一〇番の大庭さんが、名誉区民に坪内氏がなるときに反対されたというふうにおっしゃった。しかし、行革一一〇番の大庭さんも含めて、この前の条例改正には賛成されているんです。反対したのは、私の 無党派市民と、それから反政党・改革派の下条さんと改革の鈴木さん、その三人だけ、あとは全部賛成してしまったわけです。そこで、三月九日にこの条例を通しておいて、三月十一日にこの事件が発覚したというふうに言っているわけです。もし三月九日以前に発覚していたらどうなりましたか。この条例は通らなかったですね。そういう状況があるわけですよ。
 まず、そういう状況があるということを念頭に置いて、「区教育総務課が調べた結果、借用書の日付は昨年十一月二十七日となっており、協会事務局は、坪内氏の申し出のままに貸していた」。これは朝日新聞の報道ですが、このとおりですか。

◎(武藤教育次長) そのとおりでございます。

◆(木下委員) それから、昨日「体育協会会長の金銭の一時借用問題について」という文書を私はいただきました。教育委員会からいただきました。この四番目に、「当該借用書は協会の事務局に提出されていたが、返済が完了した時点で、坪内氏の指示により破棄した」と書いてあります。正しいですか。

◎(津吹教育長)報告を受けております。正しいと思います。

◆(木下委員) 明らかに矛盾がありますよ。つまり、「当該借用書は協会の事務局に提出されていたが、返済が完了した時点で、坪内氏の指示により破棄した」、破棄したと書いてあるんですよ。つまり、協会の事務局に提出されたが、坪内氏の指示により破棄されたと書いてあるんですよ。ところが、今、朝日新聞の報道は正しいと言った。こちらは「区教育総務課が調べた結果、借用書の日付は昨年十一月二十七日となっており、協会事務局は、坪内氏の申し出のままに貸していた」。つまり、借用書は見たんですね。

◎(津吹教育長)借用書は私も確認しております。

◆(木下委員) 確認したとしたら、そのコピーぐらいはとってありますか。

◎(津吹教育長)それはとっていないと思います。

◆(木下委員) これは証拠隠滅じゃないですか。

◎(津吹教育長)私にそう言われても、協会の問題でございますし、ただしたときに、こういうものは借用書が入っているんだろうなという確認をしたときに提示をいただきました。この借用書を書いたときは、千國だけじゃなくて、担当の専務理事も一緒に確認したという話も私どもは再確認をしております。

◆(木下委員) いや、問題は、先ほど言ったように、三月九日にこれだけ大きな条例が通っているわけですよ。そういったことも勘案すると、三月十一日に発覚したと言っているけれども、その真実だって定かでない。それから借用書の問題、それは証拠として唯一あるものですよ。それについて破棄したということ、また、そのときにコピーもとっていないということは、まともにこの問題について調べる気がなかったんじゃないですか。隠滅じゃないですか。

◎(津吹教育長)一般論で言えば、いろいろ貸借関係があって返済があれば、その借用書は返戻するのが普通ですね。報告の中を聞きますと、本人に借用書をどうしましょうかと言ったら、もういいから、そちらで破棄してくれ、そういうふうな応答があって、その措置をしたというふうに聞いております。

◆(木下委員) 組織が金を貸すときに、そんな手続でいいんですか。だれが貸したんですか、事務局長ですか。借用書は、そのあて先はだれあてになっていたんですか。

◎(津吹教育長)私が確認したのは、ご本人が協会長であるご本人、二重人格になるわけですけれども、坪内嘉雄氏が協会長の坪内嘉雄氏あてになっていた。

◆(木下委員) これは犯罪じゃないですか。これは告訴するつもりはありますか。

◎(津吹教育長)この件については、私どもで判断することはできませんし、専門家と相談して対処したいと思いますが、私個人の見解を申し述べることを許していただくならば、今までお話ししてきたように、一応決済がついている。それから、区に対しては非常に貢献度がある。そういうことで、借用書も入れたということについては、明らかに自分の行為を公知するという意思があるということで、先ほど持ち逃げみたいなお話がありましたけれども、そういう意思はなかったというように判断して、私としては、告発しない方がいいというふうに思っております。

◆(木下委員) 公金横領の問題ですよ。これらについては、あなたが許すとか許さないとか、そういう問題じゃないんです。これは、組織としてそれを見過ごしたとしたら、あなただって責任を問われますよ。これはあなただって刑事責任が問われる問題だよ。関与した人全部の刑事責任が問われる問題なんですよ。そういう認識はありますか。

◎(津吹教育長)専門的なことはよくわかりませんけれども、その行為直接について、私が責任を問われるということはないというふうに私は思っております。

◆(木下委員) そんなことないですよ。証拠について押さえなかったじゃないですか。専門家と相談するというのは、どうやって相談するんですか。つまり、まさに証拠として上がってきているものについて、コピーもとっていない。それで破棄したということになっている。何にも証拠が残らないじゃないですか。これからどうやって調べるんですか。

◎(津吹教育長)借用書については、私も確認した。その破棄したことについては、私が指示したわけではありませんし、当人と、それから貸した側の間でのやりとりで、一般的に返戻されれば借用書は返すわけですね。そういう一般的な手続によってしたということで理解いただきたいと思います。告発する、しないの問題で法的な問題を相談する、そういうことでございます。

◆(木下委員) そんなこと、貸し借りをすることがそもそも許されているんですか。

◎(津吹教育長)許されていないと思いますが、その事後に起きた行為について、結果だけご報告申し上げているわけです。

◆(木下委員) 何を言っているんですか。つまり、これは完全に犯罪ですよ。名誉区民について温情で同意取り下げというか、みずから辞職することを許すとか、そういう問題じゃないですよ。これはきちっと剥脱するべきですね。そのためにきちっとした調査をやるつもりはありますか。

◎(川瀬助役) 私どもの理解は、これは財団の中で、財団と坪内さんとの間で起きた問題でございまして、行政として持っているのは、これについて適切な指導、調査をし、監督したかどうかという問題でございます。その辺はご理解をいただきたいと思います。財団の方は、誠意を持って調査をするということを言っておりますので、その報告を待ちたいと思います。

◆(木下委員) いいですか、教育総務課が少なくとも調べたというふうに言っているわけですよ。そのときに調べた証拠物件について、すぐ返してしまって、それで済ませているという問題がありますよ。それから、指導監督の問題だと言っているけれども、これは明らかにそういう指導監督業務の怠りじゃないですか。それだって刑事責任を問われますよ。

◎(川瀬助役) この問題につきましては、ご案内だと思いますが、外郭団体にかかわる問題でございますので、私どもは、指導監督の立場にある問題として今のようなことをご報告申し上げているわけで、団体の中で起きたことについては、十分調査して報告するようにさせます。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。




●平成十一年三月二十四日(水)第八号

 (補充質疑、採決)


○(鈴木〔昌〕委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆( 木下委員) 引き続き、坪内氏のことについてお尋ねしたいんですけれども、坪内さんはいろんな全国的な要職も務められているんですけれども、どんな要職についていたか、区長、ご存じですか。

◎(津吹教育長) たくさんありますので、全部はちょっと申し上げられないかもしれませんが……(「枢要なものでいいです」と呼ぶ者あり)はい。
 国の機関の関係としては、文部省の保健体育審議会委員とか、あるいは社会教育審議会専門委員、大蔵省の保険審議会委員、臨時教育審議会の専門委員、スポーツ振興に関する懇談会の委員、通産省のスポーツ産業研究会座長代理、あるいは全国的な問題では、スポーツ関係では社団法人日本スポーツ産業学会副会長、日本ビリヤード協会会長、日本ワールドゲームズ協会理事長、身障者のスポーツ団体だと思いますが、PWLスポーツ文化振興協会会長、あるいは日本体育・学校保健センター・スポーツ振興基金審査委員会委員、そのほか芸術、美術関係で国際音楽芸術家協会理事長、会長、東京音楽文化協会専務理事、財団法人博報堂児童教育振興会評議員とか、財団法人古代オリエント博物館の理事、財団法人東京都文化振興会理事等々、いろいろな要職を務めていらっしゃいます。

◆( 木下委員) いろんな経歴をお持ちの方なんですけれども、今お述べにならなかった役職があるんです。割と大事な役職なんですが、一つは、笹川スポーツ財団の元の理事長ですね。今は顧問をされている。それから、財団法人日本レクリエーション協会の会長もなさっている、このことはご存じですか。

◎(津吹教育長) ちょっと大事な点だったかもしれませんけれども、両方ともそういう役職を務めていたということは聞いております。

◆( 木下委員) 今回、条例で総合運動場と千歳温水プールを財団法人スポーツ振興財団に移す、そういうことを三月九日に決めたわけですけれども、今の役職で、日本レクリエーション協会会長であったり、笹川スポーツ財団の元理事長であり、今顧問であるということは非常に関係してくると思うんです。といいますのは、生涯教育等にいろんな新たな事業を展開するために移すんだというふうにご説明されたと思うんです。そういった意味からいいますと、この役職であるということとの関係で、今後どういう関係をこの協会などと持っていこうというふうに考えていますか。

◎(津吹教育長) 坪内さんのこれまでの役職と、今度、千歳温水プールと総合運動場もそうですけれども、スポーツ振興財団に委託するということについての直接的関係というのは考えておりません。スポーツ振興審議会の会長も務められ、ご自分が、今まで競技団体的であった体育協会を、レクリエーションの部分も含めて、だれでもが気軽にスポーツとかレクリエーションに取り組めるような、そういう体制に持っていきたいというお考えがございましたので、それに私どもの考えも一致したということで、振興財団の方にもお入りいただいて、なお、施設の柔軟な、効率的な活用を図るという意味で委託を考えた、そういうことであります。

◆( 木下委員) この日本レクリエーション協会は、都道府県にもある種の支部があり、市町村にも支部があるような全国組織なわけですよ。それで、例えば余暇についても、余暇生活開発士とか、レクリエーション部分のいろんな指導員の認定までやっているんですね。そういった意味でいくと、非常に影響力の強い人だと思うんですけれども、全国的に見て、今回の事件との絡みで、この役職はおやめになるというふうに、そういう話は聞いていますか。

◎(津吹教育長) ご本人からは直接は、まだちょっと接触ができなものですから聞いておりませんけれども、風評では、何か今回の事件を──今回の事件というよりも、前から何か決まっていたようなお話を聞いておりまして、五月ですか、総会で辞任をされるというお話は、前からちょっとそういうお話を伺っておりました。

◆( 木下委員) この日本レクリエーション協会については非常な逸話がございまして、ひげの殿下が、一九九七年十一月一日から三日間開かれた北九州の大会でレクリエーション協会にいろいろな改革を求めたのに、全然進まない。体操か何かを全員でやり出したので席を立ってしまった、そういう逸話まであるんです。非常に古い体質を持ったところだとは思うんですけれども、さて、区長にお尋ねしますけれども、今回の事件、横領だとは思いませんか。

◎(大場区長) そういう考え方もあろうと思いますが、実際は自分ではそれを返しておりますので、その点、横領とは考えておりません。

◆( 木下委員) そういった財団法人で、みずから借用書を書けばお金を借りていいものですか、それは刑事事件になりませんか。

◎(大場区長) 刑事事件になるかならないかは別として、法的な問題もございますので、これから研究していきたいというふうに思っております。

◆( 木下委員) 区の監督責任はどうなりますか。特に借用書を廃棄したということは非常に問題だと思いますけれども、その点についてはどう考えますか。

◎(津吹教育長) 借用書の廃棄の問題は、文教所管のときにもお話し申し上げましたけれども、返済が終わった三月十七日の時点で、ご本人に連絡がとれて、借用書をどうしましょうかと言ったら、そちらの方で破いておいてくれというようなお話があって、それで廃棄したという報告を受けております。

◆( 木下委員) どなたが廃棄したんですか。

◎(津吹教育長) 現在までの段階では、元体協事務局長というふうに聞いております。

◆( 木下委員) しかし、調査をしなければならないということになっているんでしょう。そうしましたら、教育長はこの前、二重人格のように本人が会長たる体協の会長あてに書いている、そういうことをおっしゃいました。それが事実だとしたら、非常に大きな証拠にもなるし、それはいろいろ調査する上で必要不可欠な文書じゃないですか。

◎(津吹教育長) お話しのこともよくわかります。借用書の内容については、個人名で体育協会会長あてということで、ご本人が二重人格的なものであるんですが、ただ、一般的に、この前もお話しいたしましたけれども、借用書は、もしそういう借用したものが返済されれば、そこでご本人に返すというのが通常の手続じゃないかなというふうに思います。

◆( 木下委員) だって、そんな通常の借金じゃないでしょう、そんな団体からなんて借りられないでしょう。借りられるんですか。

◎(津吹教育長) ここでは団体、公金と、それから一般の区別がなかったんじゃないか、そういう認識がちょっとなかったんじゃないかと思います。

◆( 木下委員) いや、だから、調べるということであれば、そういったことについて隠ぺいしたことは非常に問題だと思いませんか。処分はしませんか。

◎(津吹教育長) 隠ぺいしたとは思っておりませんけれども、一応そういうことも含めて、現在調査しております。

◆( 木下委員) 区長、教育長に対して処分はしないんですか。

○(鈴木〔昌〕委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。



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