1998年10月 平成10年決算特別委員会(自10月5日 至10月19日)

平成九年度決算特別委員会

決算特別委員会会議録


●十月五日(月)第二号

 (総括説明、総括質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 景気が悪くなってくると、政策的にもちょっと悪い目がいろいろ出てきまして、特に環境問題なんかが切り捨てられてくるわけなんですが、つい最近、九月三十日に、環境庁が騒音に対する環境告示をしたんですが、区長、内容についてご存じですか。

◎(大場区長) 詳しくは存じ上げておりません。

◆(木下委員) いや、どんな問題があるか、詳しくでなくていいんですけれども、概略どんなことか、ご存じですか。

◎(大場区長) 間違ったことを言うと、またやられますから……。(笑声、「いや、どうぞ、どうぞ」と呼ぶ者あり)いや、もうよくわかりません。

◆(木下委員) それでは、違う聞き方をしましょう。世田谷の道路問題で、平成九年度に世田谷区の環境部環境課が「自動車公害実態調査報告書」というのを出しているんですけれども、そこで騒音の定点測定から、いろんなところの測定もやっているんですけれども、ほとんどが環境基準はおろか、これについての指導基準というか要請基準、要請限度も超えているんですよね。そういう現状について、区長はどういうふうに思われますか。

◎(大場区長) 環境問題、これはたくさんあるわけですが、道路の問題につきまして騒音の調査をしたところ、容量を超えているということでございます。これは大変残念なことですが、自動車社会である今、やっぱりガソリンを使わないで走るような自動車を考えるとか何か、そういう形でやっていくのが一番早いのではないか、このように思っております。

◆(木下委員) この委員会でも共産党さんとの政策協定の話がありましたけれども、あそこで言っているようなことは、つまり、そういった騒音の問題なんかについてきちっと取り組むということじゃないんですか。他党とのことですから、そのことに僕は責任は持ちませんけれども、区長はどう考えているんですか。

◎(大場区長) ただ、世田谷区の限界が、やっぱり行政には限界がございまして、取り組むのはいいんですが、じゃ、何をしたらいいかということになると、これは、今度は警察の問題だとかいろんな問題に波及していくわけですが、区独自では、調査あるいは対応なんかは多少考えていくにしても、なかなかやりにくい問題ではないかと思っています。

◆(木下委員) 環境基準を超えているだけではなくて要請限度を超えているんですよ。これは自治体が公安委員会や政府に対して改善を要請するということができるわけですよ。これは東京都がやることになるんでしょうけれども、区長は東京都に対して、この問題で何か言ったことはございますか。

◎(大塚助役) 特段に公式には要請しておりませんが、我々の方としては早い時期に、例えばトラックですとか、バスの今のディーゼルを廃止して、できるだけもうちょっと騒音あるいは環境に配慮したエネルギーを使うようにしてほしいということでは言っております。

◆(木下委員) 今そういうお答えがありましたけれども、区長、けさの朝日新聞の朝刊をお読みになったでしょうか。ディーゼル車の排ガスが精子生産を損なうという毒性がある、そういう記事があるんです。つまり、環境ホルモンが問題になっているけれども、今や大気汚染の主要な原因である車の排ガスが精子の生産を非常に阻害する、そういう毒性を持っている、そういうことが書いてあるんです。それについてはどういうご感想を持ちますか。

◎(大塚助役) 私の方からお答えさせていただきます。

 私も、その環境の問題については非常に憂慮しておりまして、ただ、一方ではここ二〇〇〇年を目指して、大気汚染については東京都も国も取り組みまして、これらのNO2を含めて、大気汚染についてはできるだけ低く抑えていこうというような動きも今はございますので、区としてもそういったような動きを見ながら、今後、さらに大気汚染等については、東京都に対しても、そうしたことを早めるような方向で申し伝えていきたいと思っております。

◆(木下委員) 僕は、世田谷区民の長として今のような認識では非常に困ると思うんですね。とりわけすべての観測点で騒音基準はもう完全に超えているというようなこと。それから二酸化窒素だって、砧の観測局以外は全部超えているわけですよ。そういう現状がある。その中でどんな告示がされたかということについて申し上げましょう。

 騒音について、今までは沿道の外ではかった基準がずっと環境基準とされてきたわけですよ。ところが、今度は部屋の中で四十五デシベルあるいは四十デシベルであれば、それでいいというような告示がなされたんですよ。これは環境行政の大転換ですよ。つまり、今までは外ではかった基準、これは小田急のこの前の責任裁定で出たやつも外ではかっているんですよ、七十デシベルというのはね。ところが、沿道に、幹線道路に面したところという限定はついていますけれども、そこではかるに当たって、室内ではかった基準が昼間四十五デシベル、夜間四十デシベルをクリアすればよろしい、そういう方向に今、国は持ってこようとしている。

 これは批判が非常に上がっていまして、著名な学者の先生方が批判の声明を二十九日に出しています。例えば、元日弁連の会長の堂野達也先生、世田谷に住んでいらっしゃいますね。それから、元国立公衆衛生院の鈴木武夫先生、東京大学工学部名誉教授の大谷幸夫先生、立命館大学の宮本憲一先生、東京大学経済学部名誉教授の宇沢弘文先生、もっとたくさんいらっしゃいますけれども、こんな方々が、これを批判する声明を出しているわけです。そういったことで、世田谷区は自動車公害の問題については、やはり一家言持っていなければいけないと思うんですね。

 そこで、改めて区長に聞きますけれども、どういうふうにお考えですか。

◎(大場区長) 自動車問題は、これは当然、皆さんも乗っていらっしゃるわけでありまして、そういう意味では学者先生たちの、これは自然に対する大変大事さを申し上げているんだろうと思いますので、なるべくいわゆる排気ガスの出ない、そういう自動車がこれから出てこなきゃいけない。例えば東京ガスとか、東京電力とかが今開発しておりますので、そういうふうなことになると随分違ってくるのではないかな、こんなふうに思います。

◆(木下委員) 私は、きょうほど悲しくなったことはないですね。少なくとも私は区長に対して、この騒音の問題とか大気の問題で、きちんと努力したい、そのことに対していろいろ知恵を絞ってやっていきましょうという答えを僕は期待したんですよ。ところが、非常に通り一遍の、皆さん、車に乗るんだから、車の対策をいろいろやっていくことが大事だという、そういうことでは都市問題を解決できないですよ。

 一方で自民党は、きょうは柿澤弘治さんの、これは日経新聞の「経済観測」というところで、公共事業は都市部を重要視ということで、高い投資効果に期待と出ていますが、これは同じように土木費も、さっき高いと出ていましたけれども、つまり、公共工事でもって経済を回復したいと。そのためには道路を建設する。道路を建設するとビルもたくさんできるじゃないかというふうに書いてあるわけですよ。そういうことでいいのかどうかという問題だということで、次回がありますので、またよろしくお願いします。

 


●十月七日(水)第三号

 (企画総務委員会所管分に対する質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 談合問題ですが、非常に疑問なのは、情報が都合三回寄せられたことになっているわけですけれども、これはなぜ最初の情報が来たときに入札をやめたのですか。素朴な質問です。

◎(田邉経理課長) 最初の情報の段階では入札はやめておりません。

◆(木下委員) 二回目になぜやめたのですか。

◎(川瀬助役) 一回目の情報がございました折に、各ジョイントベンチャーに対してきちっと指導をした。そして、業界代表にも私と岡安が行って忠告をした。それにもかかわらず、まだその後談合情報が寄せられた。では、これは一体どういうことなのか。注意したばかりではないかという状況でございましたので、審査会を開いてどうすべきかを検討した結果、これはもう一遍きちんとすべきだということで中止をして、ヒアリングをし、誓約書を提出させてきちんとすべきだということになりましたので、中止をしたわけでございます。

◆(木下委員) 何回かの質疑の中で出てきたのはいずれも業者だったということですね。

◎(川瀬助役) そういうことの確証を得ておりません。

◆(木下委員) いや、どうも業者だと、皆さんお答えになる方も大体そう答えていたようですよ。

◎(岡安税務経理部長) 電話を受けましたのは私ですから、業者だというようなことは確認しておりません。そういうふうに申し上げたことはないと思いますけれども、確認をとっていないということで言っているつもりです。

◆(木下委員) いや、少なくとも三回目の後藤さんからの名前を名乗っての通報。それに対してここの質疑の中で、行革一一〇番の大庭委員からは、これは業者からそういうのがあったのだという話になっているわけですね。

 そうしますと、私は問題は、これはやってもやらなくても、つまり、入札を延期したこと自体が事件だと思うんですね。僕は最初に連絡を受けたときに、区議の各会派に対して連絡がありましたね。あのとき、これは事件ではないか。詳しくきちんと説明しろと言ったとき、詳しい説明は一切なかったんですよ。これは、例えば業者だとすれば、要するに談合情報を入れることによって結果が変わることだってあるわけですよ。そうすると、それ自体で事件ではないですか。

◎(岡安税務経理部長) 私の受けとめ方は、これまでもお話し申し上げているかと思いますが、業者が言ったとかそういうことではなくて、やはり一般競争入札については談合が行われにくい制度の中でも起きた。それも二回起きた。一回目に注意しながら起きたということで、これは慎重にやろうということで中止したということで、その辺の裏づけの話を想定してやったものではないわけでございます。

◆(木下委員) 少なくともここで行革一一〇番の大庭委員が業者から聞いたと言っているわけですよ。そうしますと、これは事件性が非常にあるわけですよ。つまり、何の目的で業者がそう言ったのかという問題も含めて、それは業者は正しいかもしれない。あるいは何か目的があったのかもしれない。そういうことについてどういうふうに調べようとしているのですか。

◎(川瀬助役) 再三申し上げているように、業者から聞いた、正確にはわかりません。もしそうだったとしても、では、どういう業者がどうなのですかということが立証されていないわけですから、我々はわからないと申し上げているので、私どもに問われても、それは困ってしまう話だなと思います。

◆(木下委員) いずれにせよ、非常に確証があるということでここで行革一一〇番の大庭委員がそういう話をされて、しかも、これは業者がやったというよりも、区がやらせたのだということを公人である大庭委員が言っているわけですから、それに対してきちんとしたことを調べないで終わらせることはできませんよ。その後の認識についてはどう思っていますか。

◎(川瀬助役) そういうことでご通告をいただいた後藤様に私どもはその内容を教えてください、きちんとしてくださいということをお願いしているけれども、まだわかりません。この委員会に出るまでの間にはそういうものが提出されていない。では、それについて調べろと言っても、我々には捜査権がないわけでございますから、調べられるものには限度がある。今後も引き続き、そういうものが本当にあるならば、お出し願いたいということはお願い申し上げていきたいと思います。

◆(木下委員) 私は、これは理事者側に言ってもしようがないことですけれども、議会としてきちんと百条委員会を設けて徹底して調べるべきだ。区の人が非常に犯罪的な行為をしたということを言っておられるわけだから、言った方を証人喚問するなりしてきちんとするべきだという意見をここで申し上げておきます。

 次の質問に移りますが、世田谷の広報で「区のおしらせ」がありますね。これで十月一日号に「『緑の基本計画』を策定しています」というのがあるのですが、これを読みますと、緑の基本計画について、今中間答申が出ていますが、その中で今まで三〇%の緑被率を目標にしてきたのにそれをもう書かなくなった。二〇・〇%現状維持を目指すという一番大事な情報が欠けているのです。これについてはどうしてそうなったのか教えてください。

◎(水嶋政策経営室参事) 十月一日号にお話しのとおり「『緑の基本計画』を策定しています」という「区のおしらせ」を発行しております。内容につきましては所管課と十分打ち合わせて作成したものでございますので、今のご質問についてはちょっと私はご答弁できません。

◆(木下委員) それでは、答えられることを聞きましょう。

 八月一日に、これは政策経営室広報広聴課の編集で、まさにそこのセクションが出している記事ですね。「減らしたくないよね世田谷の緑」というのがあるわけですよ。これで区民意識調査'98の記事が載っているのですけれども、これで大事な記事が抜けているんですね。アンケートの中に問14というのがありまして、「区内西部には、『武蔵野の面影』を残すまとまった緑があります。あなたは、このまとまった緑を今後どのようにしていったらよいと思いますか。一つだけ選んでください」。これについて、「開発等の規制を強化し、保全する」が五二・一%、「市街化が進んだ区域にも、もっと緑を増やす」が二八・八%。ところが、これが一切載っていないんですね。つまり、今回の区民意識調査の大事な点はこの点ですよ。これについてなぜ欠落させたのですか。

◎(水嶋政策経営室参事) 八月一日号で意識調査の結果をご報告しております。今、委員がご指摘のように、大事な視点だというご主張をなさいましたが、私どもは調査を実施した立場から区民に積極的にお知らせした方がいいものをピックアップして載せたまででございます。

◆(木下委員) 私は広報のやり方は客観的にやるべきだと思うんですよ。やはり区民意識調査の中で区民が明確な意思として出しているのは開発をするべきでない。しかも、ここの写真に載っているのは西部地区の写真がほとんどですよ。

 

 


●十月八日(木)第四号

 (区民生活委員会所管分に対する質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 騒音基準の改定、環境基準の改定の問題についてお尋ねいたします。

 騒音の問題については、一九九五年七月に最高裁が国道四三号線の判決を出しまして、二十メートル以内の敷地で六十デシベル以下、それ以外で六十五デシベル以下を受忍限度とするという判例ができたわけです。ところが、つい最近、九月三十日に環境庁が告示をした騒音にかかわる環境基準ではこれをはるかに超えて、昼間七十デシベル以下、夜間六十五デシベル以下ということで、幹線道路の基準をそういうふうに決めたわけです。問題はそれだけではなくて、今まで環境基準というのは家の外でもちろんはかったわけです。環境という意味では外ではかるのは当たり前の話なんですけれども、今回初めて室内ではかった、昼間四十五デシベル以下、夜間四十デシベル以下であれば特例として許される、そういうものまで出てきたわけです。

 最高裁判例を逸脱してこういったことを決めてよいのかどうかということは非常に議論になっているところでして、法治国家であればこんなことは許されないと思うんですけれども、担当者は今回の改定についてどういうふうに思われますか。

◎(溝口環境課長) 騒音の環境基準の改定ということで今お話がございました。実は九月の末に改定の告示がされたばかりでございまして、現在、国でも都道府県に向けて説明会をやっているというような状況でございまして、私どもの方としても情報収集に努めておりますが、まだ細かなところが確認できていないという状況もございます。

 そうした中で、今お話がございました国道四三号線の判決の基準等との絡みというお話もございましたが、国道四三号線の問題につきましては、これは受忍限度という訴訟でございますから、損害賠償の際の受忍限度ということで出されたものでございます。これは一律に全国的な道路に当てはまるということではないというふうに私どもも理解をしておりまして、そういう中で今回環境基準というのが定まった。環境基準と受忍限度それぞれ違うわけでございまして、そこにつきましては、今後、都の方から少し詳しい説明を受けた上で、私どもの方でもこの辺の考え方を取りまとめてまいりたい、そんなふうに今考えてございます。

◆(木下委員) この騒音の問題につきましては、幹線道路に関しては環境基準の方が受忍限度よりも今まで甘かったわけです。つまり、受忍限度というのは、我慢できる範囲という意味ですよ。ですから、それを超えた場合には賠償まで請求される。そういうことであれば、当然環境基準はそれ以下でなければいけないわけです。そういった意味で、今回の基準の改定というのは非常におかしい話ですし、何よりも問題なのは、環境というのは、まさに騒音の問題でいけば、窓をあけた生活をするのが普通の生活なわけですよ。それを閉じてしまえば、閉じてしまった中ではかれば、それでいいとしたことというのは、今までの環境行政を百八十度変える、そういう位置づけを持っていると思うんですね。つまり、もしこのことが許されれば、大気汚染だって、エアクリーナーをつければ、それで許されるという話になってしまうわけですよ。そういった意味で非常に問題だと思います。

 特に世田谷区の担当者にお聞きしたいのは、もう既に世田谷の騒音測定はすべてのところで、環境基準はおろか、受忍限度も上回っている、それから要請基準も上回っている。そういった違法状態がもうかれこれ、一九九五年に判決が出たわけですから、数年続いているわけですよ。そういった中で、今回の改定等についてまだよくわからないというお答えというのは、いかにこの世田谷でそういった騒音の問題であるとか、自動車公害の問題に対して認識が甘いかということだと思うんですけれども、いかがですか。

◎(溝口環境課長) 先ほど環境基準と受忍限度の関係で、受忍限度の方が環境基準を当然超えるというようなお話がございました。私も、その辺はそのとおりだと思います。

 ただ、受忍限度につきましては、基本的には訴訟等におきまして一定の損害賠償をするときに認定をされる一つの騒音の値でございます。ただ、この値につきましては、単に騒音の値だけではなくて、それ以外のもろもろの条件を総合的に判断をして個別的に決まるようなものだというふうに私どもは理解をしております。

 そうした中で今回の改定でございますが、確かにご指摘のように、今区内の騒音レベルといいますのは、六十から八十デシベル、これは新たな基準ではなくて、従来の騒音レベルのL五〇というところでの騒音の値でございますが、この辺につきましては、私ども環境保全の上ではやはり望ましいものではないというふうには考えてございます。

 いずれにいたしましても、国の自動車の規制ですとか、それから道路構造の問題、あるいは沿道交通対策等をあわせまして今実施をしているところでございますが、引き続き都や国とも連携をしながら、自動車公害対策につきましては区としてやれるところから取り組みをしていきたい、こんなふうに考えております。

◆(木下委員) いいですか。L五〇というのは、今度、透過騒音レベルというふうに変わりましたからね。そうすると、L五〇ではかったやつよりも透過騒音の方が値が大きくなるわけですね。そうすると、L五〇で低いといっても、相当ひどい騒音なわけですよ。これは新基準も超えています。受忍限度も超えているし、それから要請限度も超えている。そういう現状があるということをまず篤と認識していただきたいと思います。

 そして、十月一日に、これは緑の基本計画の問題で皆さんが書かれたという区のおしらせ「せたがや」で、今、環境審議会の中で非常に問題になっている、三〇%の目標値をとらない、現状維持にするということに対して批判が相次いでいるにもかかわらず、この広報には一切そのことが出ていない。つまり、区民に意見を求めるに当たって、審議会の中で一番大きな問題になっていることについて書かないというのはどういうことですか。

◎(日浦みずとみどりの課長) 広報区のおしらせ「せたがや」の件でございますけれども、この十月一日号につきましては、現在、世田谷区が緑の基本計画を策定中であるということ、それの現状と課題についてお知らせをしているものでございます。もう一つは、緑の基本計画を策定するに当たっては区民の方から広く意見をお伺いしたいということで、その意見を募集するということ。もう一つは、十月末から各地域ごとに……。

◆(木下委員) 委員長、答えてないですよ、ちゃんと。時間がないからいいです。

 いいですか、つまり、大事なことについて区民に知らせないで意見を聞いたって、何の意味もないんですよ。水と緑の区政と言うけれども、車の公害の問題だってちゃんとやっていない。それから、緑の問題だって、三〇%の目標を二〇%にしたのは大問題ですよ。こういった問題について一切きちっとやっていない。こんなことで、水と緑の世田谷と言えないですよ。そのことを肝に銘じてもらいたい。

 小田急線の問題についても言いたいことはたくさんある。特に七十デシベルを超えたことについては、またやります。

○(山内委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

 


●十月十二日(月)第五号

 (福祉保健委員会所管分に対する質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 十月五日に朝日新聞がディーゼル車の排ガスと精子生産性を損なう毒性の関係について報道しているんですけれども、これについて区の担当者はどのようにお考えになっているか。

◎(向山健康推進課長) 去る十月五日付のディーゼル車の排ガスが精子の生産を損なう生殖毒性があるのではないかという朝日新聞等の新聞報道につきましての区の受けとめ方についてお答え申し上げます。

 ディーゼル車の排ガスに含まれる浮遊粒子状物質、いわゆるSPMにつきましては、従来から気管支ぜんそく等の呼吸器系の疾患の発症を因子として考えられておりました物質でございました。また、この物質につきましては、東京都の大気汚染のモニタリング調査の対象等になってございます。

 しかし、この浮遊粒子状物質、いわゆるSPMが今回の研究グループの動物実験におきまして、環境ホルモンと同様、あるいは類似の生殖毒性として作用する可能性が示唆されたことにつきましては、新たな知見として注目される報告の一つとして受けとめてございます。

 なお、ディーゼル車の排ガスの微粒子に含まれておりますガス成分が精子の減少につきまして働いていく作用メカニズムにつきましては、現在研究中とのことでございます。また、特に人体への影響につきましては、今後も引き続き研究をしていくとのことでございますので、今後とも注意深く研究の推移を見守っていく必要があるというように存じております。

◆(木下委員) ダイオキシン等対策連絡会議というのが世田谷区の中でつくられているそうですが、これは何をやるセクションですか。

◎(向山健康推進課長) 環境ホルモン及びダイオキシンにつきましては、さまざまなまだ科学的には未解明な部分もございますけれども、区民の健康の保持、あるいはその健康影響に対する区民の不安にこたえていかなければならないとの観点から、ことしの七月に庁内の関係各課が検討いたします世田谷区ダイオキシン等連絡会議を設置いたしました。

 ご質問のこの連絡会議の内容でございますが、ダイオキシン類及びいわゆる環境ホルモンと呼ばれます内分泌攪乱化学物質につきましては、未解明な部分はあるものの、世代を超えた深刻な影響をもたらすおそれがある重要な課題として調査検討を行う組織でございます。この会議におきましては、現状の把握、発生源対策、環境、健康への影響に関する実態把握、区民等への効果的な情報提供、普及啓発のあり方について、この四つの課題を柱にいたしまして、国及び都との連携を強化しつつ取り組んでまいりたいと存じております。

◆(木下委員) ところで、その予算はどのくらいですか。

◎(水戸健康企画課長) 大変恐縮ですが、手元に金額は持っておりません。今回の対策会議そのものの予算というものはつけてはございませんが、その中で考えておりますのは、環境部が実施を予定しております大気汚染調査及び土壌調査の予算がそれに該当するものでございます。

◆(木下委員) 幾らかわからないほどの予算なのだろうと思いますけれども、先ほどのがんの検診等については十二億円かけているわけですよ。だけれども、朝日新聞のディーゼル車の排ガスの問題というのは、世田谷区の行政としては非常に大きな問題だと思うんですね。つまり、ほかのセクションでも私は質問しましたけれども、定点観測点で砧を除いたほとんどが二酸化窒素をオーバーしている。また、八幡山の交差点では、SPMについては三倍の濃度が出ているというふうに出ているんですね。

 環境ホルモンのことについて、やっと話題になってきているわけですけれども、今回のディーゼル車の排ガスの問題というのは、今まで環境ホルモンというのは口から入るものについて、つまり食器から溶け出るものとか、それから食物の中からというようなことが問題にされてきたわけですけれども、大気汚染という毎日吸っていく生活に不可欠な空気の中に含まれる物質で、まさに人類の将来を脅かされる、少子化に拍車がかかるようなことは重要な問題だと思うんですよ。これについて、まさに道路問題を抱える世田谷区としては、特別にこれに対して研究に当たるというおつもりはございませんか。

◎(向山健康推進課長) 現代社会は、先ほどから委員ご指摘のように、大気汚染の問題、あるいはさまざまな私どもを取り囲んでおります化学物質の上に成り立ってございます。私ども、化学物質の持つ毒性などの負の側面についても十分に理解しながら、また、これらが避け得ない状況におきましては、その化学物質とよりよい関係を築いていく必要があるというふうに考えられてございます。これらのリスクコミュニケーションの推進という点で、行政、あるいは事業者、区民等々、情報の双方向性のやりとりや共有化を通しまして、連携協力していく中で環境リスクを効果的に削減していくようなリスクコミュニケーションを念頭に置きながら、情報の収集や提供を進めていく必要があると考えております。

◆(木下委員) 「奪われし未来(アワー・ストレン・フューチャー)」という本があります。これはアメリカのゴア副大統領が序文を書いておりまして、シーア・コルボーンとダイアン・ダマノスキ、ジョン・ピーターソン・マイヤーズの著書であります。これがちょうど昨年の九月三十日に出版されて、大体このころから環境ホルモンの問題というのは日本のマスコミも取り上げるようになってきたわけです。

 ところが、この序文にも書いてありますけれども、ちょうど三十数年前に「沈黙の春」という本をレイチェル・カーソンが書いているわけですね。これは特に化学物質のがんに対しての作用について主に書いた本なんですけれども、このときにダイオキシンについての警告をもう発しているわけですよ。

 ところが、ダイオキシンの対策会議を今ごろつくって、しかもダイオキシンについて、これから調査をするというようなことでは余りにも遅過ぎると思うんですね。しかも「奪われし未来」が昨年出て、これが非常に大きな問題になっている。そして、世田谷の区民の問題に、特に大気汚染の問題では顕著なデータが出たわけですから、これはやはり危機感をきちっと感じていただいて、世田谷区政としてきちっと取り組んでいただきたいと思うんですね。

 この本の特徴は、まずはデータベースを洗いざらい調べたということですよ。この本は、ジャーナリストと啓蒙的な専門家と実証的な専門家の三人の競作ですけれども、少なくともそういったデータベースぐらいは予算をきちっととって世田谷区で集めていく。まさに都市の自治体としての責任だと思うんですね。そういうことをやらない限り、公衆衛生というのは日本の公害をなくしていくための一番大きなかぎを持ったセクションだったと思うんですね。保健衛生の分野というのは、まさにその基礎の上に成り立っているわけですからしっかりやっていただきたい。きょうの答弁を聞いた限りでは、まさに公害に対して何もやっていない、そういうふうに感じます。

○(山内委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。


●十月十三日(火)第六号

 (都市整備委員会所管分に対する質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 本会議でも質問をしたんですが、十分な答えが返ってこなかったものですから、小田急線の騒音問題についてご質問いたします。

 七十デシベルという値、これは最高裁判例が四三号線の道路から二十メートルの家の敷地のところではかった値で、日平均六十デシベルを受忍限度としたということから考えると十デシベルも多くて、非常に緩い基準なわけですけれども、これでさえ、今の小田急線は超えている。そして、高架複々線にしたときにこの七十デシベルをクリアできるかどうか、これは非常に大問題なわけですけれども、担当者はこの七十デシベルをクリアできるとお考えですか。

◎(板垣交通企画課長) 小田急線の連続立体交差事業につきましては、東京都の条例に基づきまして、平成三年に環境アセスの評価がまとめられております。この評価書によりますと、工事完了後のピークレベルの予測値としましては、おおむね現況とほぼ同程度か、これを下回るとして評価しておるところでございます。

 また、その中にもう一つ、等価騒音レベルとしての予測値も出ておりまして、それは一日八百本の運行ということの中で最大六十四デシベルという予測もしております。よりまして、ご指摘の七十デシベルは下回るものと考えております。また、小田急電鉄におきましても、裁定につきましては環境対策の一層の推進に関する要請として、真摯に受けとめるとして裁定を受け入れているわけでございますので、鉄道事業者としても七十デシベルを超えないように努力していくものと考えております。

◆(木下委員) 今のやつで二つの問題がありますね。一つは、アセスでは一日八百本ということで予測しているわけですね。ところが、これは私も何回か指摘したんですけれども、梅ケ丘のところで分断して、つまり、複々線事業が完成しないレベルでの予測値で八百本というふうにしているわけですね。これは東北沢まで通しますと一千百本、さらに新宿まで複々線をつくると一千三百本と当時言われていたわけです。そういった意味では六十四デシベルと、先ほど予測がそうだというふうに言いましたけれども、確実に七十デシベルを超えるというふうに思います。

 それからもう一つ、この六十四デシベルというのは十二・五メートル離れたところではかったデシベルでありまして、今、工事を進めている小田急線の構造物は、特に南側に関しましては五十センチから六十センチ、そういった、まさに民家の手の届くところに高架構造物ができるわけです。それでも七十デシベルをクリアできるとお考えですか。

◎(板垣交通企画課長) 今、運行本数のことでご指摘がございましたけれども、アセスの中の評価書の中では、先ほど申しましたように、一日八百本の運行と、もう一つ、一日千本の運行の場合の予測値もあわせてしております。二百本ふえた場合につきましては、六十四デシベルに対しまして一デシベルほど上がっていくということで、二百本に対しまして一デシベルは騒音が増加するというような評価をあわせてしております。

 それから、近接の問題でございますが、近接地につきましては、騒音は高架によってむしろ減るところもあるような数値が出ております。遠いところの中高層に影響を及ぼすところでは、若干上回るところもあるというような評価書の評価になっております。

◆(木下委員) いいですか、二階、三階建てというような家があるわけですね。そこのすぐ六十センチのところに高架構造物が来るわけです。例えばはかり方としては、先ほどのアセスでは、たしか一・二メートルかなんかのところではかるんですね。ところが、六十センチのところで二階とか三階にいる方は、まさに目の前を電車が通っていくわけですよ。そうしましたら、七十デシベルをクリアなんかできないと思いませんか。

◎(板垣交通企画課長) 今現在、そういう評価書案につきましては、想定をして予測値をいろいろ出しております。高架後につきましては、これは事後調査が義務づけられておりますので、また事後調査に基づいて対応が必要であれば、当然、鉄道事業者にも対応を求めていくということになろうかと思います。

◆(木下委員) 極めて無責任じゃないですかね。七十デシベルを受忍限度としているわけです。受忍限度というのは、賠償責任が発生するということで今回認定した値でありまして、七十デシベル以下であればいいということでもないわけですね。

 例えば、調停和解の最初のレベルで小田急が約束したのは、六十五デシベル以下とするというふうに言っているわけです。しかも、新線基準も昼間六十デシベル、夜は五十五デシベル、そういうふうになっているわけですね。それから、最高裁判例でも六十デシベルということになっているわけです。今、沿線のその基準について、七十デシベルで正しいかどうかということについて裁判にもなっているわけですけれども、そういった意味では、優に過酷な騒音を周辺の人たちが受けている、そのことについてどういうふうにお考えですか。

◎(板垣交通企画課長) 先ほども申しましたように、現在の評価書案の中では、ご指摘の七十デシベルを下回るような数値が出ております。私どもはその数値を、今の段階では評価するしかありませんので、先ほど申しましたように、高架後のことにつきまして事後調査はまた義務づけられております。その際に、またそういう七十デシベルを超えるような、もし仮にそういうことがございましたらば、鉄道事業者にも対応を求めていくということになろうかと思います。

◆(木下委員) 全く人の心を持たずに行政をやっているんじゃないかというふうに思いますね。

 例えば道路沿道でも、既にもう世田谷区ではすべて超えているような状況なわけですよ。まして鉄道でまたそれだけ超える、そういうことについてどう思うかと先ほどお聞きしたわけです。それについてどういうふうにお考えなんですか。

◎(板垣交通企画課長) 私どもは今、連続立体交差事業につきまして先ほどお話がありましたので、それに基づいてお話をしております。ですから、騒音については、これは区民の方にも大変迷惑なこともあろうかと思います。そういう中で、今の事業がいかに騒音がないようにしていくかということは、評価書の方でもまとめておりますし、小田急電鉄の方でも、いろんな対策も含めて対応をとるということになっておりますので、その中で対応していきたいと思っております。

◆(木下委員) もう一度原点に返りますけれども、アセスでは同レベルから下回るとは言っていますけれども、超えるところもあるというふうに言っているわけですね。少なくとも、今でさえ七十デシベルを超えたところがたくさんある。それが高架になったときに継続される、さらには本数がふえるということで、七十デシベルを超えるおそれがある、そういう事実があるわけです。そういったことに対して、世田谷区は東京都と共同で事業をやっているわけですから、そのことについて、確証を持って七十デシベル以下にできるというふうに断言できますか。

◎(板垣交通企画課長) 断言するとかという話ではなくて、今の評価書ではそういう予測がありますので、それを我々は受けとめながら対応していくということでございます。

◆(木下委員) 全く無責任ですね。

○(山内委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。


●十月十五日(木)第七号

 (文教委員会所管分に対する質疑)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 今回の事故なんですが、私は出身が長野県の駒ケ根市というところで、これは戦前、「聖職の碑」という、集団登山で小学生がたくさん亡くなったという事件がありました。これは映画にもなりましたけれども、その舞台で生まれたということもありますし、それから山もやっていたということで、それを非常に思い出したわけです。しかし、「聖職の碑」の舞台となった事件と全然違うのは、遠足とか登山であれば、非常にリスクが伴う中で、ある種の不可抗力とか、そういったことで事故が起きてしまった、そういうこともあり得ると思うんですね。ただ、それに対しては、そこの教師たちは後できちっとした調査もやっているわけです。

 先ほど答弁の中で、一通りはというお答えがあったんですね。一通りは調査したみたいなことをおっしゃったんですが、しかし、事実は何ら私たちにも伝わってこないんですよ。ペットボトルの授業が過去三回あったというのは事実ですか。

◎(神取教育指導課長) 過去二回で、合わせて三回でございます。

◆(木下委員) そうしますと、もう既に前の事例でペットボトルが崩れたりとか、そういった意味でのいろんな問題点はあったと思うんですね。そういったことについては、三回目の授業では教訓として何か注意したというようなことはあるんですか。

◎(神取教育指導課長) この授業の目的でございますが、ただ乗って遊ぶというだけではございませんで、自分たちの手で遊ぶものをつくろうということで、当然壊れることも想定しております。壊れたときの修理の仕方、そういったものも授業内容ということでとらえてやっておりました。

◆(木下委員) 当然六十人近くの子供が一斉にプールに入るということになれば、それに対して、常識的に考えて、セキュリティーをどういうふうに立てていったらいいのかと考えるのは教師のイロハだと思うんですよ。そういうことについて、どういう問題があったというふうに認識されているんですか。

◎(神取教育指導課長) 先ほどから教育長、部長から答弁していますように、現状については、水位の問題ですとか、それから監視の人数、そういったものについてはとらえておりますが、なぜそうやって通常と違う状態になったのか、これは、これからの調査でしっかりと確認していきたいと思っております。

◆(木下委員) いや、もう一カ月もたっているわけで、基本的なところがまず押さえられていないわけですよ。つまり、水深についても、ここの学校ではプールの授業では六十センチから九十センチにするということが決まっていたそうですね。それは事実ですか。

◎(神取教育指導課長) 低学年の授業の場合ですけれども、一番浅いところで六十センチ、それから深いところで一メートルということで水泳の授業は行っておりました。ただ、低学年でございますので、深い方の一メートルの方には行かないような指導もしておりました。

◆(木下委員) 本当にその指導はされたんですか。そのことについてはきちっと調べたんですか。

◎(神取教育指導課長) 日ごろの水泳の指導については、ただいま申し上げましたとおりの確認をしております。

◆(木下委員) 一番大事な核心に触れるような部分について、何ら調査していないじゃないですか。しかも、泳げない子がいるということについては事前にわかっていたんでしょう。

◎(神取教育指導課長) 泳げないか泳げるかについては、泳力の測定等でわかっておりました。

◆(木下委員) それで、何で一斉に入れたんですか。

◎(神取教育指導課長) 入水の方法につきましては、二年生から先に入るという形で、順序立ってやっておりました。その後の動きにつきましては、今、委員のご指摘のあったような部分につきましては、まだ詳しい調査はしておりません。

◆(木下委員) 亡くなって初めて調査するんですか。つまり、瀕死の重傷を負って亡くなるかもしれないというような、そういう状況の中にあって、起こってしまったことについてできることは徹底した調査ですよ。徹底した調査をして、それを明らかにすることが、亡くなった子に対して最大の霊をそこで報いるということだと思うんですね。そのことがない限りは、責任論とかももちろん大事です。それはきちっとやらなければいけないです。今の時点でも事実が把握されていて、では、それに対してどういうふうに責任をとるかということについて表明されるということだったらわかるけれども、いまだにないということは非常に問題だと思います。これは教育委員会として徹底的な調査をするということをここで約束してください。

◎(中村教育政策担当部長) まさに木下委員のおっしゃるとおりだと思います。徹底した調査を行います。

◆(木下委員) その際、徹底した調査の際なんですが、これは大事な問題は、今、子供を学校に預けていると人質を取られているような意識がありまして、言いたいことも言えないという状況があるわけですよ。だから、父兄の方々、その現場にいらした方々が思う存分しゃべれるように、そういう場を保障してあげなければいけないと思うんです。その一つの方法は、私は議会で、この問題はすごく大事な問題です。学校の先生の基本にかかわる問題ですから、これは個人の責任ももちろんあります。だけれども、例えば教育委員会で特別に関係者を招致して問題を追及するとか、あるいは全体協議会を開いて、それでやるとか、そういったことも必要だと思うんですね。そういうことも含めて、そういう徹底調査をもう一度約束してください。

◎(中村教育政策担当部長) 今お話しのありましたことも含めまして、検討はいたしたいと思います。しかし、その辺は議会の方々のお考えもあろうかと思いますので、それを含めて、今後検討させていただければと思います。

◆(木下委員) 私は、今回の事件は、事この問題に限らないと思うんですね。事は、教師が集団を掌握する力、あるいは臨機応変に対応する力がどこかで抜けちゃっている。そのことが最大の問題だと思うんです。もちろんマニュアルは大事です。マニュアルは大事ですけれども、マニュアルがなくても、六十人からの人間がプールに入って、そこに監視する人間が二人しかいない。そういったときに、それは全員は見渡せないということは察知すべきですよ。察知したとしたならば、これは分けて、せいぜい一グループか二グループを入れて、目の届く範囲でやるとか、そういう基本的なことなんですね。このことを放置しておいたら、運動会だって日常の遊びだって、こういう事件が起きる可能性があるんですよ。

 だから、そういう本質的な問題だということをとらえて、これはこの事件の責任問題として片づいたら、それで済むというような話でなくて、どうしてこういうことになってきてしまっているのか。遠足とか、そういうところじゃなくて、日常の授業の中でなぜこういうことがあったか、そのことについても徹底して調査していただきたい。そのことを要望しておきます。

○(山内委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

 


●十月十九日(月)第八号

 (補充質疑、採決)


○(山内委員長) 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆(木下委員) 前の鈴木さんが政策全般について、皆さんにいろいろお聞きしたわけですけれども、私は当選してから、環境の問題、再開発の問題をどう抑止するか、そういうようなことも含めてずっとやってきたわけで、環境の問題についてお聞きしたいんですけれども、三〇%の緑被率について、今、審議会の中で、この三〇%という目標を明記しない、むしろ、今の二〇・何%か、二〇%ちょっとですけれども、それを維持するという形で三〇%目標をおろしてしまおうという、そういう動きがあります。大場区長は、このことについてどのようにお考えですか。

◎(大場区長) かつて三〇%の緑被率があった世田谷でありますし、私の念願といたしましては三〇%に戻して、なるべくそれ以上ふやしていきたいというのが本音でありますが、ただ、行政を預かる者とすると、それは余りにも、今のところ無理があるのではないだろうかというようなことで、二十何%かの指数を示しているというふうに理解しておりますので、私どもは、ぜひ三〇%に戻したい、こんなふうに思っております。

◆(木下委員) 三〇%の根拠は何ですか。

◎(大場区長) かつて四、五年前の調査では三〇%あった。ところが、農地が減ったり、緑地が減ったりして三〇%を切ってしまったというようなことであります。

◆(木下委員) 区長は全然認識不足ですね。区長さんが出られたころには、もう三〇%も切っていたわけですね。しかし、三〇%には確かに近かった。それも二十数年前の話ですよ。最近は二〇%の下の部分で非常に低迷しているという事実があるわけですね。三〇%というのは、これは建設省が目標として掲げた数字なんじゃないですか。

◎(伊藤環境部長) そのとおりでございます。当時、各自治体が、建設省の示した基準といいますか、目標、これに従ってつくったという経緯があるようでございます。

◆(木下委員) そうしますと、区長、今のお話ですと、三〇%を目標として掲げると、そのことは区長の姿勢としては崩せないわけですね。

◎(大場区長) 崩したくないと思っております。

◆(木下委員) そうだとしたら、環境審議会での審議も、これは区のスタッフの意見がかなり入ってきているわけです。審議委員の中では、むしろ三〇%は堅持すべきだということを言っている人も多いわけですから、これは三〇%というのは残すということを、ここで約束してください。

◎(伊藤環境部長) 区長は、ご自身の願望としておっしゃられていると思います。これは皆さん、そういう願望はあると思うんです。ただ、実務を預かる私どもとしては、実際、これまでの減る理由、それからふえる理由、こういうものを積み上げていきますと、これは到底無理だ。わかりやすい話が、一%の緑被を上げるためには、区の全予算で公園を買わなければ達成できない。そういう数字からも、これはもう余りにも夢物語になる。願望としてはわかります、世田谷なんかは特にですね。しかし、実務的には無理だろう。

 それから、環境審の委員さんの中にも、そういう三〇%と掲げるべきだというご意見も確かにありましたが、私の印象では、総体としてはやはり現実的な数字でいく、それが正しいんじゃないかというふうに受けとめております。

◆(木下委員) 今までの公式文書には三〇%を目標としてきちっと書いてあったわけですよ。これを外すということは、政治的にも非常に大きな意味があるわけです。つまり、外してしまえば、今の二〇%現状維持といったって、もっと下がりますよ。そもそも三〇%から二〇%に下がった主たる原因は何だというふうに区長はお考えなんですか。

◎(大場区長) これはやっぱり農地の減少とか、それから緑被率の計算の仕方にも多少問題がありますけれども、そういう意味で下がってきたんだろうと思っております。

◆(木下委員) 区長がそういう認識ですと、行政として対処できないですよ。つまり、二十数年前まで三〇%あったのが、これがもう二〇%に下がったというのは激変しているわけですよ。それで、毎年一%でも、世田谷区の予算に匹敵するぐらいの価値が消失されているわけですね。そのことは簡単に言えば、再開発の問題とか、車がこれだけふえてきたというようなことも含めて、そういうことに対して世田谷区は抑止をとろうという姿勢にないからなんじゃないですか。つまり、再開発については非常に自然発生的にというか、それを思うに任せてやってくることに原因があるんじゃないですか、区長、どう思いますか。

◎(大塚助役) 三〇%という点については、今、部長から申し上げたとおりですが、うちの区としては、特別保護区でありますとか、あるいは公園を取得する、あるいは市民緑地を市民の方々と契約して緑地を守っていただく、そういうことで緑に対しては力を入れて、これまでも随分対策を講じてきております。

 しかしながら、何といっても、農地が相続税の問題等でやはり宅地化していくということを区だけでは抑え切れるものではないわけですから、その点で、やはり現実的に対策を講じていかなければいけないんだろうと思っております。ちなみに、そういった緑被率は減っておりますが、公園率ですとか、あるいは自然面率ですとか、そういったようなものはふえていると思っております。

◆(木下委員) 公園率がふえても全体が減っているということが現実であり、それが非常に問題なわけですよ。つまり、環境の問題というのは、やっぱりこれから都市政策を考えていく上で一番大事な問題だということは、それは一般論ではみんな言われています。しかし、現実はどんどん減ってくる。それから車は、二十数年前から比べれば二倍にふえている。そして、つい最近出てきたデータでは、環境ホルモンが単に口から入る化学物質とかそういうことではなくて、大気一般の中に、ディーゼルエンジンの中にも含まれている。動物実験でも極めて危険であることが証明されている。そういう中に今、都市生活者はあるわけですよ。ですから、二十三区の区長会の会長としても、こういったことについてはきちっと認識を持って対処しなければいけないと思うんです。

 一つ重要な問題が起きますので問題提起しておきますが、これはほかの分野でも申し上げましたけれども、騒音基準の問題で、今まで外ではかっていたものを基準にしていたのに対して、幹線道路のそばでは室内ではかった基準を一つの指標とする、そういう考え方が環境基準の緩和告示で出てきているわけです。そのことに関しては、区長はやっぱり重大な問題と受けとめて、これは対処しなければいけないと思うんですね。

 といいますのは、あくまでも環境というのは外の環境をどうするかということを考えるべきものであって、つまり、窓をあけたときに暮らせる環境、そういったものが必要だと思うんです。そういったことについて区長は、資料も渡してあるんですけれども、どういうふうにお考えですか。

◎(大場区長) 国において中央環境審議会、これは国で諮問しているわけでありますが、専門家や関係者に十分に調査、審議をいただいて答申を得たものと理解しているわけでありますが、いわばさまざまな議論を経て、行政上の政策目標として基準改正がなされたものと受けとめております。区としては、今後、都からの正式通知とか説明会などによる説明を受けまして、改正理由、基準の詳細内容、実際の運用などについて十分な把握や内容確認に努めてまいりたい、このように思っております。

◆(木下委員) 本当にそういう答えでは困ってしまうんですよね。やはり二十三区の区長として、環境の問題にはもっと機敏になってもらいたい、そのことを言っておきます。

○(山内委員長) 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

 

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