平成9年第1回定例会(自3月3日 至3月28日)

世田谷区議会議録

1997年3月3日 「過去の選挙における不正行為について石塚一信議員に議員辞職を求める決議」への賛成討論


○真鍋欣之 議長 次に、三十七番木下泰之議員。
   〔三十七番木下泰之議員登壇〕

◆三十七番(木下泰之 議員) 私は、上程されました議員提出議案、過去の選挙における不正行為について石塚一信議員に議員辞職を求める決議に賛成の立場から討論を行います。
 残念なことに、今回の学歴詐称問題は議会みずからが指摘したことではなくて、二月二十八日に朝日新聞が報道したことから問題化したものであります。議長の職にあった石塚議員は辞職願を出し、先ほど議長辞職の同意を議会も議決したことで、一見責任をとったかのように見えます。しかし、辞職願の理由は一身上の都合であり、学歴詐称の責任をとってとは明確に語っていないのであります。新聞報道によりますと、本日から始まった本議会の混乱を避けるためにとさえ、本人が語っていることであります。これは一体どういうことでございましょうか。
 先ほど西村議員から、過去の問題だ、こういう指摘がございました。また、道義的責任はとっているということも言われました。しかし、本当にそうでしょうか。一回目の選挙、そして二回目の選挙は、明らかに公報に虚偽の記載をしたのであります。三回目は、これは報道機関に対してのアンケートに、日大卒と、そのまま書かれているわけでございます。東京新聞に至りましては、当選した後に、その報道もされております。結局、三回目の選挙の際には、これは公報には記載はされておりませんが、結局、報道機関に対して過去の詐称した経歴をそのまま語っているということは、これはまさに区民に対して過去の過ちを認めていないということであります。
 そして、今回の辞任に関しましても、まさに議運の中で私は問題にしましたが、なぜ議長がやめるのか。そのことについて、一身上の都合ということ以外にきちっと真実を語るべきである、そういうふうに思います。私は、人はだれでも過ちはあることですから、それを認めるという行為によって、そのことによって許されるということもあると思います。しかし、今回、それをされなかった。
 議長というのは、区長と並んで地方権力の一つの柱であります。例えば小学校の周年行事とか、そういったところにも出てまいります。そして、子供たちに将来の希望などを語るわけであります。その議長がやはりうそを言ってはいけない。もしうそを語ったとしても、それについて辞職するのであれば、辞職するなりの、その責任のとり方を明らかにするべきだというふうに考えます。
 議員の辞職勧告ということにつきましては、これはまさに議員を、決議があったからといって、それですぐやめさせるわけにはまいりません。これはまさに議会の意思として、やはり我々の反省も込めて、議会の反省も込めて決議すべき問題だというふうに考えます。
 そのような意見を述べまして、私はここから、ただいま上程されました議員提出議案、過去の選挙における不正行為について石塚一信議員に議員辞職を求める決議に賛成の立場からの討論といたします。

○真鍋欣之 議長 以上で木下泰之議員の意見は終わりました。