平成8年第4回定例会(自11月27日 至12月4日)

世田谷区議会会議録

1996年11月28日 一般質問 岩崎邸問題


○(石塚一信議長) 次に、三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕

◆三十七番(木下泰之議員) 本日は、午前中に岩崎邸に関する質問が、それぞれ前議会で百条委員会設置に賛同した同僚議員からなされましたが、残された最後の一人として、岩崎邸用地取得問題を中心にお聞きいたします。

 ただ、小田急線の問題も重要ですので、一点だけ区長にお聞きしておきます。

 小田急線の連続立体事業については、この議会でも一九九〇年に、第三セクターを使って高架を前提とした事業化が是か非かの議論があり、この第三セクター、東京鉄道立体整備株式会社への出資が福祉予算と抱き合わせの補正予算として出されたため、全会派一致の賛成でこの議会を通ってしまったという経緯がございます。四百名近い区民が、この出資については問題ありとして、都や区に監査請求を起こし住民裁判となっておりますが、明日この裁判は最終弁論を迎えます。

 連続立体事業が都道府県、政令都市しか実施ができないことがこの法廷で明らかにされ、東京都も世田谷区も後にこのことは認めざるを得ない事態に至っており、当初の計画が大幅に変更せざるを得ない結果を生んでおります。したがって、原告有利というふうに言われております。来春にも判決ということになるわけですが、区長は一九九〇年にこの違法性の高い第三セクター、東京鉄道立体整備株式会社に出資を行ったことは現在でも正しかったというふうにお考えかどうか、その一点についてお聞きしておきたいと思います。

 さて、区が十一月二十二日に議長あてに提出した「弦巻二丁目用地に関する調査について」の調査報告書は、まず第一に不十分な調査報告であるということを言わなければなりません。しかしながら、極めて重要なことがこの報告書の中には書かれております。七月二十三日に、土地所有者の代理人のK氏と井奥代議士が区長室を訪ね、区長の考えを伺いたい。もしできるならば購入可能な範囲を示してもらえないだろうか。ある程度の見当がつかなければ正式なテーブルに着きようがないと金額提示を求めてきたのに対し、区長は、とりあえず、まず区がどのくらいまで可能なのか検討させてみたいと答えております。八月二十一日に向島の料亭壱松で伊藤区長室長と谷田部建設部長が、今までの取引事例から見ると十三億円ぐらいがベースとなるのではないかと答えておりますが、これはまさに、区長がどのくらいまで可能なのかを検討させてみたいと約束し、検討した結果であり、回答そのものであります。

 つまり、この問題の当事者は区長なのであります。ところが、伊藤区長室長と谷田部建設部長の口頭厳重注意で終わっております。もちろん両名とも口頭厳重注意では軽過ぎるし、事の真相の究明はこれからであります。しかし、少なくとも区長が金額提示の指示をし、部下がそれにこたえて回答を伝えたとすれば、責任を第一に問われるべきは区長であります。

 疑問点について幾つかお聞きしておきます。

 八月二十一日に向島の料亭壱松での会食に招かれたのは、実は区長だったのではないでしょうか。日時、場所の指定は、当日、突然の電話連絡であったということになっておりますが、これは本当に事実でしょうか。七月二十三日に井奥代議士などが区長室に来訪した際、あるいはその後、区長をしかるべきところへお招きしたい、あるいは会談をしたい旨を求める話はなかったのでしょうか。少なくとも区長は七月二十三日の段階で、どのくらい可能なのか検討させてみたいと約束しております。検討結果を知りたいのは当然のことであります。しかも、報告書にあるとおり、年内に決着させたいというのが相手側の望みであります。回答方について、どのような約束をされたのでしょうか。そのことについてお答えください。

 さて、この調査報告書に欠落している重要な問題があります。それは、岩崎邸に関しては、既に売買契約書が岩崎氏と納骨堂建設を予定している順正寺の間で結ばれていたということであります。売買契約書は順正寺と岩崎氏及び土地所有者の娘さんたちとの間で、平成七年三月に結ばれており、保健所にも提出されております。この事実について、区は当然把握していなければならないのに、一言も出てこないということはどういうことか、お尋ねいたします。

 この事実は、交渉相手の岩崎氏が二またをかけたということであります。区の報告書には、本年四月一日の住友銀行の競売取り下げについて、任意売却の話が持ち上がっていたので取り下げをした。任意売却の相手方は順正寺であったとされております。区は値段の提示の話だけをしたことになっておりますが、区側からすれば競争相手であるはずの順正寺の動向については何ら関心を払わなかったのか、また、話が出ていたとしたら、折衝の過程でどのような説明を受けていたのか明らかにしていただきたい。

 午前中の質問の中でも触れられておりましたが、平成七年七月二十五日の請願審査の際、山内委員が、周辺一帯は非常に環境のよいところで、タンチ山地域の緑を守ることは必要であると考える。しかし、当該地は金融機関のものであるし、きちんとした形で区に譲ってもらえる確約があるかどうかわからないが、その辺の話し合いはどの辺まで進んでいるのかと質問したところ、谷田部部長は、最近、金融機関とつながりのある不動産業者と接触を持ったところ、区としては公園用地として適切だと思うが、費用や条件があるし、種々の権利がついていることから、整理していかないと区有地にはできないようである。その辺の整理は可能かと投げかけたところ、とにかく努力したいとの返事をもらったので、区としても努力し、今後は具体的な条件を詰めていく段階だと判断しているとしております。

 つまり、谷田部部長は、当時競売物件であることを知っていながら、債権整理について金融機関と関係のある不動産業者をメッセンジャーとして金融機関と折衝しております。とにかく努力したいという返事をもらったので、区としても努力し、という言葉がその行為を端的に示しております。このメッセンジャーは一体だれでしょうか。また、折衝金融機関とは住友銀行ですね。お尋ねいたします。

 ところで、報告書では、順正寺との間で任意売却の話が持ち上がったので、競売を取り下げたことになっております。報告書の経過説明を読みますと、平成七年十二月二十日に住友銀行から納骨堂の経営許可申請の有無についての問い合わせがあったとされており、平成八年一月十一日には、順正寺から世田谷保健所に債権処理、住民説明会についての説明があった。四月三日には、競売取り下げ手続が近日中にあるとの説明があり、五月九日には抵当権を持つ三社と債権額カットの交渉を行っている旨の説明があって、以後は順正寺から世田谷保健所に対する連絡は途絶えているというふうに報告書には書かれております。

 一方、谷田部建設部長サイドは、平成七年十二月に東京都に対し、都市緑地としての都市計画決定及び国庫補助の件について検討を打診しており、平成六年六月に東京都から国庫補助該当事業となるとの説明を受けると、岩崎氏に手紙を書きました。そして六月二十五日には谷田部建設部長の部屋に、土地所有者代理人と納骨堂設計者とされている人物が訪れております。ここから今度の問題につながっていく折衝が始まっております。

 経過をよく振り返って考えてみます。浮かび上がってくるのは、四月一日に住友銀行は順正寺への売却話で競売を取り下げたことになっておりますが、実際には区が買い上げることが競売取り下げの保証になっているということであります。銀行は谷田部部長のメッセンジャーを通じて、区が買い上げる意思を持っており、議会が請願を通し、十二月には世田谷区が都市計画決定や国庫補助について検討打診をしたことを知っているはずであります。順正寺が岩崎氏と売買契約書を交わしたのは昨年の三月です。当然このことは債権者のあずかり知らぬところではあり得ません。そうであるにもかかわらず、なぜ一年もたってからの競売取り下げというふうになったのでしょうか。極めてミステリアスだというふうに言わなければなりません。

 この際、谷田部部長は、請願審査の際語った、金融機関とつながりのある業者を通じて、あるいはみずから金融機関との間でどのような折衝を持ったのか、洗いざらい明らかにするべきであります。

 また、午前中の質問のうち答えられていない基本的な質問についてお伺いいたします。一体公社は幾らの予算を立てたのでしょうか。明らかにしていただきたいと思います。

 最後にお聞きいたします。抵当権、根抵当権を含めて二十五億円の負債が物件にはついております。実際には二十二億円であるというふうに私は聞いております。根抵当がありますから、そういうことになるわけです。十三億ベースでもし区が買うとすれば、いずれにせよ債権者は根切りをしなければならないわけです。ですから、合意がとれるということは、つまり売れることが前提となっていなければなりません。 そこで、区が今回の調査報告書で出した、凍結はするが、引き続き条件さえ整えば解除するというふうに言っている、その条件の二として、本件土地にかかわる抵当権者、第三者の権利の抹消が契約以前になされることというふうになっておりますが、このことはでき得ない相談であります。つまり、区が買うということを前提にしない限りは、この第三者の権利の抹消はあり得ないのであります。そのことについてどのように考えておられるのか。この際、白紙撤回をするべきだというふうに考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 壇上からの質問はこのくらいにいたします。

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) 初めにお話が出ました小田急問題につきまして、出資したことは正しかったと今でも思っております。

 それから、向島に招かれたことはございません。

  〔大塚助役登壇〕

◎(大塚助役) 本件土地については、ただいまご質問にもございましたように、私どもの方で順正寺が買いたいという話は後で聞いた話でございますが、そういう中で、交渉の中でほぼ順正寺に決まりつつあったものが、区の方から用地を買いたいという申し入れがあったので、その申し入れに対して公園にすることが好ましいのではないかというようなお話がございまして、私どもの方としては、公園として買収に入ることにしたわけでございます。

 それから、本件については調査報告書でまとめてございますように、議会にも相談をして、その区民が納得できるような適正な手続により処理をすること。それから、本件土地にかかわる抵当権等、第三者の権利の抹消が契約以前にされること。双方ともに信頼関係の上に立った交渉を行うため、区にあっては土地開発公社が担当し、土地所有者の意向を再確認すること。凍結解除後の交渉の経過についても議会に逐次報告をすること。こうした点を踏まえて凍結を解除するということに区の考えはまとめて報告をしてございます。

 なお、白紙撤回については考えておりません。

◎(谷田部建設部長) 幾つか質問の中に時間的なちょっと錯誤があると思いますので、それをちょっとお話をしたいと思います。後ほどいたしたいと思います。

 幾つか質問をいただきましたので、お答えいたしますが、突然呼び出されたのかどうか、これが本当なのかということでございますが、本当でございます。

 それから、土地所有者と寺院の間に売買契約書があるのを知っていたんじゃないかということですけれども、私どもは知っておりません。

 それから、請願審査の際に、私の答弁で金融機関とつながりのある不動産業者という話がございましたけれども、くだりがございましたけれども、私どもが請願審査に当たって事前調査としてできる限りの情報を集めるというのは、これは仕事だと思っています。その一環でございました。

 それから、平成七年の、これが七月に請願審査があったわけでございまして、今の金融機関の話があったわけでございますが、S銀行が取り下げをしましたのがことしの七月一日でございますので。それで、ことしの五月九日に寺院側の計画が進んでいるというふうなことがございましたので、私どもの方でこの平成七年七月のころに、区と金融機関の間に何か約束事でもあったんではないかというのは間違いだと思います。

 それから、質問の中に、平成六年の六月、国庫補助について打ち合わせをしたというふうなことがございますが、私が土地所有者に手紙を出しましたのはことしの六月十三日でございますので、そういうことは全然考えられません。

 以上でございます。

◎(梅田都市整備部長) 弦巻二丁目の用地の件で、土地開発公社の予算の価格を明らかにすべきであるというご指摘がございました。現在、ご案内のとおり、事務の凍結状態ではありますけれども、議会の了解を得て凍結が解除されますと、今後、土地所有者あるいはその代理者と交渉を進めていくわけでございます。その交渉に差しさわりがございますので、価格を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。

 それと、二十二億に相当する抵当が入っていると。権利の抹消については可能性が薄いのではないかということのご指摘がございました。交渉を進めて契約に至るまでの間の絶対条件として、所有権以外の第三者の権利については、それを抹消するということが契約条件でございます。それをどのように処理するかについては、至って相手方の努力すべき事項であって、我々の方は、それが解除できればいいということで認識いたしております。

 以上です。

◎(伊藤区長室長) 午前中の大庭議員のご質問の中に、疑惑があれば何度でも追及してもいいんじゃないか、それが議会の機能だというお話がございました。私はそのとおりだと思います。しかし、やっぱり程度があると思います。木下議員の冒頭の、区長がホテルなり料亭に行ったんじゃないかという再度の念押しはちょっとおかしいんじゃないかと。決算の企画総務所管委員会で、前の下条議員等のご質問に、私が、そこへ行ったのは私と谷田部部長であるというふうに答弁しております。それをきちっと聞いていただければわかるのにもかかわらず、その質問の冒頭に区長も行ったということを言いましたので、私はそこで、行っていませんと訂正しました。にもかかわらず、またここでこういう指摘をするというのは、何かちょっと行き過ぎではないかなという気がいたしますので、一言申し上げておきます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今、伊藤区長室長のお話は聞き違いでございまして、私は招かれたと言ったんです。行ったとは言っていないんです。つまり区長を招こうとしたのではないかと。そういうことで、つまり向島の料亭をセッティングしたのではないか、それはどうですかというふうにお聞きしたわけです。

 ですから、今の伊藤区長室長の言われ方は、これは聞き間違いであるということを申し上げています。

 それから、谷田部建設部長は先ほど平成六年ということを訂正されましたけれども、平成八年と訂正されましたが、これは私の言い間違いでございます。それは訂正いたします。

 それで、大事なことは、価格については差し控えさせていただきますという梅田部長のお答えでしたが、これは非常に大事なことではないでしょうか。つまり、今回の問題の確信を握るものでありますので、これがやはり公になるということが、この問題についてきちっと疑惑なり、そうしたものを解明していく、そういうことになるのではないでしょうか。

 それから、白紙撤回しないということが、逆にこれをオープンにしない保証になっているわけですね。ところが、結局、先ほど二十二億円の債権は、これは相手方の問題であるとおっしゃった。しかし、常識的に考えれば、これは区が買うという保証があって初めて外れるんですよ。二十二億円の債権を、損をして、債権者は泣いて、ある額に合わせるわけですね。買う人がいなかったら、そういうことはあり得ないわけですよ。梅田部長はどういうふうにお考えになりますか。

◎(梅田都市整備部長) 再三ご答弁申し上げていますように、区が用地を取得する場合には、官民査定、民民査定、測量、あるいは第三者の抵当権等をすべて抹消して所有権のみにするといった買うための条件及び財産評価委員会、あるいは面積によりましては議会の議決等も含めて、流れについても相手方に十分理解を得た上で交渉を進めているということでありまして、その抵当をどう外すかについては我々が関知すべき内容のことではないということでご答弁申し上げました。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) 梅田部長の今の答弁は全く納得できません。右上がりに土地の値段が推移しているときには、土地開発公社という存在はそれなりに民間と競合して、区有地を取得するという意味では意味があったかもしれませんけれども、今のように右下がりに土地の値段がなっているときに果たしている機能というのは、つまり区が買うということの保証のもとに債権整理ができる、そういうことなわけであります。

 結局、小坂邸の問題でも、これは小坂邸の場合は三十八億円で買うということになった後に、二十五億円の抵当権をつけているわけですね。これは不良債権ではなかったわけですけれども、しかし、三十八億円で売れるという担保のもとに二十五億円を借りているという、そういう状況があるわけです。これはまさに社会的な不正義に当たるというふうに思うんですね。

 特に二十五億円の抵当権、根抵当権の中には、住専で有名な会社も入っている。そういったことからいえば、やはり今回の経過について明らかにするということは、幾らで契約したのか、幾らで公社として契約したのかというのは明らかにしなければいけない。そのように考えますが、再度どのようにお考えになりますか。

◎(梅田都市整備部長) 質問者の方は、なぜか事前に何らかの約束をしたのではないかということを前提にお話をされているようです。再三申し上げますけれども、区が用地を取得する場合には一定の条件及び一定のシステムを経て契約を結ぶと。現時点では、条件及びそのシステムについては何ら進んでいないということですから、事前に約束をしたと仮にしましても、条件、システムをすべて無視して物を言ったということを前提のご質問については、お答えしかねます。

◆三十七番(木下泰之議員) それでは、九月二日に政策会議へ報告しておりますね。土地取得が了承されております。政策会議にはどういう経過を説明されたんでしょうか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 再三ご説明申し上げているとおり、議会で採択をされ、本会議で議決されている。この土地についてはそういうことを前提にして区で取得をしたい。したがって、正規の手続によって買収の交渉に入りたいということを政策決定をしたわけです。政策決定を経た後、交渉に入って後、再三ご説明申し上げている手続を踏まえまして最終的な買収価格が決まる。その時点ではその時点でまた、これでいいかどうかということを議論をいたします。したがって、交渉に入るということについて決定したまででございます。

◆三十七番(木下泰之議員) それから、今回の報告書には大事なことが欠落しているということを指摘いたしました。売買契約があるということについては、これは保健所に届けられているということなんですが、保健所でそういうことは調べましたか。いかがですか。

◎(谷田部建設部長) わかっておりません。

◆三十七番(木下泰之議員) 結局、政策会議への報告にしても何にしても、非常に問題物件だということが明るみになってみれば、そういったことをきちんと調べてこなかったことが非常に問題なわけですよ。例えば私は都市整備委員会の中で、緑地取得という名目で説明されたために、議員になって新しかったということもありまして賛成いたしました。これはまさに緑地が減っていくということに対して危機感を持って、それは買った方がいいだろうと思ったからですが、しかし、そのときの説明は、不良債権の内容については一切明らかにされていなかったわけですよ。

 つまり、十三億円程度で買うということを、これは高過ぎると思いますけれども、そういうベースを出したことに対して二十二億円もの債権がついている。不良債権がついている。そういうことがわかっていたら、あの議会は通らなかった。請願は通せ得なかったというふうに思うんです。その辺についてはどういうふうに……。

◎(谷田部建設部長) 失礼ではございますが、請願にかかったわけでございまして、議会の中で議論していただくわけでございますので、私どもの方の説明が不足している云々には当たらないと思います。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) それから、先ほどの建設部長は、当時の答弁で、最近、金融機関とつながりのある不動産業者と接触を持ったところ、区としては公園用地として適切だと思うが、規模や条件があるし、種々の権利がついていることから整理していかないと区有地にはできないようである。その辺の整理は可能かと投げかけたところ、とにかく努力したいとの返事をもらったので、区としても努力し、今後は具体的な条件を詰めていく段階だと判断しているというふうに答えているんですね。これは業者に対して、つまり、その辺の整理は可能かと投げかけたところと。とにかく努力していきたいとの返事をもらったので、区としても努力して云々になっているわけです。

 これは相互の投げかけ合いで依頼をしていることになっているわけですよ。これについてどう説明するのか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 今回の調査報告書の末尾に、今後の対応の仕方というのを書きましたけれども、それは議会の議場で、今回については凍結をさせていただきますということを申し上げました。その内容はどういう意味合いであったのかということを表示したわけです。そこをお読みいただきたいと思いますが、ご指摘のあるような問題が含まれているので、まず交渉を始めるときに、こういう条件が整ったならば交渉に入りますということをきちっと決めて、そのことを議会にご報告をして、ご了解を得て、正式な交渉に入らせていただきますということが一つです。その条件は報告書に書いてあります。しかも、買収を決定するに当たっては、再びその経過を議会に報告をさせていただきます。このように申し上げているわけでございまして、いろいろなご疑念をお抱きのようでございますが、素直に文章をお読みいただきたいと思います。

◆三十七番(木下泰之議員) 川瀬助役は、この二十二億円もついている債権について、これはつまり買うという前提がなしに外れるとお思いですか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 私は、こういう物件の商取引について詳しくございません。しかし、損しても売る場合があり得るかもしれません。そのことを今、前提を置いてどうこうということを私が申し上げるのは適当でないと思います。これから交渉した結果、どういう結果が出てくるか、そこが判断の基準になると思います。

◆三十七番(木下泰之議員) 保健所に対して売買契約書を渡したという、そういう証言もあるんですけれども、もしそうだとすれば、これはある種の二重契約になるわけですけれども、そうだとしたら、それでも売買は成り立つと思いますか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 今のような事実があるとすれば、その契約を行ったのは区ではなくて、その当事者が別にいるはずでございまして、その方が社会的責任を問われる問題だと思います。

◆三十七番(木下泰之議員) 一方で緑地にするという、そういう議論がありましたけれども、しかし、同じ区のある部局が、やっぱりそれは納骨堂について云々という審査を行っているわけですよ。そういったところにそういうものが提出されていたとしたら問題ではありませんか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 再三お答え申し上げているとおり、この事実を知りませんでした。そういうことがあるならば、その問題は全部きれいにしてもらわなければ、我々は正式な交渉に乗ることはできません。そのことをお約束してくださいということをきちっと確約をとって議会に報告しますと申し上げているので、そのようにご理解をいただきたいと思います。

◆三十七番(木下泰之議員) 承認できませんが、先ほど区長について招かれたのではないかというふうに申し上げたところ、それについては全然招かれておりませんと言いましたけれども、しかし、伊藤室長とそれから建設部長ご指名で、あの会合は設定されたんですか。いかがですか。

◎(伊藤区長室長) そのとおりでございます。ご指名でございました。

○(石塚一信議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。