平成8年第3回定例会(自9月30日 至10月25日)

世田谷区議会会議録

1996年10月1日 一般質問 小田急問題 小阪邸、建築違反


○(石塚一信議長) 一般質問を続けます。

 三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕

◆三十七番(木下泰之議員) 小田急問題について二つの報告をしておきます。

 一つは、小田急問題での最初の住民訴訟が、十一月二十九日に結審を迎えることが決まったということであります。この訴訟は、小田急線などの連続立体化事業に第三セクターを導入したことの是非を問う訴訟であります。連続立体事業を定めた建運協定によると、同事業の事業主体は都道府県と政令指定都市しかなれないことになっており、同事業を第三セクターが行うことはできません。NTT−A資金を導入して小田急などの連続立体事業を促進すると銘打って、第三セクター東京鉄道立体整備株式会社が設立され、世田谷区も東京都などとともに参画した事案であります。

 先輩議員の多くは、一九九〇年の九月の議会で、広範な市民の反対にもかかわらず、世田谷区議会の全会派の賛成をもって小田急高架事業を前提とした、同第三セクターへの世田谷区の一億円出資が可決されたことを覚えておられると思います。この一億円の出資への同意が世田谷区議会の二度にわたる小田急地下化決議を空洞化させ、都市計画案はおろか、素案の説明会も実施していない時期から、高架事業にゴーサインを与えることになったのであります。

 裁判は、この世田谷区の一億円出資を含め、東京都などの行政支出の違法性をめぐって争われています。いわばそもそもの出発点をめぐっての裁判です。この訴訟は、既に被告側証人が現行建運協定では第三セクターは連続立体事業の事業主体になり得ないことを認めてしまっていることから、原告が勝利するであろうと確信されているものであります。判決は年明けの早い時期になりましょう。

 もう一つの報告は、最近の地下鉄の技術の進歩と地下化による事業費がまた一段と安上がりになったという耳寄りのニュースであります。最近、地下鉄に乗られた方は「メトロ秋物語ガイド」という営団などが発行した広報誌をごらんになった方もあるかと思います。先週から出回っている、本日十月一日付の広報誌の二四ページには「南北線延長改良工事ただ今進行中」「駅とトンネルが同時にできる」との見出しのもとに、白金台駅部をシールドで掘る新工法が紹介されております。

 これによりますと、「場所は白金、南北線の築造工事が進められています。従来、地下鉄の駅はほとんどが地上から掘り下げる開削工法で施工されてきました。しかし、今回この白金台駅工事に複数のシールド機の着脱により、駅とトンネルを継続して掘削する世界初の『着脱式泥水三連型シールド工法』を採用。これは、まず、駅間トンネルをシールド機械で掘り進み、駅の始まり部分に到着したら、ホーム部分を造るために別のシールド機を両側面に取り付け掘り進みます。駅の終わりの地点で、先に取り付けた側面のシールド機を外して、再びトンネルを掘るというもの。一度の一連工事で駅ホームと複数トンネルが完成します。環境に優しくコストも安いという優れモノの工法です」、こういうふうに「メトロ秋物語ガイド」に書いてあるわけです。

 以上は南北線白金台駅での新工法の紹介ですが、大阪では、ビジネスパーク駅や阿倍野駅がシールド工法で完成していることが最近明らかになっております。

 既に小田急裁判での原告側専門家が公表した調査によると、東京都の数字を使っても、高架、地下上下の利用できる資産を正しく評価し、比較すれば、喜多見−梅ケ丘間の高架による事業費が二千三十八億円であるのに対して、地下による事業費は七百三十三億円となり、地下化は高架化事業の三分の一強でできるということは、この壇上から何度か紹介してまいりました。

 ところで、先日、原告側専門家は、駅部でシールドで掘る新工法を使えば、さらに百二十八億円安くでき、地下事業費は六百五億円になるという試算を意見書としてまとめ、九月二十六日付で裁判所に提出するに至っております。大事なことは、高架事業が進んでいるけれども、今からでも地下化に変更した方が、私たちの血税の出費を抑えて、環境に優しく安全なものができるということであります。

 連続立体事業は、まちづくり事業と道路計画が一体であることは言うまでもありません。現在、高架を前提とした沿線の高度利用をねらったまちづくり計画や、碁盤の目状になった道路計画が進行されようとしておりますが、必要なことは、立ちどまることであります。厚生官僚のミスリードが多くの薬害エイズを生んだのと同じように、建設官僚のミスリードで世田谷のよさを殺されたのではたまりません。まだ間に合います。小田急線の地下化への見直しと、それに見合った落ちついたまちづくりの再検討を一刻も早く望むものであります。

 本日は他の質問も予定しており、小田急問題については、時間の制約もあるので、次の一点についてお伺いいたします。

 去る八月十六日に、世田谷区は平成三年度、四年度、五年度と三年度にわたって実施した梅ケ丘以東の構造形式調査とまちづくり調査をようやく公表しました。この報告書は、昨年の決算特別委員会で資料要求をしたにもかかわらず、運営委員会が資料要求を避けたことから、私が直接情報公開請求をし、重要部分が非公開とされたために裁判となっていたものです。この調査報告は、地下案、高架案の両論併記ということになっておりますが、A案が地下、B案が高架となっており、従来から高架計画については小田急がその案を公表してきた経緯もあり、その際には地下は不可能であると言ってきただけに、両論併記といえども、この調査は明らかに地下案を作成するために行われた調査であることは間違いありません。

 ところで、この調査は、先日の都市整備委員会での報告によりますと、八月に初めて東京都に世田谷区から届けられたということになっております。この調査での地下化の最適案によると、急行線、鈍行線とも梅ケ丘から東北沢まで地上から掘って埋め戻す開削方式をとっており、急行線、鈍行線を二層に積み上げる二線二層方式も開削方式であるが、既に南北線の例にもあるように、駅部をもシールド工法で掘り進む技術は確立していますので、この方式についての検討が、鉄道施設調査が専門とされている中央復建コンサルタントが実施していた以上、この調査でなぜなされていないのか疑問であります。

 また、高架、地下両論併記になっているにもかかわらず、事業費の比較が一切出てこないのはなぜなのでしょうか。このことについてお答えいただきたい。事業費の比較について、世田谷区は把握されているのかどうか。また、世田谷区は最近の地下鉄の技術進歩についてどのような把握をされ、どのような見解をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。

 次に、違法建築問題についてお聞きいたします。

 世田谷区都市整備部作成の平成七年度の建築行政資料によると、建築確認申請取り扱い件数が三千九百二十八であるのに対して、違反建築に関する住民からの陳情が一千百三十九件、区が独自に発見したものが八百一件で、一千九百四十件もの違反建築の調査案件があります。この統計資料からだけでも、平成七年度の新建築物件のほぼ五〇%が違反建築である疑いが持たれ、実際に調査されていることがわかります。新築件数の半分が違法の疑いが持たれているなどということは驚くべきことでありますが、このうち摘発されたのは四百三十三件で二二%強。ところが、四百三十三件のうち処理されたのは百七十二件であり、その処理率は三九%にすぎません。処理の内訳は、担当者に聞いたところ、改善により完全に問題がないA処理が二十四件であるのに対し、行政処分が二十六件、やむを得ないとするB処理が百二十二件であります。行政処分としては、工事停止命令が十四件、使用禁止命令が十二件、是正命令はゼロで、催告、戒告、令書、代執行はゼロとなっております。

 この統計表からわかる問題点は、第一に、何よりも建築確認申請取り扱い分についてすべての事後的調査がなされていないことであります。陳情と発見による統計しかとられていないような状況では、調査さえされていない違反建築が存在していることを意味します。

 問題点の第二は、平成七年度の四百三十三件の摘発件数のうち、処理件数が三九%と少ない上、改善により問題なしとされたA処理が二十四件のみであるにもかかわらず、行政処分を受けたものが二十六件しかなく、残りの三百八十三件はいまだ違法建築のまま放置されていることであります。

 具体的事例についてお聞きいたします。宮坂一丁目に田中さんという方が新しく土地を購入し、そこに一戸建てを建築したという具体的事案があります。確認申請の概要書を閲覧した限りでは、百五十平米ほどの敷地に建ぺい率いっぱいに建てる計画となっておりましたが、実際の建築では、玄関先に屋根つきの駐車場を建て始めてしまいました。近隣の方々からのクレームで区役所は改善命令を出したことになっていますが、結果的には、屋根の骨組みやといはつけたままで、現在は屋根をふかない形で堅牢な壁もついた車庫は結局残っております。

 この事案では、確認申請もない屋根つきの車庫を、母屋と一体のものとしてつくり始めてしまったわけですから、取り壊しを具体的に指示するべきはずのものであります。ところが、区の担当者は、屋根をふかないことを条件に、この車庫をつくることを認めてしまったのであります。この事案は、担当者から言えばやむを得ない処理ということで、B処理との範疇に入るのでしょうが、このようなことが許されてよいのでしょうか。私は、このような不法行為については取り壊しを命ずるべきであると考えるものでありますが、区の見解を示していただきたいと思います。

 私がびっくりしたのは、この事案について、近隣の方とともに区の担当者に面接した際に、区の担当者が平然として、余りこういった問題に首を突っ込まない方がいいですよと言ってのけたことであります。さらに残念に思うのには、この種の事案については、複数の先輩議員からも、議員になりたてのころ、同様のことを言われたことがあることであります。

 昨日、生活ネットの代表質問に答えて、大場区長は、庭園都市の概念を引き合いに出し、江戸時代の日本のまちづくりが外国に評価されている例を示しました。大場区長は下町や長屋を例に引きましたが、庭園都市として評価されたのは、むしろ屋敷町や江戸の中流階級が住んでいた一帯のたたずまいだったのではないでしょうか。私は、一時期、江戸川区の平井に住んでおりました。確かに裏路地の盆栽は密集した生活の中で潤いを与えてはいましたが、絶対的な緑の不足への代替措置であり、絶対的な空間の不足からの庶民のアイデアでもありました。そういった裏路地も取り壊されてマンションが建つと、盆栽さえ飾ることのない殺風景なコンクリの町が出現していたというのが、私が住んでいた八〇年代初頭の下町の風景でありました。

 問題になった宮坂地区を見ますと、まだまだ建ぺい率に余裕を残した低層住宅の中に、庭があり、生け垣の向こうの隣の庭が借景となるような、まさに庭園都市の要素を残した地域であります。このようなたたずまいも、先ほどの事案のような違法建築の相次ぐ出現によって壊されつつあるのが現状です。私は、成城地区の町並みや宮坂地区などにまだ残された庭園都市のたたずまいを努力して残すことこそ、世田谷を守り、東京を守ることだというふうに考えます。悪貨は良貨を駆逐するという言葉があります。世田谷で一度住宅地を失ったら、二度と戻ってこないのであります。役人は法に基づいて行動するわけですから、違法建築をやめさせることぐらいはできないはずはないのであります。逆に、違法建築さえ横行させる対応こそ、良好な住宅地を守ろうとする行政施策を生まない土壌となるからであります。小田急の高架問題もその延長線上にあるというふうに考えております。区長のご見解をお伺いいたします。

 さて、次に、瀬田四丁目緑地取得問題についてお伺いいたします。

 午前中の小畑議員の質問への答弁で、区長は緑の重要性について語りました。良好な住宅地域を守るためには、緑地を保全することは何よりも必要なことであります。しかしながら、瀬田四丁目緑地、すなわち小坂邸敷地買収については不可解極まりないことがございます。世田谷区の担当者から聴取した情報と、登記簿や会社の謄本などを総合すると、買収に向けての経緯は次のようなものであります。

 平成七年四月に、小坂徳三郎氏の子息である小坂正亮氏が、世田谷区に、小坂一族が役員となっている日栄興産所有の当該の土地を買ってくれと持ちかけてきた。区の公園緑地課は、都市緑地の網をかければ買収に国庫補助などがつくことから、緑地指定の都市計画変更の同意を求め、九月末に日栄興産に同意書を提出させた。

 同意書を提出すると、十月三十一日には日栄興産は役員の総入れかえを行い、それまで役員となっていた小坂善太郎氏、小坂徳三郎氏、小坂潤二氏、長野一区の代議士の小坂憲次氏らが役員を辞任。かわりに小坂正亮氏、岩波建設株式会社の代表取締役である古川清氏が役員に就任しました。その後、十二月に区計審で計画変更手続を経て、都市整備常任委員会での報告を経て、そして翌平成八年一月三十一日には岩波建設株式会社が当該物件を抵当に八千代銀行から二十五億円を借り入れたのであります。そして六月二十八日に東京都計地審が都市計画変更を決定すると、七月一日には日栄興産株式会社は岩波建設株式会社に吸収合併され、七月十八日には当該土地は岩波建設株式会社に所有権移転されました。 八月二日には当該土地の緑地への都市計画変更決定告示がなされ、九月五日には世田谷区はこの土地を買うことを目的に補助金申請を行うに至り、そして本会議に財産取得の同意案件が上程されるに至っているのであります。

 なお、この平成八年二月二十三日には小坂徳三郎氏が逝去されていることもつけ加えておくことが必要でありましょう。

 これらの経緯の中で重要なことは、当初買い取りを働きかけてきた日栄興産が、区内部の諸手続が一段落した段階で、当該物件を別会社である岩波建設の借入金のための二十五億円の抵当権を設定したということであります。しかも、この抵当権を消すどころか、岩波建設株式会社に吸収合併されるという形で所有権を同社に移転し、結局、世田谷区が契約する相手は岩波建設株式会社になったということです。しかも抵当権はいまだに消えていないのであります。

 余り時間がありませんので、詳細については都市整備委員会の審議や決算委員会での審議でお聞きすることにして、次の点についてのみ質問いたします。

 結局、今述べてきましたような経過においては、一連の関係者は区民の血税や都民の血税、国民の血税を手玉に二十五億円を引っ張っており、いまだにこの抵当権は消えていないのであります。このような状態で区が財産取得方針を決め、同意を区議会に上げてくるのは不見識であります。むしろ、買収話を持ちかけ、都市計画変更に同意をした上で、抵当権を勝手につけ、関係者がその金を使い回し、その上で所有権を移転させ、現在は違う法人の持ち物となり、なおかつ、いまだに二十五億円の抵当権がついているという、およそ信義にもとる行為をなしたのでありますから、一たんこの買収話は白紙に戻すのが筋と考えますが、いかがでございましょうか。既に都市計画変更も済み、緑地に指定されているわけですし、風致地区でもあります。慌てて買わなくても緑を消失させることはないのではないでしょうか。

 それとも、このような不正常な対応については、事前に相談があったとかして区の職員も加担されてきたのでありましょうか。

 買収話を白紙撤回することについてどのようにお考えか、区長のご見解をお聞きしたいと思います。

 また、区議会としては、このような理不尽な買収に同意を与える必要もないと考えますので、同意への反対の意思を審議を通じて私とともにしていただきたいことを訴えまして、壇上からの質問といたします。

   〔大塚助役登壇〕

◎(大塚助役) 瀬田四丁目緑地取得問題につきましてお答え申し上げます。

 世田谷区では、先ほどもご答弁申し上げましたように、基本計画、実施計画及び環境基本計画を策定し、環境と共生する都市世田谷を目指して各種の施策を実施しております。特に多摩川・国分寺崖線一帯の保全については、環境基本計画において重点プロジェクトとして崖線保全計画区域に位置づけられており、樹林地の買収など、保全と活用を図る計画を推進しているところでございます。

 ご指摘のありました瀬田四丁目緑地につきましては、隣接する区立岡本静嘉堂緑地と地続きの緑の景観を構成しており、丸子川、岡本静嘉堂緑地の一部として都市計画決定され、都市計画緑地としての位置づけがございます。用地買収事業につきましても、国、東京都の理解を得まして、国庫補助金、都市計画交付金、裏負担つき起債等を導入することができました。この土地についてはこうした条件を満たしておりますので、買収手続に入った次第でございます。

 この土地が民間の開発業者によって開発されることよりは、将来とも区民の財産として立派な緑地として残される方が、私どもの方としてはよりベストな選択ではないのかというふうに思っているところでございます。

 また、本件土地の所有権は、ご指摘にもございましたように、岩波建設株式会社が平成八年七月一日付で、旧所有者である日栄興産株式会社を吸収合併することにより移転したものと、登記簿によって確認しております。また、契約日の前日までに第三者の権利はすべて解除することが契約の条件となっております。そうしたことを踏まえて、これが解消されない限り契約をしないわけでございますので、この点についてもご理解をいただければというふうに思っております。

◎(徳善道路整備部長) 小田急連続立体化事業と関連します調査についてのご質問にお答えいたします。

 小田急小田原線立体化推進調査と小田急沿線交通施設まちづくり調査につきましては、本年八月十六日に公表をしております。この調査を行いました経緯でございますが、平成二年四月に東京都から世田谷区に対し、小田急線の事業化方式について説明がございました。その方針によりますと、世田谷代田以東の構造形式については、関係機関との調整が必要であるとして、検討中区間とされております。これを受けて、この残された区間の事業化方針について、世田谷区議会におきましても多岐にわたる議論がなされました。区議会の意向を踏まえ、新宿へ直結する輸送体系を視野に置いて、世田谷区独自で物理的な面から立体形式の調査を行ったものでございます。

 調査の内容でございますが、主として世田谷代田から新宿間の立体化の必要性と概略線形等について調査を行っております。立体化形式につきましては、高架方式、地下方式についてそれぞれ複数案を検討いたし、高架式、地下式それぞれの案につきまして絞り込みを行い、課題の整理や比較検討を行ったものでございます。

 以上でございます。

◎(梅田都市整備部長) 違反建築の処理のお尋ねがございました。建築行政の実効性につきましては、違反建築物の建築を防止することによって確保されますが、違反行為に対して建築主、あるいは建築業者、あるいは設計者の自覚が少なく、また処罰の規定も軽いなどのことがありまして、是正指導上、苦慮しております。

 現在、こうした実情に対しまして基準法の実効性を確保するために、検査、処分、処罰の罰則の適用の強化を含め、建設省において建築基準法の抜本的な改正作業が進められていると聞いております。こうした国の動きも見据えながら、今後とも区民に違反建築防止を呼びかけ、法の存在を知らしめ、違反を未然に防ぐよう努力するとともに、悪質な違反に対しましては厳正な指導を行ってまいりたいと考えております。

 具体的な事例として、宮坂地区の違反建築の処理についてのお尋ねがございました。違反建築の是正指導に当たりましては、建築主等に建築基準法の存在を知らせ、自主的な是正を行わせることを第一に考えて業務を進めております。

 ご指摘の件につきましては、当初の計画にない住宅に附属する屋根つきの車庫の建設であり、結果としては建ぺい率が超過するものでありました。現場調査の結果、建築是正計画案の提出を求め、結果的には車庫部分の屋根をはがすことで建ぺい率の是正が行われ、適法に処理しております。

 区としましても、引き続き違法行為が行われないよう監視を続けていきたいと考えております。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の違法建築の問題についてお尋ねいたしますが、つまり屋根をはがしただけで、これは違法でないと言えるんでしょうか。

◎(梅田都市整備部長) 建築基準法の集団規定、第三章の規定では、建ぺい率、屋根を持った柱、あるいは壁を持って屋根がついている場合には、そのカウントをする。柱だけ、あるいは壁だけといったものについては、建ぺい率の対象と算定いたしておりません。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) この事案は、当初の概要書にない屋根つきの建物、堅牢な壁を有したものをつくり始めたわけです。ですから、それについて、本来でしたら違反建築としてそれを撤去する命令をするのが妥当だと思います。

 それから、屋根がついていないから適法であるということについて、だれが決めるんでしょうか。これは、法律上も非常に議論があるところだというふうに思います。

 それから、最初お答えになった瀬田四丁目の緑地の問題であります。これは、最初の契約者と、それから後の契約者が違うわけですから、これは白紙に戻すことが可能ではないかというふうに質問したんですけれども、白紙に戻すことは可能でございましょうか。

◎(谷田部建設部長) 法律上の手続を踏んでおりますので、契約締結は可能でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) まだ二十五億円もの抵当権が実際についているわけであります。ついたまま議会に持ち込んで、これに同意をしろということはどういうことでございましょうか。その辺の見解を聞かせてください。

◎(谷田部建設部長) 先ほども答弁いたしましたように、抵当権等の私権を済滅させることが契約の条件になりますので、そういったことでご理解いただきたいと思います。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) 最初に話し合っていたところと、二番目に話し合ったところといいますか、実際に契約を結ぶところとなったところとは違う会社なわけですね。その辺の信用についてはどういうふうに担保するんでしょうか。

◎(谷田部建設部長) 私どもは、真正な権利者と契約をすることでございます。

 以上でございます。◆三十七番(木下泰之議員) これまでの経緯を見て、本来は真っさらなままで買うことが条件だったはずなのに、あえて都市計画案の変更の申請を出した後に、例えば担保をつけている、あるいは所有権を移転させている、そういったことが正常な行為だというふうに思いますでしょうか。

◎(谷田部建設部長) 今回の契約をすることになれば、民法上の契約でございまして、信義則にのっとって双務契約で契約するということになります。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 先ほど道路整備部長は、最近の地下化の技術についてどうなのかという質問については何ら答えていないわけです。それについて答えてください。

◎(徳善道路整備部長) 小田急線の調査につきましては、平成三年度、四年度ということで推進調査を行っております。その関係で、そのとおりで、物理的な面からの形式調査を行っておるものでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 聞いていることに全然答えていないわけですけれども、少なくとも新技術が生まれて、そういったものがマスコミに報道されて久しいわけであります。そういったことで、八月にようやっと報告書を東京都に上げたと言っているわけですけれども、世田谷区議会にも説明する際には、現在の地下鉄技術、あるいは当時幾らかかって、今どうなっているのか、そういった情報も集めていなければ、責任を持った対応とは言えないと思います。その辺についてはどうお考えですか。

◎(徳善道路整備部長) 繰り返しになりますが、区で行いました調査は、あくまで物理的な面からの立体形式を調査いたしております。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 経済的な要素は大事なことであります。高架化を決めたのも、むしろ環境的な要素よりも、経済的な要素として高架を決めたということがございました。それは間違いであるということを市民側は主張しているわけであります。それを納得させるようなことをしなければならない、そのように思います。

○(石塚一信議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。