平成8年第2回定例会(自610日 至617日)

世田谷区議会会議録

1996年6月10日 一般質問


○(石塚一信議長) 次に、三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕

◆三十七番(木下泰之議員) 早いもので、前回区議会定例会でこの壇上から一般質問を行ってから三カ月余がたちました。三月五日に一般質問を行ったときは、私の政治的地位は社会民主党世田谷区議団所属の議員でした。そして今、私は、私が望んだわけでもないのに、無所属議員にさせられて一般質問を行おうとしております。三月九日土曜日に事件が起こって以来、私は議会で発言の機会があるごとに、この理不尽を訴え、団会議決議もなく、また、当事者である私の同意も得ていない会派解消届なるものの無効と、三月九日以前の状態への原状復帰を議長に訴えてまいりました。

 訴え続けてきたにもかかわらず、私の訴えは聞き届けられず、いつの間にか一身上の都合とやらの、また五月病とも言われるようなたらい回しで、議長は鈴木昌二議長から石塚一信議長へとかわり、相変わらず訴えは聞き入れられぬままに今に至っております。まずもって、ここに抗議の意思をあらわしておきます。

 三カ月は重要な意味を持っております。抗告訴訟の期限が三カ月だからであります。期限を前に、先週六月六日をもって、私は議長と区長を被告とし、議長による会派解消届受理と、同名新会派の会派結成及び役員届受理の無効と、無効な同名新会派への区長による政務調査研究費の交付決定の取り消しを求め、裁判を東京地裁に起こしました。

 通告に基づき、虚偽による社民党区議団解消と政務調査補助金問題についてお聞きいたします。

 今回の社会民主党世田谷区議団の会派解消問題は、既に議会で何度か繰り返し主張してきたように、会派内問題あるいは党内問題では決してありません。裁判の中で、とりわけ関係当事者の証人尋問を行う中で明らかになることではありますが、ここで議会当局が関与した事実を一つだけ端的に申し上げておきましょう。

 社会民主党世田谷区議団の会派解消は、区議会事務局が用意した会派解消届用紙に記載され、提出されております。この用紙には、幹事長の届け出欄しか記載されておらず、幹事長の届け出という形で会派が解消できることになっております。ちなみに、前鈴木議長は、会派解消届の無効を訴える私に対し、会派解消届受理の正当性を主張し、幹事長の届け出で会派は解消できることになっており、会派の代表者である幹事長から届け出があったのだから認めざるを得ないと答弁しております。

 ところで、この届け出用紙が議会事務局によって今回初めてつくられたものであるとしたらどうでしょう。会派解消届なる用紙、普通、届け出用書式は様式と言われています。こんな様式は存在していなかったのであります。にもかかわらず、あたかもこの様式が存在していたかのように装い、高橋忍幹事長をして今回新たにつくったこの様式に会派解消届を書かせて提出させたのであります。この事実は、会派解消について、少なくとも高橋幹事長と区議会事務局との間で、そのやり方について事前相談があったことを意味します。

 さて、注意深い方はお気づきだと思いますが、会派解消などという言葉が法律用語として存在するでしょうか。あり得ませんね。会派も一団体であります。団体については解散といいます。したがって、会派解消届なる様式が存在するはずもなく、今回使われた様式は、会派解消を正当化するためにでっち上げられた代物だと言うほかはないのであります。

 本会議では理事者に質問をすることになっておりますので、区議会事務局長の経験をお持ちの区長にお聞きいたします。会派解消届なる様式は存在したでしょうか、あるいは存在し得るでしょうか。また、今指摘したことに対してのご感想をお聞かせください。

 政務調査研究費補助金についてお聞きします。区長にとって、会派は政治団体であると当時に補助金を出す援助団体でもあります。三月十一日に議長を経由して届けられた社会民主党世田谷区議団の援助団体廃止の申請書に対しては、既に同日、理事者も出席する議会運営委員会の席上、同会派の会計である私から、会派解消の事実はなく、届け出は虚偽であり撤回すべきであるとの主張があった以上、援助団体廃止の申請の承認に対しては慎重であるべきであり、少なくとも調査を行うべきであります。にもかかわらず、三月十四日には援助団体廃止を承認してしまった。また、三月二十二日には、文書にて援助団体廃止の無効と援助団体交付規則十条に基づき調査を訴え、文書回答を求めたにもかかわらず、これを無視。いまだに文書回答がなされておりません。総務部長に問い合わせたところ、川瀬助役と相談の上、文書で回答を出さないことを決めたとの回答が返ってまいりました。

 そこで、川瀬助役にお聞きしたい。なぜ当事者であり、かつ会計である私からの会派解消の事実はなく、したがって当然、援助団体廃止の事実はないというクレームに対して調査も履行しないのか。また、文書回答しないでもよいとなぜ判断したのか、お答え願いたい。

 世田谷区当局が唯一私の指摘に応じて、遅まきながら関心を示した事項がございます。それは、社会民主党世田谷区議団高橋忍幹事長が、四月三十日に虚偽の政務調査研究費補助金実績報告書を提出したという私の指摘についてであります。会派解消・援助団体廃止の無効を主張する私は、三月九日の会派解消・援助団体廃止に基づく実績報告書作成への協力を拒否しております。ところが、会計であり、出納帳や領収書を管理している私に断りもなく、しかも推計をしたと称して高橋忍幹事長は実績報告書を作文し、提出してしまったのであります。しかも、提出した後で、私、木下の管理している分については推計して合算したので、修正があれば修正されたいと五月七日付で申し入れてきたのであります。三月九日に解消したはずなのに残余金がゼロとなっているのも、いかにもおかしな報告書ですが、修正を求める以上は、推計しないで計算した部分と、推計で合算した部分とをそれぞれ科目別に提示しなければ、修正は不可能であります。 私の名誉にかかわることでありますので、当然のことながら、私は基礎数字の提示を高橋幹事長、桜井征夫議員、唐沢敏美議員に再三求めておりますが、いまだ回答はありません。区当局からの五月二十四日付の私あての申し入れ書については、今言ったようなことについて懇切丁寧に答えておきましたが、今後この問題についてどのように調査をされるのか、お答えいただきたい。

 関連して、代表監査委員にお聞きしたい。財政援助団体等監査の対象として会派を含めるべきであると思うが、いかがか。また、会派の政務調査研究費について実績報告書に領収書の添付義務がないのは、財政援助団体である以上不都合と考えるけれどもいかがでありましょうか、お答えいただきたい。

 七月の定期監査では、会派についての監査をどのようになさろうとしているのかについても明らかにしていただきたいと思います。

 次に、小田急線六駅の周辺構想の説明会についてお尋ねいたします。

 午前中の鈴木議員の質問にもありましたが、五月二十二日の経堂での梅田都市整備部長の振る舞いを、当事者として容認するわけにはいきません。今、この議会で私の発言を遮って梅田部長が話を始めたら、議長はこれを遮るに違いありません。五月二十二日当日は、私が手を挙げているにもかかわらず、なかなか指してはもらえませんでしたが、終了時間間近に司会に発言を許されて、私は発言を始めました。ところが、梅田部長は発言を、突然興奮して私の発言を遮り、司会は当初、梅田部長の発言を封ずるどころか、この梅田発言を機に私の発言を封じようとさえしたのです。住民の抗議で司会は最後には私の発言を認めましたが、この間、議場は混乱いたしました。もし午前中、梅田部長が言ったような趣旨で私の発言に反論するのであれば、主催者側なのですから整然と答えればよいはずであります。

 しかるに、主催者側でありながら総会屋のごとき対応をとられた。私に対し、議員であるから、この会場では黙れというような趣旨の発言をし、会場をあおり、この議場にも梅田部長のあおりに乗って不規則発言を繰り返された方々も複数おられる。しかも、会場の住民から抗議の声がかかると、梅田部長は住民をばかやろう呼ばわりしているありさまだったのであります。梅田部長は、少なくともこのような対応について、公務員としてまずもって住民に謝罪すべきであります。梅田都市整備部長は謝罪をされる意思があるのかどうか、その意思をお答えいただきたい。

 私は、住民説明会の会場において、議員こそ必要とあらば、このような席上では積極的に発言をしなければならないと考えております。区民からの信託を受け、貴重な血税をいただきながら、しかも調査費もいただきながら──現在、私はいただいておりませんけれども──専門に区政を監視する立場にいるわけですから、理事者側の説明で足りないところは補う必要があるし、理事者が隠し立てすることについては、クレームをつける義務があると考えます。住民が意見を言う……(「……携帯電話をかけるなよ」と呼ぶ者あり)聞きなさい。住民が意見を言う時間がなくなるというのは当たりません。時間を延長すれば済むことであります。

 五月十日に小田急線の沿線まちづくりに関する各種外注調査報告書が、梅ケ丘以東、下北沢工区の立体化調査などを除き公開されました。事前に議会で説明の上、公開すべきでありましたし、今からでも説明と質疑の時間を十分とるべき性質の資料だと考えます。例えば経堂の三十二階超高層ビル構想は、平成五年度より三年間の調査を経て、平成七年度の報告書ではモデル案としては最良案として提出されております。

 駅前広場周辺の面的整備は、市街地再開発の可能性を探るが、困難な場合は小規模連鎖型の誘導型再開発手法の導入を検討するとなっており、これは説明会で配られた資料の中にありました。そういうふうに言っております。市街地再開発の可能性を探る内容は、この三十二階の超高層以外の何物でもありません。梅田部長は、三十二階の超高層住宅ビルが最良案として行政の調査報告書で上がってきていることについて、これをどのように扱おうとされているのか、お答え願いたい。

 経堂に三十二階超高層が企画されたということは、超高層をコンセプトとすることが行政の間で既に容認されているということであります。このような大事な情報を、五月十日の住民説明会開催当日まで議員に報告せず、ましてや、いまだに議会での正式説明もなく、さらには住民説明会での議員からの説明や質問を封じようとするのは議会軽視も甚だしいばかりでなく、議員の調査権や住民代表としての権能、さらには住民参加や情報公開に背を向ける態度と言わなければなりません。

 一連の今回の説明会では住民参加と言いながら、住民から、高架を前提とするのではなく、地下化によるまちづくりも検討すべきであるとの声が上がっていたにもかかわらず、説明者側は、東京都の高架計画が前提であることを繰り返し主張し、地下化の声を封殺しようとしました。区民より小田急高架事業の認可取り消し訴訟などが提起されており、係争中であることや、この訴訟の中で地下化方式の方が高架方式の三分の一の事業費で済み、高架事業中であるといっても、今からでも工事を地下方式でやり直した方が安くつくという指摘がなされているということについて、説明者側からは触れられませんでした。そこで、私は説明会場で発言を求めて、司会の許可を受けた上で、現在の小田急問題が抱えている問題点を私の立場から説明することに努めました。議員として間違った行為でありましょうか。

 地下化に変更した方が、税金のむだを使わずに済むのであれば、小田急地下化によるまちづくりについて検討するのは正当なことであります。しかるに、この主張を正面から論駁することなしに行政手続が進んでいることの一点をもって、高架を前提としたまちづくりのみを議論の対象とするのは、住民参加でも何でもありません。

 会場の発言で次のように言った方がありました。小田急線連続立体事業の説明会では、素案説明会で参加した住民の九割が地下がよいと言っているのに、次の案説明会でも同じく高架方式を持ってきた。公聴会でも、案の説明会でも九割が地下がよいと言っているのに、結局は高架で決めてしまった。行政は信用できない。

 私はかねてから、小田急線の問題は単に鉄道の高架、地下の問題ではなくて、建設省などの指導による周辺の大規模再開発とセットになったものであることを指摘してまいりました。経堂駅北口の三十二階超高層ビル案が成り立つような超高層・大規模再開発はやめにするべきであります。経堂周辺の再開発は補助五二号線と一二八号線の拡幅と拡張の前倒し計画も含め、商業地化をねらった大規模再開発以外の何物でもありません。住宅都市を目指す世田谷区は、このような商業地開発を進めるべきでないと考えますが、区長のご見解をお伺いいたします。

 最後に、第三セクター・東京鉄道立体整備株式会社と小田急線連続立体事業との関係についてお聞きいたします。

 五月二十七日の交通対策特別委員会に報告された「世田谷区における公共交通について」によりますと、NTT−A資金の活用については全体借入額が六十億円とされております。資金借入の手法として、東京鉄道立体整備株式会社は、連続立体事業区内にある都市計画道路補助一二八号線の事業施工者となり、この道路を整備するための附帯工事として、立体化工事の一部を負担しているとし、借入金返済の方法としては五年間据え置き期間を経た後、十五年間で高架下などを利用した収益事業等により返済するとなっております。

 NTT−A資金を導入するために設立された第三セクター・東京鉄道立体整備株式会社は、設立前の説明では、経堂や成城の駅ビルや、駅前整備等を含む一千五百八十七億円が小田急関連の事業予算となっていましたが、市民による監査請求が起こされると、同社設立後の小田急関連の事業予算は三百十億円に減額されました。そして、結局は今やNTT−A資金の小田急事業借入総額は六十億円になっているのであります。しかも、在来線の立体化を推進するためにNTT−A資金の導入を図る必要があるとして、わざわざ第三セクターを設立したにもかかわらず、在来線の立体化ではなく、道路事業である一二八号線の施工者として補助事業を受けるというふうにすりかわっております。

 これは当初、連続立体事業の早期実現のためとして、本議会に説明した第三セクター・東京鉄道立体整備株式会社の任務からの逸脱であり、このような役割しか果たさないのであれば、そもそも第三セクターを設立する必要も、世田谷区が出資する必要もなかったことになります。一体これはどういうことでありましょうか。当初計画がどのようなものであり、何ゆえこのように金額も事業目的も変わったのか、お答えいただきたい。

 以上であります。質問事項が結構多くなりました。端的に手短にお答えいただくことをお願いいたしまして、壇上からの質問といたします。

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) 元の局長経験ということでお答えいたします。

 会派解消届につきまして、会派が出された解消届はそれなりに議長は対処しなければならない、こういうふうに思っております。また、事務局職員は、会派の幹事長から相談があれば手伝いをするのが当然であるというふうに考えております。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 私どもは、正当な手続を経て会派が解消され、新しい会派が結成されたと認識しております。社会民主党世田谷区議団の平成七年度の政務調査研究補助金補助事業実績報告書につきましては、平成八年四月三十日で受理し、処理をしております。その後、木下議員から報告書の内容について疑義があるとのご指摘があり、五月九日から今日に至るまで各種の対応をしてまいりました。

 一方、高橋幹事長に対し、報告の内容の再調査を要請するとともに、木下議員に対しても、疑義があるとするならば、当時同会派の会計を担当されていたのであるから、正しい報告がされるよう行動されたいという要請もしてまいりました。

 本件につきましては、議員のご指摘のとおり訴訟が提起されておりますので、以上を超えた発言は差し控えさせていただきます。

   〔大塚助役登壇〕◎(大塚助役) 東京鉄道立体整備株式会社と小田急連続立体事業との関係についてお答え申し上げます。

 東京鉄道立体整備株式会社は、NTT資金──今、議員からいろいろ説明がありましたが、これは昭和六十二年度に「NTTの株式の売り払い収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」というのがございまして、これが制定されたことによりまして、NTT株式売却収入の活用による無利子貸付制度が創設され、平成元年度から公共的建設事業である連続立体交差事業にも導入することが可能となったものでございます。この資金を活用し、連続立体交差事業の推進を図ることを目的として、平成二年八月にこの会社が設立され、株主は東京都、練馬区、西武鉄道、小田急電鉄、金融・損保九社で、資本金は九億円でございました。世田谷区では、平成二年九月区議会の議決を受けた後、出資金として一億円を出資し、この会社の資本金は十億円となりました。その後、平成七年八月に目黒区、品川区、東京急行電鉄が株主として参加し、資本金は現在十一億九千万円となっております。

 当面の事業対象路線といたしましては、西武池袋線、小田急小田原線、東急目蒲線となっております。

 小田急連続立体交差事業とのかかわりでございますが、東京鉄道立体整備株式会社は、小田急小田原線の梅ケ丘駅から成城学園前駅間の連続立体交差事業区間内にある都市計画道路、補助一二八号線の事業施工者となり、この道路を整備するための附帯工事として立体化工事費の一部を負担しております。

 なお、この会社の主な事業でございますが、道路と鉄道との連続立体交差事業の施工、それから鉄道高架下の空間を有効に利用するための施設の設置並びにこれらの管理及び賃貸業務、そのほか都内または区市町村が施工する都市再開発事業の受託業務、そのほかもろもろの建築工事及び土木工事の設計、施工、監理、幅広い業務を行うことができることになっております。

 以上でございます。

◎(清水代表監査委員) 監査に対しまして二点ほどご質問がございますので、お答えを申し上げます。

 まず第一点は、平成七年度内に起こった社会民主党世田谷区議団の会派解消に伴う実績報告の取り扱い、この問題について調査をするのか否か、こういう質問でございます。私どもは、平成八年度の定期監査の中でこの問題については対応をしていきたいというふうに考えております。

 それから、第二点目でございますけれども、一般の補助事業者につきましての実績報告には、証拠書類の提出が義務づけられておりますけれども、会派に対する証拠書類の提出が義務づけられていない、これに対してどう見解を持っているかということでございます。現在、世田谷区議会における各会派に対する政務調査研究費の交付に関する規程では、証拠書類の提出を義務づけた規定はございません。私どもといたしましては、政務調査研究費の性格上、議会の自主性を尊重するということを考えてみますと、当然の規定であるというふうに認識をいたしております。

 以上でございます。

◎(梅田都市整備部長) 小田急六駅の五月二十二日の木下議員の発言の中止を求めたことにつきましては、さきに答弁申し上げたとおり、当日参加いただきました地元の住民の方の区への誤解、不信につながるものと判断したものであります。

 なお、謝罪せよとのことにつきましては、当日、会場で補足説明の冒頭に、会場を一時混乱させたことにつきまして、参加者に対して既におわびをしております。

 もう一点、経堂駅北口の三十二階高層云々の話がございました。高層・再開発案と言われるものは、経堂駅周辺整備を考えていく中で、さきに述べました整備手法等を検討していく調査の一つとして、平成六年度に行ったものであります。まちづくりという面的整備を考えていくときに、再開発とか、区画整理とか、地区計画等幾つかの手法が考えられますが、この調査では、例えば再開発という手法をとるとどのような姿があり得るかということを考えた一つの考え方であります。言いかえますと、質問の高層・再開発案は、種々の条件設定のもとで検討した事例の一例であります。また、区が直接こういった面的開発を行うというのではなく、再開発を行うかどうかは地権者の方々との話し合い等によって方向づけられていくものであり、こうした検討案も、住民の方々と一緒に将来方向を考えていく際の判断材料の一つとなるものであります。区として地元に説明しました各駅周辺構想案の性格と内容を十分ご理解いただきたいと存じます。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の梅田部長のお答えについて質問いたしますけれども、世田谷区が外注したといえども、世田谷区のクレジットのついた調査報告書なわけですね。そこで、三十二階建てが最適案として選ばれている。しかも、その前の章からずっと読んでいくと、例えば経堂駅は良好な超高層から中層、低層までの良好なスカイラインを建設し、というようなことが書いてあります。そういった意味では、高層化計画をお持ちになっているのかどうか。私としては、それはやめていただきたい、そう思っているんですけれども、それについてはどうお考えですか。◎(梅田都市整備部長) ただいまもご答弁申し上げましたように、基礎的な必要な調査の場合には、いろんな条件設定でやっております。ご指摘の一例につきましては、土地の高度利用の場合にどういったことが予想されるかといった事例ですから、区として意思決定をして高層案を採用しているという事実はございません。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) それでは、今どうお考えなんですか。経堂駅周辺については高度利用をしようというふうにお考えになっているのか、それとも小規模再開発にしようと思っているのか、どちらでしょうか。

◎(梅田都市整備部長) さきにもご答弁申し上げましたように、地元のことは地元の住民の方が一義的にお決めいただくと。そのためのたたき台として、最初の高層案をお示ししております。これからが勝負だと思います。

 以上です。

◆三十七番(木下泰之議員) 先ほど区長からの答弁漏れがございました。区長に対して、経堂の駅周辺をこのように高度化するような構想についての是非を問いました。高度化だけではなくて、道路の拡幅等も含めて大規模な商業地化になる予定ですので、区長はどのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) ご答弁申し上げますが、ただいま部長からご説明があったとおりでありますが、いずれにしても住民の皆さんとご相談しなければ成り立たない問題でありますので、十分相談をしてやっていきたい、このように思っております。

◆三十七番(木下泰之議員) 住民に説明するといっても、どういう構想を持っているかということについては、特に経堂に超高層をつくるのかつくらないのかということは非常に大きな問題であります。そういったことについて、区長は、例えばつくらないのならつくらない、そういうふうに言っていただきたいんですが、いかがでしょうか。

   〔大塚助役登壇〕

◎(大塚助役) まちづくり事業は、地元の住民の方々と事業者と、それから区が一体となって進めるものでございます。区が幾ら高いものを建てると言っても、地元の住民の方々が反対すればそれはできませんし、また、地元の住民や事業者がある程度再開発を行っていこうということであれば、そういう施設もできるわけでございまして、これは今後の地元の住民の方々と十分話し合いを進めながら、地区計画の視点から計画を策定し、その計画に基づいて事業化を図っていくというのが、まちづくりの筋でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今のは全く世田谷区全体の都市計画とかそういったものに責任を持たない立場だというふうに思います。やはり世田谷区をこれからどういう町にしていくのか、このことはこの議会でも十分議論されなければいけない問題だと思います。各種調査も、そういった意味から、この議会に全部公開して、そしてそれについて十分説明をして、理事者との間でやりとりをしながら、どういう方向に進んでいくべきであるか、そのことをきちっと議論するべきであるというふうに考えます。

 そういった意味で、区長はその責務を果たしていない、そのように考えます。

 私の質問は、これで終わりにさせていただきます。

○(石塚一信議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。

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