1996年3月 予算特別委員会(自3月4日 至3月26日)

予算特別委員会会議録

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●1996年3月4日 予算特別委員会 (正副委員長の互選、運営方針等)

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○(五十畑委員長) 次に、本委員会の運営方針並びに審査日程等につきましてお諮りいたします。

 お手元に配付いたしました運営方針等に基づき、運営並びに審査を行っていきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

   〔「質問」と呼ぶ者あり〕

◆(木下委員) 予算特別委員会に、私が紹介議員になっております「平成八年度予算より小田急線連続立体関連事業費の削減等を求める請願」というのが出ておりますが、これについての取り扱いが全然日程に入っていないんですね。これについてはどういうふうに協議されたんでしょうか。

○(五十畑委員長) お答えいたします。

 請願の審査がまだ審査日程に入っていないということでございますが、請願は明日五日の本会議で正式に各委員会に付託されますので、現時点では請願の審査を日程に入れることはできないわけです。

◆(木下委員) 付託された際にどういうふうにお諮りするのか。それはきちっと、ですから討議していただきたいということと、それからやはり運営委員会の日程にあらかじめ出しておくのが、運営上必要なことではないでしょうか。

○(五十畑委員長) 明日付託されるものですから、付託される前に日程に入れるというわけにいかないんですよ。

◆(木下委員) 議運で相談されたようですけれども、その割り振り等についても、例えば予算委員会と、それから交通対策特別委員会の二つに振り分けてされるという形になっているわけですね。そういったことについてはどういうふうに……。(「委員長、答えられないよ、そんなこと」「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり)

○(五十畑委員長) この問題は──ちょっと静かにしてください。この問題は、議会運営委員会というのがあるんですよね。そこで十分に審議してきておりますから。(「自分の会派の代表が出ているんだから」「議事進行」と呼ぶ者あり)

◆(木下委員) 付託された際には、きちっとその辺についてぜひ報告していただきたい。そのことを要望しておきます。

○(五十畑委員長) それでは、お手元に配付いたしました運営方針等に基づき、運営並びに審査を行っていきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(五十畑委員長) ご異議なしと認め、そのように決定いたします。

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1996年3月11日 予算特別委員会 (副委員長の辞任および互選、審議日程など)

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○(五十畑委員長) 次に、本委員会の審査日程等についてお諮りいたします。

 新たに会派が結成されたことに伴い、審査日程並びに委員席を変更する必要が生じました。

 また、本委員会に付託されている請願の取り扱いにつきまして申し上げます。予算運営委員会で協議をいたしました結果、議案先議の原則により、予算案を先に審査することにいたします。

 なお、請願につきましては、その内容が予算案と不可分一体でありますので、各委員はそのことを念頭に置いて予算案を審査していただきたいと存じます。

 それでは、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしました審査日程等に基づき運営並びに審査を行っていきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。

   〔「異議なし」「委員長、質問」と呼ぶ者あり〕

◆(木下委員) まず請願の審査についてでありますが、これについては、通常、請願の審査は請願者が意見開陳等をできることになっておりますが、これの扱い等についてはどうなっていますでしょうか。

 それと、もう一点お聞きします。私のところがどうやら無所属となっているようでございますが、私はけさ議長に申し出たとおり、九日の日に行われた会派の解消の申し出について、それを認めないという立場を表明いたしました。にもかかわらず進行されるということであれば、万やむを得ず、私は社会民主党世田谷区議団、その名前を名乗りたいと申し出ております。それについてはどういうふうに解されたかも教えていただきたいと思います。

○(五十畑委員長) この件は予算特別委員会と関係ございませんので、議題とは関係ございません。

 無所属の件でございますが、本件については運営委員会で協議し、審査日程には無所属という表示をさせていただいております。

◆(木下委員) 私は社会民主党世田谷区議団の名前を捨てるつもりはございません。九日の日になされたことは、社会民主党世田谷区議団を、私に相談もなく、いきなり解散して、その後、ほかの三名の方が出されたのでありまして、こういうやり方は非常に不当なやり方だというふうに思うわけでございます。

 それで、名前につきましては、これは社会民主党世田谷区議団、それについて、私は万やむを得ず、それを使ってほしい、そういうふうに申し出ているわけですから、それについては早急に結論を出していただきたい、そのように思います。

○(五十畑委員長) この件については予算特別委員会と関係ございませんので(「関係ありますよ」と呼ぶ者あり)進行いたします。

◆(真鍋委員) ただいま木下委員から質問があった件は、この予算特別委員会におきまして、その以前に会派届が議長に対してあると思いますが、その議長がどのようにお受け取りになって、どういうふうに正式に受理されたかによって、この名称が変わってくるものだと思います。よって、木下委員は、議長の方にその旨を申し入れられて、正式に認められた名称を使うということはやぶさかではないと思いますので、そのように取り計らっていただきたいと思います。(「議事進行」「むだな時間は要らないよ。運営委員会でやるんでしょう」と呼ぶ者あり)

○(五十畑委員長) なお、趣旨説明については運営委員会の方で決めさせていただきたいと思います。

◆(田沼委員) 関連で、私の方も要望させてもらいます。

 今、本委員会に付託された小田急関連の請願についてでありますけれども、予算委員会で議題とするよう運営委員会で協議してください。これは要望いたします。

○(五十畑委員長) それでは、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしました審査日程等に基づき、運営並びに審査を行っていきたいと思います。これにご異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○(五十畑委員長) ご異議なしと認め、そのように決定いたしました。

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○(五十畑委員長) 以上をもちまして本日の会議は終了いたしました。

 本日はこれにて散会いたします。

    午後二時三分散会

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●1996年3月12日 予算特別委員会 (総括説明、総括質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続きまして、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 社会民主党世田谷区議団の木下泰之でございます。無所属というふうに呼ばれましたけれども、非常に不本意であります。私は、土曜日に出された会派解消届を認めるわけにはまいりません。こういうことで、私の質問が九分いただけたわけなんですけれども、大場区長にまずお聞きいたします。

 ある夫婦がいました。それで、夫は浮気っぽい夫で、離婚届を一方的に区役所に出しちゃいました。区役所に出しちゃいまして、その後、新しい嫁さんを連れてきて再婚いたしました。区役所の所長もそこに招かれて祝辞を述べているわけです。そこに前のというか、離婚をされてしまった奥さんが来て、トントンとたたいている。そういう状況を思い浮かべていただきたいんですが、初めの夫婦で、妻の同意がなくて離婚届を出された場合に、その結婚はどういうことになりますでしょうか。

◎(大場区長) 戸籍法のことについてはよくわかりませんけれども、ただ、そういうことは普通ないんではないかというふうに思います。

◆(木下委員) 世の中には赤詐欺ということもありまして、三文判は幾らでもあるわけですから、離婚届について出すということはできます。その際、区役所は形式的にはそれを離婚とみなすでしょう。そして、それは離婚になります。しかし、実際にはその妻が、私は同意しておりませんということを申し出れば、これは無効になるんじゃないでしょうか、区長。

◎(大場区長) 戸籍法の問題でありますので、戸籍に詳しい部長がだれかいるはずです。

◆(木下委員) 時間がもったいないですから、これは常識的なことですから、要するにこれは無効になるわけですよ。

 それで、大場区長は、昔、議会事務局長でもあったわけですからお聞きしますけれども、議員平等の原則というのはどういう原則でございましょうか。

◎(大場区長) どなたの議員も同じであるということだろうと思います。

◆(木下委員) 私は、実は今寓意で申し上げましたけれども、集団結婚していた、四人で合意して会派を届けていた者が、土曜日に私に無断で解消届が出されてしまったわけです。それについて私は、そんなことはないとすぐ申し上げたんですけれども、つまり、それは無効であると申し上げたんですが、結婚式がどんどん進んじゃいまして、つまり新しい会派による事態が進行してしまいまして、それで私は無所属というふうに言われてしまったんですけれども、これは、しかし無効になるんじゃないでしょうか。(「委員会になじまないよ。委員会になじませてくれよ」「理事者が答弁することじゃないよ」と呼ぶ者あり)区長が区議会事務局長であられたということから、ちょっとご見解をお聞きしたい、そういうふうに思っているのでございます。

◎(大場区長) これは政党の中の問題ですから、政党の中でひとつお話し合いになっていただくのが一番いいのではないか、このように思います。

◆(木下委員) 先ほど寓意を申し上げましたから言いますけれども、要するに離婚の場合には、もし間違って出された場合には、これは正当でないということを申し出れば無効になるわけです。そういったことを念頭に置いて、関係された方は考えていただきたい。これは単に導入部の話でございます。

 それで、小田急の問題についてお聞きいたします。

 私は一般質問の中で、広島元議員が地元説明会を区に要請して、区の方が、新宿までの地下化についての説明会を行われた。これは連続立体の関係で、平成三年、四年、五年でやった調査について、そこで報告したのではないかと申し上げましたが、私の錯誤でございまして、これは平成三年二月二十六日に行われていたということですので、この前に、調査をする前に行われていたんですけれども、それについていかがですか。事実関係について言ってください。◎(木庭道路整備部長) 私どもの調べられる限りで調べたところでは、お話のとおりでございます。

◆(木下委員) そうしますと、平成三年に新宿までの立体化調査をやる前に、もう既に新宿までの地下化の案が出ていたということになりますけれども、何に基づいて説明されたんでしょうか。

◎(木庭道路整備部長) 平成三年の二月でございますので、かなり以前でございますので、正確なところはわかりませんが、我々が確認できるところで見ると、平成二年度にはちょうど東京都が梅ケ丘まで高架でやるというところで、下北沢については検討中という形で具体案ができなかった。これについて議会で、そのときに新宿まで複々線でいくべきであるということで、議会からのいろんなご意見がございました。そういったご意見を踏まえて、調査費を計上して平成三年度にやろうという時期でございますので、その段階である程度の想定を担当の者が行って、例えば高架になればこうなるだろう、地下になればこうなるだろうということの簡単なイメージを図にして説明したというふうに聞いております。

◆(木下委員) 余り時間がございませんので、また次に質問しますけれども、区長は小田急線の問題について高架がいいと思っていますか、地下がいいと思っていますか。

◎(大場区長) 小田急の問題については、もういろいろなご意見があって、いろいろな手続を踏んで現在に至っておりますので、私からはどっちがいいというようなお話は申し上げない方がよろしいのではないかと思います。

◆(木下委員) 区長は、平成二年の九月の定例会で、新宿までの調査について調査して、皆さんにご報告する、そう申されましたけれども、それについてはどうお考えですか。

◎(大場区長) できるだけの手続は踏んでいるつもりでおりますが。

◆(木下委員) まさに下北沢以東地下化ということが非常に情報として入ってきているわけですけれども、そちらの新宿までについてもまだ判断を区としては全然していない、要望もしていないということですか。

○(五十畑委員長) 以上をもちまして無所属の質疑は終わりました。

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●1996年3月14日 予算特別委員会 (企画総務委員会所管分に対する質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続き、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 何度も申し上げますように、私は無所属ではございません。社会民主党世田谷区議団の一員でございます。

 社会民主党世田谷区議団は、九日に高橋幹事長名で解消届を出し、その直後に、私を除く三名で……。

○(五十畑委員長) ちょっと待って……。

◆(木下委員) 再度、同じ名前で会派届をいたしました。私は解消に同意した覚えはありませんし……。

○(五十畑委員長) ちょっと待ってください。

◆(木下委員) 解消を決議する……。

○(五十畑委員長) 木下委員……。

◆(木下委員) 議員団会議も開かれておりません。そこで、私はその取り消しを議長に申し入れておりますが、聞き入れられておりません。

○(五十畑委員長) 木下委員……。

◆(木下委員) 議会運営委員会は、この問題を……。

○(五十畑委員長) ちょっと……。

◆(木下委員) 党内問題だと処理し、これらの……。

○(五十畑委員長) 木下委員、ちょっと発言停止。指名されてからじゃないとしゃべれないのよ。それはルール違反ですよ。

◆(木下委員) はい。

○(五十畑委員長) だめだよ、そんなに興奮していちゃ。何を間違っているんだい。

 木下委員。

◆(木下委員) 今のは続けてよろしいですか。初めからやるんですか。続けてよろしいですね。

 議会運営委員会は、この問題を党内問題だと処理して、私の異議の発言も途中で打ち切られてしまいました。この問題について、議会運営委員会では党内問題だというふうに言われたんですけれども、今回の問題の本質は、むしろ党内問題に対する議長側からの介入だというふうに思うわけであります。そういったことで異議を申し立てている以上、即刻解消届についてはストップして、もとに戻していただきたい。

 そのことを申し上げているんですが、今、予算委員会でこのことを取り上げるのは、実はこれは理事者側にも非常に関係があるからでございます。世田谷区議会関連例規集の中に「世田谷区議会における各会派に対する政務調査研究費の交付に関する規程」というのがございます。この七条に「議員が会派を結成したときは、その代表者は会派の名称、所属議員の氏名、および経理責任者の氏名を議長を経由して区長に届出るものとする。これらに異動があった場合もまた同様とする」となっております。

 そこで、理事者側にお聞きします。私はこういうふうに異議を申し立てているわけであります。私は議員であります。議員は平等に扱われるという大原則がございます。ですから、私が異議を申し立てているわけですから、その取り扱いについては非常に問題がある、そういうふうに思っているわけですが、理事者の方はどういうふうにお考えでございましょうか。

◎(宮崎議会事務局長) 議会内の問題というふうに考えますので、私の方からお答えをさせていただきますけれども、会派の結成であるとか変更につきましては、世田谷区議会では先例に倣って取り扱われております。その先例は、会派の結成のときには全員の方の連署で届けていただく。それから変更、会派の解消であるとか、そうした変更があるときには代表者の方の届け出がなされるということでございます。木下委員が所属されておりました、四名で参加されておりました社会民主党世田谷区議団の幹事長さんから正式な形で書類が出されておりますので、それによって正式な手続がずっと現在まで行われてきたという経緯でございますので、ご理解をいただきたいと思います。

◆(木下委員) 四名で合意して結成した院内会派でございます。これは、解消するときには、どこの団体もそうですけれども、解消、解散というのは非常に大事なことでございますから、当事者の一人が知らないという形で解消されるということはあり得ないわけであります。それがそういうふうにされたということは、それは非常に問題があると思うんですけれども、これは理事者側にお聞きします。議長経由で会派についての届けがもう出ているんですか。

◎(宮崎議会事務局長) 三月九日付で、三名の方で社会民主党世田谷区議団が結成されて、議長のもとに届いておりますので、議長を経由して、区長には提出してございます。

◆(木下委員) 団体の解散とか会派の解散について、私は四人のうちの一人であります。二五%であります。つまり、四人のうちの一人の私が、しかも議員で同等の扱いを受けなければならない者が、これは解散していない、そういうふうに申し上げているのに、これが認められない。つまり、そのときに議長は問題を会派に差し戻せばいいわけです。つまり、会派に差し戻して、前に復帰して、それで相談をしろと、そういうふうに言えばいいわけですが、もう既に出されたものを暗黙の前提としてそれを進めてしまう。そういったことは許されないことではないかと思うんですが、ご見解はいかがですか。

◎(宮崎議会事務局長) 今お話があったような形で議長が差し戻すとかということになりますと、それは会派の問題に介入するという形になろうかと思います。ですから、そうしたことは、会派の問題というのは会派の中で解決をしていただきたいということで、そのことは木下委員さんにも議長の方から直接お話をしていただいているはずだと思います。

◆(木下委員) 会派の中の論争というのは、さまざまなことがあるわけであります。それがどういう形で処理されたか。それが今回、新聞にも出ておりますが、高橋幹事長自身も認めるとおり、私に相談しなくとも三名で解消できるんだ、そういうふうにおっしゃっているわけですけれども、そういうことは私は普通あり得ないと思うんですね。そして、私は議員の当事者として解消はされていないと言ったわけですから、これについては、原状復帰の原則というのも議会の議長の大事な指揮をするに当たっての原則ですから、もとに戻して会派の中で議論すべき、それが妥当なことではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

◎(宮崎議会事務局長) 先ほども申し上げましたとおり、会派の問題は会派の中でお話をしていただかなければなりませんので、議長がそうした問題についてお話をするということは適切でないというふうに思います。

◆(木下委員) 会社でもそうですけれども、もし虚偽の形で解消届が出されたときに、それに異議を申し立てたら、それはストップするんじゃないですか、その手続は。理事者の方、お答えください。

◎(宮崎議会事務局長) 今のお話は、会派と、それからいろいろな手続が決められている会社の設立とか解散とは内容が全然違う問題だと思います。会派については、それぞれ議員さんの自由な意思によって集合体になられたり、解散をされたりする問題でございますので、全然別なものというふうにご理解をいただかなければならないというふうに思います。

◆(木下委員) 取り決めが特にない以上は、社会的な慣習に従うのが筋だと思います。私自身が認めていないわけですから、四人のうちの一人が認めていないわけですから、解消というのはなかったというふうに私は主張しているんです。ですから、それについての判断をしろと言っているのではなくて、そういう異議が出た以上、原状に復帰するように、まず会派内に戻して、そこから一から始めるというのが妥当な線で、今のような形で議長が指揮権をとっておられるということは、逆に会派への介入、職権の乱用だというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

◎(宮崎議会事務局長) 先ほど申し上げましたとおり、先例に倣って議長はこの問題についてずっと取り扱われておりますので、正しい取り扱いをずっと続けてきているというふうに思います。

◆(木下委員) 私は、こういったことが認められるということでありますと、今、会派というのは非常に複雑な形で会派ということになることがたくさんございます。一つの政党から会派ということでなくて、いろんな方々が集まって会派ということになると思います。そういったとき、一人の方を排除するためにそういう対応をとられる。そういったことはあり得ることであります。実際にこれで会派への調査費の支出の問題がもう現実に生じているわけですから、そういったことについてはきちっとしていただきたいですし、むしろこれは三権分立の立場からいっても、執行側もきちっとこの問題については考えていただきたいし、その意味で答弁を求めているんですけれども、いかがでしょうか。

 予算委員会ですので、理事者側が答えるのが筋であるということを事前にお聞きしていましたので、理事者側にお聞きしているんですが、なぜ答弁してくださらないんでしょうか。

◎(宮崎議会事務局長) 今までご説明したとおりでございますので、ご理解をいただきたいと思います。

◆(木下委員) 会派に対して、会派に対して大事な調査費を血税から出すわけですから……。

○(五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。 ここでしばらく休憩いたします。

    午後二時二十分休憩

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●1996年3月15日 予算特別委員会 (区民生活委員会所管分に対する質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続いて、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 私は、無所属ではございません。私は、社会民主党世田谷区議団の一員であります。そのことについて、九日に解散を提出されたようですが、それは認めておりません。その立場ですので、一言申し上げます。

 ぜひ申し上げておきたいことがもう一つございます。世田谷区議会の会議規則の中では、九条で「日曜日、土曜日及び休日は、休会する。」となっております。「議長が特に必要があると認めるときは、休会の日でも会議を開くことができる。」となっておりますので、開くこと自体は、それはいろいろあるでしょうけれども、百七条に「委員会は、審査または審査中の事件について、必要があると認めるときは、委員でない議員に対し、その出席を求めて説明または意見を聞くことができる。委員でない議員から発言の申し出があつたときもまた同様とする。」となっております。つまり、申し出があったときは同様とするということは、構成員の全員に会議が開かれるということが知らされていなければそもそも成り立たないはずであります。そういったことで、日曜日に開かれた議会運営委員会の理事会は無効であるというふうに考えております。一言そのことを申し上げておきます。

 さて、大事な時間でございますので、質問に移らさせていただきます。

 現在、世田谷区の緑被率はどのくらいになっているかについてお尋ねいたします。

◎(五十嵐みずとみどりの課長) 現在、世田谷区の緑被率についてのお問い合わせですけれども、緑被率につきましては直近で平成五年にみどりの現況調査を行っております。平成五年の調査段階で二一・八%でございます。

◆(木下委員) 世田谷の道路率は今どのくらいになっていましょうか。わかりますか。

◎(五十嵐みずとみどりの課長) 現在の区の道路率は一二・八%でございます。

◆(木下委員) 現在計画となっている道路を全部つくると何%になるか、ご存じでしょうか。

◎(五十嵐みずとみどりの課長) 申しわけありませんけれども、了知しておりません。

◆(木下委員) 道路関係の方に聞いたら、全部やると二

〇%になるというふうに言われているわけです。実は、これをお聞きしたのは、やはりみずとみどりの課の方々が、これはほかの部署であるといっても、都市計画関係の部署であるといっても、そのことについてまず熟知しておられないと、緑の問題というのはできないと思うんですね。

 例えば二〇%道路がつくられることが予定されている。そして三〇%緑被率が予定されている。単純に計算して五〇%でございます。あとの残りの五〇%が緑と道路以外のところということになるわけであります。

 緑被率三〇%についてはどういう経緯で目標となったのか、教えてください。

◎(五十嵐みずとみどりの課長) 緑被率三〇%につきましては、昭和五十九年に区の自然環境保護計画を策定いたしまして、その計画の中で、快適な生活環境を確保していく上で二十一世紀の可能な限り早い時期に望ましい緑量の目標値として設けられたものでございます。

◆(木下委員) そのことと道路率が二〇%になっているということとの整合性はどのようにお考えになっておられるでしょうか。

◎(五十嵐みずとみどりの課長) 道路率の二〇%と緑被率三〇%の関係ということでございますけれども、これは先ほど申しました保護計画の中での目標値でございまして、可能な限りの緑化の手法をとって三〇%に達するということでございますので、その中で道路については二〇%ということでございます。

◆(木下委員) これは実現不可能だと思うんですね。都市計画なり緑の計画を立てるときは、世田谷の将来像をきちっと見据えた上でどういうふうに誘導していくか、そのことをはっきりさせていかないとできない。私は、やっぱり三〇%ぐらいはぜひ必要である、そういうふうに思いますが、もう既に二一%近くに平成五年の調査でなっているわけですね。今やもう二〇%を切っているかもしれない。そういった状況なわけであります。

 私が危惧するのは、道路二〇%、現在まだ一三%ですが、七%ふやすための予算等がどんどんついてきている。そして、これを全部完成してしまったときに、とてもとても緑被率三〇%どころか、二〇%どころか、十数%にまで下がってしまうのではないか。そういう危惧を覚えるのですが、これをどういうふうに調整し、そして守っていくのか。その方法についてお聞かせください。

◎(樫根環境部長) ただいまお話しございましたが、道路につきましても、これからの道路自体はやはり緑豊かな道路というようなこともあるかと思います。そういう面から配慮しながら、いい環境をつくるように努めてまいりたいというふうに思っております。

◆(木下委員) 緑のことを考えるときに、道路とはやっぱり背反するんですね。道路をつくって、もし三〇%近くの緑を確保しようとすれば、これは高層化して空き地をどんどんつくって、そこを公園にしていく。そういう都市計画しかあり得ないわけであります。しかし、そういう都市計画を考えているわけでもない、そういうふうに私は思います。

 とすれば、やはり道路の方をもう少しセーブして、そして世田谷は農道が多くて困るというふうに言われておりますが、そのメリットも生かしながら、高層のまちづくりではなくて、民有地の緑をいかに守っていくか、そういったことを中心に緑の政策を進めていってほしいと思うんですが、ご見解はいかがでございましょうか。

◎(大塚助役) 環境審議会の中では、緑被率のパーセントの指標だけ議論しても意味がない、何のために緑を考えるのかが大切だ、それは緑に込められた環境を維持すること、しかもそれが多様性、多層性が必要だというような議論もされております。現在、環境審議会の中でそういったような緑を確保する手段について議論されますので、その中でいろいろご議論をいただきながら環境計画をまとめ、その計画に基づいて私どもは施策を展開してまいりたいというふうに考えております。

◆(木下委員) 私も環境審議会委員の一人でありますが、それと離れて、きょうは議員の立場から質問をしているわけですけれども、私は、大場区長がこの前の本会議で、三〇%を努力目標として、そういう意気込みでやりたいというふうに言った言葉を尊重し、三〇%の指標、目標は取り下げるべきではない、そのように考えております。

 次の質問に移ります。私は、道路が狭いこの世田谷で防災計画等をうまくやっていく。つまり、防災に対しても強いまちづくりをしていくためには、今大きな消防車で消火活動等をやられておりますが、ぜひ小型の消防車等の必要があるというふうに思いますけれども、防災関係を担当されている方はどのようにお考えでしょうか。

◎(渡邉防災課長) 確かに委員おっしゃるように、世田谷の中には旧農道がそのまま道路になってしまった、狭いところが多いです。そのために、各消防署では、それなりに今小型の消防自動車を配備いたしまして、狭い道路でも入れるように、また、防火水槽等まで近づけないときにはそれをどういうふうに対応するのか、それぞれの消防署で検討をなされておりますし、その辺のところに私たちは期待しています。

◆(木下委員) 私は、やはり新しい形の小型の消防自動車をぜひ開発するように世田谷区等はプロジェクトをつくるべきである。しかも連結系にすれば、水の容量が足りないとか、そういうことも解決できると思います。そういうような知恵を出し合ってやっていくことこそ防災にも役立つのだと思いますので、よろしくお願いします。

○(五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。

 ここでしばらく休憩いたします。

    午後一時四十九分休憩

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●1996年3月19日 予算特別委員会 (福祉保健委員会所管分に対する質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続きまして、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 何度も申し上げておりますが、私は社会民主党世田谷区議団の一員であります。会派解消については認めるわけにはいきません。そのことについて調べようと思いまして、議運の理事会の議事録を事務局にくださいと言ったんですが、議事録がないそうなんですね。こんなことがあっていいのかどうかという

ことを非常に疑問に思います。そういったことで、いずれまたこのことについてはしかるべきところで問題にしていきたいというふうに思います。

 時間がありませんので、福祉関係の質問に移らせていただきます。

 桜丘小学校で初めて複合施設をつくるということになってきております。デイケアセンターとあわせて小学校の改築がされるということなんですけれども、この桜丘小学校の場合には父母の理解もあって、そういう老人施設をつくることについて反対そのものはございません。しかし、複合施設をつくるのであれば、その目的がはっきりしていなければいけないと思いますので、今度の複合についてはどういう目標設定をしてやっているのか、教えていただきたいと思います。

◎(太田高齢対策部長) 学校の複合化につきましては、学校の施設整備基本計画というのがありますけれども、その中で考え方を述べております。複合化に当たっては、その複合化されるおのおのの施設が、その設置目的を十分達成できる、また複合化によってそれぞれの施設が阻害されない、いわゆるそれによって機能が低下しないということを基本に建設しております。

◆(木下委員) 桜丘小学校の場合、複合施設を建てるためだと思うんですけれども、いわゆる三角広場というところが、校舎の拡張という意味もあってか、新たに買われておりますけれども、そこに複合施設を建てることはできないんでしょうか。そのことについてちょっと教えてください。

◎(広瀬高齢者施設課長) 学校の土地の形状の中でどこに建てるかと申しますのは、むしろ学校の本体がどこに建設されるのかということで、私どもの施設の場所が決まってくるかなというふうに理解しております。

◆(木下委員) こういう話を聞くんですね。三角広場というところは、教育施設を建てるために起債をして買ったものだから、教育関係の施設しか建てられない。そういうふうに聞いたんですけれども、そういう事実はありませんか。

◎(広瀬高齢者施設課長) そういうことがあるかないかは、大変申しわけございませんが、私どもは承知してございませんが、先ほど申し上げましたように、学校の位置が決まったところで私どもの施設の位置が決まってくるのではないかなというふうに理解しております。

◆(木下委員) 時間がありませんので、ここでこれ以上聞きませんけれども、しかし、これは実際教育施設しか建てられないということで、そこに老人福祉施設をつくることができないということで、設計上無理があるというふうに言われております。この問題につきましては、教育分野のところで改めて聞くことにいたしますけれども、複合する以上は、やはりそこに通う小学生の児童にとっても非常にいいものでなければいけないと思うんです。例えば今度の複合で建てる施設について、特に特徴づけたというようなことはございますでしょうか。

◎(広瀬高齢者施設課長) 特にそこで建設することによって意義づけたといいますか、在宅サービスセンターが例えば学校でできたとした場合に、子供さんとの交流が図れるのかな。そのことによって、お年寄りの一つの生きがいと申しましょうか、ともに生きるということでの張りが出てくるとか、そういう効果は期待できるのではないかと思っております。

◆(木下委員) 私は極めてこれは不本意なやり方だと思います。といいますのは、せっかく初めて複合化施設をつくるわけですから、それに対しての一つの目的、それから教育的な価値、あるいは福祉にとっての価値、そういったものを整理した上でプランを立てませんと、結局は小学校に土地があいているから、そこに建てる、そういうことにしかなりかねないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎(太田高齢対策部長) 委員ご存じのとおり、二十三区内は土地が非常に高うございます。また、高齢化が進むに当たって、高齢者の通所施設等の整備が急がれているということと、それから桜丘近辺につきましては在宅サービスセンターがなかったということで、教育委員会と相談した結果、候補地として挙げたところです。

◆(木下委員) 学校の建てかえの検討委員会の中に確かに高齢対策部長と児童福祉の関係の部長が入っておられるんですけれども、臨時委員になっているんですね。こういった問題はもっときちっとこの問題を位置づけて、初めから複合施設をつくるに当たってはどうすべきかという議論をすべきだったというふうに思うんです。

 それで、時間もありませんので、私の意見を申し上げますけれども、今、小学校の改築問題で振り出しに戻ってやってほしいという意見もございます。また、凍結というようなことを言われた理事者もおります。いずれにせよ見直しという議論になっておりますので、こういった複合施設のあり方も含めて、地域の皆さん、そしてまた老人施設に通うご老人の方、そして小学校の児童の方、そういったすべての関係者に非常にいいような道を探る、そういった作業をぜひやっていただきたいと思いますけれども、ご感想はいかがでしょうか。

◎(太田高齢対策部長) 私どもの在宅サービスセンターの計画は、三十カ所計画がございます。これは現在、利用をお待ちになっている人が五百人いるという状況

から、私どもはこの計画をできる限り早く実施したいというふうに考えておりますので、桜丘小学校と併設予定しておりますサービスセンターにつきましても一刻も早く建てたいという気持ちでおりますので、本体の方の問題を早く解決してもらいたいというふうに思っています。

◆(木下委員) もともとこれは学校の改築が終わってからやるという予定だったんじゃないですか。その辺はどうですか。

◎(太田高齢対策部長) 学校の建設が終わってからの計画でございますので、その建設を早くやっていただきたいということでございます。

◆(木下委員) 同時に始めるという予定でやれば、改築の実際のプランが多少おくれても、それは早くできるんじゃないですか。いかがですか。

◎(広瀬高齢者施設課長) いずれにいたしましても、学校全体の場所も含めたスケジュールといいましょうか、そういったものが確定になりませんと、同時にそれが可能かどうかというのは、今の段階でははっきり申し上げられないと思います。

◆(木下委員) 一つお聞きしておきますけれども、今度複合施設を建てますけれども、老人施設が立った部分について、これは学校の敷地内ということをあくまでもずっと続けていくのかどうか、そのことについてお尋ねしておきます。

◎(太田高齢対策部長) 学校の敷地内に継続して建っているというふうに思っています。

◆(木下委員) 初め、合築という考え方もあったんですけれども、これが変わった経緯を簡単に教えていただきたいんですが。

○(五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。

●1996年3月21日 予算特別委員会 (都市整備委員会所管分に対する質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続きまして、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 何度も申し上げていますけれども、私は無所属ではございません。社会民主党世田谷区議団の一員でございます。解散は認められません。そのことを冒頭申し上げておきます。

 時間が短いですから質問に入りますけれども、まず、この前、やはり予算のほかの分野のところでお聞きしたのですけれども、広島議員が平成三年の二月二十六日に東北沢で、東北沢の睦会、東北沢自治会、それから東北沢商和会、商店街ですね、それから常盤会の方々を集めて、そこに区の職員が来て、説明会を開いている。それは、新宿までの地下化をにらんだ図面まで出してやっていた。そのことについて、なぜそういう説明会が行われたのか、教えてください。

◎(志村交通企画課長) 今のご質問は、東北沢地区で小田急線についての説明を地元にしたのかというご質問だと思いますが、小田急線につきましては、平成二年四月に梅ケ丘から成城学園前間につきまして、東京都の事業化方針が世田谷区に示されております。五月には交通対策特別委員会にも説明されております。そのとき、世田谷代田から東北沢までは検討中区間として立体化の構造形式は示されておりません。この検討中区間について、平成二年六月議会及び九月の議会においてさまざまな議論がなされております。議会においては、都庁の新宿移転後の新宿副都心の発展の動向を踏まえ、新宿方向の輸送力増強を念頭に置いた具体的な調査を行うべきであるなどの意見がございました。区といたしましても、社会情勢の変化を把握しながら新宿への輸送力増強を視野に入れた新しい視点での検討が必要である旨を表明しております。

 ご質問でございますが、当時の担当に確認しましたところでは、今申し上げたような状況のもとで、東北沢地区の自治会、商店街などの方々に対し、東京都としては下北沢駅付近を検討中区間としていることや、新宿までの立体化についての区議会でのさまざまな議論を、担当なりにイメージしたものを、高架と地下の考えられる案について、概略の一本の線を図に表示しまして、立体化推進調査を実施する前の平成三年二月に説明したとのことでございます。区としては、地域が将来どのようになるかなどの不安に対しまして、その時点でご説明できる限りのことをお話ししたものとのことでございます。

◆(木下委員) 日ごろ誤解を与えないようにと言って、議会にも説明しないというふうに言っているのに、調査もしない段階から地下化についての図をかいて、特に東北沢の方々はそれに対して非常に利害もかかわることですので、もうそのころから地下化というのは方針として決まっていたのじゃないですか。

◎(木庭道路整備部長) 経緯については先ほど課長がお答えしたとおりでございます。特に、下北沢地域等につきましては、東京都が事業化方針をお示ししたときに、検討中区間という形で、どういうふうになるかわからないということで地元のいろんなご心配があった。そういうことを踏まえて、その段階でできる限り

のことを当時の担当がご説明した、こういう経緯でございます。

◆(木下委員) どうも不可解な話なんですけれども、本予算委員会に、小田急線の問題では予算の減額修正を出してほしいという請願も出ております。六百六十一億円安くできるということについては、一般質問でも二度にわたって私は質問しているのですけれども、それについて何らお答えになっていない。その六百六十一億円安くできるということについての評価はいかがでしょうか。

◎(志村交通企画課長) 小田急線の構造形式の違いによる費用の比較でございますが、平成四年一月の東京都の都市計画案の説明会の資料によりますと、東京都は……。

◆(木下委員) その話は聞きました。的確に答えてください。

◎(志村交通企画課長) 東京都は、小田急線の梅ケ丘から成城学園前駅間の都市計画案を策定するに当たりまして、地形的条件、交差する道路との交差などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断した結果、成城学園前駅付近は掘り割り式に変更し、そのほかの区間は高架式という都市計画案としております。この説明会の資料では、高架式の都市計画案が約千九百億円、地下式については約三千億円から三千六百億円が計画段階におけるおおむねの試算額となっております。

 その後、都市計画案について、都市計画法及び東京都環境影響評価条例に基づく手続に従って、平成五年二月に都市計画が変更されております。平成六年六月には東京都が都市計画事業認可を取得し、同年十二月に工事に着手し、現在工事が進んでいるところでございます。

 世田谷区といたしましては、小田急線の立体化は沿線のまちづくりや都市基盤の整備に資するものであり、事業が予定どおり進捗することを望んでおります。

◆(木下委員) 今の答弁は非常に不当であります。いたずらに時間を長引かせるために同じ答弁を繰り返す、そういったことは絶対あってはならない、そのように思います。

 そして、六百六十一億円については、これは、上の利用を考えたらそうなるではないか、そういうちゃんとした指摘を、東京都の数字を使ってやっているわけですから、これについて否定されるのか、それともどうなのか、そのことについて端的に答えてください。

◎(木庭道路整備部長) 高架と地下の事業費の比較については、東京都と地下化を実現する会の方がお話し合いになったというふうに聞いておりますが、我々としては、先ほどお答えいたしましたとおり、東京都の資料での判断資料を持っております。

 お話の件につきましては、係争中の裁判の中での、いわゆる意見書あるいは資料という形で出されたという内容もございますので、ここでのお答えは控えさせていただきます。

◆(木下委員) 本予算委員会に請願がかけられました。そして、この審議の中で十分それを踏まえて審議してほしい、そういう委員長からの注意もございました。そういうことからすると、市民が、六百六十一億円安くできる、今の工事を中止してもまだ余りがある、そういうふうに言っているわけですから、それについて区としても一つのご見解を示すのは当然じゃないでしょうか。

◎(木庭道路整備部長) 繰り返したお話になりますけれども、区としてはお話について申し上げる立場ではございません。

◆(木下委員) 極めて不当であります。この予算の中に小田急線の高架事業が含まれている。これは区が、つまり高架と地下の比較をきちっとしないで、その結論も出さず、また東京都から資料も十分にもらっていないうちに決めてしまった。これは不当でありますので、これは撤回すべきだというふうに思います。

 時間がありませんので、私の質問はこれで終わります。

○(五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。

 ここでしばらく休憩いたします。

    午前十一時三十八分休憩

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●1996年3月12日 予算特別委員会 (文教委員会所管分に対する質疑)

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○(五十畑委員長) 引き続きまして、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 私は無所属ではございません。社会民主党世田谷区議団の一員です。九日付の会派解消届については、これは認めるわけにはまいりません。

 昨日、四人の方が意見といいますか、思想、信条の立場を超えて、やはりこういったことはおかしい、そういったふうに表明してくださいました。非常にありがたいことだと思っております。この場をかりて申し上げておきます。

 それでは、質問させていただきます。

 桜丘小学校の問題についてお聞きいたしますが、三角広場というのがございますね。これは義務教育施設整備のために起債をされているということですけれども、そこの土地を使うに当たっては、どういう建物を建てるかということについて何か制約がありますでしょうか。

◎(根岸建設担当課長) いわゆる三角地という場所がございますが、この土地は昭和六十三年、それから平成元年の二カ年にわたって買収したわけです。合計面積が千八百五十八平米ございます。買収をした際、起債として大蔵大臣に資金運用部普通地方長期資金等借用証書という形の借用証書を提出しております。借金したのは約二十五億でございますが、償還期限は、償還条件として三年据え置きで、二十年償還という形になっております。それで、借入条件の用途の項目につきましては、義務教育施設整備事業となっておりまして、特約条項で、他に流用しないものと明記されているわけです。

 以上のことから、この土地につきましては、義務教育施設としての用地規制がかかっているところでございます。

◆(木下委員) 先日、福祉領域のところで質問したんですけれども、福祉施設として、例えばデイケアセンターを建てる土地は、将来にわたってもこれは学校施設用地だというふうに思っているとおっしゃっておりました。そういった意味から言うと、これは学校施設の一部としてそういった福祉施設も併設されている、そういうふうに考えてよろしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。

◎(根岸建設担当課長) 福祉施設の複合化の考え方ということですけれども、桜丘小学校につきましては、高齢者……。

◎(浜田教育総務部長) 文部省の考え方からいきますと、福祉施設は教育施設ではないという考え方ですから、学校の中にそれをつくった場合は、これは学校ではないというふうに言われますので、要するに学校用地と考えるわけにはいかない、こういうふうに思います。

◆(木下委員) 例えば学校が持っている用地の使い勝手として、そこに福祉施設を配置しちゃった方がいいということであれば、それは、そういうバーターとして使ったということで認められるんじゃないんでしょうか、いかがですか。

◎(浜田教育総務部長) ですから、要するに学校内にあれば、やはり学校の用地の中にあるということで、そのバーターという考え方は、文部省の考え方では出てこないと思います。

◆(木下委員) どういう用地ならいいわけですか。

◎(津吹教育長) そういう起債とか財源の関係では、ちょっと私も詳しいことはわかりませんけれども、例えば、全額もう購入済み、要するに起債も何もなくて全部区のものになっているというような場合には、お話しのようなことは十分可能だというふうに思います。ただ、こういうふうな制限がある場合には、やっぱり財源の起債の返還とかそういう手続がありますので、少し考えなきゃいけないんじゃないか、このように思います。

◆(木下委員) 今申し上げた問題は、お聞きになっている皆さん、ちょっとわからないかもしれませんけれども、実は、この三角広場のところは、実際に今の計画案では道路用地として適用する部分もあるわけですね。道路用地に提供できて福祉施設をつくってはいけないということはないと思います。

 そういった意味ではいろんな考え方ができるわけで、問題は、今言った三角広場に福祉施設を配置して西案をつくるという案を提示したときに、これはとれないということでその案が避けられた。そういう事実がございます。必ずしも、そういった案が一番最良かどうかということは、詳しく検討していかなければいけないわけですけれども、少なくとも西案、東案を検討する際に、最良案を双方示して、きちっと突き合わせていかなければならない。そういったことをすることを、やっぱり父母の皆さんは望んでいるんだと思います。ある制約をつけて、東案が有利である、東案し

かない、そういった結論を導き出すのではなくて、あらゆる場合を想定して、最良案をそれぞれ示して話し合いに臨んでもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◎(浜田教育総務部長) ただ、私ども、行政をやっている立場からいきますと、今のこの起債の問題をクリアしないで、やっちゃっていいんだといってやった場合に、後からえらいことになりますので、どうしても現実にできる案しか選べないと思います。そういうことで企画していますので、全部条件を無視しちゃって理想案というのはなかなかいかない、そういうふうに判断しています。

◆(木下委員) ですから、道路案はどうなんですかと聞いたんです。道路だって、立派な一つの流用じゃないですか。

◎(浜田教育総務部長) 道路については、例えば歩道の部分は、学校敷地内歩道というようなことでクリアしている面もありますし、一部割愛している面もありますけれども、道路の場合には、それはクリアできるという判断ですが、福祉施設の場合はなかなかそうはいかないということです。

◆(木下委員) 余りそういう断定をつけずに、可能であるかどうかについては、やはりいろんなところとかけ合いながらやっていくべきだと思います。複合化に当たっては、初めは文部省は非常にかたい姿勢を示していたわけですけれども、それについても変更してきているわけですから、その辺は交渉の余地ありというふうに思いますので、ぜひその辺も含めて考えていただきたいというふうに思います。

 私は、この種の公共事業の問題で、やっぱり比較案を検討していくという場合に、小田急線の高架問題でもあったんですけれども、高架、地下で、初めから高架案を引き出すためにハンディをつけて計画案を出している。そういったことがありますので、どういう専門家がどういう案を示してくるか。そういったことは非常に大事なことなのであります。

 基本構想案に、息子さんが一つのE案という形で示しておいて、それでおやじさんが、そこの検討委員会の委員長に後でなって、奥さんがジェフルという会社の社長である。そういったことがやはりいろんな疑惑を生み、父母からの信頼も失っている、そういったことだと思います。

 先ほど教育長は、白紙に戻した形で、白紙ではないかもしれないけれども、とにかく西、東についてもう一度話し合っていただける、そういうお約束をされたと思いますので、ぜひとも最良案を突き合わせる、そういった姿勢で臨んでいただきたい。そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○ (五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。

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●1996年3月26日 予算特別委員会 (補充質疑、採決)

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○(五十畑委員長) 引き続きまして、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 私は、社会民主党世田谷区議団の木下であります。三月九日の会派解消届は無効であります。私は認めておりません。解消については、議員団会議でも決議されておりません。この問題は決して会派内の問題ではなくて、常識的に言って、これは解消でないと当事者が言っているんだから、差し戻すべきはずの問題であるというふうに考えております。

 さて、世田谷区議会における各会派に対する政務調査研究費の交付に関する規程第七条に基づき、世田谷区議会議長を介して区長に、この私に関係している社会民主党世田谷区議団の解消については解消届が届けられたというふうに聞いておりますが、これは事実かどうか、イエス、ノーで答えてください。

◎(山中総務部長) 解消届については、区長としては受け取っておりません。

◆(木下委員) 会派の調査費につきましては、世田谷区補助金交付規則によって律せられるというふうに聞いておりますが、それは間違いありませんね。イエス、ノーで答えてください。

◎(山中総務部長) 補助金交付規則によって律せられております。

◆(木下委員) この九条には、補助事業者等が次の各号の一に該当する場合は、あらかじめ承認を受けさせるものとして、三号で補助事業等を中止し、又は廃止しようとするときと定められております。事前の承認がなかったんですけれども、これでいいんでしょうか。

◎(山中総務部長) 補助金交付規則の第九条についてのご質問でございますが、会派の結成、解消については議員活動の一環で、交付するという関係にあります。つまり補助金は、結成されたその会派に対して交付するという関係にあります。したがいまして、会派の結成、解消は、その性格上、先ほど申し上げましたように議長に届けられるものであって、補助金の交付については、その後、区長に届けられるものでございます。それに従いまして補助金を交付するという形になります。

◆(木下委員) 三月九日に解消届が出されたわけですから、そこで切断されるわけですね。そうしますと、例えば三月一日に認定を受けて、それが十日付で出るわけです。しかし、土、日を挟んでおりましたので、八日の日に交付されて、九日の日に会派は解消されたわけですから、ある種の事故というふうにも取れるわけですけれども、同規則の第十条は、補助事業等が予定の期間内に完了しない場合又は補助事業等の遂行が困難となった場合は、速やかに補助事業者等をしてその他必要な事項を書面により報告させなければならないとされています。

 第二項は、前項の報告を受けたときは、速やかにその状況を調査し、適切な指示をしなければならないとされていますけれども、これもやっていないんですね。

◎(山中総務部長) 事故報告に関連してでございますが、三月九日付で社会民主党世田谷区議団の代表者である高橋忍氏から、区議会議長を経由して、会派の解消に伴います補助事業の廃止申請が提出されました。八年の三月十一日付で収受しております。これをもって、廃止についての承認を決定して通知するとともに、実績報告の提出を求めております。

 事故報告の件でございますが、補助事業が予定期間内に完了しない、あるいは実施が困難な場合、そういうものを想定して事故報告とされております。したがいまして、事業主体が解消、つまり、なくなることを想定しての事故報告ということではございませんので、別次元の問題と考えます。

 ただし、団体はなくなりまして、事業を行うものがなくなったわけですから、今までの実績報告を出してもらい、区として判断していきたい、そういうことでございます。

◆(木下委員) 届け出等については、それなりのお役所の取り扱い方があると思います。この予算委員会が始まる冒頭、区長に離婚届の話について聞きましたけれども、お答えはありませんでした。少なくとも私は当事者であって、解散を認めていないと言っているのですから、これについては極めて異常な事態であります。調査をされることをさらに申し入れたいと思います。

 それでは、次の問題に移ります。

 小田急問題でございますが、小田急線が地下の方が安上がりだとしたら、どちらを選択いたしますか。区長、お答えください。

◎(大場区長) 地下の方が安上がりとか、あるいは高架の方が高いというようなお話、これは具体的に調査というのか、意見を聞いてみないとよくわかりませんので、その点では、地下の場合がいいとかというようなお答えは私からは申し上げられない、こういうふうに思っております。

◆(木下委員) 下北沢地域の問題もございます。また、京王線の問題もございます。いずれにせよ高架か地下かについては世田谷区が方針を出さなければいけない話であります。事業費によって、地下の方が高いから、安い高架を選んだということがあると思います。そういう答弁をしております。そういった意味では、安いとしたならば、下北沢地域も、また京王線も地下という選択があるのではないでしょうか。区長はどうお考

えになりますか。

◎(大場区長) 事業主体が東京都といわゆる小田急の会社の関係でありまして、どっちが安いかという判断は、恐らく事業主体の方でいろいろやっていると思いますので、それを聞いてからでないと、ちょっとお答えはできないと思っております。

◆(木下委員) 非常に無責任だと思います。今、財政困難の折であります。そういったときに、結局、東京都の事業費に対して、ある一定の割合で世田谷区は拠出するわけですから、できるだけ安い方を選ぶ、そのことが正しいのではないでしょうか。

◎(木庭道路整備部長) 事業費が高いか安いかのご議論については、実は本会議のときからお話がございました。本会議でお答えしておりますが、基本的に事業費が安いではないかというお話については、現在行われております裁判の中で意見として出ているお話でございます。東京都は計画を決定する段階で、高架、地下の事業費の比較の資料をお出ししております。それ以上に現在のお話については、裁判所に出されているというお話でございますので、区としてこれ以上のご意見を申し上げる立場ではございません。

◆(木下委員) 世田谷区は一つの判断をしなければならない立場にあります。実際にきょうは予算委員会でございますから、意見書が裁判所に出ていようと、どこに出ていようと、そういった事実が指摘され、しかも裁判所に出したということで公式な文書であります。そういったことについて否定もしないということでは、それで行政がやっていけるんでしょうか。そういうふうに私は思います。

 区長は、下北沢については高架がいいのか、地下がいいのか、東京都に対して何らかの働きかけを行っていますか、いませんか。

◎(大場区長) まだ何も行っておりません。

◆(木下委員) それでは、世田谷区としては、小田急線の問題については調査を今までやってきたといいますけれども、何のためにやってきた調査でしょうか。

◎(大塚助役) 立体化について要望しておりますが、これに伴って、地元住民の皆さんの生活再建が成り立つような立場からまちづくりを推進していく計画案については、区が立案する義務があるわけでございまして、そうした視点から調査を行っているものでございます。

◆(木下委員) 平成三年と平成四年には構造形式についてきちっと調査したんじゃありませんか。

◎(大塚助役) これはあくまでも、どちらの案が事業主体である……。

○ (五十畑委員長) 以上で無所属の質疑は終わりました。

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1996年3月26日 予算特別委員会 (補充質疑、採決) 修正案の審議

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○(五十畑委員長) ここで、鈴木委員及び木下委員より、それぞれ一般会計予算案に対する修正案が提出されていますので、まず、鈴木委員より提出された修正案を議題とします。

 提出者の説明を求めます。提案説明は、前の質問者席でお願いします。議事の都合により、説明は十分以内とさせていただきます。

 それでは、鈴木委員、どうぞ。

     < 略 >

○(五十畑委員長) 次に、木下委員より提出された修正案を議題といたします。

 提出者の説明を求めます。提案説明は、前の質問者席でお願いします。議事の都合により、説明は十分以内とさせていただきます。

 それでは、木下委員、どうぞ。

◆(木下委員) 議案第一号「平成八年度世田谷区一般会計予算」に対する修正案をご提案申し上げます。

 本修正案は、現在、成城学園前駅付近を除いて高架計画で工事が進められている小田急線連続立体事業とその関連事業について、世田谷区内全線地下化計画への見直しを図るため、工事及び関連事業を一時的に凍結するものであります。第一条中「二千二百四十七億二千万円」を「二千二百四十四億五千二百三十二万五千円」に改め、二億六千七百六十七万五千円の減額修正を行うものであります。

 連続立体化事業費は、予算原案では都市計画総務費の中に六億六千三百八十六万一千円計上してありますが、これは東京都事業への分担金でありますので、これを取りやめますと、特定都補助金九千八百五万円が来なくなり、また、特別区債一億五千八百万円を起債する必要がなくなります。連続立体事業は、道路新設改良事業でもありますので、関連する道路新設拡幅を取りやめますと、受託事業収入六百万円が減ります。また、関連事業も凍結しますので、街なみ環境の整備に対する特定国庫補助金と都補助金合わせて五百六十二万五千円が来なくなります。したがって、合わせて二億六千七百六十七万五千円の歳入減となります。

 原案の連続立体事業費及び関連事業費への費用から歳入減額分を取り除いた分、四億八千七百九十万円につきましては、原案で都市整備基金積立金五千百六十七万六千円となっているところに組み入れ、修正案では都市整備基金積立金を五億三千九百五十七万六千円といたしました。すなわち、小田急線の地下化見直しが実現しましたら、工事再開に対応できるよう配慮を払った修正案とさせていただきました。

 ご承知のように、本世田谷区議会では昭和四十五年と四十八年に、世田谷区内を通る高速鉄道は地下化することを要望し、小田急線の地下化を具体的に要望する決議を全会派一致で上げております。しかるに、事業の実施主体である東京都は、昭和六十二年度、六十三年度に建設省の調査要綱に従って、東京都みずからが行うべき連続立体事業調査を小田急に丸投げ委託し、同調査報告書に基づいて成城学園前駅付近を除き、喜多見から梅ケ丘までを高架とする都市計画を決定し、高架工事に着手しております。この調査は本来、建設省調査要綱で道路などの都市計画のあり方や周辺のまちづくりも含め、当該自治体や住民の声を反映させることを義務づけてあるにもかかわらず、これを履行せず、高架優位の結論を恣意的かつ強引に導き出したものにほかなりません。

 公式見解では、いまだに世田谷区にさえもこの調査報告書の全文は渡されていないことになっております。もちろん、本世田谷区議会にも全文は渡されておりません。幸いなことに、住民による情報公開訴訟で、平成六年三月に喜多見から梅ケ丘までの構造形式選択にかかわる主要情報が開示され、ようやく公の議論に付されるきっかけができました。当時、五十嵐広三建設大臣のあっせんのもと、住民側専門家と東京都との高架、地下の構造形式をめぐる検証作業が始まっていましたが、裁判で情報が開示されるや、東京都は約束をほごにし、検証作業を一方的に中断。細川政権崩壊後のどさくさに紛れて、同年六月に建設省認可を受けてしまったのです。その後、十二月に工事は開始され、現在に至っておりますが、工事の進捗状況は喜多見−梅ケ丘間の経堂工区に関してはまだ一割にも足りません。

 さて、高架か地下かの論争は、世田谷区のような住宅都市では、騒音・日照被害などの環境問題や耐震性に対し、高架よりも地下シールドの方が優位であることは多くの市民がそう考え、また専門家も認めるところですが、高架を導いた論理は、高架の方が地下よりも安いというものです。本当は地下の方がよいが、高いから仕方がないというのが高架推進の唯一の論理であります。つい最近発売された「週刊エコノミスト」で、小田急が他の鉄道会社と共同で広告を出しておりますが、やはり一貫してその論理に貫かれているというか、その論理しかないと言えます。

 ところで、本当に高架の方が地下よりも安上がりなのでしょうか。各会派に配付いたしました資料は、つい最近、東京地方裁判所に住民側の専門家が提出したものですが、これによりますと、喜多見−梅ケ丘間で二線二層シールド地下化の方が、四線並列高架よりも三分の一強の事業費で実現できることとなっております。この意見書は、地下化を求める住民に都合よく書かれたというたぐいのものではございません。基礎数字は東京都の連続立体事業調査報告書や、東京都が住民との折衝で明らかにした数字を使っております。その上で、高架にした際の高架下に生まれる資産価値と、地下化した際に生まれる在来線跡地の資産価値を評価し、事業費から相殺して得られた数字であります。立体交換は、都市計画事業などでも移転補償費の算定などに積極的に使われていますので、何も奇異な考え方ではありません。ごく一般的なものであります。三分の一強の事業費で地下化が実現できるとしたら、今の工事でできた構築物を取り壊して初めからやり直しても、なお採算がとれることは言うまでもありません。

 高架事業には、側道用地取得問題を含めて住民の根強い抵抗が予想されますので、地下化に今からでも転換した方が、早期に事業が進捗することは間違いございません。ちょうど下北沢地域の都市計画変更がこれからということですので、下北沢地区の地下化とあわせて手続を進めれば、何ら不都合はありません。本来、喜多見−東北沢間は一体的に調査が進められていたわけですから、本来の形に戻るだけのことであります。

 私は昨年議員に当選してから、小田急問題に関する議事録を丁寧に読んでみました。残念ながら、高架、地下の事業費比較についてはまともに検討されたことはありません。行政の示す数字がうのみにされていて、せっかくの全会派一致の地下化決議が有名無実化されています。世田谷区にさえ調査報告書が渡されていないと公式的には言っているわけですから、理事者が持っていないと言っているのだから、議会は検討のしようがない。それはそうなわけであります。しかしながら、平成六年に構造形式をめぐる基本情報が公開されたのだから、その後は検討は幾らでもできたはずであります。ところが、情報開示後も、本議会では精査検討した形跡もないのであります。こんなことで、本議会は住民の信託を受けて行政をチェックする役割を果たせるでしょうか。極めて疑問に思うところであります。

 地下化の方が安上がりであるという不動産鑑定士による最初の意見書は、既に昨年十月に第三セクターをめぐる住民訴訟で裁判所に提出されており、また、同時期にこの不動産鑑定士の証人尋問も裁判所で行われました。世田谷区は東京都と並んでこの裁判の被告でありますが、被告代理人は証人尋問の反対尋問で何ら反論をしないばかりか、いまだに何らの見解も示していないのであります。決算議会でも、本予算議会でも、私は何度も理事者に、この地下の方が六百六十一億円安くできるとの意見書──この意見書では、高架二千三十八億円に対し、地下一千三百七十七億円であります。あるいは最近裁判所に提出された、下北沢地区が地下であれば、喜多見−梅ケ丘間の地下化が高架による事業に比して三分の一強でできるとの新しい意見書の判断も求めました。新しい意見書では、高架二千三十八億円に対し、地下七百三十三億円であります。しかし、この具体的な指摘に対し、理事者側は、裁判中であるからとの理由で何らの回答も判断もしませんでした。

 本議会は予算議会であります。連続立体事業費への分担金だけでも六億六千三百八十六万余円であります。全体費用が三分の一強でできれば、世田谷区の分担金は本年度の場合、二億数千万円の出資で済むのであります。しかも、分担金は本年限りではありません。世田谷区内全線の工事が済むまで出し続けなければならないのであります。したがって、立体交換の考え方を取り入れれば、今から工事をやり直しても地下化の方が安上がりであるとの住民側専門家の意見に……。

○(五十畑委員長) 委員に申し上げます。間もなく十分になりますので、まとめてください。

◆(木下委員) 東京都も世田谷区も否定的判断を示さない以上、予算は当面凍結するべきであります。

 そして、東京都が一方的に打ち切った東京都と住民側専門家との高架、地下の優位比較の検証作業を復活させるよう世田谷区は東京都に働きかけ、世田谷区も入って早急に見直し作業を進めるべきであります。緑豊かな住宅都市である世田谷を守るために、全会派一致で世田谷に通る高速鉄道の地下化を要望した世田谷区議会決議の初心に返ろうではありませんか。小田急線連続立体事業及び関連事業予算の凍結のため、本件予算修正案への議員各位の賛成を求めて、説明とさせていただきます。

○(五十畑委員長) 以上で提案理由の説明は終わりました。

 ただいまの説明に対して、ご質疑はございませんか。

   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○(五十畑委員長) ご質疑なしと認めます。

 木下委員は自席にお戻りください。

 これより意見に入ります。

 各会派の意見開陳は、議事の都合により五分以内とさせていただきます。

 ご意見はございませんか。

◆(田中委員) 木下委員の平成八年度一般会計予算修正案について、日本共産党の反対意見を述べます。

 修正案は、現在進められている小田急線高架計画での線増連続立体事業の区の負担金の拠出を削除するものであります。日本共産党は、都市鉄道の基本は地下化と主張してまいりました。小田急線の高架化は、沿線住民に日照侵害、騒音、振動、電波障害などをもたらし、著しく生活環境を破壊するものであります。事業を進める上でも、住民合意のある地下化の方が工事期間が短くできると見解を示してまいりました。こうした我が党と住民の主張に対し、高架やむなしとの態度をとった世田谷区の姿勢は遺憾であります。

 この事業の主体は小田急と東京都であり、世田谷区の事業費の支出については、それに伴う地元区の拠出金として課せられているものであります。したがって、この事業を地下化に変えるためには、都の計画を変えることが必要です。事業主体である東京都においても、日本共産党はこの立場では一貫して反対してきた唯一の党であります。沿線住民の立場に立てば、世田谷区は今からでも地下化の意思を都に示すべきと考えます。

 以上申し述べて、意見を終わります。

◆(鈴木〔義〕委員) 地下化の問題なんですけれども、私たちは二人とも去年四月から議員になったわけなんですが、そのときにはかなりもう議論が進んでいまして、一般質問等を通じて木下委員と理事者の答弁を聞いていても、かなり話が枝の部分というんですか、細

かいところに入り込んでいて、正直言ってよくわからないんです。ただ一つ言えるのは、これは都市計画の認可は、区ではなくて国及び都ですね。ただ、世田谷区は住民にとっては一番身近な自治体であって、本来的な都市計画というのはやっぱりそういうところでまとめていくのが本当の筋なんだろう。ただ、日本のシステムがそういうふうになっていないということで、身近な自治体でありながら、都市計画の認可決定はもっと上部の団体にある。そうすると、都だとか建設省というのは、世田谷区の沿線の旗を掲げているような人たちの意見が本当にきめ細かく聞けるのかどうか。それはやっぱり区の判断だろうというふうに思うんです。そういうシステムがないので、それは根本的な政策決定のシステムから来るんだと思うんですけれども、要は、その後、理事者の説明を聞いても、説明がよくわからないのと、わざとわからなくしているのか、あるいは我々区はこの事業には直接関係がないということで積極的な発言を控えているのか、その辺のことは私はよくわからないんですが、木下さんの意見を聞いても、理事者の答弁を聞いても、全くわからない。

 そういった中で、予算としては何億の金額──何億だか忘れましたけれども、修正案で木下さんが減額している金額がのっているわけですね。これについては、やっぱり区もある程度、その金額については説明する義務はあるんだと僕は思うんです。

 だから、そういうことを全部踏まえて、新進党はちょっとこれについては判断できませんので、どうしたらいいんですか。部屋の外へ出たらいいんですか。事務局の人、教えてください。

○(五十畑委員長) 自分で判断をしてください。

◆(鈴木〔義〕委員) 保留したいと思うんですけれども。では、採決の前に離席しますので。(「二人とも」と呼ぶ者あり)二人とも。新進党で一つですから、二人とも離席します。

○(五十畑委員長) ほかに意見はございませんか。

   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○(五十畑委員長) 以上で意見は終わりました。

 これより採決に入ります。採決は起立によって行います。

 お諮りいたします。

 議案第一号「平成八年度世田谷区一般会計予算」に対する木下委員から提出された修正案に賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立少数と認めます。よって木下委員から提出された修正案は否決されました。

   ──────────────────

○(五十畑委員長) 引き続き、原案の議案第一号から議案第四号に至る四件に対する各会派の態度表明に入ります。(「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり)

◆(山崎委員) 委員長、確認をしておいていただきたいと思うんですが、予算案で請願書が出ましたね。委員長は、最初にもう原案がかかっているということでいいんですが、趣旨説明をしたいという申し出があったのをさせていないですから、その理由ですね。私は、木下委員が修正案を出したから、それで私はいいと思うんだけれども、請願が予算委員会にかかったなんていうのは、ここが初めてのことなんですね。だから、理由を明確に記録に残るようにしておいていただきたいという注文をつけて、明確にして、今の採決の方に入っていただきたい、こういうふうに思うんですが。

◆(中村委員) 委員会の運営について動議があったようでございますが、それは恐らく請願の関係のことを言っていらっしゃるのかなという感じがするんです。そうしますと、ここでは付託された議案が先議されることでございましょうから、ですから、付託された議案を先に粛々と議決をしていただくというのが委員会の運びだろうと思いますので、さよう取り計らいを願いたいと思います。

○(五十畑委員長) それでは、申し上げます。

 委員会では、団体意思の決定である議案を先に審査することになります。

   ──────────────────

○(五十畑委員長) 引き続き、原案の議案第一号から議案第四号に至る四件に対する各会派の態度表明に入ります。

 委員会では態度表明を行い、意見については本会議場で述べることになっております。

 なお、態度表明は自席よりお願いいたします。

 最初に、自由民主党、どうぞ。

◆(真鍋委員) 自由民主党世田谷区議団は、平成八年度世田谷区一般会計予算、国民健康保険事業会計予算、老人保健医療会計予算及び中学校給食費会計予算に賛成いたします。

 なお、意見は本会議場にて申し述べます。

○(五十畑委員長) 次に、公明、どうぞ。

◆(小口委員) 公明世田谷区議団は、平成八年度世田谷区一般会計予算外三件に賛成をいたします。

 なお、意見、要望は本会議場で申し述べます。

○(五十畑委員長) 次に、日本共産党、どうぞ。

◆(田沼委員) 日本共産党世田谷区議団は、平成八年度世田谷区一般会計予算外三件について賛成いたします。

 なお、意見については本会議場で申し上げます。

○(五十畑委員長) 次に、新風21、どうぞ。

◆(西村委員) 新風21世田谷区議団は、平成八年度世田谷区一般会計予算外三件について賛成いたします。

 なお、意見については本会議場で述べます。

○(五十畑委員長) 次に、生活者ネットワーク、どうぞ。

◆(長谷川〔佳〕委員) 生活者ネットワーク世田谷区議団は、平成八年度一般会計予算外三件につきまして賛成いたします。

 なお、意見は本会議場で申し述べさせていただきます。

○(五十畑委員長) 次に、社会民主党、どうぞ。

◆(高橋委員) 社会民主党世田谷区議団は、平成八年度一般会計予算外三件について賛成いたします。

 なお、意見等については本会議場で申し述べます。

○(五十畑委員長) 次に、新進党、どうぞ。

◆(鈴木〔義〕委員) 新進党世田谷区議団は、平成八年度一般会計及び国民健康保険事業会計予算に反対をいたします。老人保健医療会計及び中学校給食費会計予算については賛成をいたします。

 意見については、本会議場で申し述べます。

○(五十畑委員長) 次に、長期オール与党談合区政を改革する派、どうぞ。

◆(下条委員) 長期オール与党談合区政を改革する派は、予算案四件すべてに反対いたします。

 意見は、本会議場で述べます。

○(五十畑委員長) 次に、世田谷行革一一〇番、どうぞ。

◆(大庭委員) 世田谷行革一一〇番は、平成八年度世田谷区一般会計予算外三件に反対します。

 意見等は、本会議場で述べます。

○(五十畑委員長) 次に、無所属、どうぞ。

◆(木下委員) 私は無所属ではございません。社会民主党世田谷区議団はまだ解消されていない、そのように思っております。

 私は、平成八年度世田谷区一般会計予算については反対いたします。外三件については賛成いたします。

 意見については、本会議において述べさせていただきます。

○(五十畑委員長) 以上で各会派の態度表明は終わりました。

   ──────────────────

○(五十畑委員長) 引き続き採決に入ります。採決は四回に分けて行います。

 まず、議案第一号「平成八年度世田谷区一般会計予算」を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立多数と認めます。よって議案第一号は原案どおり可決と決定いたしました。

 次に、議案第二号「平成八年度世田谷区国民健康保険事業会計予算」についてお諮りいたします。

 本件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立多数と認めます。よって議案第二号は原案どおり可決と決定いたしました。

 次に、議案第三号「平成八年度世田谷区老人保健医療会計予算」についてお諮りいたします。

 本件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立多数と認めます。よって議案第三号は原案どおり可決と決定いたしました。

 次に、議案第四号「平成八年度世田谷区中学校給食費会計予算」についてお諮りいたします。

 本件を原案どおり可決することに賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立多数と認めます。よって議案第四号は原案どおり可決と決定いたしました。

   ──────────────────

○(五十畑委員長) ここで、当委員会に付託されております平八・一二号「平成八年度予算より小田急線連続立体化関連事業費の削除等を求める請願」について申し上げます。

 本請願の取り扱いにつきましては、議案先議の原則があること、請願が予算案と不可分一体のものであることから、当委員会としては、このことを念頭に置いて、予算案の審査の中で十分に審査いただくことと決定し、そのように本日まで進めてまいりました。

 ただいま平成八年度予算の原案が可決されたことに伴いまして、平八・一二号の請願は不採択とみなすことになりますが、そのことを宣告する前に皆様に申し上げます。(「委員長」と呼ぶ者あり)

 平八・一二号請願について、委員長に対して、請願者より趣旨説明をしたい旨の申し出が出ております。その取り扱いにつきましては、委員長の、委員会の運営に関する事柄でございますが、あらかじめ予算運営委員会でご相談申し上げましたところ、相二分するご意見がございまして、委員長から委員会にお諮りすることとなりました。(「委員長、相二分していない。三対二だ」と呼ぶ者あり)

 つきましては、委員長といたしましては、当請願が予算案と不可分一体のものであり、紹介議員も含めまして七日間にわたり実質的に審査を行ってきたこと、請願文及び木下委員から任意に提出された資料、これまでの交通対策特別委員会での論議、請願趣旨に沿う予算修正案も既に提出されていることなどを総合的に勘案いたしますと、請願の趣旨につきましては十分承知していると考えまして、趣旨説明をお受けする必要はないものと判断いたしましたが、そういう取り扱いで行くことにご異議ございませんか。(「異議なし」「異議あり。委員長、異議あり。三対二ではないか。二分などしていないじゃないか。三対二だよ。傍聴をしていた。私は傍聴をしていた」と呼ぶ者あり)

○(五十畑委員長) 座りなさい。(「三対二であった。三対二じゃないか。二分なんかしていないじゃないか。二分したと言ったじゃないか」「議事妨害だ、これは」「三対二じゃないか。委員長のほかに三対二だったじゃないか」「指名していないじゃないか」と呼ぶ者あり)

○(五十畑委員長) 座ってください。(「虚偽の報告ですよ」「虚偽じゃない。二つ意見があれば二分と言う」「委員長、議事進行」「委員長、正式に発言を認めてください」「議事進行」と呼ぶ者あり)

○(五十畑委員長) ご異議がございますので、採決は起立によって決したいと存じます。

 委員長見解のとおり取り扱うことに賛成の方の起立を求めます。

   〔賛成者起立〕

○(五十畑委員長) 起立多数と認めます。よって委員長見解のとおり取り扱うことに決定いたしました。

 なお、平成八年度予算の原案が可決されたことに伴いまして、平八・一二号請願は不採択とみなすことになります。

 以上で本委員会に付託されました予算審査はすべて終了いたしました。