平成7年第3回定例会(自918日 至925日)

世田谷区議会会議録

1995年9月19日 一般質問 小田急問題、二重調査 緑被率


○(鈴木昌二議長) これより日程に先立ちまして、一般質問を行います。

 質問通告に基づき、順次発言を許します。

 三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕(拍手)

◆三十七番(木下泰之議員) 二回目の登壇となりました。前回議会のこの壇上での質問を踏まえ、時間切れで十分にお答えいただけなかった問題について、再度質問いたします。

 小田急沿線交通施設及び街づくり調査が二重委託、二重支出の不正、不当な調査ではないかという重大な疑惑についてであります。

 小田急線の連続立体事業については、昭和六十二年度と六十三年度に事業調査が行われており、報告書は六十三年度末、すなわち平成元年三月にでき上がっております。この調査は、建運協定に基づく調査要綱によりまして東京都が実施しなければならないことになっていますが、実際には小田急電鉄が調査を丸投げ委託されており、さらに小田急は実務をコンサルタントとしては最大手のパシフィックコンサルタンツに再委託しております。このパシフィックコンサルタンツが最終委託先であることは、平成五年七月八日の牧野宏昭元交通環境整備室長の東京地裁での証人尋問で明らかになっております。

 連続立体事業調査は、前回この区議会壇上で紹介した連続立体事業調査要綱、セクション2の連続立体交差事業調査要領、一、調査の位置づけによりますと、調査の実施に当たっては、特に駅周辺の中心市街地整備に関する検討が重要であり、連続立体交差事業とあわせて駅前広場整備、土地区画整理事業、市街地再開発事業を積極的に検討し、連続立体事業の効果が最大限生かされるような計画、事業プログラムの作成が期待されるとした上で、同要領の五に調査内容が列記されており、この連続立体事業調査の実施項目は、世田谷区実施の小田急沿線交通施設及び街づくり調査の調査内容をほとんど満たしているのであります。

 実際、昨年三月九日に情報公開訴訟で市民側が手に入れた都実施の連続立体事業調査報告書は、黒塗りの非公開部分があるにせよ、注意深く検討すれば、この世田谷区実施の調査報告書が都の調査報告書の焼き直しにすぎないことがよくわかるのであります。また、同じ文言も散見されるのであります。なぜでしょうか。

 ここに昨年、平成六年二月九日に行われた世田谷区への情報公開訴訟での大野貢氏の証人尋問調書がございます。大野貢氏は元交通環境整備室長で、牧野宏昭氏の後任でございます。この尋問調書によりますと、大野氏は世田谷区実施の調査の実務をパシフィックコンサルタンツに発注し、同社が実施したと証言しております。後に世田谷区の委託契約書の情報開示でわかったことですが、実際には世田谷区は財団法人都市計画協会と委託契約をしており、パシフィックコンサルタンツは公文書上はどこにも出てきません。実際にはパシフィックコンサルタンツが再委託を受ける形になっていたのです。担当の大野貢氏がパシフィックコンサルタンツに直接委託したと勘違いしたくらいですから、最終委託先が同社にあらかじめ選定されていたことは明々白々であります。

 昭和六十二年度、六十三年度実施の東京都の連続立体事業調査報告書は、委託費が四千八百万円、報告書はコピーで五センチもの分量になります。焼き直しの世田谷区の調査は、委託費が五千百万円、コピーにして五ミリの分量にすぎません。焼き直しの部分的報告書の作成の方がオリジナルの調査よりも値段が高いのであります。しかも、東京都と世田谷区で二重払い、パシフィックコンサルタンツにしてみれば二重取りです。極めて不合理な支出、不明朗な調査委託と言わなければなりません。区民の血税がかくてむだに使われております。再委託による隠ぺい工作も含め、この世田谷区実施の小田急沿線交通施設及び街づくり調査の立案企画、委託選定にかかわった方々は立派な犯罪を犯していると言わなければなりません。区長のご所見をお伺いいたします。

 区長を補足してどなたかがお答えになるとするならば、事情を十分ご存じの川瀬助役にあえてお願いいたします。

 木庭道路整備部長には次のことについて答えていただきたい。東京都実施の連続立体事業調査の調査範囲を超えたオリジナルな調査は一体何であるのか、そういうものがあるのか、そのことについてお聞きしたいと思います。

 この事案に関しては、昨年十月に区民より監査請求がなされました。しかし、監査委員は、当該行為を知り得てから四カ月余を経過した監査請求を、四カ月を経過したということで監査請求を避けた一判例を盾に門前払いにしてしまいました。この形式要件の判断は、今、裁判所にゆだねられているにせよ、区民が問題にした事実行為の犯罪性の疑いは晴れたわけではございません。監査委員は区民が問題にした世田谷区調査の二重調査性、二重支出について、事実関係の調査をされたのかどうか、明らかにされたいと思います。お答えいただきたい。

 次に、世田谷区の緑被率の低下問題と都市計画のあり方についてお伺いします。

 昭和四十八年から平成五年の間、すなわち二十年の間に世田谷区の緑被率は三三%から二一%にまで落ち込んでおります。今は二〇%を切り、一〇%台であるかもしれません。緑が三分の一以上消失しているわけであります。この数字は三〇%台の緑の保全あるいは回復を目標に掲げてきた緑行政の敗退、言いかえれば失敗であります。この急激な緑の消失の原因は民有地の緑、すなわち庭の緑の消失と考えられますが、統計上いかがでございましょうか。区長は、緑の消失を招いた原因をどのように考えておられるのか、また緑被率の三〇%台への回復の目標を堅持されておられるのかどうか、お聞きいたします。

 緑は住環境の指標そのものであります。今後の世田谷区の緑の推移についてどのような予測をお持ちか、都市計画や建築基準のあり方に大胆なメスを入れなければ解決しないと考えますが、有効な対策は何とお考えになるか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

 本日は、鉄道の立体化と道路、再開発についてもう一項を立てて質問を用意しましたが、最初の質問についてじっくりと意見を交わしたいので省きます。ただ一点、昨日の小畑議員の代表質問への回答で、小田急の連続立体事業について、青島知事に判断を仰いだところ、既定どおりに進めるとの判断を得たと聞いているというような答弁がございました。このような答弁はひとり歩きをしてしまいますので、議長に通告した質問事項の関連質問として、ここで確認をしておきます。昨日の答弁は伝聞にすぎません。これは、いつ、どこで、世田谷区のだれが、東京都のだれからこのようなことを聞いたのでしょうか、お答えいただきたい。

 現在、小田急問題については、住民は東京都と交渉を継続中であります。工事については、確かに昨年十二月に準備工事がなされ、年が明けて阪神大震災で高架橋の危険性が実証されたにもかかわらず、沿線住民の不安や怒りを顧みず、震災直後にくいを打つという暴挙がなされました。鈴木知事時代に強行された工事がとまっていないということはそのとおりでございます。青島知事は工事中止を今のところ指示はしておりません。その意味では、工事は既定どおり進んでおります。しかし、一方で、五十嵐元建設大臣や野坂前建設大臣の要請もあって始められた住民と東京都との話し合いは継続中であり、対話の機会は閉ざされていないのであります。

 小田急高架の問題は、先ほど指摘したような疑惑が実際にあり、認可取り消し訴訟、民事の工事差しとめ訴訟、第三セクターへの出資取り消し訴訟、それから三つの昨年起こした新たな監査請求に関する住民訴訟、その六つの裁判がさまざまな角度から、間違った公共事業の典型である小田急高架問題にメスを入れております。この裁判の中で、第三セクターが本来連続立体事業の主体になれないことや、また東京都が実施すべき業者選定を小田急電鉄に全面委託していることの違法性などが浮かび上がっております。

 また、下北沢地域については、地下化による連続立体事業が内定したという情報が政府筋から、あるいは都庁筋から聞こえてまいります。下北沢が地下化で、成城が地下化、その間だけ高架というジェットコースターのような構造形式はいかにも不合理であります。したがって、工事は始まってはいるけれども、どうひっくり返るかわからないというのが小田急問題でございます。民主的手続を踏み外したゆえに、調査をごまかし、調査主体を隠ぺいし、そして法的逸脱を数々行い、砂上に砂上を重ねた楼閣の工事が今の小田急高架工事であります。

 いかに既成事実を積み重ねようとも、犯した過ちの責任はあがなわれなければなりませんし、市民は追及の手を緩めないでありましょう。心ある市民が求めているのは利権や損得勘定ではなくて、よい環境と安全と公正です。このことを申し上げて、この壇上からの質問を終わります。

 どうか簡潔明瞭にご答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。(拍手)

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) 私からは、緑の減少した原因についてというお尋ねでございましたので、お答え申し上げたいと思います。

 世田谷区の緑は、自然林もありますけれども、どっちかというと屋敷林とか、あるいはお宮やお寺さんの緑というようなことに非常にウエートがかかっているわけでありますが、特にここに来て緑の減少した原因については、まず農地が減少していくこと、それからもう一つは、相続やなんかで大きな屋敷林を持っているところが細分化されて、切り倒さなきゃならないというような状況がある。このようなことが積み重なって、緑被率の減少ということになっております。

 これは、我々はやっぱりあくまでも緑被率は三〇%に回復したい、そういうような意気込みで頑張っている次第でございますので、ご理解いただきたいと思います。

   〔大塚助役登壇〕

   〔木下泰之議員「川瀬さんに聞いているんですよ」と呼ぶ〕

○(鈴木昌二議長) お静かにしてください。指名しました。

◎(大塚助役) 所管の助役からお答え申し上げます。

 小田急沿線の二重調査について、また二重支出についてのご質問に対してお答えいたします。

 世田谷区は東京都が事業主体となって行う小田急線の成城学園前駅付近から梅ケ丘駅付近の連続立体交差事業を契機とした駅前広場や道路などの交通施設の検討や、沿線地域のまちづくり事業による良好な市街地形成へと誘導するための基本的方向を探るため、平成三年六月、財団法人都市計画協会に小田急沿線交通施設及び街づくり調査を委託し、契約を締結いたしました。

 委託契約の納期は平成四年三月であり、調査結果の検査終了後、平成四年四月に委託金額五千百万円を都市計画協会に支払っております。この調査結果につきましては、平成五年一月に調査報告書として取りまとめ、区議会の都市整備委員会、交通対策特別委員会にご報告するとともに、報告書を区政情報センターに置き、区民の閲覧に供しております。

 この調査につきまして、平成六年十月六日にこの調査に要した費用についての公金支出が違法、不当であるので、大場区長に対し、世田谷区がこうむった損害を補てんさせることを命ずるよう監査請求が出されました。この監査請求に対し、世田谷区監査委員より区長あてに、平成六年十月二十日、却下したとの通知を受けております。この通知によれば、地方自治法の規定及び最高裁判所の判例に照らし、本件請求は不適法な請求と判断され、却下されたものとのことでございます。この監査委員の監査結果に不服があるとして、平成六年十一月十八日、大場区長を被告として監査請求と同趣旨の損害賠償請求の訴訟が東京地方裁判所に提起され、訴訟は現在継続中でございます。

 事業の位置づけは、鉄道の立体交差事業は東京都が行う事業でございまして、道路や駅前広場、沿線まちづくりは世田谷区が責任を持って行う事業でございます。このまちづくりを行うに当たっての区の基本的な調査として、小田急沿線交通施設及び街づくり調査を行ったものでございます。区の調査の対象地域は梅ケ丘、豪徳寺、経堂、千歳船橋、祖師ケ谷大蔵、成城学園前の六駅の各駅周辺であり、調査の内容は現況調査及び問題点の整理、対象地域の将来像、整備計画の策定、実現化方策の検討等でございます。本調査は、まちづくりの総合的マスタープランでございまして、今後事業化するに当たっての指針として位置づけられ、活用されるものでございます。

 以上の観点から、本調査は適切な調査であると考えております。

 なお、昨日の質問の件に関しまして、都知事にどういうふうに確認したかという点についてお答え申し上げます。

 八月三十一日に東京都技監、道路建設部長に確かめたところ、都知事が間違いなく立体化を現行の計画で進めるというふうに東京都技監に申したというふうなことを私どもは伺っております。

 以上でございます。

◎(清水代表監査委員) 監査請求につきましてのご質問がございましたので、お答え申し上げます。

 監査請求が形式的に却下をしたのではないかというふうな内容を込めまして、独自に監査委員が自主的にやるべきではないかというふうなお話も含めてのご質問と理解をいたしました。

 私どもは、一件一件、この監査請求については慎重に、かつまた丁寧に審議をしてまいります。特に今回のご質問のケースにつきましては一年を経過いたしておりまして、その経過をしたことの正当理由についての議論を十分にいたしました。しかし、結果的には、お話がございましたように、却下という形になってございます。したがいまして、東京都が実施をいたしました調査内容と二重ではないかという点については、実質的には審議をいたしておりません。

 さらに、独自に監査を行うことについても、監査委員の間でも議論をいたしましたけれども、結果といたしましては、自主的に調査を行う必要がないというふうに決定をされたものでございます。

 以上でございます。

◎(木庭道路整備部長) 東京都の調査範囲を超えたものはあるかというお話でございますが、これは平成三年度に行った調査でございまして、先ほど助役がお答えしたとおり、まちづくりとして必要な調査を区が事業をやるという立場で調査を行ったものでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今、木庭部長からお答えがございました。

 前回、木庭部長は、連続立体交差事業の手引、この中にあります連続立体交差事業調査要綱及び要領、これについてお手持ちであるかというふうに聞いたところ、手持ちにはないが、帰ってよく検討するというふうにおっしゃいました。木庭部長は、この連続立体事業調査要領を読んでいらっしゃいますでしょうか。お答えください。

◎(木庭道路整備部長) お話の件は、連続立体交差事業の実施要領という件でございました。

 後ほど確認いたしましたところ、別の件で情報非公開処分取り消し請求事件でございますが、これは木下議員が原告でございますが、その裁判において、原告側から証拠書類として出されている鉄道連続立体交差事業の手引の一部にこれがございました。

 なお、この資料につきましては(「読んだか読まないか答えてください」と呼ぶ者あり)確認いたしたところでございまして、内容もおおよそ読ませていただきました。

◆三十七番(木下泰之議員) 極めてふまじめな対応だと思います。きょうこの問題が議論されることになっているわけですから、その基本文書である連続立体交差事業調査要綱及び要領については、読んでおかなければならないことだと思います。

 この要領の中に、街づくり調査も含めて、連続立体事業調査の中では実施すると、そう書いてあるのであります。しかも、都市計画案も含めて準備するように、そういうことが書いてございます。ですから、後で行った世田谷区の調査は連続立体事業調査の中で行われている調査なんです。そのことについてどうお考えですか。

◎(木庭道路整備部長) この件につきましては現在訴訟中でございますので、詳細な内容については、訴訟に影響がございますので、お答えを省かせていただきます。

 なお、この東京都の調査は、鉄道の立体化を中心とした調査というふうに聞いております。

○(鈴木昌二議長) 木下泰之議員、ちょっとお待ちください。指名してからお願いいたします。

◆三十七番(木下泰之議員) ですから、この連続立体事業調査要領をきちっと読んだのかと聞いたんです。川瀬さんは読んでいるでしょう。川瀬助役は読んでいるでしょう。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 私も訴訟の中で証人で同じようなご質問を受けた立場でございます。要領として定められておりますが、東京都が調査する場合は、連続立体交差事業に伴って鉄道をどうするか、基幹的な道路をどうするかということを東京都は調査をいたします。当然のことながら、この町について影響を与えますから、骨格的に東京都という広域自治体の立場から、まちづくりにはこうあったらどうかという、かなり大まかな計画が出されてまいります。

 しかし、鉄道事業が実施されますと、具体的に町の中では変化が起きるわけでございますから、端的に言えば、ご案内のとおり、下北沢の町では上か下かをもとに細かい議論がいろいろ行われております。こういうものについてどういう態度をとるのかという点につきましては、これは世田谷区が責任を負っていかなければなりません。住民協議会その他もつくって原案を示し、議論をしていかなければなりません。こういう部分は区の仕事になります。そういうことにご提案申し上げる構想を、区の方は東京都の示している骨格的なものとあわせて調査をしていかなければならない。こういうことは必要になってまいります。

 今ご指摘のありました要領そのものは、こういうものをオーバーラップさせた形で、必要がありますよということを言っているというふうに私は理解をしております。したがいまして、東京都は東京都の立場で議論をいたしますし、世田谷区は世田谷区の立場で議論をいたします。

 その具体的な事例を申し上げますが、狛江の駅の前の再開発については、東京都が調査した結果、狛江市に示したものはかなり大規模な再開発計画でございました。しかし、狛江市が中心になって町に入って実情を調べた結果のものは、そんな大きなものはできないということで、あの事業が実施される前には東京都と狛江市で深刻な議論がございました。両方の調査をもとに議論がございました。結果として、現在の規模のものになっております。

 そういうことが必然的に必要になってきておりますので、双方が調査をするということはやらなければならない仕事であり、双方矛盾をしていないというふうに私は考えております。

◆三十七番(木下泰之議員) 今、助役は、同じものではないというふうにおっしゃいました。助役は調査報告書を読んだんですか。ちょっと待ってください、これを読んだんですか。つまり、比べてみればわかることでございますが、要するに調査要領の中には、周辺市街地整備基本構想についてきちっとやれというふうに書いてございます。それで、都市計画案の提示も含めてやれというふうに書いてございます。

 ですから、この厚い五センチの東京都が実施したやつと、それから世田谷区の五ミリのものと、詳細に検討していけば、こちらでやったデータに基づいてこの世田谷区の調査がやられているということはわかるはずでございます。しかも、同じコンサルタントがやっている。これは大きな疑惑ではございませんか。あえて、しかも同じコンサルタントに都市計画協会というところを通して孫請させている。こんな大きな疑惑はないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 議員お示しのとおり、調査資料というのはかなり膨大なものでございますし、技術的な専門的な部分もございます。したがいまして、私どもはそれぞれ職分がございますから、細目について検討する職、中目について検討する職、大目について検討する職というものがございます。私は当時、大目についての説明は受けております。

 それから、今ご指摘がございましたけれども、東京都が考える場合に、先ほど申し上げたように、まちづくりのある部分について東京都なりの考え方を出さなければ、当然のことながら連続立体交差事業等はまちづくりと一体のものとしてやっていくというのが制度でございますから、東京都は東京都なりの原案を考えるということはあり得ると思います。区は区としてその影響を受けるわけですから、細目から検討している。双方がぶつかり合う、そこで初めて現実的な案が出てくるというふうに思います。

 契約先でございますが、私どもは都市計画協会に委託を申し上げたのでございまして、初めから両方のものが一致してやるというような意図は持っておりません。都市計画協会が大手であるパシフィックコンサルタンツを使ったということでございまして、私どもは都市計画協会に委託をして作業をお願いしたという立場でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の川瀬さんの答弁は間違いがございます。証人尋問の中で、大野さんがちゃんとパシフィックコンサルタンツに委託したというふうに、まず答えているんです。それから情報請求をして出してきた文書には、都市計画協会というのが初めて出てきたわけです。ですから、担当者は初めからパシフィックコンサルタンツに出すということを、そのことを考えてこれを発注している、そういったことだと思います。

 それから、助役は同一性についてあれこれ言いましたけれども、あれこれ言えるためには、この調査報告書の全文を助役自身が読んでいなければできない。しかし、助役は今までこの調査報告書全文については読んでいない、手に入れていない、さんざん東京都に請求したけれども、来ない、そういうふうにおっしゃっていたのであります。ですから、今の助役の回答だけでも、極めて疑惑が強いというふうに考えなければなりません。

 そして、この監査請求の問題につきましては、形式要件で下げました。最高裁の一判例、知り得てから一年たって、そして出して、四カ月徒過している。そのことによって却下いたしましたが、これは一判例にすぎません。事実をきちっと掌握して、これだけの大問題なんですから、調べようと思えば、一判例にもかかわらず、ほかの判例もあるわけですから、これをきちっと調べて、そして結論を出すということはできたはずであります。ですから、これは監査委員も含めて、また区当局も含めてのまとまっての隠ぺい工作だというふうにも思います。ぜひこの問題を議長にお願いしますが、委員会でもって再度取り上げていただけるよう、そのように取り計らっていただきたいと思います。(「裁判所でやっているんだろう、君。ここは裁判所じゃないぞ」「不当発言だよ、それは」と呼ぶ者あり)

 ここは議会であります。裁判所とは違います。両方とも市民の権利を、裁判所はそこで行使するわけでありますし、議員は議員として、ここできちっと区長にも尋ね、そして助役にも尋ねるという問題でございます。議長、ぜひそのように取り計らっていただきたいと思います。

○(鈴木昌二議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。

 終わりますと発言をしたと思いますが、いかがですか。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の取り計らいについてはいかがでございますか。