平成7年第2回定例会(自612日 至619日)

世田谷区議会会議録

1995年6月13日 一般質問  初質問、小田急問題


○(鈴木昌二議長) 次に、三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕(拍手)

◆三十七番(木下泰之議員) 私は、小田急線の地下化推進と高架計画の見直しのために奮闘することを第一の公約とし、区議選を戦ってまいりました。また、一方で私は都知事選では、都市博中止や臨海部再開発の見直しと隠し事のない都政の実現を公約された青島幸男氏を応援し、区議選の際には「青島知事を支持します」と公報に掲載し、青島知事を支えることを公約してまいりました。

 青島知事と手を携えて、公共事業の根本的見直しを進めていく。見直さなければならない公共事業の典型として、世田谷には小田急線の高架問題がある。このことを鮮明に打ち出しながら、区民の皆さんに私の支持を仰ぎました。本日、この壇上に立って質問させていただけることになったことを、ご支持していただいた皆様にまずもって感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。青島知事は既に公約を守るという点で範を示しましたが、私も公約を実現するために精いっぱい頑張りたいと思います。

 小田急線の問題について質問いたします。

 小田急線高架問題については、既に先輩議員がこの壇上で質問をされ、区長も、川瀬助役も、またそれぞれの担当者もお答えになっております。過去の議事録も読ませていただきました。私は地下化推進を求める市民運動家の一人として、これまで議会外の交渉の場や公式の説明会の場で、あるいは法廷の場で理事者の説明を何度となく聞いてまいりました。いつも疑問に思うのは、日ごろ、地方分権や主体性、市民参加や情報公開、環境対策や、また最近では震災対策の重要性を語り、街づくり条例や環境条例の成果を報告する理事者の方々が、なぜ小田急問題という具体的な問題になると立ちどまってしまうのかということでございます。

 小田急問題は、その構造形式が高架であるか地下であるかによって、沿線の住民の健康と生活を大いに左右します。日照被害や騒音、粉じん被害など、密集した都会では鉄道の高架は避けるべきであります。バンコクも従来の高架事業を地下化に切りかえており、都市部での鉄道の地下化は、今や先進国のみならず世界の常識となりつつあります。当然、小田急線の高架反対・地下化推進の声は、沿線で被害をこうむる立場の方々から上がり、粘り強い運動となって現在に至っております。

 しかし、そのことをもって沿線地域のみの利害関係者だけの運動だというふうに考えてはなりません。小田急線の地下化推進の運動も、第三セクターの違法性を指摘し、監査請求を起こし、さらに裁判を提起した一九九〇年のころから、法律家や、都市計画あるいは環境問題の専門家などと一緒になって、小田急問題を都市計画やまちづくり、あるいは公共事業のあり方の是非の問題としてとらえ、より普遍的な課題として取り組むようになってまいりました。そういうふうにしてまいりますと、事の本質がよく見えてまいります。本当に必要な資料も集まってまいります。

 連続立体交差事業調査要領という文書がございます。この文書でございます。これを手に入れるのは大変でした。私が国会議員の秘書であったときに、連続立体事業調査を規定する文書について−−−この文書について建設省に問い合わせても、「そのような文書はありません」の一点張りでした。要領というからには、学習指導要領と同じように法令であるはずなのに、建設委員の代議士に対しても隠し通そうとした文書でした。建設省の秘密主義、官僚主義を物語るエピソードでありますが、結局この文書は弁護士を通じ一昨年の暮れに建設業界筋から入手いたしました。

 昨年三月九日に、情報公開裁判で小田急線連続立体交差事業調査報告書の基本部分が開示されましたが、裁判所をして開示勧告させるきっかけをつくった重要文書です。これからの質問にとって大事ですので、逐次紹介してまいります。

 要領の冒頭には「調査の目的」となっており、連続立体交差事業は平面鉄道を都市計画事業として高架化または地下化することにより、道路と鉄道とを連続的に立体交差化し、もって都市交通の安全化と円滑化を図り、都市の健全な発展に寄与するものであるとされております。ここで強調しておかなければならないのは、決して地下化は連続立体事業にとって例外ではなく、高架化と並列に議論されるべき構造形式だということであります。

 さらに、この文書の中で「調査の位置づけ」として、本調査においては単に鉄道の設計を行うのではなく、広域及び周辺市街地の現状における課題を把握し、連続立体交差事業の必要性を明確にした上で、都市計画の総合的検討を踏まえて関連事業計画、高架下利用計画と一体的に鉄道、側道の設計を行い、さらに計画の総合的な評価を行うため総合アセスメント調査を行うとしております。また、この文書によりますと、調査の実施に当たっては、特に駅周辺の中心市街地整備に関する検討が重要であり、連続立体交差事業とあわせて駅前広場整備、土地区画整理事業、市街地再開発事業等の関連事業を積極的に検討し、連続立体交差事業の効果が最大限生かされるような計画、事業プログラムの作成が期待されるとされているわけであります。

 加えて、「調査体制」の項目の2)に、関係市区町村、鉄道事業者、その他関係機関との連絡調整を十分に行う必要がある。世田谷区も含まれます。3)には、調査における一部作業の鉄道事業者への委託は必要最小限とし、その内容については調査主体である都道府県、または指定市の意向が十分反映される必要があるとされております。しかも、「都市計画の総合的検討」の項の小項目「将来目標の設定」では、現況調査結果を踏まえて、当該都市の抱える課題を解決し、まちづくりを進めていく上で基本となる将来目標を設定するとなっており、将来目標は行政当局、関係機関、そして住民等のまちづくりに対する夢やビジョン、主張といったものを盛り込んだものとし、地域の自然、風土、文化、個性、歴史、薫りといったものを継承発展させるとともに、個性的なまちづくりを目指すよう留意すると、住民参加まで規定しているのであります。立派な要領であります。

 さらにこの文書で重要なのは、「基本設計」において、おおむねの構造形式を比較検討するものとし、事前検討を行った上で周辺の関連事業計画等と調和のとれた比較案を数案作成し、比較検討を行うものとする。その際、次の点に十分留意することとして、 3比較案の評価に当たっては、経済性、施工の難易度、関連事業との整合性、事業効果、環境への影響等について比較し、総合的に評価して順位をつけるものとするとしてあるのであります。

 そこで、区にお聞きいたします。この要領について、区はお持ちであるかどうか、もし入手されておられたとしたら、いつの時点でお持ちになったのか、お答えいただきたい。

 ところで、当然この要領の趣旨からして、東京都から調査報告書本体全文を入手することは可能であるばかりでなく、この文書によれば、区民に対して入手することは義務であると思われますが、区の理事者はどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。

 この要領を読んでみますと、区が調査報告書本体全文を受領していないとは考えにくいわけですが、あえてもう一度お聞きしたいと思います。報告書は本当に受け取っていないのでありましょうか、質問いたします。

 ちなみに、私は品川区の窓口で目蒲線の連続立体事業の調査報告書を見せてもらったことがございます。狛江市議会では、和泉多摩川−狛江間の連続立体事業調査報告書が全員協議会の席で全員に配られております。もし、きのうも、きょうも木庭部長がこの議場で言われたように、連続事業調査報告書を受け取っていないとしたならば、世田谷は東京都から大きな侮辱を受けていることになりませんか。区の担当者は引き下がったのですか。地方分権の先頭に立つと言っておられる区長は抗議をなさらなかったんでしょうか。対応についてお聞きいたします。

 また、東京都が世田谷区に渡さない理由も教えてください。

 関連して、小田急の調査と全く同じ時期に実施された京王線連続立体交差事業調査報告書についてはどのような扱いになっているんでしょうか、質問いたします。

 次は、世田谷区が実施した小田急線沿線交通施設及び街づくり調査及び同報告書について質問いたします。

 世田谷区は一九九一年度に小田急沿線交通施設及び街づくり調査検討委員会を設置し、その調査を財団法人都市計画協会を介してパシフィックコンサルタンツ株式会社に全面的に丸投げで委託しました。ちなみに、パシフィックコンサルタンツは大手ゼネコンと取引のある、日本最大大手のコンサルタント会社であります。このときの金額は五千百万円です。調査は、連続立体事業調査に直接関連するものである以上、さきに挙げた調査要領に準拠して行われると考えられますが、いかがでしょうか。

 ところが、この調査について一九九三年一月の報告書は公開されているものの、調査の過程において市民には秘密的・非公開的調査となっているのはどうしたことでございましょうか、質問いたします。

 ところで、先ほど問題にいたしました連立事業調査も、調査要領に反して小田急に丸投げ委託され、小田急を介してパシフィックコンサルタンツ株式会社に委託されていることがわかっております。街づくり調査も、実質的にパシフィックコンサルタンツに全面的に委託されております。調査項目からいって、街づくり調査は大部分が連立事業調査と重なっており、受託者であるパシフィックコンサルタンツは連立事業調査の内容を全面的に流用しております。しかも、連立事業調査は四千八百万円なのであります。つまり五千百万円よりも少ない。街づくり調査の方が調査事項が極めて過小であるにもかかわらず、五千百万円と過大になっているのであります。このことは違法かつ不当な二重支出ではないでしょうか。しかも都市計画協会というトンネル機関を通したことも、有害無益な財務会計行為ではないでしょうか。見解をお示しください。

 また、世田谷区としては、連立事業調査がパシフィックによって実施されていたことを承知していた以上、むしろセカンドオピニオンを得るためには、パシフィックを回避すべきではなかったでしょうか。そこがやったとわかっている以上、パシフィックに委託したのはどういうことでしょうか。あえてパシフィックに調査委託したことは不必要な調査委託であり、違法かつ不当な支出であります。ご見解をお聞きいたします。

 ところで、この街づくり調査でも下北沢地域の検討が除外されておりますが、下北沢についても同様の調査を今後委員会をつくっておやりになるのかどうか教えていただきたいと思います。

 また、下北沢については地下化が内定しているのではないでしょうか。さまざまな情報が伝わってまいります。どのような情報をつかんでおられるか、教えていただきたいと思います。

 次に、小田急問題と震災対策についてであります。

 区は震災対策の委員会を発足させたと聞いておりますが、世田谷には甲州街道や、二四六の上の首都高などがございます。一本足の橋げたもたくさんございます。阪神大震災での高架橋の崩落をもっともっと深刻に受けとめる必要があるのではないでしょうか。梅ケ丘−喜多見間で強行された小田急の高架工事の耐震基準は震度六であり、震度七に耐えられないものであります。また、環八付近の一キロにもわたる在来線の高架は、昭和五十五年の耐震基準すら満たしておりません。これからの都市づくりにとっては、ライフラインを守るとの観点から、阪神大震災でも安全であったシールド地下工法を利用することを積極的に考えるべきだと思いますが、ご所見をお伺いしたいと思います。

 さて、昨日の木庭部長の答弁では、さまざまな経緯の中で判断を経て高架が決まったので、円卓会議については慎重に考えていきたいといった趣旨の答弁をなさいました。高橋議員に対する答弁でございます。今までの経緯は、先ほどからの私の質問にありますように、その手法の違法性を含め、審議の過程自体が疑惑に満ちたものであり、世田谷においても、都市計画審議会においても、本区議会においても、必要な時期に必要な資料が検討されておらず、真っ当な議論を経て高架が決まったわけではないのであります。

 喜多見−梅ケ丘間について調査報告書の基本部分が開示されたのは平成六年の三月九日です。ところで、これはだれが開示させたのでしょうか。世田谷区ではないんです。行政ではないんです。調査当初からその開示を求めていた沿線の市民が努力に努力を重ね、裁判を通じて和解にこぎつけ、やっと開示させたのではなかったでしょうか。ちなみに、この開示についてニューヨーク・タイムズは一面を大きく割いて、日本人は行政秘密の壁を砕き始めたと報道し、経済評論家の内橋克人氏が日経紙上の連載「共生の大地」にこの開示の経過に触れ、公共事業の基礎情報の公開のその意義を論評しておられます。これは後に岩波新書にもなっておりますので、区長を初め理事者の方々はぜひ読んでいただきたい、そのように思います。

 この情報公開によって、東京都が一九九一年の都市計画素案の説明会や、一九九二年の案の説明会−−−こういった説明会には、先ほども出てまいりましたが、大成建設から動員されたゼネコンの人たちが前を陣取っていた、そういったこともございました。この説明会で、高架の事業費が一千九百億円、地下化が三千億円から三千五百億円と言われた根拠が極めて怪しい、そういったことがいろいろとわかってまいりました。例えば高架の事業費には、一九八八年以前の用地買収費五百億円が計上されておらず、東京都案でも実際には高架で二千四百億円かかること。また、調査では地下化について市民側がかねてから主張してきた二線二層地下シールド工法による試算が行われておらず、工事費や用地買収費のかさむ四線並列の開削工法による地下化しか比較対象とされていない、そういったことが明らかにされたわけであります。

 これらのことについて、本議場でも先輩議員によって既に紹介されていますので、これくらいにしておきますが、大事なことは、情報開示によって初めて小田急問題の高架、地下の優位比較が具体的、実証的になされ得ることが明らかになったことであります。逆を言うと、こういった基礎情報の精査検討もなしに、東京都の説明のみで、東京都都計地審も、また東京都環境影響審議会も、東京都議会も、世田谷区都計審も、そしてこの本議会も、残念ながら小田急線の問題の審査、審議をおざなりに済ませてきたということなのであります。したがって、世田谷区や区議会が公正さと区民からの信頼を取り戻すためにも、高架見直しは絶対不可欠であります。

 連立事業調査、街づくり調査問題への見解を含め、円卓会議の呼びかけについて区長の見解をお伺いいたします。

 以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) 小田急線の問題についてお答えいたします。

 小田急線の立体化の構造については、高架あるいは地下と過去にさまざまな議論がございました。昭和四十五年と四十八年の二度にわたりまして、世田谷区議会において地下化に関する意見書及び要望書が関係機関に提出されていることは、ご承知のとおりでございます。その後、小田急線の立体化については事業の見直しがないまま時を経過し、昭和六十一年、区議会より東京都知事、運輸大臣、建設大臣に、当時の都市計画のままでは踏切が残ることとなり、下北沢駅付近や成城学園前駅付近について、都市計画の変更の要望が出されたころから、立体化事業の必要性が改めて認識されるようになってまいりました。その後、東京都において構造形式を検討した結果、梅ケ丘駅付近から成城学園前駅付近までの区間について実現可能な方法として、現在の計画が提示されました。

 世田谷区としては、区議会とご相談を申し上げまして、都市計画審議会にもお諮りし、環境保全については万全の措置を講じられたい、また周辺住民の理解と協力を得ながら事業の推進に当たるよう努められたいとの附帯意見を付して、この計画について同意いたしたものでございます。

 また、調査報告書の件につきましては、全部が公開されるまでには至らなかったことは残念でございますが、事業主体が東京都であることなど、区としての努力の限界もあったと考えております。世田谷区といたしましては、残されたままになっている下北沢駅付近の立体化について早急に計画をまとめ、区に提示するよう、東京都に対し申し入れを行っていくことが重要と考えております。

 なお、高架事業の見直しに関連する円卓会議の開催は、昨日もお話がございましたが、これまでの経緯もございまして、慎重に考えてまいる必要があるかと思っております。

 以上です。

◎(木庭道路整備部長) 小田急線に関する幾つかのご質問でございますが、繰り返しになりますが、東京都は昭和六十二年から六十三年度にかけて連続立体交差の事業化に先立ちまして、小田急線の東北沢から喜多見間の連続立体交差事業調査を実施しております。世田谷区におきましては、従前より、この報告書については区に資料を提示するよう求めてまいりました。区としては、それをもとに区議会や区の都市計画審議会にご報告し、区民にもお知らせするとの立場でございました。その後、この報告書については、関係住民による資料の開示請求の訴訟が、昨年三月、東京都との間で裁判所の勧告により和解となり、現在は事業内容の確定していない部分などを除き開示され、その資料は区にも保管され、区民からの開示請求があれば開示されることになっております。

 今後、小田急線の残された下北沢付近の立体化の促進を求めるためには、東京都に対し早急な立体化の計画の提示を求めていくことが重要と考えております。

 また、京王線の笹塚から上北沢間の連続立体事業調査でございますが、小田急線と同時期の昭和六十二、六十三年度の二カ年にかけて行われたと聞いております。しかし、その後、この調査の結果や事業化の見込みなどについての説明や資料送付は区になされておりません。

 なお、お話しの調査報告書は本当にないのかということにつきましては、数年来の訴訟等で私どもがお話ししたとおりでございますが、区は所持しておりません。

 また、お話しの調査要領等については、現在、手元にございませんが、どのような書類か、後ほど確認してみたいと思います。

 次に、下北沢地域の地下化の内定と都市計画案、あるいはまちづくりについてというご質問でございますが、下北沢駅付近につきましては、現在、地表式で都市計画決定されております。この計画のままで事業がなされますと、あかずの踏切遮断による慢性的な交通渋滞、鉄道による地域の分断がいつまでも解消できず、大きな問題が残ることになります。このため、昭和六十一年には区議会から東京都知事及び国に対して、都市計画の変更を求める要望書が提出されているところでございます。平成二年に東京都より世田谷区に対し、今回の梅ケ丘から成城学園前駅付近の小田急線の事業方針の説明がありましたが、下北沢駅付近につきましては検討中区間との説明でございました。

 区といたしましては、検討中区間のものとなっている下北沢駅付近の立体化の促進を求めるため、東京都に対し早急な立体化計画の提示を求めていく必要があると考えております。

 下北沢駅周辺のまちづくりでございますが、鉄道の立体化に合わせて総合的なまちづくりを推進することは極めて重要であります。このため、下北沢駅周辺のまちづくりについて、地元の下北沢まちづくり懇談会などの意見を聞きながら、引き続き検討してまいりたいと考えております。

 次に、世田谷区が実施した小田急沿線街づくり調査と調査委託についてでございます。小田急沿線交通施設及び街づくり調査は、成城学園前駅付近から梅ケ丘駅付近の線増連続立体交差事業を契機として、駅前広場や道路などの交通施設の検討や、沿線のまちづくり事業を展開することにより、良好な市街地形成に向けての基本的な方向を探るため実施したものでございます。平成三年六月に、小田急沿線交通施設及び街づくり調査検討委員会を設置して調査検討を行ってまいりました。この調査結果につきましては、小田急沿線交通施設及び街づくり調査報告書として取りまとめ、平成五年一月に当区議会にご報告するとともに、区民にも公表しております。区といたしましては、この報告書をマスタープランとして、それ以降、各駅周辺のまちづくりを具体的に検討してきております。

 駅周辺まちづくりの構想については、区の構想の提示を待ち望んでおられる方々も多いことから、総合支所とも役割を分担し、構想の取りまとめを進めているところでございまして、まとまり次第、議会へ報告し、地元の方々に提示してまいりたいと考えております。

 次に、震災対策との関連でございます。

 阪神大震災の教訓を踏まえ、連続立体交差事業の事業者でございます東京都は、今後、国などの耐震基準の見直しが行われ、新しい基準が策定された場合において、新たな基準に基づき必要な補強などを実施していくことで耐震性の向上を図っていくとのことでございます。工事の中止は考えていないとのことでございます。

 また、さきの三月議会における構造物の安全性の確保についてのご意見に基づき、区として二十三区災害対策検討委員会に提起し、検討委員会において、五月九日、国と都に対し構造物の耐震基準の強化や既存施設の補強推進を図られるよう緊急要望しているところでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の木庭部長の回答の中で、二重支払いについての回答がありませんでした。

 それから、要領について持っていらっしゃるのかわからないということでしたが、これは極めて不見識だと思います。小田急の連続立体調査や京王の連続立体事業調査、これは世田谷区全体にかかわることであります。これについて知らないということは、やはり職務を全うしていないということになると思いますが、いかがでございましょうか。

◎(木庭道路整備部長) お話は、最初の一点については、世田谷区の平成三年度に行った街づくり調査について二重支払いではないかというお話かと思いますが、これについては、きちんとした手続で調査を終了して行っておるわけでございます。現在、この問題について住民訴訟が提起されておるという状況でございます。区としては、これは正規の手続で調査を進めたという立場でございます。

 次に、要領の件でございますが、要領については、このような訴訟等の関係もございます。持ち帰って正確な資料を確認いたしたいというふうにお答えしたものでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 今の二重支払いの問題でございますが、これは監査にかかりました。ところが、これは門前払いを食わされた。つまり内容について一切調べていないのであります。ですから、本議会でこの問題がどのようなことになっているのか、その見解を理事者から聞きたい、そのことを言ったのでありまして、それには答えていただきたいと思います。

◎(木庭道路整備部長) 先ほどの小田急沿線交通施設街づくり調査委託に関する監査請求というのが出ております。この監査請求は、世田谷区が平成三年度に行った小田急沿線の街づくり調査に要した費用について、公金支出が違法、不当であるので、区長に対し、区がこうむった損害を補てんさせることを命ずるよう、平成六年十月六日に請求されたものでございます。この監査請求に対し、世田谷区監査委員より区長あてに、平成六年十月二十日、却下したとの通知を受けております。この通知によれば、地方自治法の規定及び最高裁判所の判例に照らし、本件請求は不適法な請求と判断され、却下されたものとのことでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) ですから、監査請求ではなくて、きょうは質問という形で聞いておるのであります。監査請求での却下理由は、これは要するに日限がたっている、そういったことでありまして、何ら内容に触れた監査結果ではなかったわけであります。これは区政の問題として、ここに出席しておられる議員の皆さんにも非常にかかわりのある問題であります。特に連続立体事業調査がないというふうにおっしゃった。しかし、それにかわる調査を世田谷区で独自にやっている。その調査がパシフィックコンサルタンツという同じ会社に依頼されているのであります。しかも、トンネル会社を使い、まだ小田急を使い、そういった形になっているのではないか。

○(鈴木昌二議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。