2001年10月16日決算特別委員会質疑<補充質疑>


○小畑 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 「せたがやの家」の判決について、判決が出た後に区長に交渉を申し入れました。六月二十五日に判決が出たんですが、その週明けの月曜日に谷田部区長室長を通じて申し入れたんですが、この前、区長はその申し入れの内容について一切聞いていないというお話だったんですよ。谷田部さんはちゃんと伝えたんですか。

◎谷田部 区長室長 申し入れの趣旨は伝えました。

◆木下 委員 区長、話が違うじゃないですか。お聞きになったんですね。

◎大場 区長 聞いたというふうに思っております。

◆木下 委員 答弁が最初の日のと食い違っているんですよね。それで、要するに区長は知っていながら答えなかったわけですか。この前は何も知らないというふうにお答えになったんですよ。

◎大場 区長 その前に、既にもう控訴することに決めてありましたものですから、大体その方向で行こうというふうにしてありますので、ひとつそういうふうにご理解願いたいと思います。

◆木下 委員 都合によって答弁をくるくる変えるようなことは失礼だと思いませんか。つまり、それで非常に時間をとったわけですよ。きょうはわざわざ谷田部さんまで呼んだんですよ。区長が聞いていないというから、谷田部さんを呼んでほしいと言ったんですよ。いかがですか、区長。

◎大場 区長 具体的に話を聞いたわけじゃありませんけれども、大体そういう意味で話を聞いております。

◆木下 委員 だって、区長は体は別に病気だったわけじゃないでしょう。だから、会おうと思えば会えたわけですね。そのことだけ一点聞いておきます。

◎谷田部 区長室長 前回の質疑をよく読ませてもらいましたけれども、面会については委員からの指摘がありました。これについては伝えていないということはあります。

◆木下 委員 面会について伝えていないというのは、これはひどい話じゃないですか。つまり、あなたは職責を全うしていないわけですよ。つまり、面会したいというふうに申し入れたのが、これは大きなポイントですよ。つまり、区長みずからどうお考えになるのか、そのことについてお聞きしたいというふうに申し入れたわけです。そういった意味で、あなたは面会について伝えなかった。そのことを今お認めになった。もういいですよ、この件はこれで終わりにします。
 それから、小田急線の訴訟の判決が出ました。これに関して、控訴について世田谷区には相談等がありましたか、いかがですか。

◎原 都市整備部長 控訴当日、東京都から説明がありましたが、事前に相談はございませんでした。

◆木下 委員 世田谷区は、実は環境側道等について事業を請け負うようなことになっていまして、お金も負担金は出しているわけですね。その当事者である世田谷区に控訴について何ら相談もなかった、去年の和解勧告についても一切相談がなかったということです。それが今の自治体と東京都、国との関係の実態だと思います。
 そして、東京都はことしの三月末に、小田急線の事業は五三%の進捗率で終わっている、そういう発表をしているわけです。これはトータル事業費一千九百億円のうちの五三%が終わったと。そして、これは用地費が九百五十億円、それから工事費が九百五十億円ですから、五三%といいますと、一千九百億円のうちの一千七億円なわけですね。そして、用地費が九八%取得済みということなんです。そうすると、これは九百三十一億円。そうしますと、一千七億円から九百三十一億円を引きますと、工事費は何と七十六億円しか使っていないということになるんですよ。これについて非常に疑問だと思いますし、担当者はお気づきになっていると思いますが、これについての説明はございましたか、いかがですか。

◎原 都市整備部長 これについて詳細な説明はございませんでした。

◆木下 委員 概略の説明はあったんですか。

◎原 都市整備部長 負担金でございますから、工事に使うということは了解しておりますが、詳細の説明は受けておりません。

◆木下 委員 工事費は莫大にかかっているんじゃないですか、どうですか。

◎原 都市整備部長 このような基幹的な施設をつくるというのは、やはりこれぐらいの工事費がかかるものだと認識しております。

◆木下 委員 先ほど指摘したのは七十六億円しか使っていないということを申し上げているんですよ。つまり、スラブが七一%済んだと言ったけれども、それは真っ赤なうそだと申し上げた。五三%との比較でいったら、これは七十六億円しか使っていないということは全くおかしなことですよ。つまり、こういうことについて、そういう矛盾について担当者に説明がないということは非常に問題だと思います。
 それから、今度の判決を通じて、この判決で、せっかくここまでできているのに複々線事業がおくれるというような指摘があったわけですけれども、下北沢があかなければ工事ができない。平成二十五年以降になるということはこの前もお答えになったということですが、実は調べてみますと、本来、複々線事業は、平成九年に東北沢まで完成できることになっていたわけですね、特特法の申請がそうだったわけです。それを平成九年になって十六年まで延長しました。しかし、実際には下北沢があかなければ、これは完成しないわけですから、平成二十五年以降になるという。つまり、平成九年が平成二十六年、二十七年という期間に、それこそ大幅に延期されたわけですけれども、このことについて、区長はどういうふうに思いますか。

◎大場 区長 大変難しい問題でございまして、私ども素人にはなかなか難しい話であります。こういうふうに思っております。

◆木下 委員 無責任きわまりないですよ。区長はこの問題に何年かかわっているんですか。区長は最初のころは地下化推進の運動にも参加されていた。それで、高架方針に踏み切って、それで事業が進んできた。しかも、初めは東北沢から喜多見まで一括して事業をやる予定だったわけですよ。それを梅ケ丘で分断し、梅ケ丘までの事業を先行させた。下北沢については地下であるということは、それは状況からすると、もうほぼ決まっていたはずです。それでいて、分断したために平成二十五年以降に複々線事業はおくれるわけです。
 つまり、梅ケ丘まであいたところで一日七百七十本の本数が八百本にしかふえない。そして、一千本以上になるためには代々木上原で千代田線と結ばなければならない。そうなると、まさにお役人、官僚がこの事業を大幅におくらせているということになりませんか。その責任はどうお考えになりますか。

◎八頭司 助役 全体の工事期間が延びていることは私どもとしても大変残念でございます。ただ、それまでには、委員もご存じのようなさまざまな事情があって、周辺の方々とのお話し合いもあったり、裁判が起こされたり、さまざまございましたから、ある部分はやむを得ないと思います。ただ、一日も早く開通することを私どもは願っております。

◆木下 委員 今まで住民に考慮して工事をおくらせたなんていうことは一切ないんですよ。粛々と工事は進んできているんですよ。それがこれだけ大幅におくれる。しかも、行政の責任でおくれているわけです。そういったことで考えますと、下北沢は一千四百億円も使って、用地費は百億円だと言う。一千三百億円も工事費に使う。これはシールドでやったら早くできますよ。そういうふうに進言するおつもりはありませんか。

◎八頭司 助役 高架でどのくらい、シールドだとどのくらいということは、委員もかかわられている裁判の中でもいろいろとやっておられる話です。国も控訴いたしましたので、控訴の中でまたそういうお話が出るのであろうと思います。その辺を見守りたいと思います。

◆木下 委員 そんなのんびりした話をしていてはいけないと思うんですよね。つまり、早く複々線事業を完成するためにも、どうやったら解決がついていくか、そのことについて、区は区長以下きちっと考えなければいけない。そういうときに来ているんじゃないでしょうか、区長、いかがですか。

◎大場 区長 おっしゃるとおり、なるべく早くやりたい、こういうふうに思っておりますので、都合してやっていきます。

◆木下 委員 先ほどは難しいことはわからないと言った。今は何か空手形みたいなことを言った、こういうことがずっと続いているわけですよ。「せたがやの家」の訴訟でも、今回の小田急線の訴訟でもそうです。区長、おやめになったらどうですか、いかがですか。

◎大場 区長 そういう気はありません。

○小畑 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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