平成12年第2 回定例会(自516日 至5 19日)

世田谷区議会会議録

2000年5月19日 世田谷区監査委員選任の同意への反対討論


○山内彰 議長 これより


△追加日程第一を上程いたします。
   〔関参事朗読〕
 追加日程第一 同意第五号 世田谷区監査委員選任の同意


○山内彰 議長 岩本K昌議員には、除斥の規定により、しばらくの間退場を求めます。
   〔十一番岩本K昌議員退場〕


○山内彰 議長 本件に関し、提案理由の説明を求めます。大場区長。
   〔大場区長登壇〕


◎大場 区長 ただいま上程になりました同意第五号「世田谷区監査委員選任の同意」についてご説明申し上げます。
 本件は、議員選出監査委員の飯塚和道議員から辞職願が五月十七日に提出され、これを受理し、欠員となっておりますので、新たに議員選出監査委員として、世田谷区南烏山三丁目十九番十九号岩本K昌氏を選任いたしたく、地方自治法第百九十六条第一項の規定に基づき、ご提案申し上げた次第でございます。
 何とぞ慎重ご審議の上、ご同意賜りますようお願い申し上げます。


○山内彰 議長 以上で提案理由の説明は終わりました。
 ここで、委員会付託の省略についてお諮りいたします。
 本件は、会議規則第三十八条第二項の規定により、委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○山内彰 議長 ご異議なしと認めます。よって本件は委員会付託を省略することに決定いたしました。
 これより意見に入ります。なお、意見についての発言は、議事の都合により十分以内といたします。
 発言通告に基づき、発言を許します。
 五番木下泰之議員。
   〔五番木下泰之議員登壇〕


◆五番(木下泰之 議員) 追加提出議案の「世田谷区監査委員選任の同意」について、反対の立場からの討論を行います。

 提案された公明党の岩本K昌議員を新監査委員に選任するという同意の案件は、公明党の飯塚和道監査委員の辞任による欠員を埋めるものでありますが、二つの理由から反対いたします。まず第一に、監査委員を区議のうちから二名も出すことに反対だからであります。そして第二に、監査委員のたらい回しは地方自治法の本旨に反し、公正な監査を遂行し得ないということから反対であります。

 一番目の問題につきましては、先ほど区長から地方自治法第百九十六条の一項に基づき選任の同意をお願いするとありましたが、第百九十六条の一項はこう書いてあります。「監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者及び議員のうちから、これを選任する。この場合において、議員のうちから選任する監査委員の数は、監査委員の定数が四人のときは二人又は一人、三人以内のときは一人とするものとする。」というふうになっているわけであります。つまり、議会からの選任は一人で十分なのであります。

 世田谷区は監査に関しましてある改革を行いました。以前は区の職員から二名の監査委員を出しておりましたが、これではどうも評判が悪いというので、外部監査というか、外部から見識のある方をお連れして監査委員になっていただいた、そういう形がございます。一つの改革であると思いますけれども、一番の改革は、やはりせっかく外部から迎えるということであれば、もうお一人外部から迎えればいいし、そして、地方自治法上、区の役人を経験した方を入れないこともできるわけですね。つまり、自治法上は議員を入れなければいけないですけれども、全員をというよりも、四人の場合には三人を外部から入れることはできるわけであります。ですから、そのようにされたらいいと思います。

 そうしなければ、やはり今、監査委員の仕事というのは非常に重要な仕事であります。今、直接請求権を行使するということでは、この監査請求がかなり大きな効果を上げております。つまり、代議制も大事ですけれども、区民の直接民主制というのは非常に大事なわけです。監査制度がその大きな舞台になっているわけですから、これを監査する委員は、やはり区民から見て、どうしても公正な方々でなければならない。区議会は、地方自治法がある以上は、本当は全部外部から監査委員は選ぶべきだというふうに思いますけれども、最低限の一名にとどめるべきである。その意味から、二名の委員を区議会から選出するということを相変わらず続けることに反対であります。

 そして、第二番目の監査委員のたらい回しにつきましては、これはもう言語道断でございます。おやめになられた飯塚監査委員は平成十年に一度選ばれております。そして、区議会議員の改選で当然──去年の改選があったわけですけれども、その際にもう一度選ばれたわけであります。公明党さんが一つの改革をなさったというふうに私は聞いておりましたので、監査委員として一番ふさわしい方をもう一度出してきて、任期満了務めさせるものだというふうに私は思っていたわけであります。

 しかし、仄聞しますと、そうではなくて、前の方が二年おやりになったから、また二年ずつやると、そういうことでおやりになって、そして、二年ちょうどやったから、今度はまた辞任させる、そういうようなことをおやりになっているというふうにお聞きしております。そういうことが本当に区民のためになるものであるか、それは違うと思います。また、今回、自民党の選出の監査委員の方はおやめになっておりませんが、私は、これは四年間続けるべきだというふうに思いますよ。

 先ほど議会運営委員会で、なぜおやめになるのか、そのことをお聞きしました。そうしましたら、やはり明確な答えはないわけですね。地方自治法にああいう規定がある以上は、やはり病気であるとか、犯罪を犯したとか、そういうことであれば辞任されることは必要でありましょうが、そうでない限りはやはり四年間続けるべきである、そういうふうに思います。

 なぜ四年間続けなければならないか。そのことは、つまり監査委員になった方は、これは議員の中でも特別な立場に立つわけであります。ですから、四年間はそれに専念して余り生臭いことにはタッチしない、そのことがやはり公正性を担保することになるというふうに思うわけであります。それをたらい回しにするという慣例を続けていたのでは、そういったことも是正されない。以上の理由から私は反対するわけであります。

 考えてみますと、前期、私は当選したわけですけれども、小会派、下条さんと一緒に、この問題については徹底的に追及してまいりました。改革の兆しもいろいろ見えてまいりました。監査を役人から出すのではなくて一人は外部から入れる。また、政党の方も、どうやら二年交代にされたようですけれども、こういうこそくなことではやはり区民は納得しないと思います。やはりきちっと自治法の本旨にのっとって、私は反対ですけれども、今度推薦された方は、やるとするならばやはり任期を全うするまでやるべきであるし、それをたらい回しにするようなことは断じて許せない、その趣旨から私は反対いたします。
 以上でございます。


○山内彰 議長 以上で木下泰之議員の意見は終わりました。
 これで意見を終わります。
 これより採決に入ります。採決は起立によって行います。
 お諮りいたします。
 本件を同意と決定することに賛成の方の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕


○山内彰 議長 起立多数と認めます。よって同意第五号は同意と決定いたしました。
 除斥の議事が終了いたしましたので、岩本K昌議員の再出席を求めます。
   〔十一番岩本K昌議員入場〕


○山内彰 議長 ただいまの同意に伴い、新旧監査委員からあいさつがあります。(拍手)


◎旧監査委員(飯塚和道 議員) このたびは一身上の都合によりまして監査委員を辞任させていただきました。
 本当に在任中は温かなご理解、またご指導を賜りまして、心から御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)


◎新監査委員(岩本K昌 議員) 監査委員のご推薦、ご同意をいただきましてありがとうございました。
 皆様の期待におこたえできますように一生懸命頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。(拍手)


○山内彰 議長 以上であいさつは終わりました。

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○山内彰 議長 以上であいさつは終わりました。