2000年3月10日予算委員会質疑<総括質疑>


○荒木 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 この前の本会議の質問の中で石原知事の話を出して、尼崎道路公害の差しとめについてお話をして、区長さんは石原さんのようにみずから判断していろいろやらないのかというふうに私はお聞きしましたところ、区民のために道路の問題とか、小田急の問題等もやりたいとおっしゃったわけなんですが、道路の排ガス公害等については、区長さんはこれからどんな対応をとっていくというふうにお考えですか。

◎大場 区長 その問題につきましては、これから東京都内の各自治体もいろいろあるわけですから、そういうところでどういうふうに扱うか、そういうことを見きわめながらやっていきたい、こんなふうに思っております。

◆木下 委員 見きわめながらとおっしゃるけれども、世田谷ももう七〇年代のころから、排ガス公害についてはさまざまな問題点があったんじゃないでしょうか。例えばSOxがクリアされたような状況の中でNOxが脚光を浴びてきたときに、住民の間からはNOxを公健法の指標にしてくれとか、そういった要求もずっとあったわけですね。区長さんはそういう時代をよくご存じなはずですよね。
 そして、今回の石原知事の発言というのはどういうふうにお考えになりますか。今までの自動車公害に対しては、私は非常にエポックメーキングなことだと思うんですけれども、何がどういうふうに重要だというふうに区長さんは思われますか。

◎大場 区長 これは石原知事になってからああいう問題が出てきたわけでありますが、やっぱり知事というのは総理大臣の次ぐらいの資格があったから言えたんじゃないか、こう思っております。いずれにしても大変な考え方でありまして、そういう問題は昔から、どうこう申し上げても仕方がないけれども、実際はそういう問題がたくさん残っていた、またこれからもあるであろうと思っておりますが、それらを発言した知事に対して、やっぱり私どもは、今までの環境問題というのは、日本の国の中で扱い方が非常にまずかったのではないだろうかな、こんなふうに思っております。

◆木下 委員 知事は総理大臣に次ぐような権限を持っているというふうにおっしゃいましたけれども、世田谷区というのは東京の中で一番人口の多い区なんですね。しかも、都心のすぐ近くにあって、昔からの伝統も持っている行政区ですので、そういった意味では、区長さんも石原知事に次ぐ権限を持っているんじゃないかと思うんですね。
 それで、道路問題に関して言いますと、世田谷区は、例えば将来、道路にどのくらいの交通量があるかというデータすら実は持っていないんですよね。区長さんとしては、こういうデータはきちっとそろえておくべきだと思いませんか。

◎大場 区長 それは世田谷区の中でも必要なものは大事にしておかなきゃいけないと思っておりますので、そういうことについてこれからも検討していきたい、こういうふうに思っております。

◆木下 委員 区長、今、補助線を整備しようということで、また道路計画の新しい十カ年計画が出てきたわけですけれども、ところが、その中で、やはりそういう検討はされていないわけですね。だから、そういう具体的なシミュレーションといいますか、そういうことは調査していただく約束をしていただけませんか。

◎岡沢 建設・住宅部長 道路整備方針を担当しておりますので、私の方からお答えいたします。
 道路整備方針につきましては、道路の役割をまず見る必要があろうかと思います。道路の役割は、交通を担うということはもちろんですけれども、そのほかにも沿道の土地の利用状況、それからガスですとか、上下水道ですとか、電気ですとか、そういうライフラインの収容機能、緑化、通風など環境機能、いろいろな防災機能もありますけれども、たくさんあります。その中で、全部をひっくるめまして、どれを一番重点に置いて、どのバランスをとって抜いたら一番いいだろうかというようなことを考えて、方針として整備するものでございますので、交通量だけをやるつもりはありません。
 ただ、事業化に当たりましては、委員がご指摘のことはもっとものことでございますので、交通量調査をやったり、それから沿道の事業化に対するときの環境問題ですとか、そういうものについてつぶさに検討する、そういうことはやらなくてはいけないかと思っております。

◆木下 委員 区長の言ったことと大分逸脱しているんですけれども、要するに、私はそれだけやればいいと言っているんじゃないんですよ。それも含めてやっていないで、なぜこれからの十カ年計画をきちっと立てることができるんだろうか。
 例えば、まさに補助線をネットワークしていくわけですよ。それで、補助線は地域幹線道路という位置づけなわけですね。そうすると、少なくとも地域幹線道路が通ったらどのくらいの交通量があるのか、あるいは交通量が具体的に出なくても、キャパシティーとしてどのくらいあるのかということについては押さえておかなければ、それは区民と議論することもできないわけですよ。これから自動車公害が、まさに健康被害に問題があるということを知事が言明したわけだから、それに対しての対策をとらなければいけないわけですよ。そういう基礎的な情報すらつかんでいないで、政策を立てられないじゃないですか。
 区長、これはぜひそういうことをやっていただくと、ここで約束してください。

◎水間 助役 今の件につきましては、住宅・建設部長のとらえ方が言葉が足らなかったと思いますが、私どもはやらないんじゃなくて、事前に全体的なということじゃなくて、地区の中の道路ですから、新しく道路を抜く場合ですとか、あるいは大きく変わった整理をしていくときは、その事業をやるときに、当然そういったものも含めて検討していくということは、これはお約束できると思います。

◆木下 委員 いいですか、十カ年計画を立てるときにそういうことをやるべきだと私は言っているんですよ。そういうこともなしに全体を間引いていく必要があるのか、あるいは全部つくる必要があるのか、そういうことすら議論できないじゃないですかと言っているんですよ。つまり、基礎的な討論の土台になることすらやっていないと言っているんですよ。今はコンピューターもあるんだから、シミュレーションなんていうのはすぐにできますよ。それはやってくださいよ、約束してください。

◎水間 助役 都市計画道路の大きなところにつきましては、当然、都なりがデータを持っているわけでございますけれども、ですから、これから具体的にそういった手法に入りましたら、当然、私どもはそういったことも視野に入れながら事業を進めていく、こういうことでございます。

◆木下 委員 区長がさっき約束した、区民のための区政をやるんだということと全然違うじゃないですか。要するに、私はそれに賛成、反対なんて言っているんじゃないですよ。討論の土台になることについてはきちっとやりなさいと言っているんですよ。そういこともなかったら道路行政だって進まないだろうし、それから、何よりも区民の健康を守れないですよ。そういったことについて無神経過ぎませんか。石原知事があそこまで積極的に排ガス対策について言っているんですよ。道路の交通量すら調べないと言うんですか。調べると約束してください。

◎水間 助役 私たちは調べないと言っているんじゃないんです。時期的な問題もありますが、そういった事業を具体化する前には、そういった調査も当然やらなくちゃいけない、こういうふうに申し上げているところでございます。

◆木下 委員 大体、十カ年計画を立てるときに、そういうことすら、基礎調査もしないで立てていること自体がおかしいですよ。
 それから、さっき、都がそういうのはつかんでいると言いましたけれども、それはつかんでいるんですね。東京都にデータは要求してください。

○荒木 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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