Mercenary of Moon


 Last update 10/10/23

 

 ■ CENTRAL PHOENIX WALKER 〜 かっこよければ全てよし 無くても困らぬ資料集  

 
 

テニスのちょっとした理屈


テニス初心者へおくるテニス初心者からの解説
( おそらく読む前のほうがプレイがスムーズ )


其の一 ボールを打つのは難しい

 最初に意識していただきたいことは、ボールを打つのは難しいということです。
テニスに限らず球技全般そうですが、ボールをねらった場所に打つというのは結構難しいです。野球しかり、バレーボールしかりです。止まっている球を打つゴルフですら、たった1mのパットを素人はなかなか入れることが出来ません。ゲームですとボタン一つで簡単に相手コートに返してくれますけど。
ですので、“ボールを捕らえやすい”“相手コートに入りやすい”というのは、とても重要な要素になります。


其の二 なぜトップスピン

 トップスピンとは、下から上にボールを擦り上げるように打って、ボールに縦の順方向の回転をかける打法です。ゲームでは○ボタンで出ます。これを軸に試合を進める方が多いと思いますが、何故にトップスピンがメインになるかといいますと、“相手コートに入りやすい”からです。
テニスもピンポンもそうですが、初心者がラケットでちょっと勢いよく打つと、ボールは相手コートの遙か先に飛んでいってしまいます。かといって、ちょこん、ちょこんと打っていると、相手は簡単に打ち返してきますし、なによりも打っていて気持ちよくありません。(フルスイングでスカッと打ちたいですよね。)
そこで、トップスピンです。縦の順方向への回転を与えられたボールは下に落ちます。あさっての方向へ飛んでいくことなく落ちて、ボールは相手コート内へ入るようになります。
トップスピンのボールは、山なりの弾道で、順方向の回転がかかっているため地面に当たると大きく弾むのが特徴です。


其の三 なぜ打点が高いと威力増

 ゲーム内では、打点が高いほど威力のあるボールを打てます。理由は、一つはネットの存在と、もう一つはスイングのしやすさです。
ネットの上端よりも低い高さにあるボールを、ネットに引っかからないように打とうと思えば、水平よりも上方向に打たなければなりません。上方向に打つということは、加減しないと相手コートを越えてあさっての方向に飛んでいってしまいます。また、低いボールは、ラケットを地面に擦らないように気を遣いつつ、低い姿勢で打たなければなりません。思いっきりスイングしたくてもできないわけです。
(ちなみにスイング方向の関係で低いボールに対しては、トップスピンよりもスライスのほうが返しやすいという人もいます。)
逆に打点が高い場合、ネットよりもボールが高い位置にあれば、ネットに引っかかるのをあまり気にせず相手コートに叩き込むことができます。スイングもよりしやすくなります。


其の四 なぜスライス

 スライスは、上から下へボールを切るように打って、縦の逆回転を与える打法です。スライスのボールは、トップスピンと回転が逆ですので逆の特徴、浮き上がるような弾道とあまり弾まないのが特徴です。
(さすがに重力に逆らって本当に浮き上がることはありませんが、通常の放物線よりも落ちの少ない、ゆるやかな放物線を描きます。)
スピードに欠けますが、低い弾道と大きく弾まないため、高い打点で打ち返されることが減ります。守りやアプローチに向いたボールといえます。


其の五 なぜフラット

フラットとは、回転をかけずに打つボールです。ボールに回転をかける場合は、ラケットでこするように打たないといけませんが、回転をかける必要がなければ、ボールに対して真っ直ぐにラケットを当てて打てばOKです。
スイングパワーをダイレクトにボールに乗せて最もスピードのあるボールを打つことができます。
(真っ直ぐ思いっきりブッ叩けば、速い球になるってだけの話です。)
ただし、前項でも述べましたが、回転がかかっていないボールは落ちないので、低い打点ではオーバーしやすいです。
(ゲーム中では「高い打点で打つとフラットになる」というイメージですが、実際は「低い打点だとネットかオーバーするので、高い打点でしか出せない」といったところです。)
回転をかけないスピードボールはブレやすく、また、ネットの上すれすれを通して打たないと相手コートに入りません。習得が難しいボールです。
しかし、ネットの上すれすれを飛んでくる速いボールは、相手にとっても難しいボールですので、フラットをメインに闘える選手は有利です。
(有利不利はさておき、相手コートに叩きつけるように思いっきりボールを打つのは気持ちがよいので、「フラットこそ硬式テニスの醍醐味」という人もいます。)

※ボールの回転と弾み方について※
他の球技をなさっている方は、ボールの回転方向と弾み方を読んで首を捻ったのではないでしょうか?
特に卓球選手はそうだと思います。卓球選手にとって、順回転のボール(ドライブ)の跳ね方は、台に喰いつくように低く伸びてくるイメージでしょう。
テニスにおいて、順回転のボールが高く弾むのは、回転方向のせいではなく、弾道が高いせいです。
高い位置から落下するので高く弾みます。同じ高さからでしたら、逆回転のスライスのほうが高く弾むでしょう。
また、野球やバレーの選手は、無回転のボールは落ちないのでコートをオーバーしやすいと聞くと、これまた首を捻るのではないでしょうか。
おそらく、「無回転のボールとは落ちるボール」というイメージがあると思います。
これは、テニスと野球では基準になるボールの弾道が違うせいでしょう。
野球選手にとって、基準となるボールはストレートでしょう。ストレートは手首のスナップを効かせて投げるとよく伸びます。投手の多くは上手投げですので、スナップを効かせたストレートは、逆回転のボール(テニスではスライス)になります。
逆回転の低い弾道のボールが基準ですので、無回転のボールはそれよりも落ちるボールに見えます。
しかし、テニスにおいては、順回転のボール(トップスピン)が多用されます。順回転のボールの山なりの弾道に慣れていれば、無回転のボールは、それよりも落ちずに低く伸びてくるように感じるでしょう。
ちなみに、回転するボールの弾道の変化は、“マグナス効果”によるものらしいです。


其の六 なぜにベースライン

 ベースラインプレイヤーはなぜにベースラインにいるのでしょうか。最初に述べたとおり、ボールを相手コートに入るように打つのは結構難しいです。ミスショットを少なくしようと思えば、相手が打ったボールを捕らえやすいエリアに位置するのがよいでしょう。
テニスをしたことのない方も、野球ならしたことがあるかもしれません。もしあなたが野手で、強烈なライナーを捕球するとき、ボールをキャッチしやすいのはどこでしょうか。おそらくボールが一度バウンドしてからちょっと落ちてきたあたりが捕りやすいでしょう。球威も弱まり、バウンドしたボールの弾道も見極めが付いているので捕りやすいと思います。逆に捕りにくいのがボールがバウンドする直前・直後でしょう。
テニスも同様です。一度弾んでからある程度の高さに落ちてきたボールが打ちやすいです。そのようなボールを捕らえやすい場所が、ベースラインとその少し後ろのエリアになります。
つまり、ベースラインプレイヤーはボールが打ちやすいのでベースラインにいます。
ベースラインプレイヤーの武器は、ミスのないストロークということになります。あとは相手がミスをすれば得点できます。ミスを待つというのは効率が悪そうですが、テニスの得点は、エースよりも相手のミスで入ることのほうが多いようです。


其の七 なぜにネット

 ネットプレイヤーがなぜにネットに走るか。これはあまり説明の必要はないでしょう。目の前で返球されると相手は打ち返しにくいからです。ネット際で返球するメリットはいろいろあり、一つは相手に時間的余裕を与えない、目の前に相手コートがあるので、比較的容易に返球ができ、それも角度をつけて打てます。
サーブからボレーにつなぐサーブ&ボレーが一つのスタイルです。サーブを打ってそのまま一気にネットに走るばかりでなく、間に相手の返球を見極めるための動きを挟むこともあります。守りやすいベースラインを捨て、攻撃に有利なネット際に走るわけですから、ネットプレイヤーには相手の返球を予測して前に出るタイミングを決める判断力が必要です。
ちなみに最近のトッププレイヤーでは、生粋のサーブ&ボレースタイルの選手は絶滅危惧種に指定されそうなくらい激減しているそうです。道具の進化等により、強力なストロークを得たベースラインプレイヤーが現在の主流です。
サーブ&ボレーを行うのはオールラウンドプレイヤーで、グラスコート等のベースラインでのプレイが不利な場合にサーブ&ボレーを、ベースラインが有利であればベースラインを選択します。サーブ&ボレーオンリーのプレイヤーは現在少ないようです。




其の八 なぜに守りはクロス、攻めはストレート

 自陣のコーナーからネット中央を経て相手コーナーへ対角線上に打つのがクロス、正面方向に打つのがストレートです。テニスでは、守りはクロス、攻めはストレートといわれます。クロスは対角に打つので距離が長く、相手コートをオーバーしにくいので、返球がしやすいです。また、ネットはしっかり張っても中央がやや低くなるので、ストレートでサイドを通すよりも、クロスで中央を通すほうがボールがネットに引っかかりにくいです。ミスの少ない返球をしたければクロスに打つほうがよいわけです。
一方、ストレートは、距離が短い分、相手が反応しにくいのですが、オーバーしやすい上に、中央を通すよりもネットに引っかかりやすいです。また、相手が崩れずに返球してきた場合、反応しにくいのはこちらも同様です。クロスよりもリスクのあるストレートは決めるつもりで打ったほうがよいでしょう。


其の九 なぜにサーブ&ボレーのアプローチはクロスよりストレート

 “リスクのあるストレートは決めるつもりで打て”と書いたばかりですが、サーブからネットプレイへのつなぎのショットはストレートがよいという人もいます。つなぎのショットをストレートに打つのは、相手を崩すためではなく、次の移動距離が少なくてすむという理由からのようです。
次の相手の返球に備えるために、相手の打ち返す範囲のセンターに位置するのが基本ですが、相手が自分と同サイドの角にいる場合、返球に備える位置はコート中央よりも手前になります。(相手が逆サイドの角にいる場合は、コート中央よりも向こう側に移動しなければなりません。

ピンとこない方は、自分のいる側のベースラインを底辺、相手のいる角を頂点とする三角形を書いてみてください。)
決めるためではないので、速いボールではなく深めにスライスを打つのもいいでしょう。



其の十 ウィナーってなに

 試合結果を見ると、ウィナーというのがあります。これは、ポイントのうち、こちらの攻撃によって決まったものです。こちらの打球を相手が触れることなく決まればウィナー、相手が打ち返してネットに引っかかったりアウトになったりしたら相手のミスらしいです。


ダブルスの一般的な流れ

サーバーとレシーバーが対角に位置するのはシングルと同じですが、もう1人の味方は逆サイドのネットに近い場所に位置するのが一般的です。サーバとレシーバーはそれぞれのコートの後方にいるので“後衛”、もう1人は前方のネットに近いところにいるので、“前衛”と呼ばれます。
最初からネットプレイ出来る位置にいる前衛が攻撃、後衛が守備的役割をすることが多いです。相手前衛に打たせないようにしつつ、味方の前衛が打つチャンスをつくります。
サーブの時、味方前衛は、相手(レシーバー)がストレートに打ってきたときにサイドを抜かれないようにややサイドよりに位置することが多いです。
後衛同士がクロスで打ち合い、返球が甘くなったところか、クロスを読んで前衛が割って入って決めるというのが一つのパターンです。

前衛と後衛が斜めに並ぶ陣形は雁行陣と呼ばれますが、一方、後衛がサーブ&ボレーに出たりして、ネットの前にペアが平行に並んだ陣形を平行陣といいます。(まんまですね。)
前に2人いるので攻撃力は抜群ですが、完全に平行だとセンターに打たれたり深いロブを打たれると対処しづらいので、守備も考慮するなら、片方が守備意識を持って少しだけ下がるとよいでしょう。

相手コートのどこを狙うかについて。オープンスペースがあれば、もちろんオープンスペースですが、オープンスペースができないように相手は守っているでしょう。オープンスペースを作るべく、相手ペアの中間に打つのが一つのセオリーです。守備のつなぎ目に打つことで、2人でボールを追って陣形が崩れたり、お見合いしてそのまま得点になるのを期待できます。
ダブルスは、(球技一般そうですが、)ボールを打っていない人の動きが勝敗を分けます。例えば、後衛がストレートに打ち返すときに、味方前衛は、相手後衛のストレートを警戒してサイド寄りにいたままでは意味がありません。次に返球するのは相手前衛でしょうから、ストレートが決まらず打ち返された場合に備えて、センターに動かないと、ただの置物になってしまいます。相手が次に打ち返せる範囲を予測して、ボールのこないエリアを捨てる判断が必要になります。
ボールがこなくても忙しい・・だからこそダブルスはおもしろいのでしょう。



 

 



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