Mercenary of Moon


 Last update 11/05/22

 

 ■ パラメータ・レポート  〜 MARIOKART Wii 初心者に贈るカート選びの参考   

 
 
・CONTENTS

 はしがき   当頁について   好きなマシンのススメ   重さについて 
 パラメータの効果について   マリオカート Link   MoM借掲示板   Index




間違いだらけのカート選び 

マリオカートWii 見てわかるマシンの違い 


  カート選びに絞った初心者向け情報頁


かっこよければ 全てよし!
勝ち目がないマシンはない
特長を知り 好きなマシンでGo!





 マリオカートWiiは、Wii専用ソフトです。
 (発売元任天堂)
 マリオたちがいろんなアイテムを使いながら競争するアクションレースゲームのWii版
 Wiiの様々なコントローラーやWi-Fi対戦にも対応し 初心者からベテランまで楽しめる









 好きなマシンのススメ 


車の操縦とは、走る、止まる、曲がる。レースにおいては、これらを速く正確に行って先にゴールすればいい。(アイテムの使用はその先の話だ。)
タイムアタックは、コースと時計の針が相手。1/1000秒でも時間が短ければいい。タイムアタックにおいて、“速い”マシンとはスピードのあるマシンだ。
一方、グランプリについては、他の選手よりも1ドットでも先にゴールすれば勝ち。タイムがいくつであろうと勝敗には関係ない。勝った者が“速い”のだ。スピードのあるマシンが有利なことに変わりはないが、スピードのないマシンでも十分勝負できる。 己が一番かっこいいと思うマシンを選んで問題はない。 パラメータの意味を理解し、そのマシンがどこで勝負できるのか考えてみよう。







 車と重さについて 


このゲームでは、キャラ&マシンはサイズで3つに区分されているが、それぞれの特徴については説明書にあるとおり。攻略サイトにも書いてる。
当頁ではここについては省略するが、その代わり、車にあまり詳しくない方のために車と重さについてちょっと解説したい。(無駄な知識を得ると、ゲームの世界にさらに浸れるので、車に興味のない方も読んで損はない。たぶん。)

車にとって車体の重さは重要である。運動性能に影響するからだ。人間は太れば動きが鈍くなってしまうが、車も同じ。重いほど運動性能は落ちてしまう。車の場合は、車体が重くなっても、パワーのあるエンジンを載せれば運動性能は変わらないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれない。
答えは否。直進するだけならそのとおりだが、車両は止まったり曲がったりしなければならない。重量の増加はそれら全てに影響してしまう。重くなった分すぐには止まれないし、曲がるときには重くなった分さらに遠心力が増すため、コーナーで大きくふくらんでしまう。車が重くなればエンジンだけでなく車全体のパワーアップが必要になるのだ。
逆にいうと、車を軽くすれば、いろいろな面で性能アップが狙える。(燃費だって良くなる。)軽さは武器なのだ。競技用の車の車内をみると、いろいろな物が取っ払ってあるのは少しでも車を軽くするためらしい。車の能力アップは、エンジン等のパワーアップ以外に、軽量化という方法もあるわけだ。
また、軽いと運動性能だけでなく、不整地の走行でも有利になる。軽い分、泥や雪にはまりにくくなる。(はまってしまった場合でも、軽ければ人力だけで脱出することも可能だ。)

では、大きくて重い車はいいことが何もないかというと、いいことはもちろんある。小さくて軽い車にはないメリットとしては、物をたくさん載せることができる。エンジンは大きくてパワーのある物を載せられ、車体の強度も高められる。(装備の充実や車の強度等を確保した結果、重くなる。)小回りは利かなくても、直線で速い。また大きくて重い分、安定性は高く、車同士の接触にも比較的強い。軽い車は、軽量化のために車体の強度を犠牲にしている場合もあり、この点では大きく重い車のほうが余裕がある。(強度を犠牲にしない軽量化も不可能ではないが・・お金と相談。)

車の重さについて理屈をざっと述べたが、車の理屈は他にもたくさんある。実車でレースに出ようと思えば、荷重移動やらトラクションのコントロールやら理解していないとまともに走れない。コースに合わせたマシンのセッティングなんて、素人には無理。
しかし、マリオカートでは車の知識がない人でも熱い走りができる。理屈抜きで誰もがレースを楽しめるところがマリオカートの一番の魅力だろう。

ただ、車は大きさと重さで特徴が変わってくるが、マリオカートにおいてもそうだということを知っていて欲しい。

ちなみに、ゲーム開始時、軽量級・中量級・重量級の各サイズにそれぞれ3台のカート(バイク)が用意されているが、いずれのサイズでもこの3台は、標準タイプ・加速重視タイプ・最高速度重視タイプのそれぞれ1台ずつである。
ここで注目したいのは、加速重視タイプはいずれもハンドリングが高く、速度重視タイプはいずれもドリフトが高いこと。
グリップ走行が得意な速度重視タイプと、ドリフトが得意な加速重視タイプは存在しないので、もしそういうマシンを期待していた方はがっかりするしかない。
(ハンドリングとドリフトが同じぐらい高い加速重視タイプは存在するが。)








 パラメータ その効果について



スピード
マシンの最高速度。トップスピード。直線だけなら、この値が高いマシンが“速い”

ゲーム開始時に使用できるカートの中で、一番この値が高いのがファイアホットロッド。一番低いのがスーパーベビィカー。(以下Sベビィカー)単純に両者の値を比べると、ファイアホットロッドはSベビィカーの2倍以上の速さを持つことになるが、実際どれだけの差があるのだろうか?両者のルイージサーキット1周のタイムを比較してみた。

ちなみに当頁は筆者一人で調査しているため、比較はゴーストを使用している。
単純にタイムを計測して比較すればわかるが、“見てわかる”がこの頁の趣旨であるので、ファイアホットロッドのゴーストとSベビィカーの両者を同時にスタートさせて見比べた。
(1周目で両者がトップスピードにのったところでタイミングを合わせて、2周目をほぼ同時にスタートさせた。両者ともにオートドリフトで、両者がなるべく同じラインを走るようにコース中央、なるべくセンターラインをまたぐように走行した。)

ルイージサーキット1周における両者の差は約3秒。ファイアホットロッドのほうが、Sベビィカーより約1.1倍速いようだ。パラメータ上の差は2倍以上あるが、コースを走っての差は0.1倍程度だった。単純に数値の通りのスピードというわけではなさそうだ。(おそらくベースになる速度があって、「スピード」はそのベースにプラスされる値と思われる。)


最遅カートのSベビィカーと最速カートファイアホットロッドの2台のスピードを比較。スピードの差は大きく、1周で3秒も差がついた。

ところで、この3秒の差は大きいのか小さいのか。もしSベビィカーが工夫でこの差を埋めることができなければ、はなから勝負にならない。誰でもファイアホットロッドを選べば勝ちということになってしまう。
この3秒差を埋めることはできるのか?・・答えは、できる!
Sベビィカーに、各コーナーのインをつき、なるべく短い距離を走らせてみると、3秒縮めることができた。
ルイージサーキットのコーナーは大雑把に見れば3つ。雑なハンドル操作をしているマシンは、丁寧にコーナーのインをつけば、各コーナーで約1秒ずつ縮めることも可能というわけだ。
ちなみにコースを走るライン取りの工夫ではなく、アイテムのダッシュキノコでタイム短縮を目論んでみたところ、キノコは3つ必要だった。(キノコ1つで、約1秒の短縮効果。)
丁寧なコーナーリングは、ダッシュキノコと同等の価値がある・・といえば、ちょっと言い過ぎだが、コーナーリングで差がつくことはわかってもらえたと思う。

(操作の腕前とは関係ないが、参考までに。相手が攻撃アイテムや障害物にぶつかった場合、3〜5秒のタイムロスを相手に与えられる。)


コーナーリングでスピード差を埋めることは可能。コーナーリングではなく、ダッシュキノコで3秒差を埋めるなら3個必要。


おもさ
おもさについては、グランプリでその差を実感できるので省略する。


スリップストリームを利用して、軽量級が重量級に体当たり。一方的に負けることはないが、相手をはじくのと同じくらいはじかれた。


かそく
マシンの加速力。スピードの上がりやすさ。この値が高いマシンは、短時間でトップスピードに達することができる。混戦では非常に重要なパラメータだ。
初期カートの中で一番かそくが高いのはノスタルジア。一番低いのはファイアホットロッド。ファイアホットロッドは、トップスピードに乗るまで約5秒かかる。一方、ノスタルジアは、わずか約1.5秒。スピードが違うとはいえ、この出足の差は歴然だ。ノスタルジアは第1コーナーまでなら一番速いカートなのだ。

しかし、それはあくまでロケットスタートを使用しなかった場合の話である。マリオカートWiiでは、初心者の方もロケットスタートのマスターにさほど苦労しない。
したがって、この加速力が発揮されるのは、スタートではなく、ミスをした後になるだろう。サンダーやPOWブロック等、ほぼ全員が同時に攻撃を受けることがあるが、そのようなときにこの加速力が活きる。(加速力の高いマシンにとっては逆にチャンスなのだ。)
と前フリしておいて、同時に再スタートを切る場合のノスタルジアとファイアホットロッドの加速力を比較してみよう。

出足の良いノスタルジアに、悪いファイアホットロッドが追いつくまでどのくらいかかるのかを調べた。ルイージサーキットのスタートラインでスタートした場合、追いつくのが第2コーナー入り口。これはルイージサーキットのコースの約1/3の距離だ。

ちなみに、再スタートを切るとき、加速力の高いマシンはスピンターンダッシュを使わない方が速い。スピンターンダッシュは発動まで約1.2秒を必要とする。ミニチャージャーの場合、リズム感による最速スタートを切ったときで、使わないときと同程度。青い炎を見てからスタート(常人で約1.5秒程度かかると思われる)では、普通に走ったほうが速い。
スピンターンダッシュが必要なのはミニチャージャーよりも加速の悪いマシンだけだ。(4台しかいないが、それらのマシンは使用者が多いのでスピンターンダッシュを使用するのが当たり前と思われているフシあり。)

混戦になれば加速力が明暗を分ける・・かもしれない。


通常スタートのゴーストと比較した。加速重視タイプはスピンターンダッシュなしのほうが速く(画像左上・下)、 速度重視タイプはスピンターンダッシュのほうが断然速い。(画像中央上・下)ノスタルジアとファイアホットロッドが同時に再スタートを切ると、追いつくのは第2コーナー。ファイアホットロッドがスピンターンダッシュをためている間に、ノスタルジアは最高速度に達して遙か前方へ。


ハンドリング・グリップ・減速回避
ハンドリングの値が高いマシンは、ハンドルを切ったときに大きく曲がることができる。
これについては、最高のポケモーターと最低のファイアホットロッドを比較してみると、ポケモーターはゲーム中のほとんどのコーナーをハンドル操作のみ減速なしでクリアーできるが、ファイアホットロッドはヘアピンカーブを減速なしではクリアーできない。


ハンドリングが低いファイアホットロッドがフルスロットルでヘアピンに挑む。インをついてもふくらんでコースアウト。


上と同じヘアピンをハンドリングの高いポケモーターで攻める。全くふくらむことなくクリアー。ほとんどのコーナーを減速なしでいける。

ハンドルを切る場合に無視できないのが、隠れパラメータ「グリップ」と「減速回避」だ。(「ハンドリング走行」等の呼び方もあり。)
グリップはタイヤが地面に食いつく力だが、これが低いと滑りやすくなる。具体的には、グリップが低いと滑りやすい路面ではコーナーでふくらんでしまう。
(ただし、このパラメータは知らなくてもあまり困らない。ハンドリングが高いマシンはどれもグリップが高いので、「高いハンドリングが低いグリップのせいで活かせない」ということはおきない。)

もう一つのパラメータ、減速回避だが、隠れパラメータでありながら知らないと少し困る。
スピード最低のポケモーターとスピード最高のスーパーバウザーがタイムアタックした場合、多くの方は勝負にならないとお思いだろう。Sバウザーの圧勝で終わるだろうと。
しかし、ハンドリングのみでポケモーターとスーパーバウザーが勝負した場合、圧勝するのはポケモーターのほうだ。ハンドルを切ったときのスピードの落ちにくさである減速回避に関しては、ポケモーターが最高でSバウザーが最低だからだ。
しかし、ドリフトモードがオートであれば、このハンドルを切ったときの減速はなくなる。またドリフトにも影響がない。通常ドリフトモードをマニュアルにしている方はコーナーリングをドリフトでするし、ドリフトをしない方はオートにしているだろうから、知らないままでもあまり困らない。ただし、直線でも頻繁にラインの修正を行う方は、知らずにちょっと損をしているかもしれないが。


直進するゴーストと、ハンドルを小刻みに切った場合を比較。減速回避の低いノスタルジアはハンドルを切ると大きく減速する。
一方、減速回避の高いポケモーターはハンドルをしばらく切り続けてもほとんど減速しない。


バウザー対ポケモーターのハンドリング走行勝負。バウザーにはロケットスタート(それもウィリー)のハンデをつけたが、リードを守れず。


最終コーナーで追い抜かれるバウザー。最高速度を維持したまま曲がれるポケモーターに対し、バウザーはコーナーで大きく減速してしまう。このハンドル操作による減速は、ドリフトモードをオートにするか、ハンドリングではなくドリフトで曲がることで、無視できる。


ドリフト
ドリフトの値が高いと、ドリフト中に大きく曲がることができる。より細かいコーナーリングが可能になる。ハンドリングにも言えることだが、細かい操作が得意な方には問題ないが、そうでない方には曲がりすぎて逆に操作しずらいこともあるので、必ずしも高いほどいいとはいえない。


ハンドリング最低のファイアホットロッドはヘアピンカーブをクリアできなかったが、ドリフト最低のサバイバルバギーはヘアピンをクリアできる。ドリフトのほうがハンドリングよりもきついコーナーを曲がれるようだ。


調子に乗って、難易度の高いワリオスタジアムのゴール少し手前のヘアピンカーブに挑むが・・やはり厳しい。


ドリフトが高いミニチャージャーでなら、少々余裕を持ってクリアー。


ドリフトが高いほどドリフト中のスピードも上がりやすくなるらしいが、実際に比較してみたところ、あまり差を感じなかった。ドリフトはある程度スピードに乗っていないとできない。従って、ドリフトできる時点で、かなりスピードがでているはず。どのマシンもドリフトしてすぐにトップスピードに達してしまうので、マシンごとの差が出にくいのではないだろうか。



ドリフト中のスピードの優劣は、ドリフトの値ではなくスピードの値の優劣だ。ドリフトが低くてもスピードで上回るファストグライドがコーナーでミニチャージャーを抜く。ドリフトの値にかかわらず、スピードのあるマシンのほうがドリフト中の速度が高い。
(※初期マシンの中には、スピードが高いのにドリフトが低いマシンがないため、ファストグライドを使用。)


ダート
ダートの高いマシンは不整地を走行するときにスピード低下が小さい。スピード低下の割合であって、不整地走行時の最高速度ではないので注意。ダートの値が同じであれば、最高速度が高いマシンのほうが不整地で速く走れる。
ちなみにダートの値がいくら高かろうと、コースを走っているマシンより速く走ることはできない。(コースアウトしたマシンのほうが高い速度で走れるなら、まともにコースを走っているのはバカらしくなるだろう。)
ショートカットによるタイムの短縮は、ダッシュキノコがつかえるときか、大幅に走行距離を縮められる場所でないと効果は小さい。


不整地走行のスピード差はコース上よりも大きい。スピードで20勝っていても、ダートで10負けていれば、不整地走行で負ける。コースではファイアホットロッドのほうが圧倒的に速いが、草地に入ったとたん、Sベビィカーがファイアホットロッドを抜き去る。


ダートの値が同じSベビィカーとSゲッソー。しかし、スピードの値で上回るゲッソーのほうが速い。


Sベビィカーの左前方をウィリー走行しているのはライド・オン・カメック。
ダートの王者を抜くのは容易ではないと思いきや、あっさり抜き去るSベビィカー。
コースを走っている車のほうが断然速い。
速度低下の小さい浅瀬でも、カメックよりコース上のSべビィカーのほうが少しだけ速い。


ミニターボ
ミニターボの持続時間の長さ。ドリフトを続けることでタイヤから青い炎が上がり、ドリフト解放時に一時的にスピードアップすることができるが、ミニターボの値が高いほど長い時間マシンがスピードアップできる。一番短いSカートで約0.5秒、一番長いミニチャージャーで約0.8秒。カートはさらにドリフトを継続するとオレンジの炎が上がり、青い炎の約3倍の長さのスーパーミニターボが発動される。
(カートは、ミニターボ2回よりもスーパーミニターボ1回のほうがお得。)
ミニチャージャーのスーパーミニターボに至っては、2秒を超える。これは長さだけ見ればダッシュキノコ(約1.6秒)よりも長い。
(ただし、長いだけで不整地の影響をしっかり受けるので、ショートカットに使えたりはしないが。)
ちなみにミニターボ発動中にどの程度スピードアップするかだが、速度の1/4程度が上乗せされるようだ。


ミニチャージャー対ファイアホットロッド。コーナーの入口で並んでいても、コーナーの出口では最高速度で勝るファイアホットロッドがリードし、直線でさらにリードを広げる。しかし、ミニチャージャーは相手よりも長いミニターボを活かして追いすがることができる。









  キャラクターの差について



各キャラクターは、それぞれ違うパラメータの値の上乗せがある。その上昇する値は微々たるものだが、例えば、ハンドリングが上昇するキャラだと、あとちょっとで曲がれそうなのに曲がりきれなかったコーナーを曲がれるようになったりと、その違いは実感できる。
マリオカートはご家庭用レーシングゲームとしては珍しいことにマシンのセッティングがほとんどない(ドリフトモードの選択のみ)が、キャラクターを変えることでセッティングを変えるのと同じことができる。


スピードが上昇するデイジーVS減速回避が上昇するクッパJr。同じだけハンドルを切ってコーナーリングを比較。クッパJrは最高速度で劣るものの、コーナーリング中は減速回避でカバーできるので、コーナーリングスピードでは負けていない。 しかし、デイジーにはハンドリングの上昇があるため、同じだけハンドルを切ってもデイジーのほうが大きく曲がれてしまう。


画像左、かそくが上昇するキノピオは、スタートして間もないのに既にリード。
画像中、キノピオは、減速回避も上昇する。スピードが上昇するベビーデイジーもコーナーでは差を縮められない。
画像右、グリップの上昇するキノピコは、滑りやすい路面でもコーナーでふくらまない。











  パラメータ以外の影響するあれこれ




走行ラインについて
スピードのところでも書いたとおり、走行ラインを工夫すればタイムを縮めることができる。しかし、ちょっとの走行ラインの違いでそんなに差が出るものなのだろうか?
それ次第でライン取りにかける意気込みが違ってくるだろうから、ちょっと計算してみよう。そんなに面倒くさい計算ではないのでご安心を。
サーキットのカーブを円に置き換えて違いを考えてみる。円周の求め方を学校で習うと思うが、円周は直径(半径×2)×3.14で出せると思う。“2πr”ってやつだ。丸いコースがあったとすれば、1周の長さは、だいたい半径の6.3倍ぐらいってわけだ。なので、半径が1m違うコースがあれば、1周の長さが6.3m違うというわけだ。
もうおわかりだろう。丸いコースでは1m内側を回っただけで、6.3mの距離短縮ができる。丸いコースはレースでは存在しないが、半円であるヘアピンカーブや、その何分の一かの円周のカーブが組み合わさってコースはできている。もし2台のカートがサイド・バイ・サイドでコーナーに進入したら、(レーシングカートが2台横に並んだら、合わせて幅3mぐらいある。実車でだが。)内外で回転半径は1.5mぐらい違うので、これがヘアピンカーブなら、外側のカートは内側のカートより4.7mぐらい走る距離が長くなるし、それより緩いカーブでも何mか差が出るだろう。内側になるほど大きく曲がらないといけないので同じ速さで曲がれるとは限らないが、同じ速さで曲がれるなら残念ながら外側の車は負ける。内側についた方が勝ちだ。
というわけで、走行ラインを工夫する価値は十分ある。

ちなみに、減速しないとインをつけない角度のきついコーナーでは、一度アクセルをオフにして内側を回るよりも、フルスロットルで外側にふくらんで回るほうが速いことが多い。理由は、アクセルをゆるめたときの減速がかなり大きいため。無論、ふくらみすぎて外側の壁にぶつかるぐらいなら、減速したほうがいいが。

 
走行中あまり感じないが、コーナーの内と外では走行距離に結構差がある。次のコーナーの入り方も意識しつつラインを研究。




オートドリフトのメリット
ドリフトモードはオートとマニュアルの2種類が用意されているが、オートドリフトでは、ボタン操作なしでドリフトができる。その代わりにミニターボがなくなるが、初心者にとっては、ミニターボがなくなる以上のメリットがあるのではないだろうか。
オートでは減速とグリップが関係なくなるので、グリップ走行でも滑らず減速なしで曲がれる。ドリフトに入る前の小ジャンプがないため、とっさでも大きく曲がることができる。 パラメータに特にプラスがあるわけではないが、初心者でも中級者並の速さでコーナーを抜けられるようになるわけだ。操作の負担が減ることでレースに集中できるというのが一番のメリットかもしれない。


オートドリフトを選択しマニュアルドリフトのゴーストと比較。マリオサーキットの第1コーナーで同じだけハンドルを切った。
ハンドルの切り始めまで全くゴーストとかぶっている。オートドリフトでスピードや加速等のパラメータが増加したりはしないようだ。
マニュアルのゴーストは次第に内に切れ込んでいくが、オートのほうはかわらず。ベビィマリオにはハンドリングの増加があり、同じだけハンドルを切っても他のキャラより大きく曲がるが、オートドリフトではそのプラス効果はなくなるようだ。


同じくマニュアルドリフトのゴーストと比較。すべりやすいコーナーでもふくらまない。マニュアルドリフトと違っていきなりドリフトできるので、コーナーへの進入をミスしても修正がききやすい。
ただし、ドリフトの値が上がっているわけではないので、マニュアルモード時、ドリフトでクリアーできなかったコーナーは、オートでもクリアーできないことが多い。

キノコダッシュの効能
キノコダッシュでどれくらいスピードが上がるのだろうか?
ポケモーターの場合、キノコダッシュで約1.6秒の間、通常の約1.5倍の速さで走行できる。最高速度の1/2程度のスピードが上乗せされるわけだ。
ちなみに、ミニターボでは、キノコダッシュの半分、最高速度の1/4程度、ウィリーでは、更にその半分、最高速度の1/8程度のスピードが上乗せされる。(ウィリーすれば最速カートと同程度の速さで走れる。)
ダッシュボードは、数カ所しか調べていないが、キノコと同じく1.5倍のスピードアップで、持続時間は約1.1秒。
計算上はキノコダッシュ1回で0.5秒ちょっとのタイム短縮ができることになる。
(ダッシュが終わった瞬間に通常速度になるわけではないので、実際はもう少し長い。筆者の感覚だと0.7〜0.8秒短縮できるように感じる。)
最遅のポケモーターがキノコダッシュで1.5倍のスピードを得ても、最速マシンが同じく1.5倍でキノコダッシュしたら、まるで勝負にならないのではないかと考えるもいらっしゃるかと思うが、最速マシンがウィリーしてキノコダッシュしても、最遅マシンのキノコダッシュの1.1倍も速くならない。さすがに速さが逆転することはないが、キノコダッシュ中は遅いマシンと速いマシンの極端な差はない。スピード上昇率曲線は右肩下がりのようだ。


ダッシュボードを立て続けに踏めばどんどん加速していくかというとさにあらず。速度0で踏んでもトップスピードで踏んでも同じ速さでダッシュ。ウィリー中のSバウザーとSベビィカーが同時にキノコダッシュ。ブースト終了時の差はそんなにない。キノコのブースト効果は、速いマシンだと小さいようだ。


ロケットスタートについて
ロケットスタートは、ベストのタイミングだと0.6秒近い加速が得られるが、タイミングを少し外すと0.1秒ちょっと少ない0.4秒程度の加速になる。もっとタイミングを外すともちろんスタートダッシュ失敗だ。
(ロケットスタートには2通りの方法あり。カウントダウン「2」の直後にアクセルを踏み始めるか、最初から踏みっぱなしで「2」の直後にアクセルを一瞬放して再度踏み込むか。)



スピンターンダッシュについて
停止中にアクセルとブレーキを同時に押すとスピンターンが可能になり、さらに続けるとタイヤから青い火花が上がり、ダッシュが可能になる。 スピンターンダッシュは長くためても特に持続時間が長くなったりしない。ロケットスタートと同程度の加速が得られる。ジュゲムダッシュも同様である。パラメータの項目でも書いたが、スピンターンダッシュ発動までに1.2秒以上必要とするので、加速力の高いマシンはスピンターンダッシュを使用しない方が速い。
ちなみにスタート時にロケットスタートのタイミングでスピンターンの操作をすると、ロケットスタートする。操作が遅くてロケットスタートのタイミングを外していた場合はスピンターンが発動する。加速力の低いマシンは通常スタートよりスピンターンダッシュでスタートしたほうがまだ速いので、ロケットスタートに慣れないうちは保険みたいな使い方もできる。


スピンターンダッシュは発動まで約1.2秒待たされる。それでも加速の悪いマシンは、通常スタートよりだんぜん速い。


スリップストリームについて
スリップストリームを発動させるためにはリスクが伴うが、相手を押しのけて順位を上げることができるので積極的に狙いたい。スピードアップはダッシュキノコと同等だが、発動時間は2.3〜2.4秒とキノコよりもずっと長い。スピードの合う車が前にいてくれたなら是非狙おう。


アップダウンについて
坂を上るのと下るのでは違いがあるのだろうか?マリオサーキットのスタート直後の坂で調べてみたが、はっきりとわかる違いはなかった。(あるにはあったが、下り3秒のマシンで、登りとの差は0.1秒以下。)
0.1秒の違いは接戦ではバカにならないが、その違いが勝敗に影響するような上り下りのあるコースはないような気がする。


ジャンプアクションについて
ジャンプアクションをすると着地時にダッシュできる。しかし、ジャンプアクションせずに普通に着地した方が速いという話を耳にするが、本当だろうか?結論から言うと、場所次第。ジャンプアクションしたほうが速い場所としないほうが速い場所がある。
速くなる原因は着地後のダッシュ。遅くなる原因はジャンプの滞空時間が延びることとジャンプ&ダッシュでマシンのコントロールがしにくくなり最速ラインを外してしまうこと。
多くのジャンプ台は斜め上に跳ぶので、同じ速度なら水平方向である地面を走るほうが速い。(このへんは物理で習うベクトルを思い出してほしい。)滞空時間が延びるほど、斜め上に跳んだ場合と水平方向に進む場合との差が大きくなる。
ジャンプアクションでのびる滞空時間は、0.5〜0.6秒。ダッシュによる時間短縮がこれよりも大きければジャンプアクションのほうが速いのだが、そのダッシュの持続時間は場所によって異なる。大ジャンプする場所ほど着地後のダッシュが長く設定されている。小さな縁からダッシュボードの大ジャンプまで、ジャンプする場所がそろっているココナッツモールの場合、噴水の縁や小ジャンプ台などで約0.7秒、2階からのジャンプで約1.3秒、3階からのジャンプで約1.5秒のダッシュがある。
筆者の憶測だが、マリオカートWiiの制作スタッフはジャンプアクションを楽しんでもらいたくてゲームに盛り込んだはずなので、ジャンプアクションをしてもタイムロスにならないように調整していると思う。
(ジャンプアクションをすれば確実に速くなるように作っていれば皆がジャンプアクションをしただろうが、敢えてそれはしないで、タイム短縮の必須テクニックではなく、あくまでゲーム中の楽しみの一つとして、ジャンプアクションをしてもしなくてもあまりタイムが変わらないようにしているのではないだろうか。)
ちなみにマシンのスピードが遅ければジャンプも小さいので、小ジャンプ台の手前でミスするようなことがあれば、低いジャンプとジャンプアクションからのダッシュで一気にスピードに乗ってはいかがだろうか。(ジャンプが低いのでジャンプアクションの途中で着地してしまう。)

(余談だが、筆者がロゼッタとファントムを選んでしまう理由はジャンプアクションがイカすからだ。女性キャラはマッチ棒体型なので、もう少し太めでもいいと思うんだが。男性キャラやMiiと比べるとちょっと極端に細くないかな。)


ココナッツモールの2階からダッシュジャンプ。ジャンプアクションなしとジャンプアクションありを比較すると、ジャンプアクションしたほうが次のコーナーまで0.2秒ほど速い。ちなみにジャンプアクションの違いによる滞空時間の差はないようだ。


着地点する0.3秒前を比較。ジャンプアクションしたほうがかなり前方に着地しているのがわかるだろうか。ジャンプアクションをすると滞空時間が延びるが、その分飛距離も伸びる。斜め上に飛び出すジャンプ地点が多い中、ココナッツモールの2階は水平方向に飛び出すため、走るのと変わらない距離を跳べる。着地すれば約1.3秒の長い加速が得られる。


着地の姿勢について
ジャンプ中にハンドル操作をすると空中での姿勢を変えることができ、それによりジャンプの軌道と着地点も変わってくる。前のめりになると低い軌道になり、通常より手前に前輪で着地する。後ろに倒せば高い軌道になり、通常より奥に後輪で着地する。また、着地直後の速度も着地時の姿勢により若干変化する。それはほんの少しの違いであるが、接戦では順位が変わってくるぐらいの違いがでるだろう。


空中でハンドル操作をしていない通常の軌道のゴーストと比較した。
前のめりになれば低い軌道で跳ぶ。通常の軌道のゴーストよりも先に着地する。(画像左)
通常よりも軌道が低いため飛距離は伸びないが、早く着地した分だけゴーストに対してリード。(画像中)
しかし、着地したゴーストはこちらを上回るスピードで抜き返す。(画像右)
なぜスピードが違うのか。前のめりに着地するとそのまま前輪で走っているのがわかるだろうか。バイクは常識で考えると後輪駆動。マリオカートWiiのバイクもそうであるとするならば、前輪のみで走行している間は駆動力がなく惰性で走行していることになる。着地した瞬間から駆動力を得られる後輪着地に着地直後のスピードで負けてしまう。


一方、通常より車体を起こした姿勢では、軌道が高い分、遅れて着地する。先に着地した通常ジャンプのゴーストに対して後れを取るが、着地直後のスピードで勝るので、すぐに追いつき、その差はわずか。


では、前のめりで低く跳んで着地前に車体を起こしたらいいんじゃないかと思う方も当然おられるだろう。その結果はごらんの通り。ジャンプ直前まで全く差がなかったゴーストを抜くことができた。空中での姿勢制御で差がでるわけだ。
以上、「スピードの差は、姿勢による後輪のトラクションの差です」などとそれらしいことを書いてみたが、駆動力はジェットエンジンじゃないかと思うようなカートや、インホイールモーターで前輪も駆動するんじゃないかと思うような近未来的バイクも登場するので説得力はあまりない。まぁ、ジャンプも工夫する楽しみがありますよ、というお話。





解説は以上でおしまい。ネタがみつかれば逐次追加予定。



新しいキャラとマシンが待っている。









   マリオカートWii Link 




 マリオカート 公式ページ。まずはこちらへ。






当頁について

 当頁はあくまでカート選びのための頁です。それ以外はやっていません。あしからず。
(マシン&キャラクターの能力、アイテム・コースの攻略は、wikiや攻略サイトをご覧ください。)

人気ゲームで、さらに発売から早3年。となれば、マシンの性能も、キャラクターの能力も、アイテムの効果も、タイム向上のテクニックも、検索すればすぐ見つかります。攻略本も各社から出ています。自分もそれらを探してみました。(攻略本も買って読みました。)
しかし、各パラメータが何に影響するのかとマシンごとの値は書いていますが、実際どのくらい違いがあるのかは読んだだけではよくわかりませんでした。
各マシンの性能差がどれくらいあるのか。見て違いがわかるサイトはないものか。そう思ったとき、頭に浮かんできたのは、いつものあの言葉。X68kユーザーの合言葉・・「 無いものは 自分で作れ 」・・でした。

(タイトルについては、当サイトの他の頁と同様、その筋の著名タイトルのもじりです。他のプレイヤーのカート選びを批判する頁というわけではありません。)

それと、効果については細かい数値は書かず大まかに書いてます。これは、録画した映像を見て調べてますので正確性に欠けることと、小数点以下の細かい数値よりも大きな数字のほうが差をつかみやすいとおもったことが理由です。
(例えば、ウィリーの速度増加は、自分の測定では1/8〜1/9の間の値でしたが、もう“1/8程度”としました。)
そのつもりで読んで下さい。


※ 著作権等は発売元 任天堂にあるので、画像等の取り扱いには注意されたい。






   はしがき

 何度かこの頁をご覧になる方には邪魔かと思い、はしがきであるが頁の終わりに。

 マリオカート・・ゲームの概要については説明不要だろう。長い歴史と多くのファンを持つレーシングゲームだ。Wii版については、24人のキャラクターと36種類のマシンを使用できる。
皆、各の好きなキャラクターとマシンを選べばよい。当サイトにはいくつかゲームの参考頁が存在するが、当サイトの一貫した考えは、“かっこよければ全てよし!”だ。かっこよさの定義については人それぞれだが、己の思うかっこよいキャラとマシンで挑もう。
どのキャラ&マシンでも勝ち目はある。(良作ゲームならそうなっているはず。信じよう。)ただ、各キャラ&マシンの勝負できる部分がどこなのか、初心者の方はあまりご存じないのではないだろうか。
当頁はそこの部分に絞ってゲーム紹介を試みる頁である。Wii版からマリオカートを始めた方々のマシン選びの参考になれば幸いである。

(なお、当頁は初心者向けを謳っているので、基本的にはゲーム開始時から使用できるマシンで解説していく。比較の都合上そうでない場合もあるが、予めご了承いただきたい。)


 

 



当HPへの質問、ご意見は、こちら掲示板へ







Top Page