居住の用に供した年によって要件や計算方法が若干異なりますので、以下、平成16年中に居住の用に供した場合について説明します。
住宅借入金等特別控除の適用要件
新築や購入した場合に住宅借入金等特別控除が受けられるマイホームは、次の要件に該当するものです。
- (1)住宅の新築や購入をしてから6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること。なお、居住の用に供する住宅を2つ以上所有する場合には、主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。
- (2)この特別控除を受ける年の合計所得金額が、3千万円以下であること。
- (3)新築や購入した住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住用に使用するものであること。(注)この場合の床面積の判断は、次のように取り扱われます。
- 床面積は、登記簿に表示されている床面積によります。
- マンションの通路など、共同で使用している部分については、床面積に含めないで、登記上の専有部分だけの床面積で判断します。
- その建物が店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。
- 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、自分の共有持分だけの床面積ではありません。ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。しかし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する区画の床面積によって判断します。
- (4)住宅の新築や購入のため10年以上にわたり分割して返済する方法になっている一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます。)があること。
一定の借入金又は債務とは、例えば、民間の金融機関、住宅金融公庫、勤務先などからの借入金や都市基盤整備公団(平成16年7月1日以降は、独立行政法人都市再生機構)、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。 (注)以下の借入金又は債務は、この特別控除の対象とはなりません。
- 親戚などからの個人的な借入金や、勤務先からの無利子又は1%に満たない利率による借入金
- 中古住宅を取得した場合、前の所有者から債務を引き継いでも、都市基盤整備公団(平成16年7月1日以降独立行政法人都市再生機構)などからの特定の債務承継以外の債務
- (5)中古住宅の購入の場合には、上記の要件に加えて、更に、次の要件のすべてに当てはまること。
- 建築後使用されたものであること。
- マンションなどの耐火建築物の建物の場合には、その取得の日以前25年以内に建築されたもの、耐火建築物以外の建物の場合には、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
耐火建築物に当てはまるかどうかは、登記簿に記載された建物の構造によって判定します。 耐火建築物となる建物の構造は、その建物の主たる部分の構成材料が石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません。)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。
- 取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などから取得したものでないこと。
控除額の計算方法
住宅借入金等特別控除の金額は、年末の借入金等の残高(5千万円を限度とします。)の1%となります。 ただし、対象となる借入金又は債務の金額は、居住の用に供している住宅の新築や購入の費用に相当する金額(一定の敷地の購入費用を含みます。)が限度です。
控除を受けるときの注意事項
- 給与所得者が最初にこの特別控除を受ける年分については、確定申告をすることが必要です。なお、確定申告した年分の翌年以後の年分については、年末調整で受けることができます。
- 給与所得者が確定申告をする際には、給与所得の源泉徴収票も必要です。
- 居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年の間に居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3、35条、36条の2、36条の5(相続等により取得して居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例)、36条の6、37条の5(既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例)、若しくは37条の9の2を受けているか又は受ける場合は、この特別控除を受けることはできませんので注意してください。
なお、平成11年1月1日以後に譲渡したもので、旧租税特別措置法41条の5(特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除)の適用に係る買換資産については、特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除とこの特別控除を重複して適用することができます。
また、平成16年1月1日以降に譲渡したもので、租税特別措置法41条の5(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)の適用に係る買換資産についても、重複して適用することができます。
- (注)平成10年中に特定居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失が生じ、この譲渡損失の繰越控除の適用を受けている場合には、この特別控除を受けることはできません。
住宅借入金等特別控除を受けるための手続
住宅借入金等特別控除を受けるためには、確定申告書に、この特別控除に関して所定の事項の記載をし、住民票の写し、家屋の取得年月日・床面積・取得価額等を明らかにする書類や住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書などの書類をつけて所轄の税務署に提出する必要があります。
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