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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

平成の終わりとともに、「傘がない」!:久木田憲司

22019年4月27日投稿 

 
マンションの屋上越しに見える熊本城天守閣 マンションの屋上越しに見える熊本城天守閣です
 

実家に近く、濟々黌からも割と近いところに土地を求めて、家を建て移り住んだのが平成元年であった。

設計事務所に頼んだら、当時はまだ珍しい設計で、1階に寝室を集めて、2階にキッチン、ダイニング、リビング、和室を設け、その南側に8畳の広さのデッキウッドのバルコニーを設けてもらった。そこからの見晴らしは素晴らしく、金峰山、花岡山等を望むことができ、私の一番のお気に入りは熊本城を望めることであった。気候が良い時期には、今は亡くなった両親も交えて家族みんなで焼肉パーティーなどの食事会を楽しんだものだった。

しかし、規制緩和の流れでビルの高さ制限が緩和され、平成12年頃に竜南中学校近くに13階建ての分譲マンションが建設されて、熊本城・天守閣の一部が、マンションの屋上越しに見えるだけとなった。それでも、西南戦争時において薩軍の花岡山からの砲弾が、熊本城までは届かなかったという位置関係は確認できた。

だけども、問題は、昨年末から自宅近くの熊電・北熊本駅そばに、11階の賃貸マンションが建つこととなり、我が家からは熊本城・天守閣の全てが見えなくなることとなった。

テレビでは、平成の終わりの特集番組が多く流れて、令和の時代へのお祝いムードが醸し出されているが、私にとって問題なのは、平成の終わりとともに熊本城が視界から消えていく!


*フォークソング全盛期の黌校時代、社会批判、反戦、反権力等の歌がもてはやされていた時に、井上陽水が歌った「傘がない」は私にとってはカルチャーショックであった。社会のことよりも自分自身の大切なものは何なのかを考えるきっかけとなった。


*写真の手前には、黌校時代に建った木造平屋の貸家の多くが借りてもなく空家であるのに、その先に80部屋の賃貸マンションが新築されることに疑問を感じながら、熊本城が我が家の視界から消えてゆくのです。

 




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