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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

獣医師に関する情報提供等
(東京48会・坂田昌友君のコラムに答えて)
:久木田憲司

2018年8月21日投稿 

 


少し長くなりますが、お付き合いくださいませ。

マスコミからの情報は、一つの考え・情報と捉えることです。本当のことを知りたければ、インターネットの情報だけに頼らずに現地に赴くことだと思います。私は学生時代には成田まで赴きましたし、数年前は個人参加で国会周辺に行きました。昨年は東日本震災の復興状況を5年ぶりに個人的に一週間かけて見てきました。そして、私の今の望みは沖縄をくまなく見て回ることです。しかし、それはまだ実現できていません。

「気ままに来らむ」に掲載されている東京48会・坂田昌友君のコラムでの前愛媛県知事の加戸さんは、獣医師の採用で苦慮する四国にために、獣医学科不在の四国に獣医学部・学科の新設を純粋な気持ちで求めたのです。しかし、その後の動きにはいろんな人のいろんな思惑が関わってきたと思います。

獣医学の世界において、教育の質を維持しさらにそれを高めるために、平成20年以降、国公立獣医科大学では、異なる機能・特性を持つ2大学が連携して共同獣医学課程を設置して対応しています。今は獣医学教育力の集中を図る時に、その分散となる(研究実績が少ない教員が増える)私立獣医科大学の新設は必要ないと思いますし、獣医師不足は給料が低い公務員や業務がハードな畜産診療獣医師に関してです。それを解消するには、定員160人の私立獣医科大学を新設するよりも、国公立の獣医科大学の定員(30〜40人)を各大学5人増員すれば、11大学ありますのでそれで十分だと私は思います。

関連した話ですが、最近、東京医科大学の問題で文部科学省は私立医科大学の調査にこれから入るそうですが、獣医師の世界では私立獣医大学でも、北海道の酪農学園以外では同じようなことが行われてきましたし現在も進行中です。

今でもN大学では120人定員のうち、約50人は都道府県OB会推薦枠がありますし、その他にも動物病院経営者子息・令嬢枠があります。私は国立の鳥取大学獣医学科卒業ですが、私の同級生の子どもはその枠を使っています。

そこで、43年前の私の体験をお話します。昭和50年(1975年)は、親父の許しもあって、二浪目で初めて私立獣医学科を受験できました。

その時、K大学の入試願書には寄付金の金額を記入する欄があり、私は獣医学科・最低金額の3口(30万円)を記入しましたが不合格でした。予備校での成績が私より悪かったのに合格した予備校の同級生には、10口(100万円)以上記入しないと合格しないよと言われました。

A大学では、私の入試での点数は寄付金70万円の該当者でした。

N大学の面接試験では、面接官から同姓のN大学教授の関係者かどうか尋ねられました。(大学教授枠に該当するかどうかの確認)

NJ大学は、当時は東京にある私立医科大学の系列でしたので、医師の子息・令嬢が多く入学していました。その訳は、教養2年間の成績上位者は、希望すれば系列医科大学への転学が認められていました。

しかし、酪農学園は建学においてキリスト教信者たちが北海道開拓における後継者の育成のために設立した大学ですので、その精神にのっとり成績順に合格者を決めていました。それで、私は合格でした。酪農学園も平成になってからOB会からのOB枠設定の強い要望に対しては断っていましたが、妥協案として、平成20年以降、隣接する付属高校に獣医師進学コースのクラスを設けました。

昭和50年当時の私立医科大学についての話ですが、私の友人(他校出身者)は千数百万円の寄付金で私立のF大学・医学部に入学して今でも現役の医師をしています。また、二浪時代在籍した予備校には、私立のK医科大の入学枠がありました。予備校経営者の個人的なつながりがあったようで、成績が私より悪かった3人が合格して進学しました。
ただ、私はそれらを全て否定するものではありません。私立の医・歯・獣医・薬系大学においては、OB及び入学者からの寄付金は大学経営上及び施設整備に必要なものと思うからです。しかし、私学助成金を国(税金)からもらっている以上は、良識的に運営されるべきものと思っています。

加計学園の先代理事長は岡山理科大学を設立した本当の教育者だと聞き及んでいますし、私は学生時代に岡山理科大学の学園祭を見に行きましたが、自由闊達な学風を感じました。しかし、今の理事長は安倍首相も卒業した裕福な子が進学する大学の卒業で、大学経営はビジネスと割り切っています。

6年後、加計学園の獣医師国家試験の受験者数に注目してください。合格率を他の大学並みにするために、受験者数を絞り込んでくると思います。今年の大学合格者のうち何割受験できるかが楽しみです。

かつて、N大学では進級するかどうかを該当する学生本人に選択させていました。畜産学科に転科すれば単位数が足りるので進級で、獣医学科に留まれば単位数が足りないので留年という二者択一です。ただし、当時のN大学は定員120人に対して、160人以上の者が入学していましたので、獣医師国家試験受験者数に影響はさほどありませんでした。

ですので、よっぽどなことをしなければ私立獣医学科大学経営は赤字になることはありません。(ただし、バブル崩壊後の一時期、NJ大学が経営難に陥りました。)

ちなみに、個人情報ですが加計理事長の子どもは獣医師ですよ。 
 




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