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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

怖い話:いつか来た道・預金封鎖!:久木田憲司

2015年11月14日投稿 

 
「免の石」の足元から阿蘇五岳を望む:

南郷谷のゴルフ場、田畑、集落が一望でき、その向こうに阿蘇五岳の中岳からは噴煙が上がっている。金の力で開発したゴルフ場以外は「免の石」とともに何百年・何千年と続く風景なのでしょうね。

 
今は更地になっているが、母方の祖父が亡くなるまではその実家が南外輪山側の南郷谷にあったので、私は小学校2年生までは毎年夏には母に連れられて避暑に訪れていた。

その祖父は終戦前まで南郷谷で手広く商売をしていて、当時百円札の束を持って商売している者は他にはいなかったと今は亡き叔父が自慢していた。

祖父母と叔父は当時草臥れた家に住んでいたので、昔は凄かったのだなあと幼心にも思ったのだが、戦前は手形で商売するのが普通であったので、豊後の国(大分県)からの風の人(流れ者)で信用がなかったからではと今は思う。

叔父は商売の内容は詳しく話してくれなかったが、終戦後の没落の状態から推測すると主に金貸し業ではなかったのかと私は思っている。戦前に買っていた国債券と貸していた金は戦後のスーパーインフレの中で紙くず同然となり、同じく二度にわたる預金封鎖のために貯蓄も引き出すことができずに銀行の金庫の中で凍りつき、金融資産は凄い勢いで減って行ったのであろう。

平成になって、公共事業での用地買収で建設省が調べて祖父名義の土地が出てきたことがあった。貸し付けた金の担保であったのだろうか「こんな所にもあったんだ」と言って、実母と叔父達兄弟4人でわずかばかりの金を分けていた事を思い出す。

最後は中小企業のサラリーマンであった実父が、戦後の農地解放で不在地主となり運送業を始めようとしたが、預金封鎖のためにその機会を失ったと私が学生の頃に初めて話してくれたことを思い出す。

預金封鎖が実施された当時の大蔵大臣である渋沢敬三による「国の負担を、国民に転嫁する意図」が最近注目を集めているが、いろいろと考える今日この頃である。

県内でもマイナンバー番号通知書の郵送が始ったそうだが、48会員の皆の所にも届いているのかな?当初マイナンバー制度の意図するものは、医療保険、介護保険及び雇用保険等の社会保障の充実、確定申告等の税分野の合理化並びに被災者生活再建支援等の迅速化のためと言われていたが、カードの利用拡大が追加法案で成立したので個人金融資産は今以上に完全に把握されるようになっていく。

先ずはズルして資産を増やしていた人たちは困るであろうが、次に来るものは何なのか?「国の負担を、国民に転嫁する意図」とは?

今の財政政策では1,053兆円(2015年3月末)を超える国の借金は返せるものではない。

 スーパーインフレとまでは行かなくても徐々にインフレ状態を構築すれば貨幣価値は落ちていく。

 これから年金暮らしとなる我身から考えると怖い話であるが、国内の今の状況やギリシャの状況を考えるとありうる話かなとも思う。

その訳は東日本震災の後に私はお国のためと思い東日本復興国債を買って今でも持っているが、国会議員の資産公開を新聞で見ても国債を持っている国会議員はわずかとなった。

うがった見方をすると、将来国債は紙切れになりますよということを彼たちは事前に情報として持っていて、所有していた国債を売り払い自分の資産からなくしていっているのかなとも思う。

自己責任だと彼らは言い、最後に馬鹿を見るのは正直者だけなのかもしれないが、そんな政治をしていては日本はダメになっちゃいますよ。

貨幣の価値が落ちた将来の新円切り替えで再度登場する肖像・聖徳太子の紙幣が出る頃には、私はまだ生きているのでしょうかね?どうでしょうかね?

情報提供:
 日本の一般政府(含:地方公共団体)の負債合計は1206兆円
(2015年3月末)。
  だが、ギリシャとの違い 
1 日本の一般政府の金融資産は574兆円(2015年3月末)。
2 日本の対外純資産は366兆円(2014年末)。
3 日本では政府の税収を担保する現在把握できている家計の金融資産は
1700兆円以上(2015年3月末)。
4 日本は円という単独通貨であるので、国の判断が優先する。

 財務省は「政府債務というツケを次代に残すな」というけれど、家計の保有資産もいずれは将来世代に移転されることになる。

そう思うと日本人ほど将来世代のことを考えている国民はいませんよ。






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