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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

「黒部峡谷」の奥は今:久木田憲司

2015年8月13日投稿

右手前の奥鐘山の向こうに、右から唐松岳、不帰嶮、天狗ノ頭、白馬鑓ヶ岳を望む。
              


家のかみさんと私は大学卒業と同時に結婚しましたが、当時はお金がなくて新婚旅行には行けませんでした。それで、その罪滅ぼしと言ったら大袈裟ですが、結婚15年周年目から5年おきに2週間程度の海外旅行をしてきました。

しかし、35周年の今年は私が食肉衛生検査所長として留年したために長期休暇がとれなかったので、7月の3連休に夏休暇を足して5日間で新幹線を使い日本三名泉・下呂温泉と黒部峡谷を巡ってきました。

熊本から名古屋までの新幹線の車窓からは神戸以東は台風11号の風雨が過ぎた状態で、関西のJRと私鉄の一部には運休中の路線もありましたが、JR高山本線を台風の雲を追いかけるように特急「ワイドビュー・ひだ」で北上しました。

途中で台風の雨雲に追いつき路面電車よりも遅い速度での運行区間もありましたが、無事に下呂温泉に到着しました。雨嵐の中での移動となりましたが、それもまた楽しいものでした。

三日目の黒部峡谷では天気も回復し、北陸新幹線開業記念として富山県と関西電力の全面協力で2ヶ月前から始まった新しいプロジェクトで、事前に申し込んでいたパノラマ展望ツアー(所要時間:7時間)に参加するため宇奈月駅で観光トロッコ列車に乗り、約1時間20分かけて黒部川の谷沿いの崖を走り、41箇所のトンネルを通り抜けて終着駅の欅平駅に着きました。

そこでは一般の観光客は駅を出て観光しますが、私達はプラットホームを先に進み、トレッキングシューズを履き、ヘルメットを被り関西電力の作業用トロッコに関西電力のガイドと一緒に乗り込んで作業用トンネルを進みました。

2002年・大晦日のNHK紅白歌合戦で中島みゆきが「地上の星」を生中継で歌った所の手前のトンネルで作業用トロッコを降りて、トロッコ用エレベーターで約200m昇ると、竪坑展望所に出まして白馬鑓ケ岳などの山々を見ることができました。そしてトンネル内を歩いて巻き上げトロッコのレール横の階段を登ると上部トンネル出口広場に出ました。

そこから岩路を約400m歩いて上がり関西電力社有地(猿飛線第3号鉄塔敷地)の視界360度のパノラマ展望所に着き、そこからは竪坑展望所や上部トンネル出口広場からでは見ることの出来なかった毛勝三山などの山々望むことができました。

 観光用トロッコの終点・欅平駅までは外国人観光客も多く見かけましたが、そこからの新しい特別ツアーは日本人だけでした。約30人のツアーでしたが、トンネル内はレール横に新しい歩行板が整備され、岩路も丸太桟道と金属階段が新しく整備されていますので、山登りが趣味の人には物足りないコースかと思いますが、素人の私達夫婦にとっては7時間で高所に行けて、60歳前後の元関西電力社員ガイド数人の同行案内がありまして、興味ある話も聞けて面白かったです。

上部トンネル出口広場とパノラマ展望所には夫々に要員(元関西電力社員)が配置されていまして、トンネル内も随所に防水補修工事がされていて安全性が強調されているツアーでした。

富山県の黒部川が作り出す電力の8割は関西地方に送電されていると関西電力のガイドから聞きましたが、黒部宇奈月温泉駅から金沢に向かう北陸新幹線・はくたかの車窓から見えた地元で使う電力を作る為の北陸電力の火力発電所は印象的でした。

追記:寛げるので私はJR新幹線の4列シートが好きですが、北陸新幹線の4列シートでは枕が上下にスライドします。それで、160cmと背が低い私も枕をぴったりと頭にあわせることが出来ましたので快適でしたよ。


 
パノラマ展望所にて:遥か彼方の雪渓・毛勝三山を背にして
家のかみさんと濟々黌甲子園応援用バッグ(黒地にキナ線)と一緒に



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