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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

寒くなったら、カラスはここに:久木田憲司

2015年1月20日投稿

 

カラスの若鳥の群れ:周囲の電線に止まり、食肉センター内を窺います。


                          
熊本市食肉センター(敷地:約1万u)に関する話をもう一つ。

昨春までは、毎日、早朝から業務終了まで、センター構内はもちろんのこと周辺ビルの屋上や電線に100羽を超えるカラスが群れていて、その中には構内の樹木に巣を設ける番い(ツガイ)も数組居ました。

そのわけは餌です。産業廃棄物用コンテナに入れられている牛、馬、豚の骨や肉片などを求めて、どこからともなく現れて、作業が終了してコンテナが撤収されると居なくなっていました。市内の町内ゴミ集積所がネットなどで覆われて管理が徹底される以前は、可燃物(生ゴミ)回収日には集まる羽数が少なくなるという傾向はありましたが、近年は毎朝同じぐらい集まっていました。

ハシブトガラス、ハシボソガラス両方居ましたが、餌が豊富なためか争うことなく共存していました。しかし、餌を求めて時々現れる鳶に対しては、数羽でしつこく攻撃を加えて追い払っていましたが、鷺類のアオサギ、コサギ、チュウサギなどとは反撃が怖いので共存していました。

しかし、牛・豚のと畜業務の市外への機能移転が完了し、昨春からは馬のと畜業務だけとなったので、産業廃棄物の量が激減し、それにともないコンテナの管理が徹底された事でカラスにとっては餌の獲得が困難となりました。

それで、めっきり数が減り、樹木に巣を設ける番いも一組となって、昨年のゴールデンウィーク過ぎには数羽を見かけるだけになりました。

しかし、冬になり市内の餌場がなくなったことと、昨年生まれの若鳥たちが親離れして群れをなすようになった事もあってか、昨年末からは毎朝約20羽ほどは見かけるようになりました。

「よー!帰ってきたか」と尋ねると、「かー・かー」と答えてくれますが、若鳥ですので新参ものです。センター内の電線や屋根に停まっているとセンター職員に約5メートルの棒で追いまくられ、コンテナに近づくと古参の番いに追い払われていますが、若鳥に「生きていくために頑張れよ」とつぶやく今日この頃の私です。
 

食肉センター内に進入しても、古参の番いからの攻撃を避けるため浄化槽フィルター(おこぼれの肉片がある)横で隠れるようにして群れています。

※若鳥は警戒心が強く人が近づくと直ぐに逃げ去りますので、携帯での撮影ではこれが精一杯の写真です。
皆さんがよく目にする図々しい態度のカラスは大人のカラスです。それらは生き残ってきた経験豊富なものたちで、私たち48会員と同じということですかね。
 



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