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気ままに来らむ 『時空をこえて』!

 一時、二次ではなくて参事です、だけど知らないのだ。:久木田憲

2014年4月22日投稿



くきたさーん、時間ですよ!はい、この席もあと1年で卒業です。

(30歳になる次女が保育園児の時に熊本城内のイベント抽選会で当たった時計をかざして:3時『参事』)

出会いと別れがある春。

熊本日日新聞(熊日)のページを賑やわせた官庁・企業の春の人事異動もひと段落つきましたが、今年は退職者欄に48会員の名前を目にしました。
1歳年上だったK君は分かりますが、1年前に職場を去る48会員には、体調がすぐれないのかそれとも宝くじが当たったのかが分かりませんので、電話を掛けることを控えています。元気がよかったら、来る5月21日の大同窓会か次の会合でお会いしましょうかね。

毎年、その人事異動欄を見ると思い出されることがあります。
私が勤める熊本市役所においては、二十年ほど前までは係長級から局長級までの5つの職階のスタッフ職の職名は全て参事でした。外部の人には職位が判り難いということで、その後他の名称に変わっていきましたが、今でも係長級・スタッフ職だけには参事が職名として残っています。また、数年前までの農業団体、地方自治団体(県・市)と企業の一部においては、参事という職名はトップに近い職位の幹部職員や役員だったそうです。
それを知らなかった私が経験した話です。

二十数年前に黌校の同級生で東京在住の友人K君が熊本城の加藤神社で結婚式と披露宴を挙げました。黌校の同級生として参列した私は、関東から来られた新婦の親族が物静かにされていたので、祝いの宴のにぎやかせ役としてその方たちにあいさつに回りました。
名刺を交換することとなり、私の参事の職名を見られて「40歳前なのにお偉いのですね」と言われた私は、当時は係長級参事だったので「黌校時代からずっとK君(一流企業の課長)のほうが優秀なんですよ。」と応えたら、
「なんと謙虚な方」と言われ、
「いやほんとうの事ですよ」と微笑んで応えました。

当日は、数少ない黌校友人の参列者としてK君に恥をかかせまいと思い、ワイシャツは唯一のオーダーメードの上質物で、スーツは10年に一回しか作らない仕立てのよいものを着ていました。靴は20年に一回しか購入しない英国製の革靴で、時計は親父の上質でシックなシルバーゴールドの時計(セイコー・クレドール)を借りて着けていましたので、つま先から頭の先まで百万円余りの物を身に着けていました。
それで、私の名刺は新婦側の親族の中をまわされ、皆さんから「若いのにすごい・すごい」と言われたので、私もいい気分になって接待役に徹して、宴の最中はもちろんのこと、終了後も積極的に宇土櫓をバックに写真撮影される時のカメラマンにも進んでなりました。

後で聞いた話ですが、新婦の親族方には大手航空会社関連の方が多く居られ、当時、その会社では参事という職名は重役クラスだったそうです。積極的に接待役に徹しましたので、新婦の親族方の間では「さすがKさんの友人は違う、お偉いさんなのに謙虚で、腰が低く、偉ぶるところがない」と話されたそうです。職名での買いかぶりなのですが、『上質な接客業の人は足元からお客を見る』と実家が商家である妻が話していましたので、一帳羅の革靴、上質なスーツと上品な高級時計の威力(成金趣味ではないもの)はスゴイと改めて思ったものでした。

また、やはり同じ頃に他の地方自治体を急な出張で訪れた時、事前に職名を「参事」と伝えていたところ、到着した駅には運転手付きの黒塗りの公用車が迎えに来ていました。当然ながら、用務が終わった後は普通の公用車で担当者が駅まで送ってくれました。

その時も、参事は一時や二次とは違うんだと思った次第です。
その後は、ライン職の係長になったので、残念ながらそのような「いい思い」をする事は無くなりました。

それで、今でも参事の職名には郷愁を感じます。

 
 


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2014.04.22更新