はじめての産卵、はじめての病院

  

産卵だと分かるまで

5月のはじめ頃から食欲がなくなってきました。あれ? と思っているうちに全く食べなくなり、今までこんなことはなかったので心配しましたが、人間でも具合の悪いときには食事をしたくない時もあるし、鼻水やくしゃみなどの症状はなかったので、ちょっと体調が悪いだけかもしれない、としばらく様子を見ることに。
動きは活発で(というより、後から思えば何かを訴えていたんだと思いますけども...(汗))、陸に上ったり下りたり、ばたばたと泳いだりと、見た目は元気そう。昼間日の当たっているときにはひなたぼっこもしていました。
ちょっと気になったことと言えば、後ろ足でしきりにお尻の辺りを掻いていたこと。うーん、便秘かな?などと考えていた私・・・。

1週間ほどしてもエサを食べないので、どんどん心配に。ネットで食欲不振の原因をいろいろと検索してみると、中に「産卵前はエサを食べなくなることがある」という情報が。さらにいろんなところで、「産卵前は暴れる」とか「後ろ足でお尻を引っ掻く」なんていうそのままの話もあって、これはもしかして産卵かも、と思い始めました。でも、もし別の病気だったら困るので、とりあえず病院で診てもらうことに。

 

はじめての病院

5月17日(月)

週末にネットやタウンページで爬虫類を診てくれる病院を探してつれていきました(事前に電話で確認)。
血統書付きのお犬さま、お猫さまばかりで看護婦さんが「綾小路エリザベスさ〜ん」なんて名前を呼んでたらどうしようっ、とドキドキしながら行ったのですが(笑)、こじんまりとした病院でまずは一安心。名前も「北極カメ吉さん」なんて呼ばれることなく、ちゃんと「北極さん、診察室へどうぞ」と飼い主の名前だけ呼んでくれて、ほっ。

そんなに混んでいなかったので、さほど待つこともなく診てもらえました。先生はまだ若い男の人で、開口一番「カメさんですか〜、僕もカメが好きでね。ハコガメを飼ってるんですよ」。それだけで安心して、この先生に一生ついていこう!と思う私(笑)
まず、飼育環境や冬眠のさせ方(私のやり方はあまりよくなかったらしい...(汗))、エサについて、などいろいろ問診があり、症状を聞かれて、カメ吉登場。
カメ吉を一目見て、「ああ、もうこの大きさならオスじゃないですね。メスでしょう」とあっさり言う先生。メスという事実がはっきりして軽くショックを受けている間にも、先生は器具でカメ吉の口をちょんとつつき、開けさせる。「おお、怒ってる怒ってる。口の中はきれいだね〜。もう一週間食べてないんですよね? じゃあ糞は無理かな...。あとは卵かな。レントゲンだけ撮らせてもらっていいですか。撮影料は3500円ですが」。ということで、写真ができあがるまで10〜15分ほどお待ち下さい、と言われ、カメ吉を預けて一旦待合室へ。

再び呼ばれて診察室に入ると、先生が壁に掛けられたビュアーにレントゲン写真を挟み、きっぱりと言った。「やっぱり卵です。卵だらけですね。近くで見てください、ほら、分かりますよね、これ。このまるいのが全部卵です」「うわーほんとだ!」「1、2、3、4・・・7個はありますね。こっちは縦の写真です。ほら、こんなふうに。今まで卵産んだことはないですか?」「ないです」「こんなに卵がいっぱいだとご飯は食べられないですよね。でも腸はきれいですよ。ガスがたまっていることもないし。この黒い部分ありますね、これが肺です。肺もきれいです。卵、分かりますよね。きれいにまるくなってます。小さいのもありますが、これは大きくなることもあるし、こういうのは吸収されてしまうこともあります。とにかく卵を産ませる環境を作りましょう」

卵を産ませる環境...。今まで、カメ吉がオスであって欲しいと思い続けていたので、産卵のことなど考えもしなかった私には、何の知識もない。「今飼っているケージとは別にもう1つケージを用意して、そこにバーミキュライトを入れて下さい。バーミキュライトって知ってます? 園芸用の」「ああ、分かります、保水性のある...」「そうそう、それです。それをこれくらい(15〜20cm)入れてください」「全部バーミキュライトでいいんですか?」「そうですね、でもあれ、キラキラしてるんで、カメが汚くなるんですよ」「そうなんですか?」「カメにキラキラしたのがいっぱいくっついちゃうんですよね」「はあ...」「あ、でも何でもいいです。無精卵ですから、とにかく産んでくれればいいんです。土でもなんでも適当に入れて下さい」「あの、普通の園芸用の土でいいんでしょうか」「いいですよ、いや、わざわざ買うこともないです。もう砂でも土でもなんでもいいです。あるものでいいですから。そこにですね、半日ずつ入れ替えて下さい。午前中水なら、午後は土、というふうに」「はい」「それで様子を見ましょう。卵を産めば食欲は出てきます。本当は何か食べてくれると一番いいんですけどね。カメさんはむきエビとかまぐろのお刺身とか大好きなんですよ。においのあるものが大好きなんです。試してみてください。1週間経っても産まなかったらもう一度つれてきてください。途中で元気がなくなってしまった場合にもつれてきてください。あんまり体重が落ちちゃわないといいんだけど。大丈夫ですよ、産卵を促す注射がありますから、それを打ちます。ちゃんとカメ用の薬がありますから大丈夫です。何か食べてくれると一番いいんですけどね」

はい、はい、と相づちを打ちながら話を頭に刻み込む。先生は相当にカメ好きらしく(笑)、熱心に説明してくれて、話もいろいろ聞いてくれた。ちなみに料金はレントゲン代3500円+エキゾチック初診料(笑)1200円×消費税で、しめて5000円弱。何か処置をしたわけではないので、初診料だけで済んだようだ。動物は保険がきかないから料金がちょっと心配だったけど、思ったほどかからなくてほっとしました〜。

ところで、帰り際、先生に「つがいで飼ってれば繁殖の楽しみがあったのにね、残念だね〜 ^ ^ 」と嬉しそうに言われました。子ガメは確かにかわいいと思うけど・・・先生、7匹も増えちゃったら困ります。。。

 

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