聖地を訪問したヨーロッパと北アメリカの司教から
聖地のキリスト者へのメッセージ
2003年1月16日 於エルサレム
聖地の、キリスト者である兄弟姉妹の皆様
ラテン管区総大主教様、聖地カトリック司教団の皆様
エルサレムのギリシャ、アルメニア管区総主教様方、聖地・エルサレムの司教及び教会の指導者の皆様、
主イエス・キリストの恵み、神の愛、聖霊の交わりが、あなた方一同と共にありますように。(コリント2 13:13)
一年前あなた方は私たちと苦しみを分かち合い、正義と平和への熱望について語られました。非常に悲しいことには、一年経って戻ってみると、平和と希望を余り耳にしないばかりか、暴力はますますひどく、絶望は更に深くなっています。警備法令はますます圧迫感を与えるようになり、失業は増し、身体的、精神的そして霊的にも貧困が一層増えています。私たちは、また、イラク戦争の脅威に人々が脅かされ、失望していること目撃し増した。
あなた方兄弟姉妹であるキリスト者だけでなく、多くの者を恐れと不信が捉えている事は明らかです。しかし同時に、私たちは、正義と平和への熱望が広まっていることも確信しました。明るい希望も経験しました。それは、あなた方の和解へのはっきりとした態度ばかりか、多くの人々の絶えざる勇気と献身を鼓舞しているように思いました。
去年私たちはこのように言いました。「現在の暴力の悪循環は皆にとり、悲劇です。占領下に人々を置くことは絶対に間違っています。巨大な牢獄に数百万の男性、女性、そして子どもたちを閉じ込めることは非常に忌まわしいことです。同じように、無実の人に、復讐したり、手当たりしだい抵抗することは道徳的に非難さるべきものです」と。様々な形での打ち続く暴力は、私たちに「何かが大きく間違っている」ことを示しています。
教皇ヨハネ・パウロ二世の一年前の言葉は、過去12ヶ月の悲しい話により確証になりました。「パレスチナの人々が50年以上もの間犠牲になってきた不正に、誰も無関心ではいられない。またイスラエルの人々が安全のうちに生きる権利に、誰も異義を唱えることは出来ない。しかしながら、毎日のように暴力のもとに倒れる両サイドの無実の人々の犠牲を忘れることはできない。武器や血なまぐさい攻撃は、相手に対して政治的に陳述する正しい手段とは決してなりえない。そればかりでなく、報復の掟の理屈は、正義の道へと導くものではありえない。」
国に戻り、国内の司教団とカトリック正義と平和委員会に、聖地の平和への支持を優先事項とするよう要請しました。これは実行されました。しかし今年、これらのグループがその努力を続け、更に効果的に対応する必要を強く感じるようになりました。私たちは継続的に世界に事実を知らしめるよう努め、その事実の基である発行物が理解されるよう努めました。私たちはお約束したように戻ってきました。残念なことに、大人数の巡礼者を連れてくる計画は余り成功しませんでした。しかし巡礼は続いており、それはお互いの励ましの源であります。
私たちは、一年前にした約束をまた致します。私たち皆が待ち望んでいる平和を神がくださるまで、あなた方、エルサレム、パレスチナ、イスラエル、ヨルダンの信仰に生きる兄弟姉妹を支援するため、働き続けることを約束します。復活されたキリストの最初の証人となり、彼にのみ見出せる平和を正当に分かち合おうと捜し求めるあなた方に対し、愛と一致を誓います。
ナザレのイエスが復活しその墓が空であるゆえに,ロマ書5:5の「希望は私たちを欺くことがありません。私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです。」を確信して、特にあなた方の苦しみの最も暗い日々において、私たちはあなた方と共に喜びます。
キリストにおいて、日々の祈りのうちにあなた方と共に。
ジャック・バートレット司教C.S.V.
カナダカトリック司教団議長
パトリック・ケリー大司教
英国・ウエールズカトリック司教団副議長と
ヨーロッパエピスコパル委員会代表
ラインハルド・マルクス司教
ドイツ司教団代表
ウイリアム・スキルスタッド司教
米合衆国カトリック司教団副議長
Joan Entic Vives司教
スペイン司教団代表
モンセニョール・ピエールジュゼッペ・ヴァチェリ
イタリア司教団副秘書
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