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2000. 9/2(土)
久しぶりのゆっくりとした休日。疲れは確実に溜まっていて、 この一週間の仕事はきつかった。 それでも昼過ぎにはホームセンターへと繰り出し、またいそいそと新居用家財を物色。今日買ったのはまず、洗濯物を干すハンガー。名前が浮かばないが、傘のように開いて使う、あれ。それから、スピーカーの下に敷くコンクリートブロック4個。車から部屋に運ぶのが重かったこと。 あとは、ゴミ箱5個。ちなみに全部、自分用である。名古屋市で8月から施行された分別法によると、分け方は実に8種類にのぼる。このそれぞれに1個ずつ買ってきた。今までは袋をそのまま床に置いていたのが、随分すっきりした。しかし、こうやってまたモノが増えていく。
夜には、10月のトライアスロンに向け、ようやくランの練習をスタートさせた。本当はびわ湖サイクルマラソンがメインなので、自転車をやらないといけないのに。明日、元気があれば、やろう。
なんか、全然ゆっくりできてない気がする。
2000. 9/3(日)
本当に久しぶりに自転車に乗った。気持ちよかった。ただ登り坂はいただけない。脚力の衰えをまざまざと感じさせられた。あと1カ月で、びわ湖一周サイクリングだ。180kmを走らねばならない。不安は大きいが、練習あるのみ。
2000. 9/6(水)
シドニーオリンピックまであと何百日、などとつい前まで言っていたような気がするが、もう来週と迫った。毎回、期間中はもう、オリンピックの為だけに生きると宣言できるほどのめり込んで見る。ほぼ全部の放送を録画し、興味ない部分だけ早回しで飛ばし、興味ある部分もできる限り早回しにして、とにかく全部に目を通す。意味ないよ、と言われそうだが、そうしたいのだ。意味がないと自覚すれば、自分でやめる。
今一番気になっているのは、陸上競技で、僕の応援するマリーン・オッティー選手が出場するかどうかだ。ジャマイカ予選の100mでは入賞できなかったが、入賞した選手が辞退してオッティーが出る可能性が高い、とは雑誌で読んだ。が、それ以降は情報が入ってこない。WEBでも調べたが、なかなか出てこない。日本のサイトで「シドニーオリンピック特集」などとあるのを見ると、決まって日本人選手の特集だけが載っている。サッカーでもそうだった。日本人選手が出るとなると、もうそればっかり追いかける。そりゃ、応援するなとは言わないが、本当にスポーツが好きなのか疑いたくなる。
2000. 9/7(木)
ゲストブックが消えた。ものの見事に。それでも、最初からその規約だったのだからしょうがない。
無料のレンタル掲示板を利用していた。1週間何も書き込みがない場合は即刻削除、というのが条件だった。開設以来、何度も消えかけては踏み止まり、を繰り返していたが、今回ついに力尽きた。
それでもゲストブックは続けたいので、次なる掲示板を探そうとするうち、ふいに、自分で作ってみようかという気になった。いろんな画像付きの掲示板を他で見かけたりして、自分の好きなようにやってみたいという気持ちがむらむらと沸き上がってきた。思い立ったら早いほうなので、昨日の帰り、CGIの参考書を2冊買ってきた。 それから、現プロバイダであるASAHIネットでは、自作CGIが使えない。セカンドプロバイダを探す必要があり、プロバイダ比較の記事が載っている雑誌も併せて買ってきた。狙い目は、月額1000円以下で自作CGI/SSI利用可、そしてtelnetの使用可能なところだ。しかし、これらが全部揃ったところはなかなか見つからない。何とか2社ほどピックアップしたが、そこもやはり全部OKという訳ではない。 一方、CGIのプログラム言語となるPerlの勉強は進んだ。今まで触れてきた言語とよく似ていて、とっつきやすい。しかし、これら条件が整い、掲示板開設に踏み切れるのはいつになることか。
2000. 9/9(土)
夜、ゴミ袋を置きにベランダに出たら、立てかけたダンボールの蔭に猫がいた。音に気付き逃げていったが、あれは、ここに来た時から見かける白猫だ。常連はもう1匹、白黒のやつがいて、この2匹が外でよく喧嘩をしている。夜中にウーウー唸っている声が、時々聞こえてくる。
向かいの中華料理屋には、シベリアンハスキーが飼われていて、時々頭を撫でてやる。店の入り口と別方向にシャッターがあり、いつもそれが半開きになっていて、その中からよく顔を出しているのだ。が、猫と違い、犬にはどうしても恐怖心を感じてしまう。前にも書いたが、高校生の頃、飼っていた犬に2回噛まれているからだ。
動物がいるのは、心の和みになる。
2000. 9/11(月)
一瞬の静寂も許さない、雨。激しく打ち付ける音は、止むことがない。
名古屋は土砂降りだ。この町に住んで15年、これほどの大雨を経験したことはない。地下鉄の駅からの帰り道、歩道に水があふれ、つま先立ちで歩いた。途中の交差点からは更に深くなり、もう靴に水が入るのなんのというレベルの話ではなくなった。すねのあたりまで水に浸かり、じゃぶじゃぶと歩いて帰った。
ここいら辺りはもしかして海抜が低いのかなとも思ったが、テレビのニュースでは、栄でも同じように車道に浸水していた。 しばらくしてからもう一度外を確認しようと和室の障子を開けてみた。相変わらずの降り。音に驚いて、いつもの白黒猫が逃げていった。
2000. 9/12(火)
名古屋での観測史上最悪となった大雨は、ようやく小康状態を迎えた。昨日の夜、部屋から外に出てみると、周りは道路も何もかも泥水に飲まれ、建物のひとつひとつが離れ小島のようになっていた。マンションの玄関入り口には、その20センチ下あたりまで水面が迫っていて、風が吹くからか、波まで立っていた。 部屋に帰り、寝ようとベッドに入ると、近くで、どーんどーんという、爆発音のようなものが聞こえてくる。不気味に思うが、マンション入り口から外には出られないので、確認しようもない。恐らく、浮かび上がった車がどこかにぶつかる音だろうと推測し、無視して眠ることにする。すると今度は雷が鳴り始めた。すぐ近くに落ちているような、ものすごい音が響く。通常の雷は大丈夫な僕でも、これには少し参った。 寝付かれず、起き出してBSのスペインサッカーをずっと見ていた。途中、何度か画面が乱れた。ひどい降雨だと、こうなる。結局そのままソファの上で夜を明かした。
朝、疲れの全く取れぬままソファから起き上がる。何とか我が家は、床上浸水間際で踏みとどまったようだが、一晩中、トイレと風呂場の水は流れることがなかった。恐る恐る部屋を出てみると、周りを満たしていた水はすっかり引いていた。
地下鉄の駅まで歩く。もうこれで大丈夫だろう、と安心していたが、思わぬ落とし穴があった。JRや私鉄は運休だが、地下鉄は大丈夫、と疑うこともなかった。入り口に着いて、張り紙を発見。 「この路線は、ただいま動いておりません」
急いで手段を考える。車は今修理中で、手元にない。あとは...そう、自転車しかない。今来た道を引き返し、部屋に戻ると、引っかけてあったマウンテンバイクを外し、急いでまた部屋を出る。会社に向かう方向へ、動いている路線の駅までとにかく走った。目星を付けた駅で、運良く乗ることが出来た。会社に着いたのは始業10分前ほどだった。 会社では、来てない人がやはり何人かいて、ニュースにも出ていた西枇杷島という所に住んでいる後輩に至っては、部屋の中1メートルぐらいまで浸水し、脱出するのにも一苦労だったようだ。
帰る頃にはもう雨はほとんどやんでいた。ただ、家の周りの店は全部休業していて、何とかやってるコンビニも弁当類は全て売り切れの状態だった。おかげで今日の夕食は、大好きなどん兵衛天そば玉子かけ。
隣の中華料理屋も、浸水がひどかったようだ。ここのガレージにいつも繋がれているハスキー犬が心配だったが、今朝出がけに元気な姿を見て、安心した。昨日、部屋のベランダから逃げていった、あの白黒猫は大丈夫だろうか。
2000. 9/15(金)
オリンピック、遂に始まる。この3連休は、パソコンいじりに全勢力を注ごうと思ったが、オリンピックがあるのを忘れていた。でも今回は、なるべく見たいものだけに絞ろう。なにせ、掲示板を完成させなければいかんのだ。セカンドプロバイダからの登録完了の知らせは、昨日受け取った。そして今日、いろいろとやってみて、簡単なテストまでは済んだ。後は、自分がどういうものを作りたいのかを考える作業だ。これに一番時間がかかる。実は、掲示板に合わせ、TOPページのリニューアルも考えている。時間がいくらあっても足りない。
昨日、「船を建てる」というマンガを買ってきた。ネット上で、いい評判をいくつか読んだので、ずっと探していた。ぶーけコミックスという、いわゆる少女漫画系の出版元のため、マーガレットコミックスやりぼんコミックスがずらりと並ぶコーナーをしらみつぶしに当たっていた。周りからは奇異のまなざしで見られたことだろう。甲斐あって、ようやく見つけた。 読み始めはとっつきにくかったのが、3話ぐらい読んだところあたりから、もう離れられなくなった。主人公は、アシカ。登場するのもほとんどがアシカで、彼らがいろんな人生の一端を見せてくれる。シュールだが情けがあり、おもわず涙させられる。そして何より、アシカたちがかわいい。かの名作「動物のお医者さん」のノリに近い。
2000. 9/16(土)
予想通り、オリンピックをだらだらと見てしまった。普段は別に水泳や柔道なんて興味もないくせに、オリンピックだとついつい見てしまう。田村亮子の金は意外だった。またどうせ今回も、なんて穿った見方をしていた。明日の新聞やスポーツ番組の見出しは決まった。 「日本、初日からメダルラッシュ!」 まったく、手垢のついた言い回しを恥ずかしげもなく繰り返すマスコミというものには、いつもあきれる。
他に今日やったことと言うと、掲示板作成のためのCGIの勉強をほんの少しやり、LDで「スターウォーズ」を見て、それから漫画を読んだ。「船を建てる」の話は昨日書いたが、今日読んだのは、同時に買ってきていた別の作品。「四丁目の夕日/山野一」と「少女椿/丸尾末広」の二つだ。知ってる人は少ないかもしれない。知ってる人は、何であんなモノ、と言うかもしれない。昨日の「船を〜」とはうって変わって、80年代サブカルチャー、残酷猟奇漫画。 山野氏の作品はこれが初めて。書店で、「これほど救いようのない不幸はない..云々」と紹介されてあったのを見ての衝動買いだ。内容はその紹介通り、ある少年の絶えることなく続く悲劇を、ただリアルに容赦なく描いてある。読んだ感想を書くとすれば、以前に「オールナイト・ロング」という映画を見た後の気分と同じだ。何でこんなもの読んだんだろう、っていうのか。自分の、人としての許容力を試している、というのか。何なんでしょうね、これは。後で嫌になるとわかっていながら、つい手を出してしまう不条理さ。たぶんこういう世界からしばらく遠ざかるのだろうけど、きっとまた戻ってくる。自分でもよくわからない心理。 それに比べ、「少女椿」はまだ人間的と言えるかもしれない。猟奇的な中にも、まだ芸術性、美といったものが窺える。これはネット上で映画をやってたのを知っていて、手を出した。「オールナイト・ロング」を知った同じサイトだ。見せ物小屋で生きる少女みどりが主人公。舞台は、世の中の「汚いもの」の象徴として存在する、見せ物小屋。目を背けたくなる世界なのに、読後感は割と爽やかだ。ただそれは、「四丁目〜」を読んだ後だったからかもしれないが。丸尾末広って、何か一冊持ってたよな、と本棚を探ってみると、「犬神博士」という、衝動買いした陰陽師モノが、氏の作品だった。こちらのほうが新しく、まだ読みやすい。
という訳で、この2冊、全然お勧めしません。
2000. 9/17(日)
なんということだ。3連休がこれほど早くに終わってしまうとは!年々、時間の経つのが速くなるとは思っていたが、3連休があっという間に過ぎ去るほどにまで、事態は悪化していた。
今日はやっと、一日中パソコンに触れた。ずっと掲示板にかかっりっきり。デザインはどうにか形が見えてきた。この方面の才能はないな、とため息をつく。どうやっても、素人っぽいデザインにしかならない。格好良い、クールな感じには死んでもならない。
大雨でどこへ行ったのか心配だった近所の猫は、白猫、白黒猫ともに無事であることが判明。白猫は最近、ベランダのダンボールの上でよく寝ている。近寄ってもすぐに逃げてしまう用心深い奴なのだが、窓越しにちょっとずつ慣らしていくつもり。いつか、抱き上げることができる日まで。
2000. 9/18(月)
ドラマ「愛をください」の主題歌タイトルって、「愛をください」じゃなかったの?
♪愛をくださあいいー、うぉおううぉう、 愛をくださあいい、ずー、ずうー
の所で、、最後の「ずー、ずうー」は、「うぉおううぉう」と一緒で、ただのシャウトだと思ってた。これが、題名「ZOO」だったのね、ハハ。いや、わかりにくいって。でも、歌詞を最初からちゃんと聞いていればわかるか。そういえば、CMでECHOSの曲として流れてた時も、「愛をください」とはどこにも書いてなくて、おやっと思ったのを思い出した。
掲示板は鋭意作成中。デザインがようやく落ち着いてきた。後はそれに従ったプログラミング。何事も形から入れば、たいていはうまくいく。
2000. 9/19(火)
中村真衣って、いいね。昨日の夜は遅くまで、決勝のVTRやインタビューがテレビで流れていた。笑顔がなんとも言えない。そして、周りに気を遣い、言葉を選びながら話す態度も良い。 ふむ、いい娘(コ)じゃ、とおじさんモードになる。
体操女子、ロシア、惜しくも金ならず!! 管理人コーナーに書いたように、スベトラナ・ホルキナ選手のファンである僕は、団体ではやっぱりロシアを応援していた。ライバルのルーマニアは、ベテランのアマナール、昨年の世界選手権チャンピオンのオラルらを擁して、順調に点数を重ねていき、先に全演技を終了した。ロシアは、最初の種目、跳馬を高得点でこなし、上々の滑り出し。エースのホルキナは、高難度の技をきっちりと決め、予選から絶好調だ。しかし、またまたやってしまった。段違い平行棒では敵無しと言われる彼女。確かに、決まった時の完成度は非常に高く、そのレベルは一歩抜きんでている。しかし同時に、彼女がこの種目で落下することが多いのを、僕は知っている。世界選手権でも、見に行った中日カップでも、落ちていた。「ホルキナ」という、自分の名前が付けられたオリジナル技が二つも入る構成の中で、その二つ目の、下のバーから上のバーに移る時に手が届かず、落下してしまうのがほとんどだった。しかし今回、更に難しい技を組み入れていて、その部分で、見事に落下。声をあげてしまった。 この後、次の種目の平均台で、ホルキナは良かったのだが、今度は若手二人が揃って落下してしまった。最後の床で奮闘はしたものの、ホルキナの演技を待つことなく、ルーマニアに金メダルを譲ることになってしまった。うーむ、残念。ホルキナには、個人総合で金を狙って欲しい。
ルーマニアは今回、特別に強い選手はいないが、皆無難にまとめたような感じだ。エースのオラルも、今大会は今一つ不調のようだ。飛び抜けた高得点はそう出ないが、大きなミスも犯さない。団体では、いかに失敗をしないかということが大事なのだと再確認した。
アメリカの選手の中に、懐かしい名前を見つけた。ドミニク・ドーズと、エイミー・チャウだ。どちらも、アトランタの金メダルチームの一員だった。ドーズは髪型を変え、風貌がすっかり変わってしまっていた。チャウは画面に映ることがなかったが、確か中国人とのハーフである彼女の東洋系の顔付きは、ぼんやりと頭に残っている。あの当時アイドルだった、モセアヌはいないようだ。結局、ぱっとしない成績を収めることもなく、引退してしまったのか。
そういえば、ウクライナのポトコパエバも、姿を見ない。去年あたりは、怪我をしていたはずだが、やはりもう引退してしまったのか。結構好きだったのに。彼女のオリジナルだった跳馬の技は、「ポトコパエバ」という名前となって残っている。
2000. 9/20(水)
体操男子、個人総合の表彰式。金メダルの場所には、ネモフが立った。 ロシアのアレクセイ・ネモフ。男性の目から見ても、魅力的な選手だ。これまでのロシア・旧ソ連といえば、ストイックで鉄面皮、無表情な中から高難度の技を次々と繰り出していく超人的な選手が多く、凄い、とは思いながら、近寄りがたい雰囲気があった。ネモフはそうではない。高度な技術を持ちながら、大事なところでミスをしてしまう。前回のアトランタでは、終始リードしながら、最後の種目で中国の李小双に逆転され、金メダルを逃した。充分に実力は認められながら、いまだ世界選手権で勝ったこともない。 それが今回、団体予選から今日まで、全くのミスなし、全得点が9.6以上という出来。素晴らしい。しかも、そこには超人的なイメージはなく、ただ途方もない努力の跡が見えるのみだ。競技を離れると、終始笑顔を振りまくお調子者。前回のオリンピックのエキシビジョンでは、上半身裸で演技を行い笑いを取っていた。それが、いざ本番になると、表情が引き締まる。そして今回の、優勝。そのギャップが見事だし、魅力的だ。23歳、待たれた春が訪れた。
2000. 9/22(金)
NHKニュースで有働アナが涙声で原稿を読んでいたのは、柔道篠原選手の件なのか。 そういえば、アナウンサーの方々って、あの手の感動場面でよく平気で原稿を読めるなあと感心することがある。自分だったら、泣いちゃって話にならない。
トランポリン女子で優勝した、ロシアのカラバレワ選手って、めっちゃくちゃ綺麗。スタイルも良いし。それでかつ強いんだから、すごい。
オッティー、無事に予選通過!!
出るか出ないかが、直前までわからなかった。火曜日に、ネット上でようやく情報を見つけた。ただし、あまり良くない内容のニュースでである。 「ジャマイカ選手が抗議集会−。」 オッティーが100m代表に選ばれたことに対し、同国選手19人が反発して選手村前で抗議集会を開いた。代表選考会100メートルで優勝した選手より成績が低かったオッティが選ばれたことを不服としたものだった。 気持ちは、わかる。かつて、サッカーフランスW杯で、三浦カズ選手が選ばれる選ばれないで揉めたことがあった。あの時僕は、本当に勝利を考えるのなら、彼を外すのは妥当だろうと思った。それを非難する人達も相当数いたが、彼らにしても、日本に是が非でも勝って欲しいと思ったに違いないはずだ。しからば、そのための最良策をとったフロントに文句を言うことはできないはずだ、と。 そして、今回の事件。同じ論理だと、オッティーを外せということになるが、彼女の大ファンであるだけに、そういう気持ちにはなれそうもない。身勝手な話だけれど。 それに確か、オッティーより成績の良かった選手のうち誰かが、彼女に代表の座を譲るだろうという話を、雑誌で読んだ。その記事だけが、よりどころ。本音は、オッティーが出てさえくれれば、それでよい。
今日は、一次予選、二次予選と2回走った。ちゃんと走っているのかどうかが気がかりで、会社でWEBのオリンピック情報をこまめにチェックしていた。夕方ぐらいに、ようやく記事を発見して、一安心。英語で書かれたリストだったので、すぐに名前を見つけられず、焦った。 一次の走りは見ていないが、あまり良くなかったらしい。家に帰ってから、二次予選を見る。タイムは11秒そこそこで、なかなかいい走りだった。解説者も誉めていた。とにかく、決勝まで残って欲しい。そして、もう確実に最後となるであろうオリンピックの舞台を堪能して欲しい。 なにせ、40歳ですよ、40歳!!陸上短距離で、この年まで走っている選手は、聞いたことがない。明日は、準決勝と決勝。必死で応援する。
2000. 9/23(土)
オッティー、メダルならず!
力の差は歴然だった。今シーズン負けなし、これからの女子陸上界を引っ張っていく存在であるマリオン・ジョーンズに対し、モスクワオリンピックからの連続出場、今年40歳になるマリーン・オッティー。この二人が決勝のラインに同時に立ったことだけでも、信じがたいことかもしれない。
準決勝はトップ。状態は悪くなさそうだった。あのマリオンに勝てるわけがない、そう思ってはいても、応援せずにはいられない。 そして、決勝。トラックに現れたオッティーは、いつもと同じように緊張の面持ちだ。対するマリオンは、観衆に笑顔を振りまく余裕の素振り。問題はタイムだけ、といわんばかりで、憎らしくなる。 「位置について」の合図が出る。オッティーはぎこちなく腰をおろす。マリオンは、肩からふーっと力を抜くように静かに頭を下げる。彼女独特のスタンバイ方法だ。 走り出す。あとは、全てがマリオンの思い通りだった。オッティーは、年齢のせいというより、決勝での固さのために力を出し切れず負けてしまったように思う。最後まで、オッティーらしかった。
2000. 9/24(日)
高橋尚子の強さは圧倒的だった。前半は様子見でゆっくりと流し、大人数のトップグループが形成されるやそれを嫌って飛び出し、最後まで食い下がったシモン選手さえ、少しの隙をついて一気にスパートをかけた高橋選手に戦意喪失させられてしまった。
10kmまでを、「トコトコと」走ったのだという。 ラストのスパートさえ、「特にペースをあげたつもりはなかった」のだという。恐るべき余裕、そして実力だ。
高校、大学と大した成績を残せなかった彼女は、社会人になり、小出監督と出会ったことで全てが変わった。もちろん、素質も充分にあったのだろう。しかし、ここまでの強さを身につけた一番の要因は、「走るのがとにかく好きなこと」だと思う。練習では、小出監督が止めないかぎり、いつまでも走っているそうだ。「好きこそものの上手なれ」というのも陳腐だが、真理だと思う。 普通、練習は苦しい。世界のトップレベルにある競技者でも、練習嫌いの人は割と多い。それでも自分の心にむち打って練習に励むのだろうが、そこに高橋選手のような、走るの大好き、練習大好きという人間が現れたら、脅威に感じるに違いない。
マラソンやトライアスロンをかじっている者の一人として、凄いなーと、心底尊敬する。僕も練習は嫌いだ。しんどいから。それでも何とか無理矢理気合いを入れて練習する。でも、サボる。で、次の日練習、また休み。そんなことの繰り返し。とても高橋選手のようにはなれない。
ちなみに、事前予想として、高橋=1位か2位、市橋=3位か4位、山口=7位か8位、と秘かに思っていた。なんて終わってから言っても信憑性がない。昨日の雑記で書いとけば良かった。市橋以外は当たりだった。 市橋有里。彼女は悔しがってるだろうな。98年の東京国際で浅利純子選手に負けた時も、相当に悔しそうだった。しかも今回は、完全に力負けだ。インタビュアーの呼びかけにも応じず、ロッカールームに引き上げたようだ。また来年の世界選手権あたりで巻き返してくるだろう。あの、三田村邦彦似の顔で。
2000. 9/26(火)
期待されたソフトもシンクロも、揃って銀メダルに終わった。そして、野球も準決勝で敗退。日本がこれまでに獲得した金メダルの総数がもうすぐ100に届くということだったが、そう甘くはない。 体操男子の種目別、塚原は個人総合に引き続いて手痛いミスを犯し、メダルを逃した。直前に日本新を連発し、抜群の安定度で臨んだ砲丸投げの室伏は、入賞すらかなわなかった。期待されることのプレッシャーでつぶれていく選手もいるのだろう。
頑張りすぎて命さえなくす人もいる。女子マラソンで優勝した高橋選手の報道で、女子のメダルは1928年アムステルダム大会以来だということを何度も聞いた。当時のメダリストである人見絹枝さんがオリンピックの後に亡くなったという話は、新聞で読んで知った。
その大会で初めて正式種目となった陸上競技、金メダルを期待された100メートルで敗れたあと、国威を託され、急きょ未経験の800メートルに出場する。それでも頑張って銀メダルを獲得するが過労がたたり、3年後、24歳の若さでこの世を去った。
「プレッシャーに負けるぐらいだから、日本選手はだめだ」とは、よく言われる。しかし、本人がそう思って励むのはいいが、周りがそんな偉そうなことを言う資格はどこにもないはずだ。日本のクズのようなマスコミの連中の、独りよがりな発言に過ぎない。我々は、選手達の素晴らしい舞台を「見させてもらって」いる。いつもそう思っている。なるべく邪魔にならないようにするから、せめて見るだけでも許してほしい、と。 ましてや、国からの「命令」で、やったこともない競技に出させられ、そのせいで命を落とすなど、考えても酷い話だ。800メートルは女子には過酷な競技だと言われる裏には、このような悲劇が隠されていた。 誰もが高橋尚子選手のように、「楽しく」競技ができることを、心から願う。
2000. 9/27(水)
ディバース、またしても怪我に泣く!
陸上女子100mハードルの準決勝。アメリカのゲイル・ディバースは、太股の負傷によりレース途中でリタイア。8月に痛めた箇所が完治しておらず、痛みを感じながらもスタートラインに立ったのだという。バルセロナ、アトランタとどうしても取れなかったこの種目での金メダルだったが、今回も悲願達成はならなかった。
最初映像を見た時、ハードルに引っかかったのだと思った。バルセロナでの、トップでゴールする直前に引っかかった悪夢の再現か、と。 そうではなかった。ずっと痛いながら走っていたのだ。 これが最後のオリンピックになるだろう。可哀想だと思うが、世界選手権では勝っているわけだし、100m走では二度も金メダルを取っているのだ。マリーン・オッティに比べたら、恵まれ過ぎといえるかもしれない。
今日は、僕の応援する選手はこのディバースの他に、女子一万メートルに川上優子選手が出場し、なんとか予選突破がかなった。体のだるさが取れないらしく、ぎりぎりの成績だったが、決勝は三日後なので、休養して臨んでほしい。
金メダル確実、と目された選手が次々と敗れていく。800mのウィルソン・キプテケル、鳥人ブブカ、そしてディバース。スーパースターと呼ばれる存在も、いつかは表舞台から姿を消す時が来る。今大会は、特にそれを強く感じる。去る人があれば、来る人がある。ただその繰り返しに感傷の余地はないのかもしれないが、寂しさは拭えない。
2000. 9/29(金)
いやー、更新しようと雑記を書き終えたぐらいで見始めたバスケが、えらいことになっていた。VTRなのだが、結果は知らなかった。普段バスケというのはあんまり見ないが、アメリカドリームチームの強さぐらいは知っている。NBA選手が出るようになってから、オリンピックで一度も負けたことがない。どうせ今回も圧勝だろうと思っていた。 今日、そのアメリカチームの相手はリトアニア。こんな小国がと思ったが、ヨーロッパではそこそこ強いらしい。後半始まってすぐぐらいの時間帯で、ほぼ同点ペースで試合が進んでいた。それでも最後にはアメリカが突き放すだろうと思って見ていたが、シーソーゲームはいつまでも続いた、最後のほうになると、会場もみなリトアニアを応援し、アメリカのフリースローになると大きなブーイングが沸き起こる。判官びいきもいいところだが、気持ちはよくわかる。奇跡を待っているのだ。僕もテレビの前から動くことができなかった。 残り5.何秒、ジャンプボールをリトアニアが取り、最後のスリーポイントシュート。これが外れ、遂にリトアニアは力尽きた。しかし、死力を尽くした選手達に、拍手。
マリオン、五冠ならず!
幅跳びが一番ヤバいと思っていたのは誰もが同じだろう。しかし、ドレクスラーが勝つとは思わなかったに違いない。35歳。1983年の世界選手権で優勝した時は、18歳だった。以来ずっと幅跳びの第一線に立ち続けている。近年は故障が続き、ドレクスラーの時代は終わったようにも思われていた。僕もそうだ。フィオナ・メイが大本命だと思っていた。それでもドレクスラーが勝ったのは、いつまでも幅跳び技術が上達しないマリオンのせいだとも言えるが。
それから、シンクロ。シンクロって今まであんまり見たことがなかったけど、結構面白い。チーム演技だと更に映えるせいもある。 日本の演技も良かったけど、カナダの演技が始まる時にちょうどテレビをつけ、「オリンピック競技をテーマにした」というコメントに惹きつけられて、5分間を通しで見た。 いいですよー。アイデアにあふれ、それを実現するための技術を磨く。素晴らしいと思った。その後、地上波NHKでもう一度やってたので、ロシア、日本、カナダと続けて見た。印象的だったのは、日本の演技が終わって非常に高い芸術点が出た途端、選手全員が嬉し涙に顔を覆い、抱き合っていたこと。そして、それまで割と厳しいコメントを発していた解説の女性の方が、最後のカナダの演技を心から楽しみ、オリンピックの各競技を模した演技が出てくる度にクスクスと笑いを漏らしていたこと。
「楽しむ」ということの大切さを知った気がします。好きだから、何かをやる。やっていて楽しいと感じるから、やる。そしてその陰に、途方もない努力が隠されている。見習いたい、少しでもそんな生き方に近付きたい。そう思う。
オリンピックネタを書けるのもあと数日となった。今日は他にも、100m×4のリレーでの、日本決勝進出というのもあった。朝原の走りがすごくいい。あれなら単独で100mレースに出られるのにとも思うが、リレー一本に絞っているから良かったのだろう。伊藤よりも数段いい走り。フォームも一番本格的だ。決勝は明日。何とかメダルに向かって頑張れ。ついでに走り高跳びの太田陽子ちゃんもかわいいから、頑張れ。
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