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6/16 |
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1回戦 |
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○ スペイン 1−1 アイルランド ● 
(3 PK 2) |
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前半 8' モリエンテス
キーン 後半44'
− 延長戦 −
No Goal
− PK戦 −
キーン ○
○ イエロ
ホランド ×
○ バラハ
コノリー ×
× ファンフラン
キルベイン ×
× バレロン
フィナン ○
○ メンディエタ
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いやあ、勝った。勝ちましたよ、スペイン!粘って粘って競り勝ったよ!おめでとう!
今大会、残り少なくなった応援チームのうち、最も優勝に近いと思われるのが、このスペイン。しかし対するアイルランドは粘りが信条のチーム。好調のドイツと繰り広げた予選リーグ第2戦、終了間際ロスタイムでの同点劇は記憶に新しい。
スペインは前半、シンプルな形で先制点を挙げた。プジョルからのロングスローの跳ね返りに再びプジョルがセンタリングを上げ、モリエンテスがヘディング。前半はそのままスペイン優勢のうちに終える。
しかしアイルランドは後半10分、高さのあるクインを投入し、ポストプレーでチャンスを作り始める。そして17分、PKを得たアイルランドは名手ハートが蹴るが、この日大当たりのスペインキーパー、カシージャスがファインセーブ!スペインは命拾いをした。
しかしアイルランドの勢いは止まらない。ダフのドリブルは右サイドを切り開き、クインがポストで落としたボールにキーンが飛び込む。スペインはモリエンテス、ラウールのフォワード二人を外して守りに徹するが、いつ点を入れられてもおかしくない状態で、リードしながら全く安心できない。
そして後半44分。怖れていた事態が現実となる。イエロがペナルティエリア内でファウルを犯し、PK。さすがにカシージャスも二度目のセーブはならず、アイルランドはドイツ戦に続いて終了直前で追いつくドラマを見せる。
精神的ショックが大きいスペインには、さらに不運が重なった。延長開始時、ピッチには10人の選手しか立っていなかった。アルベルダが負傷のため、出てこられなくなったのだ。スペインは交代枠を全て使ってしまったため、このまま10人で戦わざるを得ない。明らかにスタミナのなくなったスペイン選手たちに対し、アイルランドの選手は不思議なほど元気だ。予想通り延長戦はほとんどアイルランドの攻撃がスペインを圧倒した。しかしこれをスペインは老獪な闘いぶりで凌いだ。
PK戦。祈った。ここまで来たら実力差は関係ない。ただ選手達の度胸と運に賭けるしかない。アイルランドが先攻で、先に2人が外した。これでスペインは楽になったろう。その後ファンフランとバレロンが続けて外した時にはハラハラしたが、最後はPK職人メンディエタ。僕は、彼がPKを外すのを見たことがない。必ずキーパーの動きを予測して蹴るからだ。はたして、真ん中に蹴ったボールはゴールへと吸い込まれた。スペインは苦しい試合をものにし、ベスト8へと駒を進めた。
アイルランドはドイツ戦以来注目していたが、ただ勝負強いだけではなく、攻撃的にも見るべきものが多かった。特に、クインが入ってからのポストプレーは必ずチャンスを生み、スペインディフェンダーは心休まる時がなかった。それに、右サイドを駆け上がるダフのドリブル。これほど面白いとは思っていなかった。
スペインは、延長戦は見るも無惨なものだったが、後半途中あたりまで魅力的な攻撃を見せてくれた。バレロン、デ・ペドロ、ラウールらで構成する中盤のパス回しは、かつてのポルトガルに与えられた”華麗なる中盤”という称号を送るにふさわしい。ディフェンダー陣も素晴らしかった。とくに今日のプジョルは神懸かり的だった。まるでカンナヴァロのように相手の動きを読んで飛び出し、右サイドをほぼパーフェクトに抑え切った。ナダルの代わりにセンターに入ったエルゲラも、高さと速さを十分に見せつけ、効いていた。さらに特筆すべきは、キーパーカシージャス!割に波のある選手だが、今日の当たり方は半端ではなかった。試合中のPKを止め、最後のPK合戦でも止めた。今日のマン・オブ・ザ・マッチは彼だろう。
今日の2試合は、これぞワールドカップと言うにふさわしい素晴らしい試合だった。サッカーって楽しいよ。
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