6/14(金)   ベルギー×ロシア チュニジア×日本 ポルトガル×韓国 ポーランド×アメリカ
6/13(木)   トルコ×中国 コスタリカ×ブラジル エクアドル×クロアチア メキシコ×イタリア
6/12(水)   スウェーデン×アルゼンチン ナイジェリア×イングランド 南アフリカ×スペイン スロベニア×パラグアイ
6/11(火)   セネガル×ウルグアイ デンマーク×フランス サウジアラビア×アイルランド カメルーン×ドイツ
6/10(月)   韓国×アメリカ チュニジア×ベルギー ポルトガル×ポーランド
6/9(日)   メキシコ×エクアドル コスタリカ×トルコ 日本×ロシア
6/8(土)   南アフリカ×スロベニア イタリア×クロアチア ブラジル×中国
6/7(金)   スウェーデン×ナイジェリア スペイン×パラグアイ アルゼンチン×イングランド
6/6(木)   デンマーク×セネガル カメルーン×サウジアラビア フランス×ウルグアイ
6/5(水)   ロシア×チュニジア アメリカ×ポルトガル ドイツ×アイルランド
6/4(火)   中国×コスタリカ 日本×ベルギー 韓国×ポーランド
6/3(月)   クロアチア×メキシコ ブラジル×トルコ イタリア×エクアドル
6/2(日)   アルゼンチン×ナイジェリア パラグアイ×南アフリカ イングランド×スウェーデン スペイン×スロベニア
6/1(土)   アイルランド×カメルーン ウルグアイ×デンマーク ドイツ×サウジアラビア
5/31(金)   フランス×セネガル
  2002ワールドカップTOPへ 読み物TOPへ ホームへ
 

 
6/14   group D
  ○ ポーランド 3−1 アメリカ ●      
 
前半 3' オリサデベ
前半 5' クリシャウォビッチ
後半21' ジェブワコフ
ドノバン 後半38'
     
    (ハイライト観戦)

 アメリカは、自分たちがポルトガル戦でやったのと同じことをやられた格好になった。試合開始早々の2失点。これで完璧にペースを失った。それでも、裏の韓国−ポルトガルの結果により、決勝トーナメント進出が決定。
   
         
 
6/14   group D
  ● ポルトガル 0−1 韓国 ○      
 
パク・チソン 後半25'
     
     ……コメントの言葉は出てこない。今大会最も応援していたポルトガルが散った。僕のワールドカップは終わり、残りの日程は残り滓のようなものだ。

 こんなひどいポルトガルは見たことがない。華麗なはずの中盤はパスが全くつながらず、ボールへの競争ではことごとく負け、フィジカルでも勝てない。全員が鉛の固まりのように重く、得点の気配すらない。
 それでも、後半になればなんとかなると思っていた。ポーランド戦のようにルイ・コスタが出てきて夢のようにチームを立て直してくれると思っていた。そこに、ジョアン・ピントの退場。彼が熱くなるシーンは何度か見た覚えがあるが、これは最悪だった。何もかもが狂ってしまった。後半に入っても交代はなく、不甲斐ないポルトガルが続く。裏で行われているアメリカ−ポーランド戦で、ポーランドが2−0でリードしているという情報が入り、このままポルトガルは引き分けだと勝ち抜けとなる。それを狙った。が、そこへベトが二枚目のイエローカードを受け、退場。追い打ちをかけるように韓国のゴールが決まった。あとはもう、思い出したくもない。
 ポルトガルの、楽しいサッカーが見たかった。ポーランド戦の後半のような、つないで点を取る攻撃的なサッカーを、もっと見ていたかった。今日のポルトガルは、はじめからどこかおかしかった。ジョアン・ピントが退場になる前から、勝つオーラのかけらすら見出せなかった。

 韓国は、よく戦ったと思う。選手一人一人が肉体改造を施されたように強く、ヒディング監督はオランダ並のチームを作り上げ、開催国として決勝トーナメントに進出するジンクスは守られた。
   
         
 
6/14   group H
  ● チュニジア 0−2 日本 ○      
 
森島 後半 3'
中田英 後半30'
     
     おめでとう、日本代表!

 日本は本当に強くなったと思う。簡単な試合ではなかった。前半立ち上がりでは攻めていたものの、その後は冴えない展開が続いた。しかし昔と変わったのは、それで崩れてしまわないところ。後半で立て直し、選手交代も功を奏して2得点。今大会の得点は全て後半に入れたものだ。

 決勝トーナメント進出。しかも、まさかの2勝1分け負けなし、堂々の第1位!
 素晴らしい。
   
         
 
6/14   group H
  ○ ベルギー 3−2 ロシア ●      
 
前半 7' ワレム
ベスチャツニフ 後半 7'
後半33' ソンク
後半37' ウィルモッツ
シチェフ 後半43'
     
    (ハイライト観戦)

 注目される日本戦の裏で、こちらもすごい試合になっていた。どちらも勝てば決勝トーナメント進出となるため、必死の攻撃。後半の引け際に向け、点の取り合いとなったが、混戦をベルギーが制した。ウィルモッツは今大会3得点目だ。今日もいいシュートを決めた。ロシアは結局、モストボイが1試合も出場できずに終わった。
   
         
 
6/12   group G
  △ メキシコ 1−1 イタリア △      
前半34' ボルゲッティ
後半40' デル・ピエロ
     
     イタリアは、どうしたのか。不振の原因がよくわからない。第1戦は素晴らしかったし、2戦目も後半途中まで、何の問題もなかった。ディフェンスラインはもちろん完璧だし、ワントップのヴィエリの得点力も盤石だ。それなのに今日は全く攻撃の形が作れない。しかもどこが悪いのかよくわからない。選手全体の動きがなんとなく重たいかなあ、でもそれほど目立って悪いわけでもなさそうだなあ、という変な感じ。強いて言えば、インザーギとマルディーニが良くない程度。そして今日は前2戦と違い、3バックで戦っていたが、僕には4バックの方が魅力的だ。ネスタ、カンナヴァロという真ん中二人でがっちり守り、隙あらばサイドバックがどんどんオーバーラップをかける、というやり方の方がこのチームにあっている気がする。

 対するメキシコ、こちらはいいサッカーをしていた。ボールのつなぎもいいし、ディフェンスも安定している。面白みという点では少しだけ落ちるが、今大会はこの手のチームが勝ち上がっている。デンマークしかり、スウェーデンしかりだ。
 いいところなしだったイタリア唯一の光明は、後半途中で出てきたデル・ピエロの得点だろう。1戦目での出場時には見せ場は作れなかったが、今日は周りの悪さも影響してか、得点以外でも良く目立っていた。クロアチアがエクアドルに負けたことで引き分けでも予選リーグ突破が決まったが、決勝トーナメントでは是非イタリアらしい戦いを見せてもらいたい。
   
         
 
6/12   group G
  ○ エクアドル 1−0 クロアチア ●      
前半48' メンデス
     
    (ハイライト観戦)

 クロアチアは、世代交代の必要性にもう少し早く気付くべきだった。大会第2戦目にしてシュケル、プロシネツキを外してイタリアには勝ったが、さすがに遅すぎた。
 エクアドルは、なかなか見栄えのする面白いチームだった。とくに右サイド、デ・ラ・クルスのオーバーラップからの攻撃は迫力満点だ。予選リーグ敗退は残念。
   
         
 
6/13   group C
  ● コスタリカ 2−5 ブラジル ○      
 
ロナウド 前半10'
ロナウド 前半13'
エジミウソン 前半38'
前半39' ワンチョペ
後半11' ゴメス
リヴァウド 後半17'
ジュニオール 後半19'
     
    (ハイライト観戦)

 ブラジルの得点力を見せつけた試合。ロナウドの得点シーン、あの素早い足技は全盛期を彷彿とさせる。それから、3試合連続ゴールのリヴァウド。この二人で予選全11ゴールのうち6ゴールを決めている。ただ、正直このグループはブラジルには楽だったろう。決勝トーナメントでは、他グループで優勝候補国を倒して勝ち上がってきた骨太のチームと当たることになる。ここで同じような力を見せられるのかが勝負どころだ。
   
         
 
6/13   group C
  ○ トルコ 3−0 中国 ●      
 
前半 6' ハサン・サス
前半 9' ビュレント
後半40' ウミト・ダバラ
     
    (ハイライト観戦)

 トルコはここ数年で確実にレベルアップしてきた。クラブチームにおいても、ガラタサライは既にヨーロッパの強豪として恐れられている。今大会、予選リーグ最終戦で順位をひっくり返し、決勝トーナメント進出を決めた。メキシコと似たような雰囲気を持つ、嫌らしいチームだと言える。
   
         
 
6/12   group B
  ● スロベニア 1−3 パラグアイ ○      
 
前半46' アチモビッチ
クエバス 後半20'
カンポス 後半28'
クエバス 後半39'
     
    (ハイライト観戦)

 パラグアイらしい勝ち方だ。いつも最後に粘って踏み止まる。不思議に思えるほど一貫している。ただ、そのぶん面白味には欠けるが。1点を先に取られた時点で、あと3点が必要になった。昨日のフランスは、それができなかったが、パラグアイはそれを実行した。見事。しかしチラベルトの衰えはいかんともしがたい。
   
         
 
6/12   group B
  ● 南アフリカ 2−3 スペイン ○      
 
ラウール 前半 4'
前半31' マッカーシー
メンディエタ 前半46'
後半 8' ラデベ
ラウール 後半11'
     
     スペイン、盤石の戦いぶり!こんなに調子良くていいのかと思うぐらい。ただ、とくに1点目など、南アフリカの拙守に助けられた感もある。試合途中、急に動きが悪くなることもある。しかし、控えメンバー中心の構成で前2試合と同じく3得点を稼いでしまうところは、なんとも計り知れない勢いだ。
 やっぱりメンディエタはいい。前半など、エネルギーを発散させたくて仕方がないかのように、縦横無尽に走り回り、パスを受け、また回していた。そして自らも得点。これほど見ていて面白い選手はいない。しかし、「Aチーム」のデ・ペドロやバレロンも調子がいいので、決勝トーナメントでまた使われるかどうかわからないのが悲しい。
 それから、ラウール。今日2得点で、今大会合計3点目。これから勝ち進めば、得点王も見えてくる。世界の頂点に立つか、遂に!

 南アフリカも、アフリカらしさを十分に出したいいチームだったと思う。パラグアイ側の試合の情報が流れていなかったのか、最後は無理に攻めようとせずに終わってしまったのが、残念。攻撃力はあったので、必死に攻めればなんとかなったかもしれないのに。
   
         
 
6/12   group F
  △ ナイジェリア 0−0 イングランド △      
No Goal
     
     予選リーグ敗退の決まっているナイジェリアと、引き分け以上でOKのイングランド。仕方ないかもしれないが、つまらない試合だった。イングランドは決勝トーナメントに向け、不要なイエローカードを受けたり怪我したりしないよう、注意してやっていたのだと思う。ただ、オーウェンは今大会まだ大した働きをしていないので、ここらあたりで弾みをつけたかったところだが。    
         
 
6/12   group F
  △ スウェーデン 1−1 アルゼンチン △      
後半14' スベンソン
クレスポ 後半43'
     
    (ハイライト観戦)

 アルゼンチン、予選リーグ敗退。ショック。僕の中では優勝候補筆頭だった。今大会はほんとに何と言ったらいいのか……。
 バティストゥータは泣いていた。最後のワールドカップ、最多得点記録の更新さえ狙っていた彼は、結局ただ1点のみを残し、日本を去ってゆく。
 何がいけなかったのだろう。各選手のレベルは世界最高峰だし、パスの連携も悪くない。守備だって特別悪いわけでもない。ただ、オルテガとクラウディオ・ロペス、それにバティストゥータについては、出来は良くなかったと思う。とくにオルテガは、昔から思うが、代表レベルの選手ではないのに何故か使われ続けているのが不思議だ。
 スウェーデンについては、一戦目の印象はそれほどでもなかった。しかし2戦目、ラーションがしたたかさを見せ始めた当たりから勢いに乗り始めた。決勝トーナメントでは、ぜひとも攻撃的にいってほしい。今日の後半のようにただ下がって守り一辺倒では、さすがに醍醐味に欠ける。

 フランスに続きアルゼンチンまでも、というニュースがいま、全世界を駆けめぐっているだろう。明日のイタリア、そして我が応援するポルトガルはどうなるのか。
   
         
 
6/11   group E
  ● カメルーン 0−2 ドイツ ○      
 
ボーデ 後半 5'
クローゼ 後半34'
     
     事前の評価は低かったドイツ、終わってみれば圧勝で予選リーグ突破である。今日のカメルーンはほとんどいい所がなかった。あれだけドイツががっちり守ったらそうそう点をとれるものではない。さほど面白いとはいえないが勝つ、ドイツらしいやり方だった。
 それにしても今大会、クローゼの爆発は嬉しい誤算だろう。この試合でもしっかり決め、三試合連続ゴール。見事と言うほかない。もう一人のフォワード、ヤンカーの活躍は一戦目だけだった。
 ドイツで最も期待されたバラック、目立ちはしないがそこそこやっていると僕は思う。一戦目でも今日の試合でもサイドからのクロスで貴重なアシストを決めた。

 それから今日目立ったのは審判。明らかにカードを出し過ぎだ。こういう試合を見ると、カードを出す基準を世界的に統一するような働きかけが必要だと思う。そして、ビデオ判定を導入することも。
   
         
 
6/11   group E
  ● サウジアラビア 0−3 アイルランド ○      
 
キーン 前半 7'
ブリーン 後半16'
ダフ 後半42'
     
    (ハイライト観戦)

 結果は試合前に見えていた。あまりにも不甲斐なかったサウジアラビア。アイルランドとは試合にかける意気込みに違いがあり過ぎた。
 アイルランドは、2戦目のドイツ戦で引き分けたことが明暗を分けた。あの驚異的な粘りが予選リーグ突破につながった。ロイ・キーンという頼れるキャプテンをなくしてどうなることかと思われたが、逆にそれがチームの結束力を強めたようだ。チームとしてよくまとまっており、見ていて面白いサッカーをする。僕はこれまで好きなチームではなかったが、ちょっと応援したくなってきた。
   
         
 
6/11   group A
  ○ デンマーク 2−0 フランス ●      
 
前半22' ロメダール
後半22' トマソン
     
    (ハイライト観戦)

 今大会最大の誤算。誰もがそう感じていることだろう。何しろ、前回大会のチャンピオンが予選リーグ敗退、1分け2敗で、しかもなんと1点も、ただの1点も挙げることなく去ってゆく。こんなことはワールドカップ史上初めてのことだ。
 ジダンの欠場が響いた、と言われるかもしれない。しかし、中心選手が欠場したり負傷で調子が出ないのは、フランスだけではない。また、フランスにはジダン以外にも豪華なタレントはぞろぞろといるのだ。なにせ、イタリアセリエA得点王トレセゲ、イングランドプレミアリーグ得点王アンリ、フランスリーグ得点王シセ。三カ国の得点王が揃っているなど、豪華絢爛、これ以上なにを望めるのか。なのに、ただの1点さえ取ることができなかった。

 フランスは、予選免除という条件に甘え、メンバーの世代交代に失敗したのだと思う。98年にワールドカップを取ったチームは、2000年にヨーロッパ選手権に優勝した時点で終わったのだ。あそこから今大会に向けて新しい一歩を踏み出すべきだったのに、それができなかった。

 しかし、デンマーク、強いねえ。大会前まったく注目していなかったのは僕だけではない。マスコミも放送局もそうだ。デンマークの予選リーグ3試合は全て地上波での放送がなかった。従ってハイライトしか見ることができなかったのでまだ評価を下すのは難しい。決勝トーナメントでその実力を見てみたい。
 それにしてもA組は、予選リーグ結果予想に書いたのとちょうど逆になってしまった。E組は当たったのに。
   
         
 
6/11   group A
  △ セネガル 3−3 ウルグアイ △      
 
前半20' ファディガ
前半26' ブバ・ディオプ
前半38' ブバ・ディオプ
モラレス 後半 1'
フォルラン 後半24'
レコバ 後半43'
     
    (ハイライト観戦)

 正直、ここまでやるとは思っていなかったセネガル。今日の試合でも前半だけで3得点という攻撃力。ウルグアイは決して弱い相手ではない。それどころか、セネガルからすれば格上といってもよいチームだ。後半3失点で同点とされたのはウルグアイの意地だと思うが、立派な決勝トーナメント進出。
 ウルグアイについては、本大会2試合目しかちゃんと観戦できなかった。でも今大会でレコバの才能は認められたと思う。随所に非凡なプレーを見せ、会場を沸かせていた。今日はまた、フォルランの豪快なゴールも出た。所属するマンチェスター・ユナイテッドでは他の豪華選手の陰に隠れて出番が少ないが、来シーズン以降は出てくるかもしれない。
   
         
 
6/10   group D
  ○ ポルトガル 4−0 ポーランド ●      
 
前半14' パウレタ
後半20' パウレタ
後半32' パウレタ
後半43' ルイ・コスタ
     
     先に行われた韓国−アメリカ戦が引き分けで終わったため、この試合で負けたチームは予選リーグ敗退となる。我が応援するポルトガルが、ここで終わるはずはない。祈る気持ちで観戦。

 スタメンリストに、ルイ・コスタの名前はなかった。ポルトガルファンなら誰もが彼のプレイを見たいだろうが、一戦目の調子からすると、妥当なところなのだろう。

 立ち上がりはポーランドのペース。ポルトガルにボールを渡さず、シュートまで持っていく。しかしポルトガルはすぐに立て直し、セルジオ・コンセイソン、ジョアン・ピントがゴール前に持ち込む。パウレタもシュートを放ち、いい感じだ。
 そしてポーランドが前がかりに仕掛けた攻撃からポルトガルがボールを奪うと、カウンターで一気に押し込む。ジョアン・ピントが左サイドのパウレタにパスを出し、パウレタがこれをきっちりと決める。ポルトガル先制。出だしは上々。

 得点後もポルトガル選手は集中しており、中盤でもどんどんボールを奪っては攻撃に変えていく。それにしても会場は激しい雨、画面が白く煙って見づらいほどだ。その雨のなか、ポーランドが少しずつ形を作っていく。左サイドではオリサデベが個人技でゴールを狙う。逆にポルトガルは続けてイエローカードをもらい、リズムをなくしている。フィーゴが蹴った地を這うFKもキーパーに難なくキャッチされた。

 前半でかなり傷んでいたジョアン・ピントだが、後半に入っても交代なしに出てきた。もしかしてルイ・コスタが出てくるかとも思っていたが、後半早々いい動きを見せたので、一安心。
 しかし今日はフィーゴがあまり攻撃に絡まない。そのぶん守備面では貢献しているのでプラスマイナスゼロ、と言えるかもしれないが、やはり攻撃するフィーゴが見たい。
 ポーランドは再三いい攻撃になりかけるも、つまらないパスミスやシュートミスが多く、なかなかリズムが作れない。ようやく一瞬のカウンターから左サイドを切り開き、クロスからゴールが決まるが、ファウルがあり、ノーゴール。
 ポルトガルはこのピンチの直後、遂にルイ・コスタを投入。ジョアン・ピントが退く。この交代が効いたのか、ルイ・コスタはゆっくりとした動きで右サイドにパスを出し、つないだフィーゴからのクロスを受け、飛び込んだパウレタがゴールを決める。パウレタ今日2点目。

 これで試合が動き出す。ポルトガルがパスをつなぎ、フィーゴがポスト直撃のシュートを放つと、ポーランドもカウンターで相手陣内に攻め入り、惜しいシュートを放つ。しかし今日のポルトガルキーパー、バイアの調子はすこぶる良い。このシュートにも素早く飛び出し、ピンチを防ぐ。
 そして後半32分、ポルトガルにとどめの一発が出る。ルイ・コスタからのパスを受け、パウレタがハットトリックとなる3点目を叩き込んだ。やはりルイ・コスタの存在は絶対的だ。
 そのルイ・コスタは後半40分過ぎ、上がってきたベトからのパスを受け、自分でシュートを決める。これでポルトガル、4−0の圧勝。念願の一勝だ。それにしてもやはり、ルイ・コスタがいるのといないのとでは全然違う。
   
         
 
6/10   group H
  △ チュニジア 1−1 ベルギー △      
 
ウィルモッツ 前半13'
前半17' ブザイエン
     
     ベルギーは前半10分過ぎ、左右に散らす効果的な攻撃を見せる。一度決定的なチャンスを外すがすぐに盛り返し、ウィルモッツがヘディングでゴールを決める。
 しかしチュニジアはこの失点を機に動きが変わる。ゴール左前でファウルを受けると、FKを直接決めてゴールを奪い、瞬く間に同点となる。

 後半開始からチュニジアの動きが良くなる。ゴドバンの放ったボレーシュートは、もし入っていれば今大会一二を争う凄いゴールになっただろう。その後は地力に勝るベルギーがじわじわとチュニジアからペースを奪っていく。反撃の暇を与えず攻め続けるベルギー選手の姿は、チュニジアサイドにとっては正に赤い悪魔と映ったに違いない。

 後半30分にさしかかり、両ベンチが動く。チュニジアがバヤ、ベルギーがムボ・ムペンザと、互いに攻撃的な選手を投入。点を取りに、勝ちに来たのだ。両チームともにこの試合を落とすわけにはいかないため、最後まで積極的な攻撃を続ける。しかし、そのまま時間切れ。チュニジアはぎりぎりのところで決勝トーナメント進出に踏み止まった。
   
         
 
6/10   group D
  △ 韓国 1−1 アメリカ △      
 
マティス 前半24'
後半33' アン・ジョンファン
     
    (ハイライト観戦)

 昨日の日本の勢いを借り、同じ開催国として勝ちを狙いにいきたい韓国。開始早々から勢いを見せる。しかし決定的なチャンスをソル・ギヒョンが二度続けて外すと、さらに中心選手のファン・ソンフォンが相手選手とぶつかり、出血するほどの怪我を負ってしまう。嫌なムードのなか、先制点を挙げたのはアメリカ。オブラインが韓国ディフェンスの頭上を越える柔らかいパスを出し、それにマティスが合わせてゴール。
 韓国はその後、ファン・ソンフォンがペナルティエリア内で倒され、PKを得る。しかしこれを外してしまい、得点ならず。それでも後半、交代で入ったアン・ジョンファンがFKからヘディングを決め、ようやく同点にする。このまま試合は終了し、両チーム勝ち点1ずつを分け合った。
   
         
 
6/9   group H
  ○ 日本 1−0 ロシア ●      
 
後半 6' 稲本
     
     出場するかどうかが取り沙汰されたモストヴォイ。名前はスタメンリストにはなかった。日本は一戦目の市川に替え明神が、森岡に替えて宮本が入る。

 キックオフ直後、稲本が中央を突破して上がり、早くもシュートを放つ。今日も調子は良さそうだ。チーム全体としてもパスがよく回っており、出だしは上々。守備のカバーリングも安定している。中田が右サイドで持ち込んだのを倒され、小野が蹴ったFKは惜しくもフォワードの頭をそれた。しかしこの時、中田は足を傷めたようだ。

 ロシアは組み立てはそれほどではないものの、打てるところからはどんどんシュートを打ってくるため、全く気が抜けない。ゴール前のFKからも強烈なシュートを放つ。
 今日の日本は、ベルギー戦に比べ格段に出来がいい。とくに中田・戸田・稲本・鈴木が、攻守に良く効いている。サイドバック二人のオーバーラップも効果的で、中田浩二のクロスからゴール前で混戦となり、最後に中田の放ったシュートは惜しくもゴール上方に外れた。
 ロシアも数少ないチャンスからゴール前にボールがこぼれるが、これは楢崎が飛び出して好セーブ。彼も今日はキレている。前半は両チーム無得点のまま終了。リズムのあった日本は1点でも取っておきたかったところ。

 後半立ち上がり、ロシアはいきなりの攻め上がりを見せる。コーナーキックまで奪うが、これは楢崎がきっちりキャッチ。その後も攻撃を仕掛けるロシアに、日本は冷静に対処する。そして左サイド、中田浩二がゴール前にグラウンダーのボールを放り込むと、柳沢がワンタッチで稲本に渡し、これを稲本がきっちりとゴール。高さのあるロシアに対しクロスをグラウンダーにした所がアイデアだった。稲本は今大会2点目。正に絶好調。

 ロシアはここで選手交代。フォワードのベスチャツニフが入るが、入った早々、ゴール前でキーパー楢崎と1対1になる大チャンス。しかしシュートはサイドネットにそれ、日本は命拾い。
 直後に日本は稲本の好プレーからゴール正面でFKを得る。しかし中田の蹴ったシュートはゴール上方に切れた。
 前半はあまり目立たなかった柳沢が、いい動きを見せ始める。1点目のアシストもそうだが、以後も前線で溜めを作り、ドリブル突破を試みるなど、攻撃の起点となる活躍。
 ロシアが得意のロングシュートで揺さぶりにかかるが、日本は動じない。逆に空いた中盤を中田が攻め上がり、ロングシュートを狙うが、惜しくもクロスバーに阻まれた。

 後半26分、会場が沸いた。中山の登場だ。しかしその後はロシアがペースをつかむ。何度もゴール前でチャンスを作るが、日本は必死のディフェンスで凌ぐ。ロシアは猛攻の手を止めない。しかし日本は凌いだ。試合終盤の出来は今ひとつだったが、最後まで凌ぎきった。

 日本、歴史的なワールドカップ初勝利。素直におめでとうと言いたい。これで勝ち点は4となり、決勝トーナメント進出に大きく前進した。
   
         
 
6/9   group C
  △ コスタリカ 1−1 トルコ △      
 
ベロゾグル 後半11'
後半41' パークス
     
    (ハイライト観戦)

 負ければ予選リーグ敗退の決まるトルコは、前半から果敢に攻めていく。後半11分、ゴール前のしつこい攻めから最後はベロゾグルが振り向きざまにゴールを決める。この失点でコスタリカが反撃を開始するが、なかなかゴールが奪えない。しかし試合終了直前、センテーノが倒れ込みながら折り返したパスをパークスが決め、同点に追いつく。コスタリカの執念が試合を決めた。
 なお、この試合の結果により、ブラジルの決勝トーナメント進出が決定。
   
         
 
6/9   group G
  ○ メキシコ 2−1 エクアドル ●      
デルガド 前半 5' 
前半28' ボルゲッティ
後半12' トラード
     
     グループGは、昨日イタリアがクロアチアに敗れたことで、一転混戦模様を呈してきた。初戦を落としたエクアドルでさえ、この試合に勝てば勝ち点3で他チームと並ぶことになる。

 開始早々、エクアドルはデ・ラ・クルスが右サイドで得意のオーバーラップからクロスを上げ、南米予選得点王のデルガドがヘディングでゴール。エクアドルの典型的なパターンでの得点だ。デ・ラ・クルスはイタリア戦でも積極的に上がっていたのが、ようやく実を結んだ格好。

 メキシコも失点後、ベテランのブランコを中心にチャンスを作っていく。互いに攻撃的な面白い試合だが、ペースはだんだんメキシコがつかんでいく。そして左サイドから、モラレスが出したパスにボルゲッティがピンポイントで合わせ、ゴール。エクアドルと同じような形で得点し、試合は振り出しに戻った。これで目を覚ましたか、停滞していたエクアドルの攻撃が息を吹き返す。精神状態がもろに試合に出ているところが、面白い。

 後半に入り、メキシコ優勢の状態が明確になる。個人技も冴え、見ていても面白いサッカーだ。エクアドルはほとんど組織的な守備ができておらず、されるがままになっている。攻めるメキシコは、フォワードのカビエデスに替わってテノリオが入った直後、ついに逆転。トラードがミドル気味のシュートをゴール隅に決めた。

 その後、どちらも疲れたのか運動量が落ち、やや単調な展開が続く。エクアドルはここで負けると予選リーグ敗退が濃厚になるため、後半引け際にはゴール前に果敢に攻め込む。しかし攻撃は実らずタイムアップ。メキシコは2連勝でグループGトップに立った。
   
         
 
6/8   group C
  ○ ブラジル 4−0 中国 ●      
 
前半15' ロベルト・カルロス
前半32' リヴァウド
前半45' ロナウジーニョ
後半10' ロナウド
     
     僕は今回初めて観戦するブラジル、そして中国はプレーを見ること自体初めてだ。このアジアのチームがどこまで出来るのかと見てみたが、序盤、強国ブラジルを相手に一歩も引かず、ゴール前でチャンスも作っていく。いっぽう、スロースターターのブラジルは、相手の出方を伺いながら余裕の展開。

 しかしすぐにブラジルが力を見せる。ゴール前で得た最初のフリーキックに、ロベルト・カルロスが強烈な左足でゴールを決める。まさに、「出たーっ!」という感じである。
 だんだんとエンジンがかかるブラジル、2点目はロナウジーニョからリヴァウドというホットライン。綺麗な足技が決まる。
 さらに今度はロナウド。ゴール前でボールを受け、ディフェンダーを振り切って前を向いたところで倒され、PKを得る。蹴るのは意外にもロナウジーニョ。まだゴールがなかったから、ということだろうか。これを決め、ブラジル3−0で前半終了。

 ブラジルは後半、ロナウジーニョに替えてデニウソンを投入。得意のドリブルで左サイドを攻め上がる。中国はもう形が作れず、されるがまま。後半10分、右サイドでオーバーラップをかけたカフーからのパスを受け、ロナウドがゴール。2試合連続の得点だ。

 この後、中国も少しずつ攻めの形を作り始める。ブラジルの攻撃を凌いで奪ったボールからカウンターを仕掛け、続けて何本か惜しいシュートを放つ。しかし、どうしてもワールドカップ初ゴールが奪えず、力尽きた。
 ブラジル、余裕の勝利。決勝トーナメント進出に大きく前進した。
   
         
 
6/8   group G
  ● イタリア 1−2 クロアチア ○      
後半10' ヴィエリ
オリッチ 後半28'
ラパイッチ 後半31'
     
     事前に監督が発表した通り、クロアチアのスター選手プロシネツキとシュケルはスタメンを外された。確かにプロシネツキなど、どうして代表に選ばれたのかわからないほど動きは悪い。昔は好きな選手だったが。


 イタリアは開始早々ゴール正面で得たFKに、トッティが強烈なシュートで狙うも壁に跳ね返される。試合は互いに手探り状態で地味な展開が続く。パヌッチが攻守に目立っており、イタリアらしいいい選手だと再認する。また、あいかわらずカンナヴァロのディフェンスにはしびれる。

 前半20分、ネスタがグラウンドに倒れ込み、交代を要求する。どこか傷めたようだが、イタリアにとっては痛い交代だ。実際これが、あとあと効いてくることになる。クロアチアはスローな展開ながらも押し始め、ゴールに攻め入るシーンが何度か続く。ゴール前でテクニックを見せるのは、往年のクロアチアらしいやり方だ。
 クロアチアの猛攻を凌ぐと、またイタリアが盛り返す。トッティは徹底的にマークされ、初戦ほど活躍はできないが、前を向いてプレーした時はさすがと思わせる。フリーキックやコーナーキックでも、鋭いいいボールを蹴っていた。また、パヌッチからも絶妙のクロスが上がり、ゴール前で見せ場が続く。いっぽうクロアチアも、カウンターからシンプルにつないでシュートに持っていく。意外にクロアチアが健闘している。

 後半も、互角の攻防。とにかくクロアチアは攻守のバランスがとれ、しかもマンツーマンのディフェンスが行き届いており、イタリアの前線にボールを通させない。イタリアは後半5分、クロスからのボールにヴィエリが飛び込みゴールを決めるが、惜しくもオフサイドの判定。
 しかしその後、トッティのクロスから流れたボールをドニが先読みして追いつき、折り返しをヴィエリがヘッドで逆サイドに決め、先制点を奪う。

 さらに攻めるイタリアだったが、ヴィエリが惜しいシュートを外した直後、クロアチアは右サイドから大きくサイドチェンジのパスを出す。ボールを受けたロベルト・ヤルニがグラウンダーのセンタリングをあげ、飛び込んだオリッチがゴールを決める。今日再三実行してきたシンプルにつなぐサッカーが実を結んだ。この得点で勢いを取り戻したクロアチア、直後にボクシッチが抜け出して決定的なチャンスを作るも、これはわずかにラパイッチに届かず。しかし攻撃の手はやまない。イタリアゴール前でのせめぎ合いのあと、ラパイッチが倒れ込みながら放った緩いシュートが弧を描いてブッフォンの頭を越える。イタリア、まさかの逆転を許す。

 追い上げるイタリアは後半41分、ゴール前で得たフリーキックにトッティの蹴った球はゴールポストを叩き、逆サイドに切れていく。トッティは顔を覆った。
 後半ロスタイム、長いクロスに合わせたインザーギのシュートがゴールに。しかしシュートの際に相手選手を引っ張ったという裁定で、幻のゴールとなる。
 これでイタリア選手の気持ちが切れた。クロアチア、2−1の勝利。番狂わせである。
   
         
 
6/8   group B
  ○ 南アフリカ 1−0 スロベニア ●      
 
後半 4' ノンベテ
     
    (ハイライト観戦)

 前半立ち上がり南アフリカは、初戦で得点をあげたフォーチュンが左サイドでファウルを受ける。そのまま彼が蹴ったFKをノンベテが決め、早々とリード。以後も南アフリカ攻勢が続く。

 スロベニアは、中心選手のザホビッチが監督との衝突でチームを去った影響か、動きがよくない。数少ないチャンスも相手ゴールキーパーの好セーブなどにより、得点を奪えない。
 南アフリカはアフリカのチームらしく、身体能力を生かした個人技なども見せ、有利に試合を運んだ。結局前半の1点を守り切り、予選リーグ突破のために大きな一勝をあげた。スロベニアは予選リーグ敗退が決定。
   
         
 
6/7   group F
  ● アルゼンチン 0−1 イングランド ○      
ベッカム 前半44'
     
     アルゼンチンは、今日もフォワードにバティストゥータ、そしてキリ・ゴンサレスがスタメンに入る。対するイングランドはヘスキーがトップに入り、中盤にはバットを入れて守備重視の布陣だ。バッセルが外された格好だが、僕は、彼の初戦のプレーは悪くなかったと思っている。
 試合直前、入場前の選手達が映る。意外に和やかな雰囲気。そういえばベッカムやスコールズとヴェロンはチームメイトだと思い出した。しかし彼らの後ろに、シーマンがものすごい形相で立っていた。
 それにしても今日、個人的にはどちらも同じくらい好きなチームなので、応援が非常にしづらい。

 立ち上がりはアルゼンチンがペースをつかむ。右サイドでオルテガ、左はソリンと、両サイドから攻め立てる。イングランドはそれでもベッカムのフリーキック2連発で盛り返す。ただベッカムのキック、精度は今ひとつだ。
 イングランドは、開始早々で足を傷めたハーグリーブスが退き、シンクレアが入る。その後、縦パス一本で飛び出たオーウェン。ディフェンダーと1対1になり放ったシュートはゴールポストに阻まれた。今日はオーウェンの調子が良い。しかしすぐにアルゼンチンもバティがヘディングシュートで応戦する。サネッティが右サイドでフェイントからクロスをあげ、キリ・ゴンサレスが狙いすまして打ったボレーは、惜しくもゴール上方へ消えた。
 今日はヴェロンがあまり目立たない。パスミスも目立つ。イングランドは守備の意識が非常に高く、ヘスキーなども非常に効いている。イングランドはこれぐらい落ち着いた出だしのほうがいいのかもしれない。前半絶好調だといつも最後で息切れするからだ。
 そして絶好調オーウェン、フェイントで抜こうとしたところを引っかけられ、なんとPKを得る!しかしスローで見ると引っかかっているかどうかは微妙なところ。
 蹴るのはベッカム。ものすごいプレッシャーだったろうが、ほぼ中央に思い切り蹴った。これで1−0。前半はこのまま終了。

 後半、アルゼンチンは遂にアイマールを投入。今日のヴェロンは良くなかったので、この交代はうなずける。何より僕の好きな選手なのだ。
 そのアイマール、入った早々スペースでボールを持ち、そのままシュート。出だしは上々だ。対してイングランドはまたオーウェンがゴール前にボールを持ち込み、惜しいシュート。さらにすぐ、右サイドをオーバーラップしたミルズがクロスを上げる。ヘスキーが合わせるがアルゼンチンディフェンダーに跳ね返され、戻ったボールをもう一度スコールズがロングシュート。ものすごいシュートだったが、キーパーがセーブ。
 アルゼンチンはアイマールが動き回ってボールを触るが、なかなかチャンスにならない。バティストゥータがシュートを放つが、今日のバティに怖さは感じられない。逆に攻め込むイングランド、素早いパス交換からシンクレアが前線にパスを出す。これにベッカムが飛び込んでシュートを放つが、わずかに左にそれた。
 さらにイングランドは攻撃的に打って出る。ヘスキーに変わり、ベテランシェリンガムを投入。変わったばかりのシェリンガム、右サイドで強烈なボレーシュートを放つ。キーパーに阻まれるが、入って早々の好プレーだ。
 アルゼンチンはバティに替え、クレスポが入った。さらに、キリ・ゴンサレスに替えてクラウディオ・ロペスも投入。アルゼンチンはだんだんとアイマールを入れた効果が出始め、中盤でいいリズムのパス交換が続く。
 しかし依然としてイングランドも攻めの手はやまない。シンクレアが左サイドを素晴らしい速さのドリブルで持ち込み、シュートを放つ。今日のキープレイヤーの一人だ。
 アイマールが持ち込み、シュートを放った場面から一転してアルゼンチンがペースをつかむ。前線で分厚い攻撃を展開するも、イングランドが抜け目のないディフェンスで凌ぐ。コーナーキックからの決定的なシュートも、キーパーシーマンの手に落ちた。
 アルゼンチンは攻め込みながらも、得点が奪えない。最後はイングランドが全員自陣に引きこもり、守備一辺倒。アルゼンチンはほとんどボールを支配するが、最後の砦が破れない。結局イングランドが最後まで前半の1点を守り切り、勝利を手にした。
   
         
 
6/7   group B
  ○ スペイン 3−1 パラグアイ ●      
 
(オウンゴール) 前半10'
後半 8' モリエンテス
後半24' モリエンテス
後半38' イエロ
     
    (ハイライト観戦)

 パラグアイはキーパーチラベルトの出場停止が解け、守備力の向上と共に精神的にもしっかり立て直しを図りたいところ。。

 前半いきなりそのチラベルトがFKを蹴り、こぼれ球がスペインディフェンダーに当たってオウンゴール。スペインはこの後攻めまくるが、チラベルトが積極的に飛び出し、らしいプレーで失点を許さない。パラグアイリードで前半終了。

 スペインは後半、モリエンテスとエルゲラが入る。そのモリエンテスが後半8分、コーナーキックからヘディングシュートを決め、同点とする。さらにその後、クロスボールから再度モリエンテスが決め、スペイン逆転。チラベルトはクロスボールの判断に少し難があったようだ。
 パラグアイは前半と違い、攻撃がなかなか形にならない。フリーキックをチラベルトが蹴るも、キーパーカシージャスに止められる。逆にスペインは後半38分、ラウールがゴール前でシュートしたところを倒され、PKとなる。初戦と同様にイエロが決め、3−1で試合を制した。

 これでスペインは、決勝トーナメント進出を一番乗りで決めた。前回大会で最終戦を大勝しながら予選リーグ敗退となった苦い経験を覆した。僕の応援するチームでもあるので、一安心。
   
         
 
6/7   group F
  ○ スウェーデン 2−1 ナイジェリア ●      
アガホワ 前半27'
前半35' ラーション
後半18' ラーション
     
    (ハイライト観戦)

 パトリック・アンデションは今日も出られないようだ。ナイジェリアも、カヌがスタメンを外れた。

 試合は序盤、ナイジェリアが持ち前の攻撃力を爆発させて攻め込む展開。前半27分、ヨボが上げたクロスにアガホワがヘッドで叩き込み、先制点を上げる。しかしスウェーデンも地力を見せ、失点のあとすかさずラーションがテクニック抜群のトラップ、そしてシュートを決めてみせる。前半はこのまま1−1で終了。
 後半に入り、両者積極的な攻めを見せるが、スウェーデンは17分にPKを得ると、1点目を入れたラーションが再びゴールを決め、2−1。このままスウェーデンが逃げ切った。

 いい試合を見せながらもナイジェリアは2連敗。これでサウジアラビアに引き続き、予選リーグ敗退が決定。
   
         
 
6/6   group A
  △ フランス 0−0 ウルグアイ △      
 
No Goal
     
     予選リーグ屈指の好カード。しかもこの試合で負けたチームは、決勝トーナメント進出がほぼ絶望となるという状況だ。

 初戦と違い、ジダンの代わりには今日はミクーが入った。彼がどこまでゲームメイクできるのかがフランス浮上のカギとなる。
 気合いの伺えるフランスの攻撃に、ウルグアイの固いディフェンスが真っ向から受けて立つ。ミクーがなかなかいい動きでパスを出していくが、最後のシュートが形にならない。ウルグアイもカウンター的に何度か攻撃を見せ、レコバがいいシュートを放つが、バルテズが足で止め、事なきを得る。最終的な形はウルグアイの方がいい。フランスは、おそらくスタミナを考えてのことだと思われるが、それほど激しくチェックにいかない。前半立ち上がりは面白い展開だったが、やがてフランスに悪夢が訪れる。足を上げてタックルにいったアンリが、レッドカードで一発退場となったのだ。
 予期せぬ展開。フランスは残る時間を10人で戦わなくてはならない。大ピンチである。

 必死で戦う選手の思いが、見ている側にも伝わってくる。だいぶ前がかりに攻め始めた。そして得たフリーキックは、ジダンもアンリもいないなか、プティが蹴った。鋭く曲がるキックがゴールを襲うが、惜しくもポストに阻まれ、点にならない。
 その後もフランスは攻めるが、パターンが単調でなかなかチャンスを作れなくなる。ヴィエラの足のすねにダリオ・シルバがタックルをしかけ、ヴィエラが倒れ込む。スローで見ると先ほどのアンリと同様、完全に足の裏で当たっているが、今度はイエローも出ない。さすがにこのレフェリングには会場からブーイングが沸き起こる。お互い熱くなり、荒れた様相のまま前半終了。

 後半早々、問題児ダリオ・シルバがイエローカードをもらう。フランスは右サイドからウィルトールが持ち込み、チャンスができはじめる。しかしそれを凌いだウルグアイは、レコバの所にボールを集め、リズムを変えていく。キーパーバルテズが前に出てゴールが空く場面もあったが、レコバがシュートをミスし、得点にはいたらない。その後もウルグアイが押し込み、惜しいヘディングシュートなど見られる。そして今度はフランスの逆襲!もう試合はものすごいことになっている。

 フランスは決定的チャンスを迎えるもキーパーに防がれ、どうしても得点が奪えない。そしてウルグアイはすっかり悪者扱いのダリオ・シルバに替えて、マガジャネスを投入。さらに攻撃に力を注いでくる。それにしても、レコバは素晴らしい。パスにドリブルにシュートに大活躍だ。フランスはゴール正面で得たフリーキックをミクーが蹴るが、ウルグアイキーパーのカリーニがナイスセーブで防ぐ。ずっとこの調子で、試合は続いた。両者殴りまくりのボクシングだ。しかしどちらも倒れない。今大会最高に熱のこもった一戦は、どちらも譲らず、勝ち点1ずつを分け合うことになった。

 これでA組は、デンマークとセネガルが勝ち点4、フランスとウルグアイが勝ち点1という状態となり、決勝トーナメント進出は、最終ゲームに持ち越された。
   
         
 
6/6   group E
  ○ カメルーン 1−0 サウジアラビア ●      
 
後半21' エトー
     
    (ハイライト観戦)

 サウジアラビアが立ち上がりから攻めこみ、ドイツ戦とは明らかに違う戦いを見せる。カメルーンは序盤、エムボマが持ち込んで得点、と思いきや、オフサイドでノーゴール。今度は前半終了まぎわ、カメルーンのローレンがヘディングでゴールを決めたかと思われたが、これまたオフサイド。後半になっても互いに見せ場を作り合う展開。だが遂にカメルーンがロングパス一発に名手エトーが走り込み、ゴールを決める。サウジアラビアも負けじと粘るが得点ならず。これでサウジアラビアは予選リーグ敗退が決定した。 
   
         
 
6/6   group A
  △ デンマーク 1−1 セネガル △      
 
トマソン 前半16'
後半 7' ディアオ
     
    (ハイライト観戦)

 初戦でフランスにまさかの勝ちを収めたセネガル。そして同じく初戦で強豪ウルグアイに競り勝ったデンマーク。この試合に勝った方が、決勝トーナメント進出に大きく前進する。

 デンマークは前半、ペナルティエリア内でトマソンが倒されてPKを得ると、トマソン本人がそれを決めて1−0。セネガルも後半に入りカウンターからディアオがアウトサイドでのシュートを決め、1−1とする。しかし得点したディアオは、後半なかば足の裏を見せてのタックルにいき、一発退場となる。攻め込んでいたセネガルはこれで勢いを失い、そのままドローで終了。
   
         
 
6/5   group E
  △ ドイツ 1−1 アイルランド △      
 
前半19' クローゼ
キーン 後半47'
     
     一戦目で8−0という記録的な大勝を遂げたドイツ。しかしこれはサウジアラビアの酷さによるものが大きく、この2戦目で真価が問われることになる。

 前半はがっぷり四つに組んだ形。アイルランドが意外にいいバランスで序盤から積極的に攻め込むが、最後のシュートがなかなか打てない。対するドイツは、チャンスの数こそ少ないが最後のシュートまできっちり組み上げる。これが非常に効率的で、今大会絶好調のクローゼがまたもやヘディングシュート。先制点を上げる。
 ただ、その後も依然アイルランドの方がボール占有率は高く、じっくりと攻めの形を作っていく。とくにフォワードのダフは個人技があり、ドイツのゴール際でなかなかいい仕事をしていた。しかしドイツはキーパー、カーンの判断も適切で、ピンチを凌いでいく。
 後半に入っても、アイルランドは攻撃の手を緩めない。そしてフリーキックからゴール前で遂に決定的なチャンスを迎える。ほぼキーパーとの一対一となるが、カーンがさすがの好セーブで防ぐ。さらにアイルランドの攻勢は続き、ゴール前でフリーキックを得るが、イアン・ハートが狙った一発はゴール上方に大きくそれた。
 後半はどちらも積極的で見ていて面白い。とくにアイルランドは選手を交代させてさらに攻撃的布陣を敷き、再度フリーキックを得る。今度はゴール正面だ。しかし名手イアン・ハートは交代した後であり、狙ったシュートは右に外れた。
 押されていたドイツもヤンカーに替えてビアホフを投入。それでも疲れている選手が多く、だんだんと足が止まっていく。対するアイルランドはさらに勢いを増し、ドイツゴールに襲いかかる。ドイツのディフェンスは固く、なかなかシュートまでいけない。90分が経過し、ロスタイムは3分と表示された。ここでドラマが起きる。
 完全に守り一辺倒になったドイツの隙をつき、ゴール前に上がったクロスをクインが落とす。これを受け、切り込んだロビー・キーンが思い切り蹴りこんだボールは、カーンの手をかすめ、ゴールポストもかすめてネットを揺らした。ロスタイム残り1分、アイルランドは劇的な同点で試合を終えた。

 試合前には思ってもいなかった面白いゲームだった。僕の中では、これまでのベストと言ってもいい。アイルランドは最後まで諦めず、結果を出した。今まで好きなチームではなかったが、応援したくなってきた。
 
   
         
 
6/5   group D
  ○ アメリカ 3−2 ポルトガル ●      
 
前半 4' オブライエン
前半30' (オウンゴール)
前半36' マクブライド
ベト 前半39'
(オウンゴール) 後半26'
     
    (ハイライト観戦)

 さあ、我が応援するポルトガルの初戦。実力的には格下となるアメリカを相手に、確実に勝ち点3を奪いたいところ……だったが。

 な〜にやっとんじゃあ!!
 立ち上がり早々ポルトガルはコーナーキックからのこぼれ球をたたかれ、いきなりアメリカに先制を許してしまう。アメリカの選手には勢いがあり、仕上がりが良さそうだ。対して、ポルトガルはなんとなく体が重そう。そしてアメリカに2点目が入る。なんと、シュートがポルトガルディフェンダーに当たるオウンゴール。ただ見ているとキーパー、ヴィットール・バイアのポジショニングに難があったような気もするのだが。そして前半さらにもう1点を許し、早くもこの時点で0−3。なんとかこの後1点を返し、1−3で前半を終了する。ポルトガルはほとんどいいところがない。

 後半になり、ようやくポルトガルが息を吹き返す。次々にチャンスを作るが、なかなか点を奪えない。後半26分、パウレタのクロスをクリアしようとしたアメリカディフェンダーのボールがそのままゴールに入り、オウンゴールで2−3となる。しかし、これが精一杯だった。ポルトガル、初戦敗退。今後に期待するしかない。
   
         
 
6/5   group H
  ○ ロシア 2−0 チュニジア ●      
 
後半14' チトフ
後半19' カルピン
     
    (ハイライト観戦)

 日本が次に対戦するロシアの、初戦。実力を見極めるチャンスである。
 モストボイが怪我で出場できないなか、もう一人の中心選手、カルピンが攻撃の起点になったようだ。ただ、事前のテストマッチでもスピード不足が指摘されていたが、確かに見ていてそんな印象を受けた。見た目にはベルギーよりも力は劣るような気がする。ただし、モストボイが出てきた時にどうなるかはわからない。
   
         
 
6/4   group D
  ○ 韓国 2−0 ポーランド ●      
 
前半26' ファン・ソンホン
後半 8' ユ・サンチョル
     
     観客席は、見事に赤いキムチ色。韓国は前半10分、ホン・ミョンボのロングシュートからコーナーキック、そしてヘディングシュートと、いい流れが出来はじめた。その後も再三ポーランドゴール前に襲いかかり、見せ場を作る。そして遂に、左サイドから切り崩し、素早く横に動いてパスをもらったファン・ソンホンがシュートを決め、韓国が先制する。
 後半に入っても、韓国優勢は変わらない。コーナーキックからのこぼれ球をうまくボレーで合わせたシュートはキーパーに阻まれるが、その後にユ・サンチョルが一人で相手ディフェンダーを切り裂き、豪快なゴールを決めた。韓国はこの2点を守り切り、2−0で勝利。念願のワールドカップ初勝利である。

 今日は日本の試合と韓国の試合を続けて見た訳だが、正直、攻撃は韓国の方が数段質が高くて面白い。その韓国ですら何度も出場してようやくの初勝利だ。越えられそうでなかなか越えられない壁が、ワールドカップにはあるのかもしれない。
   
         
 
6/4   group H
  △ 日本 2−2 ベルギー △      
 
ウィルモッツ 後半12'
後半14' 鈴木
後半22' 稲本
ヴァン・デル・ヘイデン 後半30'
     
     注目された日本の2トップは、柳沢・鈴木。中盤は、小野が左、市川が右。キーパーは楢崎だ。
 開始早々、中田が足を傷める。心配されたが、プレー続行は可能なようだ。その後、どちらのチームも決定的なシーンが少なく、試合は膠着状態が続く。
 前半なかば、ベルギーが左サイドからのクロスに合わせ、ヘディングシュートを打つが、これは楢崎が好セーブで救う。日本は中田が完璧に押さえられていて、あまり効果的な攻撃が見られない。とにかくクロスの精度をもう少し上げたいところ。市川ががんばって何とかしようとしかけているのだが……。見せ場のないまま前半終了。

 後半、選手交代もなくしばらく展開は変わらない。どちらのチームにも点の入る雰囲気がなかったが、やがて大きくゲームが動く。
 まずは、ベルギー。ゴール前の混戦からオーバーヘッドでゴールを決める。しかし、これで日本敗戦かと思われた直後、小野が放り込んだ縦パスに、飛び込んだ鈴木が倒れ込みながらシュート。これがゴール隅に決まり同点。
 日本はようやく目が覚めた感じだ。後半18分、小野に替え、三都主を投入。各選手の動きが俄然違ってきた。ここまでほとんど目立たなかった稲本がドリブルで中央突破し、そのままシュート。これが綺麗に決まり、なんと日本逆転!会場は大盛り上がりだ。
 しかしそこに油断が生じた。オフサイドトラップ崩れからループシュートを決められ、同点に追いつかれる。それでもめげずに、日本は攻撃を繰り返す。リズムは依然日本が握っているのだ。相手ゴール前で中田がすばらしいパスを稲本に出し、いったんそれを預けた後にワンツーで受け、ゴール!かと思いきや、ファウルという不可解な判定により、ノーゴール。それにしても後半に入っての稲本はキレていて、当たりにも強かった。
 結局、最後まで日本が攻めこむ形のまま、試合終了。日本がワールドカップで初めて勝ち点1を獲得した。
   
         
 
6/4   group C
  ● 中国 0−2 コスタリカ ○      
 
ゴメス 後半16'
ライト 後半20'
     
    (ハイライト観戦)

 中国の監督は、あのボラ・ミルティノビッチ。1986年から毎回違う国を率いて、しかも必ず決勝トーナメントに導くという偉業をなしている監督である。そして今日対戦するコスタリカは、1990年、自らがやはりベスト16にまで引き上げたチームなのだ。

 中国は手堅く守り、コスタリカはワンチョペを中心に、アフリカチームのような身体能力を生かした攻撃をしかける。中国はカウンターもなかなか巧いようだ。しかし後半15分過ぎ、ぽんぽんとコスタリカが2点を奪う。いずれもバランス感覚に溢れた、らしいといえばらしい得点。これでコスタリカが勝利。ボラ・マジックはこの試合では発揮されずに終わった。
   
         
 
6/3   group G
  ○ イタリア 2−0 エクアドル ●      
前半 7' ヴィエリ
前半27' ヴィエリ
     
     各メディアで優勝候補に挙げられるイタリアの初戦。デル・ピエロはスタメンから外れた。エクアドルも、フォワードのカビエデスがベンチスタート。僕はエクアドルを見るのはこれが初めてであり、南米予選でブラジルにも勝って2位通過したチームということで注目していた。

 序盤、イタリアは余裕なのか、それほど強く当たりに行かない。エクアドルの陣内では自由に持たせ、センターラインを越えたあたりからボールを奪いにいく。そして開始早々、イタリアが魅せる。トッティが飛び出し、折り返したボールをヴィエリがきっちりとゴール。さすがはヴィエリだ。
 エクアドルは個人技を使いたがるというか、いかにも南米という攻撃だ。右サイドのデ・ラ・クルスが何度も何度もオーバーラップを仕掛け、右サイドからの攻撃が大半を占めた。もう少しで形になりそうなのだが、最後のところでイタリアディフェンスがシュートを許さない。
 イタリアはチームコンディションが予想以上にいいようだ。トッティの体の切れは素晴らしく、他の中盤の選手もおしなべて動きが良い。前半のなかばを過ぎると、ヴィエリがまたゴール前でパスを受け、突っ込んできたディフェンダーをびくともせずにかわし、2点目のゴール。これでイタリアは楽になった。リードして守りきるのは、イタリア得意の形だ。

 後半エクアドルは、交代で入ったカルロス・テローリオがパスにドリブルに才能を発揮し、攻撃が機能し始める。それでもイタリアの4バックは強力だ。相手の攻撃を読んで一歩先に飛び出しボールを奪うカンナヴァロ、1対1ではほとんど負けないネスタ。二人とも絶品だ。比べて、マルディーニは少々スピードに難がある気がした。
 後半途中、会場から大きな声があがる。デル・ピエロが交代で入ってきたのだ。しかし正直僕には、この交代は疑問だった。この時間帯で、しかも2点を守るべきところをディフェンダーではなく前線の選手を入れるとは、納得できない。

 エクアドルはだんだんとリズムをつかんでいく。そして、オフサイドトラップが崩れたか、デルガドがキーパーと1対1になったが、惜しくも阻まれる。イタリアは前半と違い、相手陣内でも積極的にボールを奪いにいく。エクアドルに比べ、選手が一人二人多いかと思えるのは、それだけバランスのいい守備をしているからだろう。結局このまま試合終了。最後までデル・ピエロは全く見せ場を作れなかった。
   
         
 
6/3   group C
  ○ ブラジル 2−1 トルコ ●      
 
ハサン・サス 前半47'
後半 5' ロナウド
後半42' リヴァウド
     
    (ハイライト観戦)

 さあ、いよいよブラジルの登場。ロナウドもスタメンに名を連ねた。前半はブラジルが攻め込むも得点を奪えない。逆に前半ロスタイム、バステュルクがシュートに見せかけた味のあるパスをハカン・サスに出し、ゴールが決まる。
 しかし後半、ブラジルタレント陣が本領発揮。リヴァウドのクロスにロナウドが倒れ込むように足に当て、ファインゴールを奪う。その後、交代で入ったデニウソンが得意のドリブルを披露し、会場を沸かせる。そして終了直前に得たPKをリヴァウドが落ち着いて決め、逆転。ぎりぎりでブラジルが勝利をものにした。
   
         
 
6/3   group G
  ● クロアチア 0−1 メキシコ ○      
ブランコ 後半15'
     
    (ハイライト観戦)

 クロアチアは、懸念されていた選手の高齢化がもろに試合に出てしまった。前回得点王のシュケルと人気抜群ボクシッチという4年前なら垂涎ものの2トップも、さすがにかつての得点力はなかったようだ。
 試合は終始メキシコが支配し、後半に獲得したPKから1点を奪う。そのまま逃げ切り、メキシコが勝利を遂げた。
   
         
 
6/2   group B
  ○ スペイン 3−1 スロベニア ●      
 
前半44' ラウール
後半29' バレロン
チミロティッチ 後半37'
後半42' イエロ
     
     知らなかったが、スペインはもう52年間、ワールドカップの初戦で勝っていないらしい。鬼門と言えるこの試合をどう戦うのか。スタメンを見ると、僕の好きなメンディエタもエルゲラもいなかった。

 いきなりスロベニアがビッグチャンスを迎え、その後も試合を優位に進める。初出場なのに、堂々たる戦いぶりだ。逆に格上のはずのスペインが、なかなか攻撃の形を作れない。そんな中、目に付いたのがデ・ペドロ。柔らかいプレーでゴール前に攻め込み、少しずつチャンスを作っていく。バレロンもなかなか良い。そして、ベテランながらスタメン出場で気を吐いていたルイス・エンリケが泥臭いドリブルでゴール前に持ち込み、こぼれ球をラウールがさすがさすがの股抜きゴールで先制。しびれるようなフェイントだった。前半はこのまま1−0で終了。

 後半は、一進一退の攻防が続く。スロベニアは、交代で入ったチミロティッチとアチモヴィッチがいい動きをし、リズムをつかみ始める。それでもスペインは、エルゲラが入った直後、左サイドでオーバーヘッドのパスを受けたデ・ペドロが、シュート性の強烈なパスをゴール前に送り、これにバレロンがインサイドで合わせ、ゴールを奪う。もの凄いパスだった。デ・ペドロは本当に素晴らしい。

 しかしスロベニアは好プレーを続けていたチミロティッチがゴールを決め、1−2とスペインに詰め寄る。スペインに嫌なムードが漂い始める。’94年アメリカ大会を思い出すのだ。あの大会の初戦、韓国に2−0でリードしていたスペインは、終了前の5分間で2点を奪われ、引き分けにしてしまった。また今回も初戦は勝てないのか―。そんな思いが選手や監督の頭をよぎったに違いない。
 それでも今回のスペインは違った。運もあっただろう。ゴール前に突っ込んだモリエンテスが相手ディフェンダーに倒され、PKを得る。もちろんこれをイエロが決め、3−1と試合を決めた。スペインは52年振りの初戦勝利。このまま勢いに乗れるかもしれない。ただ、負傷で途中交代となったファンフランの具合が気にかかるが。
   
         
 
6/2   group F
  △ イングランド 1−1 スウェーデン △      
 
前半24' キャンベル
アレクサンデション 後半14'
     
     ベッカムが戻ってきた!4月に骨折して、開幕直前にも悲観的なコメントが聞かれたりして、開幕戦に間に合うとは思わなかった。全世界のサッカーファンが喜んだろう。
 スウェーデン選手では、僕の好きなパトリック・アンデションがスタメンから外れた。しかし、イングランド監督のエリクソンはスウェーデン人なのだが、この試合にどう気持ちを集中するのだろうか。

 ベッカムの具合はどんなもんだろうという思いのなか、キックオフ。イングランドが小気味よくパスを回す。ベッカムもほどよくボールに絡み、いいパスを出していく。右サイドではそのベッカムをフォローするためか、ディフェンダーのミルズが積極的にオーバーラップを繰り返す。ふんふん、イングランド、いい感じ。
 スウェーデンはがっちり守ってカウンター狙いという印象。だがチャンスはなかなか巡ってはこない。そして前半のなかば、イングランドが最初にコーナーキックを得た。もちろん蹴るのは、ベッカム。会場からはフラッシュの嵐。右足から放たれたボールは勢いよくカーブし、キャンベルがドンピシャでゴール!理想的な形でイングランドが先制する。

 点を決めたのはディフェンダーの選手で、フォワードのオーウェンはそれほど目立つ動きはなかった。しかし、もう一人のフォワードのヴァッセル。僕は見るのは初めてだったが、ゴール前での好プレーが何度かあった。彼が調子いいので代わりに下がってプレイすることになったヘスキーも、なかなか渋いプレーで機能している。
 バイエルンミュンヘンで評価の高いハーグリーブズは、攻撃のコマとしては浮いた感じだが、守備的には貢献している。そして左サイドバックのアシュリー・コールは、攻守に渡ってイキのいいプレーをしていた。スウェーデンでは、フォワードのアルベクが何度かシュートを放つ程度で、前半はあまりいいところがない。

 後半、イングランドは疲れが目立ち始め、パス出しに迷うようなシーンも見られた。良くない雰囲気は当たるもので、ディフェンダーのつまらないミスから、スウェーデンに得点を許してしまう。更に、”時間切れ”となったベッカムも交代し、イングランドは苦しい展開。
 スウェーデンは速い攻防から巧くパスをつなぎ、ゴール前のポストプレーも面白いように決まり始めた。前半とは全く逆の攻防である。とにかくイングランドは、ゴール前で相手をフリーにし過ぎなのだ。それでもキーパーのシーマンが活躍し、少なくとも2回の決定的ピンチを凌いだ。”死のグループ”でイングランドは勝ちを逃し、勝ち点は1点にとどまった。
   
         
 
6/2   group B
  △ パラグアイ 2−2 南アフリカ △      
 
前半39' サンタクルス
後半10' アルセ
モコエナ 後半18'
フォーチュン 後半46'
     
    (ハイライト観戦)

 パラグアイは、絶対的存在であるキーパーのチラベルトが出場停止で出られない。試合はその影響がまともに出たような展開となった。
 僕は知らなかったが、アルセという選手がすごいらしい。フリーキックで1点を決め、1点をアシストした。そのアシストで1点を決めたサンタクルスも調子良さそうで、何度かいいシュートを放っていた。
 0−2とされた南アフリカが、後半に反撃を開始する。オウンゴール(後に、モコエナのゴールと認められる)で1点を返すと、試合終了間際でPKから得点し、同点で試合を終えた。
   
         
 
6/2   group F
  ○ アルゼンチン 1−0 ナイジェリア ●      
後半18' バティストゥータ
     
     アルゼンチンのスタメン、アイマールもキリ・ゴンサレスもアルメイダもいない!リズムを考えると最初はアイマールをとっておくのはわからないでもないが、キリは何故に?そしてアルメイダは、シメオネが出る時には出られないのか?

 僕の不満をよそに、ゲームは始まる。序盤から積極的にとばすアルゼンチン。ヴェロンの出来は出色だった。得意のアウトサイドキックで前線に素晴らしい球を何本も出し、チャンスを作っていく。対するナイジェリアは、競り合った時の体の強さが目を引くものの、防戦一方の展開。

 今日のアルゼンチンは特に守備が良い。中盤で当たりを仕掛けてボールを奪っていく、近代サッカーのお手本のような戦い方だ。のみならず、各選手が自由にポジションチェンジを繰り返し、なおかつバランスが崩れないというアルゼンチン的味付けもしてあって、見ていてめっぽう面白い。ただ、点を取るためには、ゴール前でもう一工夫足りない。

 後半アルゼンチンは、クラウディオ・ロペスに替えてキリ・ゴンサレスを投入。ナイジェリアは、体調不十分なカヌが退き、オコチャが試合をコントロールするようになると、ようやくチャンスが生まれてくる。前半からとばしてきたアルゼンチン選手たちはさすがに疲れが見え始め、中盤のチェックも甘くなってきた。それでも攻め込んでコーナーキックを得ると、ヴェロンがファーサイドに鋭いボールを蹴りこみ、バティストゥータが念願の初ゴールを決めた。
 今日のヴェロンは、フィールドプレイは冴えていたがプレスキックは精度を欠いていた。それがだんだん調子良くなってきたかな、という矢先のこのゴールだった。いっぽうバティについては、点は決めたものの、好調時の体のキレはあまり見られず、ゴール前の瞬間的な判断と飛び出しが少なかったように思う。
 得点後、再び前半と同様の積極的な守備が戻る。その後、アイマールとクレスポが入るが、特に見せ場はなく、ゲーム終了。”死のグループF”で、アルゼンチンが手堅く一勝をものにした。

 最後にひとつ。僕はずっとNHKハイビジョンで観戦しているが、アナウンサーの実況がNHKの割にはつたなくて、民放を見ている気分になる。BSのスペインリーグの実況などは好きなんだけど。
   
         
 
6/1   group E
  ○ ドイツ 8−0 サウジアラビア ●      
 
前半20' クローゼ
前半25' クローゼ
前半40' バラック
前半45' ヤンカー
後半25' クローゼ
後半28' リンケ
後半39' ビアホフ
後半46' シュナイダー
     
     ドイツが強い、というよりはサウジがあまりにも酷すぎる。これじゃあまるで練習試合か公開シュート練習だ。

 ドイツスタメン、ヤンカーが出てきたのには驚いた。が、立ち上がり早々から彼らしいポストプレーが飛び出し、更に飛び出しのタイミングも良い。こんなにいいヤンカーは見たことがない。
 そしてこれも登場早々驚いた、ツィーゲ。なんなのだ、あのスキンヘッドに羊かんを乗せたような髪型は。しかし彼も左サイドで目立っていた。それからバラックも、後ろからの球出しやミドルシュートなど、上々の出来。何しろドイツは、サウジに対して圧倒的な存在感を示し、どっしりと落ち着いたプレイを見せて隙はない。ただ、それにしても……。

 んなアホな、というレベルのサウジディフェンスである。前線でも中盤でも、そして最後尾にまで攻め込まれてもまともに当たりにもいかないとはどういうことなのだろう。前半20分にクローゼが初得点を挙げてからは、もうザルのようにぽんぽんとゴールが決まっていく。それも、いずれも何の苦労もなく楽々とドイツは決めているのだ。前半だけで4−0という大量リード。しかもこれだけでは終わらない。

 後半に入り、サウジも少しは対策を考えたのか、しばらくは点を奪われない。が、クローゼのハットトリックとなる3点目が入ったのを機に、再びドイツのゴールラッシュがはじまる。前半は左のツィーゲが目立ったが、後半は右のシュナイダーがまた正確なクロスを何度も入れていた。ディフェンダーのリンケまでゴールを決め、交代で入ったビアホフのナイスゴール、最後はシュナイダーの見事なFKでのゴールと、総計なんと8点もドイツは獲ってしまった。

 これでドイツは俄然有利になった。しかし、今日の試合だけでは何とも言えない。次のアイルランド戦で真価が問われるだろう。
   
         
 
6/1   group A
  ● ウルグアイ 1−2 デンマーク ○      
 
トマソン 前半45'
後半 2' ロドリゲス
トマソン 後半38'
     
    (ハイライト観戦)

 シュートシーンが中心でなんとも言えないが、好ゲームらしかった。レコバが活躍し、ロドリゲスがものすごいゴールを決めるものの、デンマークがそれを上回る出来で2点を奪った。決めたのはセンターのサンドではなく、2得点とも2列目のトマソンである。これでA組は、僕が3位4位に予想したチームが共に1試合目で勝利したことになる。
   
         
 
6/1   group E
  △ アイルランド 1−1 カメルーン △      
 
エムボマ 前半39'
後半 7' ホランド
     
     立ち上がりから、カメルーン選手たちの元気なこと。対するアイルランドは”精神的支柱”と言われるロイ・キーン離脱が痛いところ。しかし精神的支柱なら、監督と喧嘩して帰っちゃいけないのではと思う。ま、いろいろと事情はあるのだろうが。サポーターにおいては、アイルランドの方が数が多いのか、盛り上がっているようだ。

 前半、エムボマが基点になり、アイルランドのゴール前に再三攻め込んでいくカメルーン。最初の大きなチャンスはキーパーのナイスセーブで阻まれたが、攻撃の手は緩まない。連携プレーの練習をかなり積んでいるようで、ワンツーで飛び出すタイミングも凄い。そして、いい流れの中でエトーが飛び出し、折り返したボールをエムボマが決める。このままカメルーン主導でいくかと思われた。

 しかし、後半に入ると状況が一転し、アイルランドがリズムを掴む。ハートが積極的にオーバーラップをかけ、凄いクロスを入れはじめる。そして遂に、クリアのこぼれ球からホランドが地を這うようなゴールを決め、同点。その後もアイルランドペースは変わらず、ミドルシュートをばんばん仕掛け、ゲーム終了まで主導権を握る。カメルーンは最後、全く足が止まってしまった。スタミナが切れたというより、精神的に折れた感じだった。
   
         
 
5/31   group A
  ● フランス 0−1 セネガル ○      
  ブバ・ディオプ 前半30'      
     正に、90年イタリア大会の再現。この時、前回チャンピオンのアルゼンチンはアフリカのカメルーンに0−1で敗れた。

 ついに日韓共催のワールドカップ開幕! ……という割りには静かな始まりだった。開幕戦らしく、序盤は手綱を引き合い相手の出方を伺うような展開。それでもセネガルが先にシュートを何本か放つと、次第にゲームが動き出す。
 引いて守るセネガルに対し、フランスは中盤で積極的にボールを奪い、前線に供給する。相変わらずビエラは素晴らしい。しかし決定的なチャンスも少なく、トレゼゲのシュートがポストに嫌われると、次第にペースがセネガルに移りはじめる。

 ジダンのかわりにジョルカエフ、というのはやはり無理があった。もともとプレースタイルが違うのだ。ジダンが試合を組み立てる球出しをするのに対し、ジョルカエフは自分が突っ込んでいくタイプ。優勝予想のページには問題ないと書いたが、こんな時ピレスがいれば変わっていたかもしれない。
 アンリ、トレゼゲの攻めにもセネガルDFはしっかりとブロックをし、攻撃の芽を摘んでいく。特に、左サイドのコリーという選手が目立っていた。そして遂に、セネガルがゴールを決める。泥臭いが、立派な1点だ。そのまま前半終了。

 後半、選手を替えてくると思ったらフランスはそのままのメンバーで出てきた。相変わらず、パスミスやら不安定なディフェンスラインやらで、フランスはどこかおかしい。対して、セネガルは意外にまとまったいいチームだ。ただ、ディウフはオフサイドに引っかかってばかりで、ちょっとは学習しないといけない。

 試合も終盤になり、焦りが見え始めた頃、ようやくフランスが反撃を開始する。シセを投入(最初、バかと思った。「バ」とは、選手の名前))し、リザラズも積極的に上がり始める。それでも、アンリの素晴らしいシュートやルブフの強烈な一発も決まらず、遂にタイムアップ!まさかの結果となった。

 フランスディフェンダー陣の衰えは、想像以上だった。とくにルブフ、デサイーはちょっと酷い。個人的にはセンターにテュラムかシルベストルを持ってきてはどうかと思うのだが。しかし、決してジダンオンリーのチームではないと思い、優勝候補にも推していたが、そうでもないのか。

 試合後、チャンネルを回していくつかの局でコメントを聞いた。引き合いに出されるのはやはり90年大会のアルゼンチンだ。最初に書いた通りアルゼンチンは初戦で敗れたがその後勝ち進み、準優勝に輝いた。僕もそれを思いだし、まだまだわからないと思った。が、あの時とは少し事情が違うことに気付いた。
 90年大会は出場国が24で、決勝トーナメントに進めるのは、グループリーグの2位以上の12チームと、3位で成績のいい4チームだった。アルゼンチンはグループリーグ3位でこの座を射止めた。即ち、今の規則なら予選リーグ敗退ということになる。
 NHKで繰り返し言われていた、「前大会で初戦敗退のチームは、全て決勝トーナメントに進めなかった」というジンクスも気になる。フランスは好きなチームではないが、早々に負けてしまっても盛り上がりに欠ける。ただ、俄然グループAがクローズアップされることになったのは確かだ。
   
         
 
 
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