軽い気持ちでWindowsを更新しようとしただけなのに、えらく苦労する羽目になってしまいました。雑記帳に書いているとかなりの文量になったので、ここに独立して紹介することにしました。同じ苦労をしている方に少しでも手助けになれば幸いです。
2002年5月6日 記

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 いきさつ
 これまでずっと、Windows98SEを使ってきた。WinMeに入れ替える意味合いは薄く、Win2000はドライバで不自由する気がして、どちらも見送っていた。
 が、そのうち、98の挙動がだんだんとおかしくなってきた。頻繁にフリーズするようになり、マイコンピュータのドライブ一覧にはいつのまにか、Cドライブの他にもうひとつFというシステムドライブが表示されるようになった。内容はCドライブと全く同じで、見事に同期して動く。また最近では、起動のたびごとに「EXPLORER.EXEが異常終了しました」というメッセージが出るようになり、さすがにやばいかなと思い始めた。いずれも特に大きな障害には至らなかったのだが、安定性と目新しさに惹かれ、気になっていたXPを導入しようと思い立った。何せ、システムとアプリケーションがメモリ上で完全分離しているNTアーキテクチャーだから、信頼性は抜群のはず。

 

 2度の再インストール
 インストールは、これまでに使っていたハードディスクではなく、新たに購入したディスクに行った。使っていたディスクに何らかの不具合が残っているのは嫌だし、事後にいろんなデータを移行させるため、今のディスクをそのまま残しておきたいという理由もあった。20GBで、今は9千円台で買えるのにはびっくりしてしまった。売れ筋はもっと大容量のディスクだが、僕にはこれで十分だ。容量が大きいとディスクスキャンやデフラグに時間がかかるし。

 Windowsパッケージの中には、これまで付いていたインストール用のFDはない。CD−ROMからの起動で作業を行うことが望まれているようだ。それが不可能な場合、マイクロソフトのWebサイトからFD起動用ファイルがダウンロードできる。自分のマシンでCD起動はやったことがなかったのだが、BIOS設定を変更すると、うまくCD−ROMから立ち上がってくれた。

 ディスクのフォーマットを行い、インストールが始まる。いつも思うが、インストール中に表示される、作業がどのくらい進んでいるかを示す横棒のインジケータ。あれが表示される時、例えば、「ファイルのコピー中です」というメッセージでインジケータが表示され、その後に「内部設定中です」などとメッセージが変更されてインジケータがまた新たに表示されることがある。これでは何の意味もないことを、メーカーサイドはわかっているのだろうか。
 作業者は、全体の作業の中で、今どれくらいのところであとどれくらい残っているのかを知りたいはずなのに、ひとつのインジケータが満タンになったらまた別のメッセージで最初からインジケータが動き出すんじゃ、いつまで待てば終わるのかがわからない。道具は正しく使わないといけない。今回もこれが出て、ちょっとイライラしてしまった。でも、こんなのは序の口。

 OSインストール自体は、ディスクのフォーマットを含めて1時間もかからないぐらいで終わる。その後は、PCIスロットのボードを1枚ずつ挿しながら、ドライバのインストール。ほとんどがWindows付属のドライバで済み、それ以外はネットから最新ドライバをダウンロードして入れ込んでいく。
 再起動でうまくマシンが落ちきらないことが何度か続き、ふと思い出したことがあった。マザーボードで使っているVIAというメーカーのチップセットは、OSインストール後、ただちに追加のドライバをインストールする必要があったのだ。しかもこれはPCIインタフェースに絡む部分だけに、各種ボードを入れ込む前に行わなくてはいけない。すっかり忘れていた。再起動でフリーズするのもそのせいかもしれず、影響があるのかどうかわからないが、とりあえず、最初からもう一度やり直すことにした。

 CD−ROM起動をさせようとしてもまたディスクからシステムが立ち上がってしまうため、いったん前のシステムディスクにつなぎ替えてWindows98SEを立ち上げ、これでXP用ディスクの中身を削除し、さらに念のため、とfdiskコマンドで領域も解放する。
 これでCD−ROM起動し、再インストールを行う。この時、データ移設用にと、もう1台のハードディスクをつなげたままにしてあった。ちょっと迷ったが、ま、大丈夫だろうとそのまま作業を続けた。しかし、この油断がいけなかった。
 前のシステムでこの予備ディスクはDドライブとして使われていたが、その影響か、新規ディスクのドライブ名が「E」になってしまった。これでもシステムは動作するけれど、あとあと面倒なことになりそうだ。ネットで検索し、コントロールパネルの「コンピュータの管理」からドライブ名を変更できることを知り、早速実行してみた。ところが、システムドライブ名は変更できない、というエラーになってしまう。あきらめて、泣く泣く再再度のインストールやり直し。またシステムディスクを入れ替えたりなんやかやとやっている時点で、昼過ぎから始めた作業は就寝時間を迎え、この日はエネルギー切れとなる。

 

 SCSIディスクで挙動不審に
 三度のOSインストールから一夜が明けた。起きたとたん、左足太腿にひどい筋肉痛を感じる。最近、激しい運動をした覚えはない。理由に思い当たり、ちょっと情けなくなる。
 僕のパソコンは机の下に置かれているが、昨日机の下に潜り込んでボードの抜き差しなどをやっていたおかげで、足に変な力がかかっていた。そのせいだ。今年で35歳。ただひたすら頑張れ、と自分にエールを送る。

 マザーボードのドライバも入れ込み、今度こそはと各種ボードを挿していく。5つのPCIスロットは、サウンド、LAN、モデム、SCSI、IEEE1394と、全て埋まっていく。SCSIはもう消え去る運命の規格だろうが、まだしばらく僕は使い続けなくてはならない。理由は、DV編集だ。
 DV編集のためには、高速のハードディスクが不可欠だ。しかし、ATAスロットには、システムディスクの他に、サイト作成用の別ディスク、CD−ROM、CD−R/RWがつながれていて、空きがない。IEEE1394規格のハードディスクもあるが、数も少なく高価で、DVカメラとつないでビデオ取り込みを行う場合、IEEEにデータが集中して信頼性が落ちる。ということで、今のところSCSIを使うより他に解がない。また、スキャナがSCSIなのも理由にある。

 SCSIボードのインストールはちょっと手こずった。XP用のドライバはメーカーのサイトからダウンロードする必要があったが、そのページの説明書きがわかりにくくて、手間取ってしまった。「BIOSの更新が必要です」とページには書いてあって、システムのBIOSかと思って躊躇していたらSCSIボードのBIOSのことだったり、他にも、絶対しなければいけないことなのかしなくてもよいことなのかはっきりしない記述があったり。これでひとしきり時間を取られる。それでもなんとかボードのインストールが終わる。しかし、このSCSIにハードディスクをつないだとたん、システムが挙動不審に陥った。

 ドライブの認識をしてくれないばかりか、フリーズまで引き起こす。つないだディスクには、前にDV編集に使っていたそのままのデータが残っていて、これが悪さをしているらしい。
 すぐにディスクをフォーマットすればいいのだろうが、このディスクにどうしても残しておきたいデータがあって、それを移設しなくてはならない。仕方なく、またまた以前のシステムディスクにつなぎ替える。前に使っていたボードばかりなのに、挿す位置が変わったためかドライバが自動で再インストールされたりする。しかしなんとかシステムは立ち上がった。ここからだとSCSIディスクは問題なく読みとれる。データを予備ディスクに移設し、もう一度XPのディスクにつなぎ直す。

 さあそれじゃあfdiskコマンドで領域確保、と手慣れたディスク増設の手段を踏む。と、fdiskが効かない。コマンドが受け付けられないのだ。さあどうする、とまたネットを検索。あった。XPではfdiskは用意されておらず、同じ作業は、「コンピュータの管理」から行うようだ。その通りに作業を行い、ディスクをフォーマットすることで正常動作に戻る。

 

 ディスクが認識されない!?
 ボードのインストールを終え、SCSIのスキャナやUSBのプリンタなどもインストールし終えた時点で、一息をつく。これでとりあえずハード系は終わり、とPCケースの蓋を閉め、正規の位置に戻してから電源を入れ直す。
 しかし、立ち上がらない。BIOSの認識、SCSIの認識、と通過したあと、Windowsが立ち上がるはずのところで真っ黒な画面になったまま、何の反応もない。おかしい。
 何度かリセットするうち、原因がわかる。BIOSが、ハードディスクを認識していないのだ。しかも予備ディスクまでも。これじゃあ立ち上がるはずはない。しかし、何故に認識されない?

 イライラしながらしまったばかりのパソコンを引き出し、蓋を開ける。まず疑ったのは、電源の配線だ。さっき蓋を閉じる前に、あまりにもぐちゃぐちゃだった電源配線をやり直した経緯がある。
 しかし、問題はなかった。さらに、データ線の接続を確認する。これも問題はない。当たり前だ。さっきまでこれで使っていて、IDEの接続は何も変えていないのだ。とりあえず、IDEのプライマリとセカンダリを入れ替えて立ち上げてみる。結果は同じ。CD2台は認識されるが、ハードディスクが認識されない。これはケーブルか、と思い、確かめてみた。
 ハードディスクのケーブルはUltraATA100用なので、普通のE−IDEと違い、一本ずつが細くて数が多い。その細いケーブルのうち1本が、1センチほど欠けるように断線していた。これかあ〜と、納得する。断線していてはうまくいくはずがない。ケーブルを買ってこなくては、と思う。しかし、ちょっと腑に落ちないことがあった。断線の仕方があまりにも綺麗で、誤って切れてしまったという感じではないのだ。ガイシャの傷口から凶器を判断する刑事のような気分になりながら、これまたネットで検索。そして見つかった。
 この断線は正常な状態で、何の問題もないということ。写真こそなかったが、同じことが、あるサイトに記載されていた。うーむ、危うくケーブルを買ってくるところだった。

 しかしそれなら何故に? とまた元の疑問に立ち戻る。もう一度ケーブルをセットし直し、なんとなく立ち上げてみたら、今度は問題なく認識された。
「???」
 いったいなんだったのだろう、ま、いっか、うまくいったんだから、と次に進むことにする。今度こそはとケースに蓋をし、机の下にしまいこむ。しかし、またまたこれを引き出すことになるのだが。

 

 今度はCDドライブが消えた??
 今度こそハード系はおしまい、とソフトのインストールを開始。まずは、ATOK最新版。一太郎や花子は使わないが、日本語変換はやっぱりこれでないと。それから、割とハード系に近いCD−R焼き込みソフトのインストール。去年はじめてCD−Rを買った時、なかなか動いてくれずに苦労した。

 メーカーのWebサイトで、最新版をダウンロードする。注意書きを読むと、WindowsXPでは、インストール後にCDドライブを認識しなくなることもある、などと書いてあり、ちょっとビビる。しかし先に進まなくてはならない。さらに注意書きを読み、ドライブにディスクを入れた状態でインストールすれば現象は防げるとのことだったので、対象になるCD−R、そしてもう1台あるCD−ROMドライブにもディスクをセットし、インストール。
 しかしこれで問題が発生した。CD−Rドライブは大丈夫だったのだが、関係ないはずのCD−ROMドライブが、認識されなくなってしまった。

 さあ困った。ちゃんとディスクを入れた状態でセットアップしたのに何故に?
 仕方なく、とりあえずアンインストールして元に戻して、と……あれっ。やっぱり表示されないぞ!
 エクスプローラでもマイコンピュータでも、このドライブは表示されない。さあさあいよいよ困った。メーカーサイトをくまなく調べる。
 aspiドライバ、というのが邪魔をしていることがあるようだ。WinMeまではこのドライバが必要だったがXPでは使わなくなった。従って、何かの都合でこのドライバが存在するとまずいようだ。該当するドライバを一つ一つ検索してみると……あった!システムフォルダに、サイトに載っていた名前のファイルがあった。よし! とこのファイル名を変更し、再立ち上げ。
 しかし、状態は変わらない。ファイル名の設定が悪かったかと変更し直したり、完全に削除したりして再立ち上げを繰り返すが、全然影響はなく、相変わらずドライブは表示されない。さあさあ、どうする。

 ふと思いついて、管理メニューのイベントログを見てみた。この辺りがNT系OSの本領発揮で、システムエラーなどが一覧で確認できる。ここで、aspiがどうたら、というエラーが立ち上げるたびごとに出ているのがわかった。これだ、と当たりをつけ、マイクロソフトのサイトでこのエラーについての情報を探る。
 全く同じメッセージのエラーについての解説があった。ただし解決方法は書いてない。直ちにシステムに危害を及ぼすことはないらしい。ただ、システムが不安定になる要素ははらんでいるという。さあさあ、どうする。
 ここで、去年CD−Rで苦労した時、やろうとして結局やらなかったことを一つ、思い出した。システムBIOSの更新だ。ただこれは失敗するとシステム全体が起動しなくなる危険性があって、実行するのはためらわれる。

 どうするか、悩んだ。
 結論――。やるしか、ない。
 マザーボードのメーカーサイトからファイルをダウンロードし、説明書きを読む。とりあえず、ボード類は全て外したほうがよいとのことで、また机の下からパソコンを引きずり出し、ドライバも出してきてボードを全て取り外す。
 更新自体はあっさりと終了した。電源を入れる。祈るような気持ちで、マイコンピュータの中を覗く。あった!CD−Rと並んで、CD−ROMドライブがちゃんと表示されていた。

 やった。ついに解決した。しかしBIOSのアップデートまで必要だとは。これでだめなら道はない、と祈りをこめた最後の作業が奏功した。安堵の気持ちでボードを取り付け直し、蓋をしてパソコンを机の奥にしまう。これでやっと問題解決……のはずだった。

 

 また消えた?もう嫌……
 意気揚々とパソコンの電源を入れ、マイコンピュータを見て愕然とする。また、現れてこないのだ、CD−ROMドライブが!
 もう泣きたくなってきた。BIOSのせいではなかったのだ。この時点でこの日は終わり。いったん眠って、落ち着いて考えたほうがいいと思った。

 そして翌日。IRQ不足かな、というのがまず浮かんできた。PCIスロットにはフルにボードを詰め込み、さらにスキャナやプリンタも繋いである。これでIRQが足りなくなってしまった可能性を探ってみた。
 BIOSの設定でそのあたりをいじくり、何度か立ち上げ直すが、状態は変わらない。仕方なく、またまたまたパソコンを机の下から引き出し……しかし本当に嫌になってきた。ぶつけようのない怒りがこみ上げてくる。だいたい、内部の配線はごちゃごちゃしていて、作業がやりにくいことこの上ない。ハードディスクを入れ替える時にはメモリを外す必要がある。PCIボードはスロットが見にくくて挿しづらく、電源コネクタに至ってはなんでこんなに固いのかとイラ立つほど。力を入れて抜くと手がどこかにぶつかったり、尖った部分で切ったりと、生傷がいたる所にできてしまい、また腹が立つ。

 ブツブツいいながら、とりあえず、PCIボードを全部取り外してみる。さっきBIOSアップデートでうまくいったと思ったのは、ボードが挿さっていない状態だった。案の定、これだとCDドライブは表示される。では、と、この状態から1枚ずつボードを挿していき、どこで問題が発生するかを試してみた。たぶん、最後の4枚目か5枚目あたりでうまくいかなくなるだろう。
 しかし、予想は外れた。2枚目のサウンドボードを挿した状態でもう、CDドライブが出てこなくなった。こいつか、犯人は。
 そのまままたBIOSの設定を見直し、電源再投入で、正常に復帰する。よし、と残る全てのボードを挿し、今度は蓋をする前にもう一度確かめてみる。
 OK!これでもちゃんとCDドライブは表示されるようになった。完成だ!
 今度こそ大丈夫、とパソコンに蓋をし、机の下に押し込む。

 さあ、やっとソフトのインストールに戻れる、と思った。とりあえず、まさかまた消えてやしないだろうなとマイコンピュータを確認。
 消えていた。なんでじゃあ〜!!

 

 ACPIって、何?
 とてもとても悲しい。いつまでたっても前に進めない。うまく表示されてから、パソコンの蓋をしたらうまくいかなくなった。蓋が悪いのか?もうわけがわからない。
 あきらめる、という手はある。CD−ROMが認識されなくても、使うには使える。CD−Rドライブがあるわけだし、音楽CDをコピーする時にも、いったんハードディスクに落としてやれば、何とかなる。しかし、悔しい。このまま終わればお前は負け犬だ、とアタックNo.1の猪熊コーチのようなセリフが頭に浮かぶ。

 戯れに、イベントログを見てみた。まだ、例のaspiエラーは出ている。aspiドライバはとっくに削除したのに、とよく見てみると、「aspi」ではなく、「acpi」と書いてあった。こいつはなんじゃ、とまたネットで検索する。どうやら、Windows標準の電源管理機構のことらしい。割と前からある技術のようで、周辺機器にも対応/非対応があることなどが、至るところのサイトで、当たり前のように書いてある。しかし僕は、全く知らなかった。周辺機器で、「ACPI対応」とか書いてあるの見たことないし。

 さらに調べると、ACPIはまだ不十分で、Windows2000などではシステムが不安定になる可能性がある、と書いてあるサイトも見つけた。そして、XPでもインストール時にACPIかAPM(一昔前の技術)かを選ぶことができ、是非APMにすべきだということも知った。そんな選択は出てこなかったと思うが、今更もう一度再インストールはイヤだ。絶対イヤだ、もう。
 インストール後にacpiをやめる方法はないかと探し回った。しかし、ネットというのは素晴らしい。ここまでの作業でさんざんお世話になったが、またしても僕に暖かい手をさしのべてくれた。デバイスドライバの更新で、ACPIからAPMに戻すことができる、ということを発見したのだ!

 これでどうだ、と指示された通りに設定変更を行い、再立ち上げ。すると、周辺機器のドライバが順番に自動で再インストールされていく。ACPIとAPMとではドライバが異なるのか、この設定を変えると新しいハードウェアとして再度インストールされるのか。それはわからないが、一通りの再インストールが完了し、再立ち上げが行われる。そして、マイコンピュータを見てみた。

 成功!ちゃんとCD−ROMが出てきている!しかしここまでの例もある。いったん電源を落とし、プリンタやいったん外してあったスキャナも全部接続して電源を入れ、その状態で再立ち上げ。そして、CD−ROMを確認。
 ちゃんと出てきていた。そして、イベントログを見ても、もうエラーは表示されていなかった。終わったのだ。すべて、終わったのだよ、これで。

 

 まだまだ続く、細かい作業
 すべて終わった、といっても、細々としたところではまだまだ引っかかった。CD−ROMがちゃんと認識されてから、慎重にCD−R焼き込みソフトをインストールした。CD−R/RWドライブは普通、ディスクのオートRUNをONにしておくとうまく動作しなくなるため、OFFにすることが推奨されている。この設定で、また一くだりあった。

 Windows98では確か、CD−ROMのプロパティとしてどこかの画面で簡単に変更することができた。これが、XPでは見あたらない。CD−ROMのプロパティ画面に「自動再生」というタブがあるのだが、ここでどう設定をしてもインストールディスクを挿入すると自動で立ち上がってしまう。この「自動再生」というのは意味が違うようだ。またまたネットのお世話になる。
 調べると、XPでは画面からの変更は不可能であり、ポリシーエディタというプログラムを起動してそこから変更するようになっていた。この起動はメニューには現れておらず、「ファイル名を指定して実行」から「poledit.exe」を起動させる、そうサイトには書いてあった。しかし、その通りにやっても、ポリシーエディタは出てこない。もう一度ネットで調べるが、どのサイトにも同じように書いてある。
 インストールされていないのかと、WindowsXPのディスクを取り出し、探すが見つからない。どういうことかと、さらに念入りにネットで調べると、理由が判明した。少し予感はしていたが、ポリシーエディタはWindowsXPのProfessionalにしか付いてない、という話。じゃあHomeEditonだとどうすればいいの、ということにもネットはちゃんと答えてくれる。レジストリエディタで変更するのだ。その変更方法もしっかり書いてあるサイトを見て、その通りに設定する。しかし、これまで簡単に設定できていたものが、なんでこんなにわかりづらくなってしまったんだろう。だいたい、普通のユーザーはポリシーエディタやレジストリエディタを使うなんてことないだろうに。

 次に引っかかったのが、ネットワークでのファイル共有である。僕の持っている2台のノートPCのうち、去年買ったWindows2000の方とは、2000側にユーザを設定することで問題なくつながり、双方からのアクセスが可能となった。しかしもう1台の古い方はWindows95。これがつながらない。
 どちらのマシンからも、お互いが見えない。pingコマンドはどちらもOKだが、そこから先がどうしてもうまくいかない。ワークグループ名やマシン名、IPアドレスなどを確認するが、問題はない。結局これも、ネットのお世話になる。

 調べてみると、XPを古いマシンのあるネットワークにつなぐ時には注意が必要、という情報が出てきた。特にWindows95に注意、とある。おお、まさに今のこの状況だ!さらに見てみる。
 Windows95ではファイル共有をNetBEUIという技術で行っているが、XPではこれをサポートしていない。これがうまくいかない原因であるらしい。95のネットワーク−NetBEUIのプロパティでファイル共有のバインドを外し、TCP/IP側でバインドさせる。理論的にはこれでうまくいくはず、と思ったが駄目。この設定だと95からはネットワークを検索にさえいかなくなってしまう。
 もう、思い余ってWindows98に入れ替えようかとさえ考えた。が、まだ残った手段はあった。XP側に無理矢理NetBEUIをインストールする、という方法。XPのディスクには非常時用にNetBEUIが収められていて、これを手動でインストールするのだ。さあ、どうか、とネットワークを検索。出てきた!マシン名が表示され、ファイル交換が可能になった。

 

 インストール後に思うこと
 こうしてWindowsXPインストールの主要な作業はほぼ終わりを告げた。結局、望んだような安定した環境が得られたか。まだちゃんと稼働を始めて一週間も経っていないのでなんともいえないが、今のところフリーズしたようなことはない。が、アプリケーションの終了時などに、10秒間ほど全く反応を示さなくなることがある。復帰してくれるからいいのだが。

 ユーザインタフェース的には以前のWindowsと大差はない。コントロールパネルのごちゃごちゃした感じがもう少しなんとかならないかなと思う。いろんなプロパティがいろんな所に散在していて、画面のこのタブを開いてさらにボタンを押して……等々というのが何とも。特に、NT系の「コンピュータの管理」と9x系の「システムのプロパティ」は意味合いが似ているので是非統合して欲しいところ。

 デザイン的には目新しいのもあって、結構気に入っている。優しい感じのアイコン類も好きだし、デフォルトの草原の壁紙も綺麗なのでそのまま使っている。インストール時にシステムドライブに作られるフォルダが3つだけ、というのも嬉しい。これまではやたらとたくさんのフォルダがごちゃごちゃ出来てしまい、鬱陶しかったものだ。
 ただ、スタートメニューは「クラシック」を選択し、Windows98と同じデザインにしてある。あの2列に並ぶでぶでぶのメニューがどうしても我慢ならなかったのだ。コントロールパネルを開きたいのに、途中でマウスカーソルが当たってプログラムの一覧が開いてしまったりする。よく使うプログラムへのショートカットが表示されることやデザイン的にはいいと思うが、やっぱりあれは嫌だ。

 他に弊害としては、電源管理をACPIからAPMに変えたことで、電源が自動で切れなくなったこと。OSの終了をしたあと、電源ボタンを押さなくてはいけない。そしてこれはXPのせいではないが、途中のプロセスでBIOSのアップデートをした際、CPUのクロックの設定が違ってしまったこと。使っているのはPentiumV500MHzで、これまでは100MHz×5倍として使っていた。この倍数がなぜか、3.5倍か5.5倍しか選択できない。3.5だと350MHzになってもったいない。5.5倍だとオーバーしてしまい、たぶん動くとは思うが心配だ。結局今は3.5倍で使っている。システムのプロパティで見ると501MHzと表示はされているが、実際はどうなのか、まだちゃんと測定はしていない。
 さらに、このマザーボードはCPUのベースクロックとメモリーのベースクロックを別々に設定できるのが売りだった。そこでCPUは100MHz、メモリはPC133規格で133MHzに設定して使っていた。これもBIOSのアップデート後に出来なくなってしまった。というか、設定の意味がよくわからず、デフォルトのままで放ってある。

 

 最後に
 また長々と書いてしまった。同じように悩む方々やこれからXPを導入しようという方に、少しでも参考になればいいのだが。

 今回の作業で思ったのは、パソコンというのは、正にダマシダマシ使っているのだなあ、ということ。OSはもう、人が判断したり対処したりするにはあまりにも巨大になり過ぎてしまった。全体像を正確に把握している人など、マイクロソフトにさえ存在しないだろう。何かが起きた時に対症療法的にいろいろ試してみて、何とか解決策を見引き出す、ということでしか、もう対処できなくなっているのだ。
 コンピュータの不具合など、きっとほとんどの場合、デジタル的な明確な原因があるはずだ。それを、プログラムや周辺機器の”相性が悪い”などとかたづけるのは、人間が正しい対策を講じるのをあきらめた証拠であろう。

 もう一つ思ったこと。それは、インターネットのありがたさである。今回僕はネットの助けを借りなければ、作業の途中で頓挫せざるを得なかった。つまずくたびにネットを検索すると、必ず何らかの答えが返ってくる。この圧倒的な威力には改めて感心させられた。僕はもう、新聞を取るのもやめてしまったし、ホテルやチケットの予約などもネットが大半を占めるようになった。一般的にはどうかわからないが、僕にはもうネットは生活手段の一部であり、手放すことはできない。

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