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SLOW DOWN

Kei Kitamura

人を傷つけて手に入れた物の全てが

俺には無価値なものに見える

 離れてもう何年になる?


 一人で歩いて行けると、繋いだ手を離したのはオレ。


 それでも……


 夢は諦めきれなくて。

 想いも断ち切れなくて。


 胸の奥深く。傷がドロリと膿んでいる。





 狭い船の中で何度も抱き合った熱を、互いの息づかいを、噎せ返るような空気の中で、手の中に有るのはただ身体だけ。
 何度も何度も、身体だけを繋げた。



 あんなに深く混ざり合ったと思っていたのに、身体は二つに裂けて。






 今でも夢に見る。



 胸に付いた大きな傷とか

 両足の縫い目とか


 息が止まるかと思う程の眼差しとか


 たとえば、空が青かったり海が青かったり、そんな些細な事で甦る記憶。

 夢追い人の船は、まっすぐ前を見据えて進む。笑ったり怒ったり喧嘩したり。
 酒を飲み交わし、うっとりと夢を語るそんな穏やかな時間すら、全てが今は彼方にある。





 たくさんの人を物を、踏み台に生きてきた。


 今、オレは幸せか…?





 ああ…






 でも……






そうさまたお前に会える それだけで幸せに

いつかまたお前に逢えば 全て忘れさせてくれる

2002/11/6UP




ちょっと。ワタシがオールブルー…(爆)
Kei