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優しい狂気

Kei Kitamura

天使よりも綺麗な悪魔の微笑
今夜そっと浮かべて夢に溺れて イタイ




 白いシーツに投げ出された、其の白に紛れるほどの白い肢体。しっとりと汗ばんだ肌に這わせた手が感触を楽しむように蠢く。
 唇から漏れ聞こえるのは甘い吐息。
「…はぁ…ん…んっ…もっとぉ…」
 奔放に痴態を演じる淫らな身体。
「なぁ…ゾロォ…あっ…ん」
 素直に首に回される白い細い腕がもっと深く己の中に入れと促す。肩に掛けられたすらりと伸びた足と腰から折られた柔軟な身体。


 昼間の顔と夜の顔。

 どちらも愛おしいと、思う。


 艶めいた息を吐く唇に自分の其れを押しつけ、深く貪る。白い躯が仄かに淫靡な色に染まる。
「…サンジ」
「ぁ…は…ぁ…んっ、ゾ、ロ…」
 腰は緩やかに円を描くように動き、接合部分からは湿った音が絶え間なく聞こえる。宙に浮いた足が時折ビクビクと跳ねるのは、与えられる快楽の為。
「サンジ…イイか…?」
「あ…ゾロォ…気持ちイイ…ゃあんっ…気持ち、イイよぉ…」
 波打つシーツに溺れる。胸の飾りは赤く色づき、触れられるのを待ちかまえている。そっと唇を寄せ歯を立てると、面白いように身体が跳ねる。
「ひゃっ!ああんっ!あ、あっ…」
 舌で転がし時折歯を立て、思うままに赤い実を味わう。甘い…果実のようだ。
 指が背に傷痕を残していく。


 溺れている。

 この狂気の様な夜に、溺れて息も出来ない。


「アッ!もぉっ!…ゾ、ロッ…」
「イクか…?」
 ガクガクと頷き、歓喜の涙を零す碧い瞳。感極まり仰け反った首筋に、キツく吸い付き、紅い華を咲かせる。
「ゃぁっ…イクッ!あっあっ、あああああぁぁっっ!」
「っう…」
 絶頂は同時に訪れ、痙攣するように震える互いの身体。

 零れ落ちた涙を舌で拭い、そのまま頬を伝って目元に口づける。顔中にキスの雨を降らせ、汗に濡れた金の髪を梳くように撫でてやる。
「…ぁ…ん…ゾロ…」
 名を呼ばれ、額を付けたまま目を合わせる。潤んだ碧い瞳と赤く染まった目元が壮絶な色香を醸し出し、中に入ったままのモノが再び熱を帯びる。
「は…ぁ…まだ…スルの……?」
 兆しを見せた内部のモノに、敏感になった身体が否応なしに反応する。困ったような、子供のような顔で尋ねられ、その顔にまでそそられる。
「嫌か?キツイなら…」
 最後まで言い終わらない内に唇を塞がれた。
「イヤ…じゃない…。オレが欲しい…?」
 唇を離すと、首を傾げ覗き込むように問いかけてくる。


 ああ…奪われているのは、俺。

 囚われているのは、俺…。


「ああ。お前が欲しい」


 嬉しそうに微笑むお前に…

 抱かれているのは、俺だ……



夜の棘が刺さり 甘い罪を犯す
優しい狂気に抱かれ
嗤いが止まらない



*kei*
ちょっと滾ったようです(爆)
underでもいいかな〜と思ったんですけど、人格が違〜う!!と思ってunderの更にunderに隠します。
でもヌルイですね。ワタシのエロなんて、これくらいが限界なのかもねぇ…。