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社内恋愛

Kei Kitamura

*設定*

「は…ぁ…あっ…んっ……」
「バカ、声出すな」
「ん…るせ…んぁ…」
 資料室の片隅には熱気が渦巻き、湿った水音が響いていた。
 残業の合間、社内での逢い引きは、誰が来るか分からない資料室で時々行われていた。
「…だ、いたい…んなトコで盛んな、…っ…よ…」
「最近家に帰れねぇんだから、しょーがねぇだ、ろっ…」
 ここ数日、ゾロはシステムの立ち上げ準備で殆ど家に帰っていない。忙しい時期の予想が付きにくいSEの仕事はここ数年一緒に暮らしているので理解している。しかしここ一月くらいは、毎日午前様で土日も出勤が続いていて、サンジとゾロが顔を合わせるのは朝食の時と会社で擦れ違うくらいだった。せっかく二人暮らしを始めたというのに、新居は殆ど寝るだけの場所になっている。
 ゾロに立ったまま後ろから挿入され揺さぶられているサンジは、朦朧とした頭の中で何日ぶりだろう…と指を折り数えた。
「ん…んぅ……」
 くちゅくちゅと下肢から聞こえてくる接合部分から漏れる音に、サンジはきつく目を閉じ、快感の波をやり過ごそうと深く息を吐く。埋め込まれたゾロの熱棒がサンジの秘所を無遠慮に掻き乱し、根本までねじ込んでは抜けるギリギリまで引き抜く動きを何度も繰り返していた。
 資料室の棚に手を突いたサンジの手が細かく震えている。頬に触れる棚の冷たさが心地よいのか、何度も擦り付けている仕草に、煽られる。久し振りに触れるサンジの吸い付くように滑らかな肌に手を這わせた。
「んっ…も…イクっ…」
「ああ…とりあえずイケ…」
 肌を撫でさすっていた手を下肢に伸ばし、勃ち上がりビクビクと震えていたサンジの熱棒に指を絡めようとして手を止めた。

(…っとヤベェな…)

 ここが社内であることを思い出したゾロは、ポケットを探り、いつもサンジが詰め込んでいるハンカチを取り出した。濡れそぼったサンジの先端部にハンカチを被せ、強めに扱く。
「んっ!んんっ…う…ぁ−−−……」
 サンジの身体が激しく震え、ハンカチの中に白濁を零した。達した瞬間にゾロを銜え込んでいた秘所がぎゅっと絞られる。
「っく……」
 締め付けられる痛みを快感に擦り変えようと、まだ荒い息を吐くサンジの腰を掴み引き寄せ根本まで挿入させた。
「はあっ…は、ぁ…っや…ま、だっ…待っ……くぅ…んっ」
 微動を繰り返す内壁を擦り上げては腰を回し捏ね回す。達した後で敏感になっているサンジの身体は、喜んでゾロの楔を受け入れ、腰を揺らした。
 社内で、いつ誰が入ってくるかも分からないような場所で行っているセックスに、背徳感と恍惚感がない交ぜになり、サンジの全身に疼痛が走る。仕事仕事で帰ってこない日が続いていたので、久し振りの行為というのも、サンジを燃え上がらせる要因になっていた。
「は…ぅ…うっ…んっ…ん…」
「中に…出したら、マズイ、か……」
「…ったり前だっ……ぁ…」
 声を噛み殺している為、掠れているサンジの声。
「ひ…っ…んぅ……」
 あと一歩で達しそうな欲望を引き抜くと、ドロリと糸を引いた先走りの液がサンジのはだけた太股に貼り付いた。
 サンジの身体をひっくり返し、後頭部に手を回し下を向かせる。
「んじゃ、コレ何とかしてくれ…」
「っ!……クソッ…テメェで、抜…けっ」
「んなこと言ったって…せっかくお前がいるのに、俺に自分で抜けって?」
 お前はどうするんだ、と達した後に後孔を責め立てられたせいで再び滾ったサンジの熱棒をゾロの手がギュッと掴んだ。
「あっ!っ…く…」
「スーツのズボンが汚れるだろ…」
 ゆるゆると扱かれて、サンジの膝が落ちた。ゾロの今にも達しそうな肉棒がサンジの目の前に突き付けられ、諦めたようにゆっくりと手を伸ばす。前をくつろげただけのゾロの股間に顔を近づけ、先端の割れ目に舌を這わせた。
「くっ……」
「ぅ…ふっ……やく…イケ、よ…?」
「っ…お前次第だ、な……」
 サンジの髪に指を差し入れ、サラサラとした感触を楽しむ。
 口を開き横から幹を吸い上げ、ヌラヌラと舌で浮き出た血管を辿る。ビクビク震える熱棒を愛おしげに舐め上げるサンジの表情が、扇情的に見えた。上から覆い被さるように喉の奥まで銜え込むと、ズルリと引き抜きながら舌を這わせる。何度も注送を繰り返す内、サンジの口腔内に零れた液が舌に絡み、くちゅくちゅと妖しげな音を立て始めた。
 サンジの髪を梳いていた指が強く頭を掴み、ぐっと股間に押しつける。
「んんっんーっっ…」
「出す、ぜっ…」
 頭を押さえ腰を揺らし、サンジの口腔を荒々しく犯す。
 射精感が腰を這い回り、ゾロは深く押し込めたサンジの口腔内に、熱い奔流を流し込んだ。
「く、うっ……」
 ドクドクと数回に分けて吐き出される精液を含みきれず、口の端からこぼれ落ちる。
「んくっ……ふぅんっ…んんん−−…」
「わり…ィ……」
 サンジの口から引き抜き、跪いたサンジの前に膝を着いた。苦しげに顰められるサンジの身体がガクガクと震え崩れ落ちそうになるのを、ゾロの腕が受け止める。
 喉の奥に叩きつけられた白濁を飲み干しながら、サンジも己の欲望を自分の手の中に放っていた。
「ああ…」
 サンジの手に溢れた精液を、先程拭ったハンカチで拭き取ってやる。
 社内でセックスに及んでしまうくらいに、お互いに溜まっていたということで、ゾロはさすがに苦笑いを漏らした。





 暫く息を整えていたサンジの髪をゾロが優しく梳いていた。
「カットオーバー後は、今度はクレーム処理に追われるかもしんねぇ」
「ん……」
「まだ暫く帰り遅くなるわ…すまねぇ」
「しょ、がねぇ……ダロ。仕事なんだし…」
「後数日間だ。来週には纏めて休み取るからよ」
 機嫌を取るようなゾロの言葉に、サンジは笑う。
 休みを取ったところで、サンジは出勤してるので変わらないだろうと、笑いながらゾロに告げると、言われて気付いたようで、バツの悪い表情で頭を掻いた。
「土日は休めるようになんだろ?」
「ああ……」
「夏用のカーテン買いに、一緒に行こうぜ」
「そうだな」
「ちっとも物が増えねぇよ、あの部屋。一人で住んでるみてぇ…。せっかく広い部屋に越したってゆーのによ」
「そうだな」


 休みの予定をしっかり『約束』させられて、ゾロは仕事に戻った。
 ゾロは今日もまた帰れないのだろう。
 身支度を終えたサンジをエレベーターまで送ると、ニッと笑ってキスをした。

 サンジは一人、帰らないゾロの帰りを待つのだろう。
 それでも、会えない訳ではない。
 満たされた身体と心。



 二人の恋愛はまだ始まったばかり。

Dear 上田点様v

2002/6/6UP



社内恋愛です…。
うわわ〜…エロなので、何処がオフィスラブなのだと言われてしまいますねっ(汗)
良かったでしょうか、こんなものでっ…。
社内恋愛パラレルで、始まりとか一緒に住むまでとか色々書きたいです(^-^)

*kei*