ドイツ日記。

序文

あれからもう一年が経ってしまったと言うことに衝撃を覚える。すっかりドイツ語も忘れてしまった。記憶ももう定かではなくなりつつあるが、日記を読むと思い出すところもある。この日記はわたしのドイツ滞在中の日記のうちの、二週間旅行の部分を抜き出してきたものである。いまさら、という感も無いではないが、旅会ホームページの惨状から言って価値が無いともいえないだろう。

24/05/00(水)

旅に出る。朝8:43分のLouis Spour号(特急の名前)に乗って一路フランクフルトへ。ちなみにSpourは作曲家らしい。

フランクフルトでは美術館、中心街、それに旧市街を見て回る。映画博物館にも行ってきました。美術館ではモネとかルノワールとかを見た。あと素描の特別展示があって、レンブラントやルーベンスのそれを見る。
旧市街というのは「昔ながらの」フランクフルトが残っているという、めちゃめちゃ胡散臭いゾーンである。再建色濃厚。
フランクフルトの中心を通るカイザー通り(治安が悪く、いかがわしいことで有名)は、思ったより普通だったが、まあ昼間だったこともその理由の一つだろう。それでもセックスショップとかは他より多かった。
しかし、この町でわたしが目にしたもので、もっともすばらしかった物は、映画博物館でも、レンブラントでもなく、ただのスーパーマーケットの「マークス&スペンサー」であった。M&Sは、イギリスを本拠地とする高級(?)スーパーである。イギリス時代は良く見たものだったが、実に八年ぶりの再会であった。サンドイッチを食べて涙する。
M&Sを去った後は、市街をぐるぐると回る。フランクフルトは英語人が多いのが印象的だった。国際都市ですね。うどん屋もあるし。

この後エヴェリーンさんに会うためにフランクフルトHbfのマクドナルドに行く。エヴェリーンと言う人はヨハネス(ステイ先の人)の友達で、フランクフルトに宿を取れなかった私を泊めてくださるというのです。無事会えたので、車に乗って彼女の家に。
彼女の家は郊外にあった。しかし、彼女の家に行って最初に目にしたものが「サイババの写真」だったというあたり、この旅の行く末を暗示していました。
僕が泊まらしていただいた部屋は、彼女のメディタチオン部屋で、部屋の隅には怪しい祭壇とサイババの写真が飾られており、部屋自体奇妙な匂いに包まれていました。。。恐らく僕は史上最初のそして最後の、サイババと寝た留学生として名を武蔵高校に残すことになるでしょう。

この夜は何事も無く過ぎました。

25/05/00(木)

二日目、エヴェリーンさんに別れを告げると、朝早く出発し、電車でマインツへ。ここは大きな教会(Dom)とシャガールの窓(?)と、技師のじいさんで有名なところ。技師のじいさんは「ミレニアムの人」らしくて、彼の偉業をたたえるものがいたるところにありました。
ここからコブレンツまでライン川下り。道中ブラジル人旅行者二人と一緒になる。彼女らはもう二ヶ月もヨーロッパ旅行しているという強者だ。あんまり天気が良くなくて寒い。
途中の停泊地で日本人団体が乗ってくる。いるんですなあ、本当に。ご年配の方ばかりで、そのあたりもイメージ通り。日本語で普通に話し掛けてきたので、日本語わからない振りをして困らせて遊ぶ。
途中観光ポイントに差し掛かると日本人が皆それにカメラを向ける。それにカメラを向けて写真にとって遊ぶ。
ローレライを過ぎると、日本人は消え、かわりに英国人の子供達がたくさん乗ってきた。ポケモン談義をして船内をうろちょろし、非常にうざかったです。
ブラジリアン達は、なにやら日記でも書いていたようでしたが、そのうちの一人は何故か文字を縦書きにしていました。しかもポルトガル語ですから下から上に向かって。
コブレンツからボンまでは電車、そこからはバスでユースまで行く。
ユースでは二人と同室。うち一人はマーティンという名のおっさん。この時期のドイツのユースはオヤジばかりで困る。

26/05/00(金)

朝起きたら、マーティンが太極拳をしていた。

今日はケルンへ。駅舎がかっこいい街だ。Hbf(中心駅)から降りるとすぐ、大聖堂。とりあえずでかい。こんなの作ってる暇があったら、是非貧者に分け与えるべきだ。
お決まりの名所を見た後は街を散策。その印象といえば「ケルンは芸術の街」というもの。画廊やられコード屋やらなんやらがたくさんある。面白いのはレコードやに必ず「ケルン音楽」のコーナーがあること。ミュンヘンにはもちろんそんなコーナーはない。
ここでケルン音響派最重要レーベルであるSONIGレーベルの本拠地を見学に行く。近くにレコード屋があったりして、楽しいところ。
ケルンの街はいくら歩いても飽きが来ない素晴らしい街だ。すごい文化的でミュンヘンとはぜんぜん違う。本当に良いところです。しかし歩きすぎて足が痛い。

ここでもM&S発見。涙す。

ユースに帰ると、英国人の少年がたくさんいて、ユースが占拠されていた。何故か彼らに写真をとられる(謎)。アメリカ人ジェフ(すごいアメリカ人っぽい名前だよね)に会う。何故かドイツ語で会話を交わす。「どこから来たんだい?」「日本です。あなたは?」「アメリカさ。」「。。。あのー、一応英語喋れますよ。」「え、そうなの。。。」

夜遅く、部屋に闖入者が。睡眠を妨害される。

27/05/00(土)

今日はハンブルグに移る日。
昨日の睡眠妨害さんは、オーストラリア人で、デュッセルドルフのメッセに行くんだそうだ。ていうか出展会社の社長かなんからしい。
朝食のダージリンティーがクソ不味くてブルーな気分に。

ICでハンブルグへ。
ハンブルグ駅もなかなか味のあるつくり。駅の新聞屋さんで森首相(当時)が神の国発言をしたというニュースを知る。しかし人々の発音がぜんぜん南と違うのは驚きであった。とりあえず、今日は州立美術館に行く。クレー展。金の魚を見る。しかし、Honore Daumierのマタドール像はどこ行ってもあるな。ルノワールは良い。
この後宿へ。遠い。町の中心部から電車とバスを乗り継いでいかなければならない。しかもバス停降りるところを間違えてかなり歩くはめに。三駅先が最寄だったのに。。。ようやくたどり着いたユースでは六人部屋に一人で宿泊。さぶい。洗面所が二つあるんだが。。。

あと、ドイツではズボンのすそをあげてくるぶしと足首を見せるのがブームらしい。日本でも流行ってますね。