ほかにもいっぱいあったなぁ。忘れちゃったけど。

息子2歳のとき  

湯船につかり、湯の中の手の平をみつめて何度もにぎにぎしている。
しばらくしてからぽつっと言った。
「ママ、手がふたっつある」

お風呂でからだを洗いながらくるぶしをさわり
「ここにね、骨が入ってる」

鏡にむかい、いつまでも無言で口をあうあうしている。
「ママ、歯が踊ってるよ。でもね、下の歯しか踊らないの。上の歯は踊らない。」
いつまでもいつまでもいつまでも、鏡にむかい、歯の踊りに見入っていた。

息子5歳のとき

「ねぇママ、○川さん(作家の○川健一さん)ってお兄さんだったんでしょ?」
って言った。突然だったから一瞬、意味わからなかったんだけど
私「うん。そうだよ。その前はね、赤ちゃんだったんだよぉ」と答えた。
▲△(息子)はちょっと不可解な顔して、それからすごく楽しそうに歌うようにしゃべりはじめた。
▲△「ちがうよー、○川さんね、その前はこども! その前が赤ちゃん! その前はおなかの中! その前は神様! 神様の前はなーい! じゃなかった。神様の前は雲! 雲の前は空! 空の前は宇宙! 宇宙の前は星! 星の前は月! 月の前はなーい! えっと、月の前? あ、ぜんぶー! 月の前はぜんぶだったんだよ!」
私「じゃ、▲△は? ▲△は赤ちゃんの前、どうだったの?」
▲△「同じだよ。赤ちゃんの前はお腹の中、その前は神様だよ。」
私「ママは?」
▲△「同じー!」
私「お姉ちゃんは?」
▲△「同じー!」
私「jj(パパ)は?」
▲△「同じー! みんなそうだよ。ママしらないのー?」
私「じゃ、鳥とかは? 鳥も同じ?」
▲△「鳥は卵だよ」
私「卵の前は?」
▲△「ない! 虫もないよ。虫は体の中からっぽだもん。卵の前はない! 牛や馬は▲△とかと同じだよ。▲△ね、わかることもあるけど、わからないこともあるよ。それはねー、木。木の前は種でしょ? その前がわからないの・・・」

彼は箸を持ったまま、焦点の合わない目でしばらく、物思いにふけってました。

私、無宗教だし、神様について何かふきこんだつもりないから、
きっと、▲△の中から自然にでてきた言葉なんだろうなぁ。
なんだか感動して密かにメモってしまいました。

息子6才のとき

新聞に載っていた北海道の噴火の写真をみて
山が全部爆発しちゃったら、どうする? 
みたいな話を息子がはじめ、お姉ちゃんと二人で話しているのを聞いていた。

「▲△は平気だよ。▲△とママと○×(娘)ちゃんとjj(パパ)と……。」延々と知っているたくさんの人の名前を挙げて
「みーんなで地球から逃げちゃうもん。それで、爆発終わったらすぐ帰ってくるんだ。」

「地球の山が全ー部爆発しちゃったら、そんなにすぐに住めるようにならないよ」
とお姉ちゃんににつっこまれた。

「平気だよ。▲△すぐ戻ってくるもん。恐竜が全部死んだらみんなですぐに戻ってくるんだもん。」

「そんなの無理だよ。どうやって地球から逃げるの?」とさらにつっこむ姉に

「いーのー! 恐竜死んだらすぐ帰ってくるの!」


▲△の中では過去の話になっている? 恐竜?▲△は、恐竜についての知識は、あまりもっていない。
ゴジラなんかの怪獣との違いもよくわかっていない。過去の地球を歩いていたってことは辛うじて知っているのかな。そんな▲△から出てきた恐竜のこと。噴火と恐竜。地球の過去。
もしかしたら▲△は、無意識の記憶を話しているのかもしれない。

こういう話は、大切にとっておきたいから、息子に確かめることはしない。詳しく話させようとは、思わない。たくさんの言葉を覚え、それにもかかわらず無意識と有意識の違いが明確になっていない息子が、
何かを言葉にして説明しようとしたとたん、すべてが意識の世界になってしまう。一度意識の世界の言葉になってしまうと、息子の中の無意識の世界は、言葉に隠れてみえなくなってしまうように思う。だから、息子が考えこまずに、歌うようにしてなめらかにこぼれてきた言葉だけを
密かにそっとすくいあげておくよ。
大切に、ね。