児童書の世界へ

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大人へのプレゼントに最適!
幼児から
おれは歌だ おれはここを歩く―アメリカ・インディアンの詩
訳/金関寿夫 絵/秋野亥左牟(福音館書店)
 「言霊」という言葉があるように、言葉には魂が宿り、人が口にした言葉は、不思議なことにこの世の中を変えていく力をもっているらしい。幼いこども達は、この絵本にある力ある絵と言葉をむしゃむしゃと食べ、消化し、この世の中にまた不思議な魔法の言葉を放つに違いない。すっかり疲れている大人たちは、この絵本の力ある絵と言葉に目覚め、新たに生きる力を見いだすに違いない。(2006.11)

家の常備絵本!
中学生から
影との戦い―ゲド戦記 1 (ゲド戦記6冊セット
作/アーシュラ・K・ル=グウィン
 SF作家であるル=グウィンの児童向けファンタジー。竜は、太古の言葉を語るものとして登場する。読むたびに、胸に響く場所が異なる奥深い本。1巻、3巻では魔法使いゲドやゲドの師匠オジオンの名セリフが要所要所で語られる。それらの言葉により人生を見つめ直した読者がどれだけいることだろう。2巻、4巻、5巻はル=グウィン自身の永遠のテーマであろう性の問題が大きなテーマとなる。女性であること、男性であることの意味、女性としての生き方、女性であることの喜びと苦しみがテナーの体験によって語られる。さらに、4巻で女性として登場する幼いテルーによって物語は新たな展開をみせ、5巻にて性を超えたところに物語は完結する。全体を通してみると、3巻までは児童書として捉えることもできるが、それ以降はせめて思春期以降でないと理解することは難しいと思われる。

気が向いたときにいつでも読めるように家においておきたい本である。

現在5巻+外伝の6冊出ている。かつて、3巻「さいはての島へ」で終わりと思われていたゲド戦記も、18年後に4巻「帰還」が出版され、これでまた終わりと思われていたところ、さらに11年後の2005年になって5巻「アースシーの風」が出版された。さすがにこれで完結だろうと思われるが、まさか6巻目が出版されたりしないだろうかと、ほんの少しだけ期待している。作者のル=グウィン女史は90歳のご高齢となられたけれど、まだまだ活躍中です。(2006.6)

家の常備絵本!
幼児(4歳頃)から
だじゃれすいぞくかん
作・中川ひろたか(絵本館)
 サンシャイン国際水族館に行ったとき、壁面にあっただじゃれにこども達と大笑いし、魚を見ながらぎゃぐを連発していました。そのあとに、水族館のお土産屋さんでこの本を発見して大喜び。水族館の壁面にあっただじゃれは、この本のページを拡大したものだったのでした。この本を手にして一番に思ったのが、おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントしたいなぁ...ということ。とってもくだらないかもしれないけれど、とってもおかしくて、ただただ何も考えずに笑えます。一家に一冊、必需品。「だじゃれどうぶつえん」「だじゃれしょくぶつえん」もあるそうで、あぁ、これも早く手にしてみタイです。ことばを操れるようになったこども達から、ことばにふりまわされて疲れている大人達まで、みんなで思いっきり力を抜いて、ことばを楽しみましょう。(2006.8)

幼児(4歳頃)から
あいうえおのき―ちからをあわせたもじたちのはなし
レオ・レオニ 訳・谷川俊太郎好学社
 言葉のもつプラス方向の大きな力「意志を伝える」

幼児(4歳頃)から
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし
レオ・レオニ 訳・谷川俊太郎好学社
 詩人は言葉によって、光や色を人の心に灯すことができるんだね。

いぬのマーサとひみつのスープ
作・スーザン・メドー(フレーベル館)
見えない物で、大切なものがあるよ

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