ぼくは王さま
作/寺村輝夫 絵/和田誠(理論社)
 このシリーズは私が子どもの頃に好きだったため、リクエストして借りてきてもらいました。絵本版はこども達によく読んであげていたのですが、私が幼い頃に読んだものとはなにか違う気がしていました。これを読んで納得。やはり絵本版ではなく、この「ぼくは王さま」こそが、私の好きだった王さまシリーズです。王さまはわがままで嘘もつくけれど、素直で心優しいのです。純粋なこどもの姿をよく捉えているなぁと思います。(2002.11)

ズッコケ・マル秘大作戦
作/那須正幹(ポプラ社)
 ズッコケ三人組の花山小学校に、謎の転校生がやってきます。その少女はあっという間にクラスの人気者になりますが、彼女をめぐり、様々な事件が起こります。三人は真相を知るべく調べ始めるのですが...。
 ある人が嘘をつかなくてはならなくなった背景を知ったとき、人は嘘を許すことができるかもしれません。しかし、嘘をつく人はその背景を知られたくないから嘘をつく。人はその背景を知らないがために嘘を許すことができない。嘘をめぐる悲しい悪循環は、どこかで絶ちたいものです。(2006.12)

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