新しい職場は、通勤に2時間近くかかると言ったら
それって時間の無駄じゃない?
と言われた。びっくりした。
無駄…か。そうだね。そういう考えもあったね。
でもね、私は、その無駄と言われた時を、とても楽しみにしているよ。その時を迎え入れることが、すごく嬉しいよ。子育てをしていて私が一番つらかったのは、
24時間、片時も自分のスピードでの思考が許されないことだった。きっと、子供たちだってそう。一人きりで24時間子供の全責任を負うのは、やっぱり不自然なことだと思うよ。
親も子も軟禁状態。それは親にも子にもきついよ。
やわらかな感情はあっちこっちにふくらみ、とがり、ぶつかりあい、とけあい、調和していくものだから、
親子の小さな空間だけじゃ処理しきれない感情が、行き場を失って、いつか暴発してしまうよ。
できるだけ大きな空間に、すべての人たちの感情を分散させると、
いろんなことが気持ちよくいくんだけどな。私は、長い長い通勤の時に、何を考えるともなくぼんやりしながら、行き場のなかった感情をすべて混沌に戻しているんだと思うよ。それは、私が私として調和しているためには、とっても大切なことなんだと思う。
通勤の2時間、大切な時間だよ。
モモ R
作/ミヒャエル・エンデ 訳/大島かおり (岩波書店) |
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語---おわり、そして新しいはじまり---
風邪のため家で一人留守番をしていた(小3)息子のために、我が家の書庫(?)から引っぱり出されてきました。十数年前に買ったもので未だ売られずにいる希有な本です。娘は数年前にすでに読了。 |
音楽も入れて読んだらおもしろそう。家に楽器があったらなぁ。
音楽=ヴィルフリート・ヒラー