一本のナツメヤシ

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僕には僕の国がない

僕は一生旅人なんだ

砂漠に影を落とす一本のナツメヤシのように

僕はアッラーの言葉をたくさんの人々に伝えたい

僕は神父になる

一本のナツメヤシは村をひとつ潤すことができるんだ


僕には僕の国がない

戻る所は 僕自身だけ

君は豊かな国をもっている

自らの国で働き お金を稼ぐことができる

そして そのお金で旅をすることができる

君はそのことをどう思うかい?

僕の写真 撮っておいてくれないかな

サハラ砂漠の真ん中にあるオアシス、タマンラセットからアラク、赤い砂のインサラーを経て美しい丘の街ガルダイアまで3日間、乗り合いトラックに同乗していた青年アブラハムのことば。彼は赤道直下の国から、北欧へ勉学のために向かう途中でした。荷物は、飲料水を入れたポリタンクと小さなショルダーバックのみ。6カ国語を流ちょうに使い分ける彼。育った国の誰もが複数の言葉を話すと言う。日本人の私は、日本語しか話せません。日本はずっと日本でしたから…
1987.3.5 インサラーにて(アルジェリア)