児童書の世界へ

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自立

小学生(中学年)から
ベンガル虎の少年は...... E
作/斉藤洋 絵/伊東寛(あかね書房)
 少年には名前がまだない。ベンガル虎の風習で、少年は名前をもらう前に長い旅に出なければならない。その旅で、少年は異国の様々な考え方、物事のとらえ方に出会います。上で紹介した『なん者ひなた丸...』と同様で、少年が狭い世界から一歩外へ踏み出し、それまでの常識とは違う世界を知る様子を描いています。(2003.02)

中学生から
クラバート
作/プロイスラー カット/ヘルウェルト=ホルツィング 訳/中村浩三(偕成社)
 偶然にも、重たい空気に包まれた精神科の待合室で読むというなんともすさまじい読み方をしてしまった本です。これはドイツとポーランドにまたがる地方に伝わるクラバート伝説をもとにした小説だとのことですが、ここまで重たい話が伝えられたというからには、暗くて寒い冬の長い生活に厳しい地域なのでしょう。娘はなんだか怖そうと、手に取っただけで本を置きました。
 これは児童書コーナーにあったので児童向けとして書かれたのでしょうが、何歳ぐらいを対称にしているのでしょう。私が子どもだったなら、娘と同様、これを手にとることはないでしょう。私にとっては、やはり今読むのがちょうどよかったのだと思います。
 ふと考えると、この本の対称となるであろう思春期以降には私が本と触れなかった時期がぽっかりとあるのです。恋・クラブ活動、友達とのおつきあい、そういった現実の生活の方がよっぽど刺激的でしたし、机にむかうとすれば受験勉強で精一杯でしたものね。(2002.12)

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